るるばーさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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小さき麦の花(2022年製作の映画)

4.7

すごくよかった… 実直に懸命に毎日を生きる人の姿、お互いを思い合う夫婦の純粋な気持ち、饅頭、ロバちゃん、画面から伝わるものすべてがやさしくて心打たれました。同時に中国の農村の貧困や格差に少し苦しくもな>>続きを読む

フラッグ・デイ 父を想う日(2021年製作の映画)

4.0

親が完璧な人間ではないと子供が気づいてしまう切なさ。親子愛の映画ですが苦しかったな。どうしようもなく不器用でダメ父親を演じたショーン・ペンがよかった。演技だけでなくたるんだ皮膚や額の皺の感じも。

そばかす(2022年製作の映画)

4.0

恋愛感情を持たない女性の生きにくさを描いた映画ですが不思議と爽やかな余韻。周囲からの古い価値観の押し付けが面倒くさいけど、認めるというか分かってくれる人たちもいて。そんな小さな共感が少しずつ広がってい>>続きを読む

パンと塩(2022年製作の映画)

4.0

ポーランド映画祭にて鑑賞。重い重い鑑賞後感、やりきれなさ。ポーランド映画でいつも感じる後味がこの映画にもありました。つるんでふざけ合って暴走する若者のパワーが虚しい。暴走の矛先になってしまうアラブ系の>>続きを読む

EO イーオー(2022年製作の映画)

4.0

ポーランド映画祭にて鑑賞。スコリモフスキ監督作品は初めてですが、人間とロバの心あたたまるヒューマン?ドラマ、では全くなかった!監督の美意識が前面に押し出された衝撃の映像作品でした。圧倒的。それにしても>>続きを読む

窓辺にて(2022年製作の映画)

5.0

東京国際映画祭ワールドプレミアで鑑賞。すごくよかった。今泉監督作品に登場する人たちは皆誠実に日々を生きていて。彼らの交わす穏やかで何気ない言葉の数々が静かに心に残ります。劇中の文学作品(監督が書かれた>>続きを読む

孔雀の嘆き(2022年製作の映画)

4.0

TIFFにて鑑賞。望まれない妊娠で生まれた子供を外国人に斡旋するというダークな内容ながらも絵画のような映像と静けさが美しく、不思議と穏やかな余韻を残す作品でした。Q&Aが監督、作品へのリスペクトと観客>>続きを読む

百花(2022年製作の映画)

3.9

TIFFで鑑賞。認知症で記憶を失っていく母と息子の物語。よい映画で最後少し泣いたのですが、うーんそれだけというか… 認知の崩れを誰もが知るクラシック定番曲を不協和音で崩すことで表現するのがベタというか>>続きを読む

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

4.0

モノクロームで映し出されるアンナ・カリーナの可愛らしさ… これはスクリーンで観れてよかった。

老人との哲学的な会話の途中でカメラ目線になるナナにどきりとしたのですがあれは何か深い意味があるのでしょう
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

4.8

んんんー!これはおもしろかった!!
小さな広告代理店の1週間。ループされ方が絶妙に可笑しい!テンポがよい!鳩です!

そしてループされる仕事の日々に自分の毎日が重なって少しだけ切なくなったり… 仕事っ
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七人樂隊(2021年製作の映画)

4.2

味わい深い7篇のオムニバス。バラバラだけどどれも香港、映画への愛情が伝わってきます。特に「回帰」「道に迷う」がよかったなあ。変わりゆく香港、変わらない家族の愛情。あたたかい気持ちになりました。7篇を包>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

4.5

すごくよかった。心の中のなにかが掻き立てられて知らないうちに何度も泣いていました。愛情でも友情でもない人間同士の結びつき。共依存という言葉では片付けたくない2人だけの関係が美しい。永野芽郁ちゃんすばら>>続きを読む

彼女のいない部屋(2021年製作の映画)

4.0

家出をした女性の物語のようだという前情報のみ。時系列もバラバラな家族の物語の断片を追う混沌。ある事実が分かってから、その断片の一つひとつを慈しみたくなるような映画でした。もう一度観たらまた別の味わいが>>続きを読む

スワンソング(2021年製作の映画)

4.5

ああよい映画だったなあ。死に化粧の依頼をきっかけに老人ホームを抜け出したパットが本来の自分の姿を取り戻していくロードムービー。人生の最後にこんな風に自分らしくいれたら、心のつながりを感じられたらと思い>>続きを読む

サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)

4.5

完成披露にて鑑賞しました。よい映画だったなあ。少年たちの一夏の冒険と友情を描いた映画は数あれど、金沢監督のユーモアとやさしさがぎゅっと詰まっていてとってもあたたかい作品になっていました。友だちっていい>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.9

ユリヤちゃんがいろいろ考えているようで何も考えていない瞳をしていてよかった。ケンカしている恋人の言葉で自分の考えを言語化してもらい確認しているような。その場の感情で選択を繰り返す、そういうのってあるな>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.5

赤ちゃんポストからの誘拐、人身売買という犯罪の背後にある物語がなんとあたたかくてやさしいことか。それぞれかなしみを抱えた人たちのやさしいつながりは是枝監督の真骨頂ですよね。監督からのメッセージがストレ>>続きを読む

さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について(2021年製作の映画)

4.8

すごくよかった… 冒頭の地下鉄の映像からあ、この映画好き…と思いました。ナチス台頭前の退廃的でどことなく不穏なベルリンの空気の中で、ファビアンの恋、家族、普通が心にしみます。観終えた後この邦題のすばら>>続きを読む

