るるばーさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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1秒先の彼女(2020年製作の映画)

4.4

ああおもしろかった~ なにをするにもワンテンポ早いシャオチーのせっかちさんぷりが可愛らしくて。公共のバスを自家用車のようにマイペースに乗り回すグアタイも好き(笑) ペースの違う2人のリズムが合う瞬間が>>続きを読む

のさりの島(2020年製作の映画)

4.5

天草のさびれた商店街に流れるゆるやかな時間、暮らしの中でそっと感じられる人と人とのつながり。あたたかい気持ちを残してくれるよい映画でした。映画の中の上映会とユーロスペースで映画を見ている自分が重なって>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

3.8

提示される映像や音楽はミニマムで、余白をいっぱい残した映画。反復される形式、何気ない会話の積み重ねからタイトルについて想像がふくらみます。彼女は逃げられたのかな… ガミが窓を開けて自然の音や空気にふれ>>続きを読む

アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン(2018年製作の映画)

4.2

すごかった。歌の力に圧倒されて最初からずっと涙が止まらなかった。アレサの魂の歌声、呼応するクワイア、自由に感じるままに熱狂する観客たち。音楽の喜びと神への感謝にあふれた奇跡のような2日間。スクリーンで>>続きを読む

椿の庭(2020年製作の映画)

4.0

美しい庭で繰り返される木々や虫たちの営み、風の通り抜ける日本家屋、手入れの行き届いた調度品、丁寧な暮らし。ゆっくりと静かに流れる時間に身をゆだねました。そして失ったものや懐かしい場所に想いを馳せました>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

4.5

すばらしい映画でした。なにが現実なのか分からない混沌。これが記憶を失っていくということなのかと、衝撃を受けました。記憶の混乱を当事者目線で追体験できることは、将来家族や自身が介護する/されるときにとて>>続きを読む

海辺の彼女たち(2020年製作の映画)

4.1

日本のどこかで彼女たちのような外国人労働者がひっそりと懸命に生きている、その現実が重くのしかかりました。舞台挨拶で監督のおっしゃった一言に涙が。具体的に何ができるのかは分からないけれど、監督の言葉のよ>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

4.6

よかった〜 下北沢の街の上に他愛もない会話をしながら人が生きていて、つながっていないようでつながっていて。どうということのない日常が愛おしくなりました。あちこちからくすくす笑う声が聴こえてきて幸せな気>>続きを読む

ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

5.0

とてもよかった。

ゆっくりと綴られていく家族それぞれの物語。エドワード・ヤン監督がそっと差し出してくれるみずみずしく美しい映像を眺めているうちに、静かに物語が沁み込んでくるような。エンドロールを観終
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.1

ananシネマナビ稲垣吾郎さんの「これは面白かった!」の言葉にひかれて観てきましたが、本当に面白かった〜 数学を愛する成田凌さんとぽんぽんストレートな物言いの清原果耶さんが可愛らしくて。気負わないスト>>続きを読む

ミナリ(2020年製作の映画)

4.2

アメリカに移住した韓国一家の物語。途中からやってくるおばあちゃんがよい味。無条件に孫がかわいいおばあちゃん、なかなかおばあちゃんのことを好きになれないデイビッド。段々と縮まっていく2人の距離感がよかっ>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.3

観終えてあたたかさとやるせなさがないまぜになった気持ち。不器用でまっすぐな人が生きづらい世の中。不寛容な社会。普通に生きることの苦しさ。でもそんな世界でもやさしい人たちがいてくれることが救いでした。生>>続きを読む

あの頃。(2021年製作の映画)

4.3

よかった… イントロが流れれば一斉にその歌を口ずさんでしまう仲間がいる楽しさ、そんな仲間と過ごすしょーもない時間の尊さが沁み入りました。アイドルヲタクって楽しいね(涙)

役者さん皆よかったです。松坂
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羊飼いと風船(2019年製作の映画)

4.1

種羊を借りて羊を増やす一家、輪廻転生を信じる信仰心から4人目の子供を産むことを期待される妻の葛藤。チベットの牧歌的でほのぼのとした暮らしを描いた映画と思いきや、生殖をかなりストレートに扱った映画でした>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.9

抑圧と解放。ほんの数日間だけの自由な恋愛の時間がとてもよかった。ベッド上でのびのびと愛を語らう彼女たちの可愛らしいこと。仏語のニュアンスまでは分からないけど、その時の字幕での2人のやりとりが敬語だった>>続きを読む

春江水暖~しゅんこうすいだん(2019年製作の映画)

4.5

すごくよかった… 中国3世代家族それぞれの日々の営み、変わりゆく価値観、変わらない親子の愛情。ゆっくりゆっくりと流れる富春江とともに静かに心に沁みわたる映画でした。三部作の第一作なんですね。二部、三部>>続きを読む

わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

4.5

TIFFで観てから再び観られる日を楽しみにしていました。デンマークの農場で繰り返される叔父さんと姪の日常、さざなみのような変化、そして再び続いていく日常。それは見る人によっては苦しいと思われるのかもし>>続きを読む

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

4.5

暗い瞳、陰鬱な表情、重く苦しい空気感、どうにもならない人間の罪、赦しを求める人間の心。私の大好きなポーランド映画の要素が詰まっていました。ラストにも打ちのめされた。深いかなしみをたたえたポーランド映画>>続きを読む

