るるばーさんの映画レビュー・感想・評価

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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

恋愛映画だけど簡単に恋愛映画と言ってしまいたくはないような。愛してる、好きというよりは人が人を大切に思うということを丁寧に描いたとても上質な映画でした。ノラとヘソンの思い、それを理解したうえで受け止め>>続きを読む

FEAST -狂宴-(2022年製作の映画)

3.9

裕福な加害者家族が貧しい被害者家族を雇う共同生活。加害者が赦しを乞うてはいるものの裕福な加害者家族はどこまでも裕福に被害者妻の作った宴のご馳走を貪り食う。全体的に音楽も映像も幸せなのですがなんだか不気>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.8

DV、ヤングケアラー、トランスジェンダー、重い要素が詰め込まれていてかなり苦しかったけど小さな希望を残してくれる映画でした。夜明けの空が美しかった。少年ときなこの心が美しいもので満たされますように。>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.3

ミステリーというよりは圧倒的な法廷劇。法廷という場で作家夫婦が均衡を保てなくなっていくさまがつまびらかにされていくのが苦しかった。子供がそれを知らなくてはならないというのも苦しいね。裁判が終わった後に>>続きを読む

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.5

昨日の『Here』に続き『ゴースト・トロピック』も観てきました。こちらもすごくよかった。労働後、電車で寝過ごして終点まで行ってしまった掃除婦の女性。彼女を静寂と美しい光と鳥のさえずりで包み込む監督のや>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

4.2

ゆっくりと静かな時が流れる映画。Q&Aで監督もおっしゃっていましたがストーリーを提示する映画ではないと。ささやかな人とのつながり、濃い緑と雨の音に身を委ねるとても幸せな時間でした。上映後はお話も聴けて>>続きを読む

葬送のカーネーション(2022年製作の映画)

4.4

荒涼とした大地を老人と孫娘が亡き妻の棺を運んでいくロードムービー。ほぼ無言で旅を続ける2人、大地を吹き抜ける風の音、途中出会う人たちのおしゃべり、ラジオから流れる言葉。静かに静かに人が生きる意味を考え>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.3

2024年映画始めはこちら。すごくよかった。平山さんの懸命な日々の労働、木漏れ日に目を細めながらの神社の境内での昼食、カメラで撮る写真、1日の汗を流す銭湯での入浴、ささやかな晩酌、就寝前の古本の読書、>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.4

リバイバル上映だったんですね。予告でシニカルポップ拗らせちゃんな香りを嗅ぎつけて観に行きましたが想像以上によかった。つまらない世の中で自分の居場所を見つけるのって難しいよね。ほろ苦いラスト。イーニドち>>続きを読む

⽉への⽚道切符(2013年製作の映画)

4.1

ポーランド映画祭で鑑賞。おもしろかった!!ポーランドのロードムービーはさわやかさと社会主義時代の重苦しさが混ざりあって絶妙な味わい。ラストの意外な展開も驚き。パイロットの台詞がよかったのですが、終映後>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

戦争、貧しさ、世の中ままならないことばかりだけれど、そんな中でもささやかな人間の暮らしの中で大切にしたいことがそこかしこに詰まっている、大好きなカウリスマキ映画でした。

ラストシーンのアンサにはやら
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バリエラ(1966年製作の映画)

4.0

ポーランド映画祭にて鑑賞。混沌としていて内容は正直分からなかったのですが、映像と音楽がかなりツボ。何回も現れるおじさんたちの群れとか、ワイパーの動きとシンクロする音楽とか。貴重な映像体験でした。

蟻の王(2022年製作の映画)

4.1

苦しいけれどよい映画でした。1960年代イタリアの同性愛が治療すべき対象であった事実、非人道的な治療に冒頭から抉られる。思っていたよりも法廷映画み強め。当人の気持ち不在なまま権威主義の法廷を飛び交う言>>続きを読む

人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした(2023年製作の映画)

4.1

年齢的にササポン目線で観ましたが、私も懸命にもがく亜希子さんが眩しくて… 友だちっていいね、生きるっていいねと素直に思わせてくれる映画でした。妖精のようなおっさんササポンの一言一言が沁みます…

私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター(2022年製作の映画)

4.6

姉と弟の激しい憎しみの裏側に透けて見える愛情が苦しくて頭かきむしりたくなる映画でした。最近観た舞台もそうでしたが家族って本当に難しい。一番小さくて複雑でその家族にしか分からない。きっとまともな家族なん>>続きを読む

アンダーカレント(2023年製作の映画)

4.2

心に痛みを抱えた人たち。彼らの心の奥底に流れ続ける複雑な感情がゆっくりとほどけていく。それを静かに見守るような映画でした。細野晴臣さんの音楽がやさしくて不穏でよかった。

それにしても今泉監督映画に出
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ほつれる(2023年製作の映画)

4.0

この登場人物の体温の低い感じ、繊細に放たれる言葉の数々、映画全体がまとうひんやりとした質感、とっても加藤拓也さん作品でした。この映画で唯一心から絞り出された言葉、門脇麦さんのとある言葉が切なかった。

ソウルに帰る(2022年製作の映画)

4.5

ル・シネマの先行上映で鑑賞。
韓国で生まれ養子縁組でフランスで育ったフレディ。自由な心を持つ彼女が自らのルーツに触れるときの複雑な感情を時には激しく、時には静かな音楽にのせて。音楽での語らせ方がすばら
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エドワード・ヤンの恋愛時代(1994年製作の映画)