FLEE フリー(2021年製作の映画)

4.3

難民の映画はいくつか観たけれど1番苦しかったかも。心を壊されるほどの亡命の過酷さ、送還という言葉の絶望感、苦しくて悔しくて泣きました。そしてお兄さんのシーンにうれし涙… アミンが大好きな彼と自分らしく>>続きを読む

ワン・セカンド 永遠の24フレーム(2020年製作の映画)

4.1

砂まみれになったフィルムを上映するために皆で洗ってうちわであおいで乾かすシーンの愛おしさ。チャン・イーモウ監督の映画愛がにじみ出る映画でした。人のやさしさにほっこりしつつ、人生のままならなさに切なくな>>続きを読む

インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)

4.1

想像以上のカオスでした。人生なんて熱に浮かされたときに見る夢のようなものなのかなと思えて、なんだか妙に勇気をもらえるような(笑) 音楽も映像もよかった〜 これからパンフレットを熟読するのが楽しみです。>>続きを読む

マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.3

日本で生活するクルド人、難民認定されず当たり前の日常が一変する理不尽さ、知らないことばかりでした。苦しい内容ですがあたたかい涙があふれます。サーリャたちもお父さんも望む生き方ができますように。

主演
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カモン カモン(2021年製作の映画)

3.6

今の鬱々とした時代に大丈夫だよ、あなたは間違っていないよと肯定してくれるセラピーのような映画。ちょっとそれがくどいような感じがして今ひとつ入り込めなかったのですが。モノクロームの映像が美しくやさしかっ>>続きを読む

金の糸(2019年製作の映画)

4.0

日本の金継ぎに着想を得たというジョージアの女性監督の映画。誰のどのような過去も金継ぎのように継ぎ合わせて愛しんでいけたら。自分がこの映画の人物たちと同じような年齢に差しかかった時に大切にしたいことを教>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.4

ポスタービジュアルに惹かれて観に行きましたがすごくよかった… 観賞後のこのポスターはちょっとやられてしまいますね。ラストからエンドロールのクリープハイプ曲へのつながりが最高。切ないけれど心地よい余韻を>>続きを読む

選ばなかったみち(2020年製作の映画)

4.3

認知症の父親レオを歯医者と眼科に連れて行く娘モリー。彼らの1日の物語。認知症の方の行動がその人の生きてきた物語から繋がっていることにハッとさせられます。レオはもちろんモリーの物語も尊重されてほしい。け>>続きを読む

声もなく(2020年製作の映画)

4.6

すごくよかった… 死体処理、誘拐、人身売買。犯罪映画なのに牧歌的でどこかほのぼのとあたたかい。けれどそこに流れる格差社会や男尊女卑の根深さに気づいてしまった時になんともやるせない思いが。パンフレットの>>続きを読む

スウィート・シング(2020年製作の映画)

4.4

アル中の親、虐待。つらいお話なのに、全体的に流れるあたたかい空気感。根底にある家族の愛情がモノクロームの美しい映像と歌声にのって沁み渡ります。ビリーとニコ、姉弟のまなざしが忘れられない映画。幸せになっ>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.3

よかった~ 上質な会話劇を3幕観たような満足感。自分の気持ちって分かっているようで分からないことってよくありますよね。登場人物たちが言語化していくことで自ら気づいていく、そんな過程を見守るようなおもし>>続きを読む

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.5

韓国の方の人情味あふれる日常がとても愛しい。それだけにその日常があっという間に壊されていく様が恐ろしかった。光州事件の事実がこうして命がけで伝えられたことに心から敬意を。ソン・ガンホさんの表情がすばら>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.7

すごかった。ずっしりと重く心にのしかかる2時間半。ドキュメンタリーの作り手として由宇子が信じる正しさが揺らぐとき。その揺らぎ、苦悩、葛藤が静かに突き刺さりました。うまく言葉にできないけど観れてよかった>>続きを読む

Summer of 85(2020年製作の映画)

4.2

ダヴィドの背中にもたれるアレックスの表情。もう言葉はいらない… 16歳の夏は一途で眩くてくるしくてあっという間。とても美しい恋愛映画でした。

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.6

ananシネマナビで吾郎さんが今年のベストかもと言われていた『アナザーラウンド』鑑賞。これはよかった… 40代おじさんたちのほろ苦い中年青春映画。いろんなシチュエーションで酒を飲むのですがどのシーンも>>続きを読む

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.8

めちゃくちゃ気持ちのよい青春映画!おもしろかった~ 時代劇大好きなハダシこと伊藤万理華ちゃんすごくよかった。このまま本当に映画監督デビューするのではと思えるほどの映画への熱量。ラストシーン、私の心に焼>>続きを読む

ライトハウス(2019年製作の映画)

4.0

音楽も映像もカモメもすべてが不穏。繰り返し鳴り響く霧笛の音にかき乱され、トーマスとウィンズローの関係性の読めなさにビクビクし、カメラのアングルに抉られるし、とにかく不穏(笑) エンドロール後の客席のあ>>続きを読む

ベルヴィル・ランデブー(2002年製作の映画)

4.9

大好きなディリリとパリの時間旅行ツイッターアカウントがいつのまにか「ベルヴィル・ランデブー」アカに変わっていたので気になって気になって。観に行って大正解。すっっごくおもしろかった!結構な非人道的事件に>>続きを読む