声優夫婦の甘くない生活(2019年製作の映画)

4.2

おもしろかった~ ソ連からイスラエルに移住した声優夫婦、まずは職探しというなかなか重い社会背景ながらもどこかとぼけた味わい。クスクス笑いながらじわりとあたたかいものを残してくれるとても好きな映画でした>>続きを読む

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

3.9

モノクロームのパリの街並みの美しさとクレオの可愛らしさで目が幸せ。天蓋付きのベッドとドレッサーとお花とねこちゃんだけの贅沢なお部屋でばあやが着替えさせてくれるの夢があっていいな(笑) ラストのほんのり>>続きを読む

Malu 夢路(2019年製作の映画)

3.6

美しい映像と静かにゆらゆらと移ろう時間に身を任せるような作品。「姉妹の永年の確執」も情緒的に描かれているので正直ぼんやりと伝わりにくいのですが、というか私の理解力がついていかなかったのですが、それでも>>続きを読む

タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

4.5

んああああおもしろかった!!!デリヘル嬢たちの待合室。お嬢たちとスタッフたちの群像劇。人間てどうしようもないけどそれでも生きていて、という映画が大好きなのでたまりませんでした。どん底中のどん底なのにど>>続きを読む

ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

4.4

すごく好き… 彩度を抑えた美しい映像で切り取られた人間の営みの1ページ1ページをゆっくりめくって眺めていくような映画。どうしようもなかったり苦しかったり踊ったり泣いたり。どれもが愛おしくてずっと観てい>>続きを読む

おもかげ(2019年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

あいまいなものをあいまいに描く映画は嫌いではないですが、なんのポリシーもなくあいまいなまま放置というか。最初は引きつけられたのですが、それ以降はひたすらうーーーんという感じでした。

エレンのジャンに
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

4.0

記憶を失った主人公の何者でもなさがすごい。ぼう然とただ言われるがままにセラピーのミッションをこなしていく主人公。そんな中に見え隠れするその人らしさの断片が、淡々と時にはシュールに描かれていて不思議な味>>続きを読む

オマールの父(2020年製作の映画)

4.0

生まれたばかりの息子を心臓病でなくし遺体を故郷に持ち帰るパレスチナ人のサラーとユダヤ人妊婦ミリのロードムービー。ミリがサラーを助け行動をともにすることに理由なんていらないですよね。宗教や民族をこえて大>>続きを読む

死霊魂(2018年製作の映画)

4.0

『死霊魂』8時間越え完走。右派のレッテルを貼られ収容所へ送られ生還した方々が語る生の言葉の重み。必要な8時間だったことを理解しました。ラストの長回しのカット。荒凉とした砂漠に注がれるワン・ビン監督の悼>>続きを読む

フェアウェル(2019年製作の映画)

4.7

すごくよかった。家族それぞれがお互いを思い合う気持ちが丁寧にやさしい目線で描かれていてじわじわ泣きました。家族の愛、少しのユーモア、日常の光景の切り取り方、そっと寄り添うように流れる音楽。大好きなヤス>>続きを読む

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)

4.1

思いの外ピュアなラブストーリー。お互いの想いがあふれるキスシーン、その後のマキシムの「理解したい」というセリフが好き。男同士の友情から愛情への変化。戸惑う気持ちに向き合いたい。マティアスに対してとても>>続きを読む

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

4.0

このやるせなさをどうすればよいのか。女性が自分らしく生きることがこんなにこんなに難しいなんて。映像は抑えたトーンですが描かれている壁があまりにも高くて屈強でめまいがしそうでした。再就職が決まった時のジ>>続きを読む

ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

4.0

おもしろかった〜 これから映画を観るのが、映画の音を聴くのが、ますます楽しみになりました。群衆のうねるようなどよめきが作られる過程には胸が熱くなりました。

鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

4.1

期待以上におもしろかった。いつ何が起きるかわからない不穏な空気、混沌が癖になりそう。闇と雨、光と影が印象的な映像も好き。中国の雑然とした住居や街並みと生活感あふれる人達の映像が好きなので、吹き抜けの集>>続きを読む

マーティン・エデン(2019年製作の映画)

3.9

上流階級に憧れ必死で教養を身につけ作家として成功を収めたマーティンは結局何を得たのだろう… 退廃的で虚しさの漂う後半がすごくよかった。ラストシーンからエンドロールが静かな余韻を残してくれます。正直前半>>続きを読む

ヴィタリナ(2019年製作の映画)

4.0

暗闇の中に浮かび上げるコンクリート剥き出しの室内、常に漏れ聞こえる隣家のざわめき、移民が集まるポルトガルの貧民街の映像は鮮烈でした。暗闇と光が絵画のように美しい。ヴィタリナの重く苦しい表情がすべてでし>>続きを読む

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

5.0

先行上映にて鑑賞。胸がくるしくて涙がとめどなくあふれました。上映後は呆然としてしばらく何もしたくなくて空を眺めていました。

トランスジェンダーたちの心の叫びが頭から離れない。強くならなければ生きてい
>>続きを読む

凪待ち(2019年製作の映画)

5.0

つらい、苦しい、優しい、いろんな感情がないまぜになって押しつぶされそうなのですが、とりあえずはラストシーンからエンドロールへのつながりの美しさ。郁男たちの一縷の希望から被災地復興への希望へ。すばらしい>>続きを読む