4.3

よかった〜 人は人を求めて繋がってぶつかってそれでも人を求めて生きているのがとても愛おしく感じられる映画でした。突如啓示を受けたかのような作家さんのシーンがよかった。生きてりゃなんとかなるね。ラストシ>>続きを読む

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.8

ル・シネマでのファスビンダー傑作選3本目。人生のままなさらなさを描く映画好きとしては最高でした。ドイツの戦後を自身の力で生き抜くマリアが惚れ惚れするかっこよさ。行動の動機が夫への愛それだけというのがま>>続きを読む

天使の影(1976年製作の映画)

4.5

ファスビンダー傑作選もう1本はファスビンダーの戯曲をスイスの監督が映画化した『天使の影』。これは衝撃作でした… すごく好き。台詞の応酬が詩を味わっているような。むき出しで美しい言葉の数々がエキサイティ>>続きを読む

不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

4.2

ル・シネマのファスビンダー傑作選で鑑賞。ドイツの掃除婦とモロッコ人労働者の恋の物語。2人のささやかな幸せを取り巻く隣人たちのあからさまな差別が苦しいけれど、このポスターのような2人を見守る引きの映像が>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.9

すごかったなあ。圧倒されました。宮崎駿監督の大好きなモチーフがこれでもかこれでもかと詰まっていて、それをスクリーンで観るだけでもワクワクしました。それにしても鳥!鳥!鳥!

木村拓哉さんの声はすぐに分
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古の王子と3つの花(2022年製作の映画)

4.5

目に入るものすべてが美しくてただただうっとり。極上の絵本の読み聞かせのような。幸福感に満たされました。3話目、王女のもとに向かう3人の侍女(+王子)のとびきり優雅で可愛らしい歩き方だけでもこの映画を観>>続きを読む

告白、あるいは完璧な弁護(2020年製作の映画)

4.0

シンプルにおもしろかった!どんでん返しに次ぐどんでん返しにやや面食らいつつもスリリングな展開に引き込まれました。それにしてもキム・セヒさん、運転する時横を見過ぎ(笑) 最初からヒヤヒヤしていたのでああ>>続きを読む

サントメール ある被告(2022年製作の映画)

4.4

幼い娘を殺害した女性の法廷劇。単なる実話の映画化ではなかった。人種、性別、差別、母と娘の関係、受け止めるものが大きすぎて呆然としてしまう。私のように呆然としてしまった方はぜひパンフレットの監督インタビ>>続きを読む

アシスタント(2019年製作の映画)

4.1

鑑賞後のこの重い気持ち… ポスターの彼女の表情がすべて。きりがない雑務を無言でこなす中に静かに積み重なるハラスメント。意を決して訪ねた相談窓口は形ばかりでまるで機能していないという絶望。夢のためにはこ>>続きを読む

小説家の映画(2022年製作の映画)

4.0

創作し続ける、表現し続けることの難しさ。中には楽をして続ける人もいるけれど、立ち止まった先に新しい出会いがあり人生のギフトのような作品を生み出すこともできる。立ち止まることをやさしく肯定してくれるよう>>続きを読む

カランコエの花(2016年製作の映画)

4.1

LGBTへの高校生の反応がとてもリアル。犯人探しのような言動も庇おうと思わず口にした言葉もどちらもあの子を傷つけてしまう。保健室の先生も良かれと思ってだったのでしょうが… 2018年の作品。今は少しは>>続きを読む

遺灰は語る(2022年製作の映画)

4.1

シチリアへ遺灰を届ける道のりはどこかユーモラス。事件とは言わないまでもちょっとした出来事でなんだかうまくいかない。人生のうまくいかなさをこんなに美しくおおらかに見せてくれる御年91歳のタヴィアーニ監督>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

4.2

92歳のマダムと中年タクシー運転手の心温まるロードムービー。マダムの人生を振り返りながら巡ったパリの1日は2人にとってかけがえのない時間になったのだなあ。幸せな時間を過ごせて本当によかった。

それに
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怪物(2023年製作の映画)

4.6

すごかったな… 今生きているこの世界の重苦しさに押しつぶされそうになりながらも、少年2人だけの世界の美しさに心が洗われる。映画館を出て見上げた青空が眩しかった。誰もが幸せになってほしい。

ストーリー
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レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

4.0

感動超大作!には引いてしまう人間なのですが想像以上によかった。史実を取捨選択しながら恋愛要素強めの戦国エンターテイメントに仕上げているのはすごいな。あと木村拓哉の信長!!!目力、佇まい、オーラ、瞳の奥>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

4.2

ちひろさんが優しさを振りまく人ではなく、自分がそうしたいからやる、でも根っこが優しいから結果として人に優しいというのがとても好もしく感じました。(そういう意味でしたくなったからする性行為のシーンが入る>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.5

気持ちのよいロードムービー!すごく好き~寝台列車の狭い車内の臨場感がたまらないし、絶対同じ車両に乗り合わせたくないタイプ(笑)のリョーハとラウラの絶妙な距離感がすごくよかった。出会って心を通わせて同じ>>続きを読む

少女は卒業しない(2023年製作の映画)

5.0

TIFFからずっと気になっていた映画。ようやく観れました。まだ2月ですが今年1番よかった… 心の奥底に眠っていた卒業が思い起こされてなんだか泣けて泣けて仕方なかった。いろいろ苦しかったけど愛おしい時間>>続きを読む

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