いつもとすこし違う世界に一瞬戸惑った。貧困地域のコミュニティ。ずっと苦虫を噛み潰したような顔をしているサイモン、鬱病、性欲過多、弱者への暴力、虐待、DVなどなど問題続出。サイモンは詩を書き始める。掃き>>続きを読む
湧き立つような恋の高揚感と痛みが繊細に描かれた原作。清らかな男女が出会い魂まで白夜に包まれたかのような至福の4日間を過ごす。一方こちらはモテモテのやさ男というマストロヤンニのイメージが強すぎてすこし違>>続きを読む
抵抗三部作中、最も残酷で壮絶な作品。その緊迫した映像を食い入るようにみてしまう。中隊が列をなして歩いてくる冒頭の長回しからすごい。
大戦末期のワルシャワ蜂起。ドイツ軍に包囲された隊員たちはマンホールの>>続きを読む
悲劇的なのにどこか軽やかでみずみずしさがある。
ナチスドイツ支配下のワルシャワで地下活動に身を投じた若者たちの青春譚。彼らの悲劇性も、迫害されるユダヤ人の苦難も、ゲットー蜂起に向かって加速し集結してい>>続きを読む
失敗の経過をたどる失敗作のドキュメンタリーという複層構造は面白いと思うけれど、闇に葬るべきものが間違えて世に送り出されてしまったようないたたまれなさを感じる。
アラン・レネ『ヒロシマモナムール』のリメ>>続きを読む
室内で顔が暗く潰れ、寄りも引きもしない長回しのカメラの中でぼそぼそとした会話がやりとりされる冒頭。学生の自主映画みたい、これを2時間半も見せられるのかと思うと初っ端からくらくらした。
しかし不思議なこ>>続きを読む
夏目雅子の可愛さ炸裂。のら猫抱いて日傘をさして登場するなんて少女漫画みたい。観客をメロメロにさせようという製作者の意図がみえみえだけど素直に乗っかる(笑)とはいえ主役はなんといっても渡瀬恒彦、若くてシ>>続きを読む
夏目雅子目当てです。彼女本来の楚々とした美しさからやがて肝が据わり凄みのある美しさに、そして運命に抗えず泣き崩れる姿へと。その変貌ぶりにときめく✨
仲代達矢の目ヂカラと土佐弁にもしびれる。①コテコテ>>続きを読む
ハル・ハートリーはどうしてこんな素敵な映画を作れるんだろう。ありふれた日常がきらきらしてる。たった一日のロードムービーだけど、シンプルで深くてみるたびに胸の中をどんどん一杯にされていく。
住人でも旅行>>続きを読む
ワイダ監督がSFコメディを撮っていたことに驚いた。こんなに面白いならレム×ワイダのコンビでもっと映画を作って欲しかったな。めざましく進歩した医療技術に翻弄される人びと。話はアイロニカル、演出はキレッキ>>続きを読む
スタニスワフ・レムについては『惑星ソラリス』の原作者であり、映画をめぐってタルコフスキーと喧嘩したという話しか知らなかったけれど、たいへん興味深いドキュメンタリーだった。ユダヤ人としてホロコーストを生>>続きを読む
実際の障がい者をキャスティングしているというのに車椅子でのアクションシーンの迫力にはびっくり〜〜歯切れのよいコメディタッチでお涙頂戴なところは全くない。でも若者の、また障がい者としての悩みが言葉の切れ>>続きを読む
イザベル・ユペールは好きだけれどハートリー作品にはちょっとだけ違和感。一気にフランス映画っぽくなるところが。
設定とビジュアルはなかなかキャッチー、でも弾けきっていない、ちょっと青臭いかんじが好き。隙>>続きを読む
想像してごらん、国のない世界を
難しいことじゃない
殺す理由も死ぬ理由もない…
と歌ったのはジョン・レノンだった。だけど全くの無から想像の翼を広げることはなかなか難しい。カウリスマキ監督はこの映画が>>続きを読む
ホラーファンタジーミュージカルという初めて耳にするジャンルに惹かれて。フレッシュな刺激を味わえて楽しめました。名画座上映に間に合ってよかった。
おそらく最大音量での上映だったと思うのだけど音楽が内臓に>>続きを読む
lollipopみたいな毒々しい色彩にフロリダの強い陽射しや夕陽がふんわりヴェールをかけて、若干白飛びした映像がおとぎの国のように幻想的。目眩がするような太陽のもとでは色んなものがちょっとずつ宙に浮い>>続きを読む
去ったまま帰らない者
去っていき、帰ってくる者
掌にのせて量ってみようか、
約束の重さについて
待つことの重さについて
嘘をつくことの重さについて
弱さを抱えて生きること
弱さを含めて愛すること
誰>>続きを読む
好きで好きでたまらないんだけどどうしよう。推奨年齢(というものがもしあるとすれば)アラウンド20であろう甘々のラブストーリーなのに。
バービー人形に天使と悪魔と小動物を掛け合わせたようなエイドリアン・>>続きを読む
タイトルからして凄いインパクトだが迫力満点の映像に度肝を抜かれた。話には聞いていた超長回しのオンパレード。
画像は古びていて美しいとはいえないけれども3人の中学生(河合美智子、坂上忍、永瀬正敏)のエネ>>続きを読む
なんという方言の甘やかさ。聞き取れないほどのくぐもったズーズー弁に方言への憧憬の念をかき立てられる。話は硬派でかなり好み
青森・大間漁港。マグロの一本釣り漁師、緒形拳がマグロと格闘する迫力にしびれる>>続きを読む
ジョン・コルトレーンの経歴を追いながら彼の人となりを知ることができ、ジャズ全盛期の流れも大まかに知ることができて二度美味しい作品♬
チャーリー・パーカー。マイルス・デイヴィス。セロニアス・モンク。独>>続きを読む
ミュージシャンたちが始終楽しそうでこちらも自然と笑顔になってしまう。ライブ映像も美しかった。皆さん流石にすばらしい歌声で演奏も凄い!歌える人って、楽器できる人っていいなぁ、人生の楽しさが3割増しくらい>>続きを読む
一冊の本を手に取って、その美しさに見惚れたことがあるでしょうか。
私はコストや持ち運びの利便性を考えて大抵文庫本を買ってしまう。シュタイデル氏はその対極にある本作りをする。いわばオートクチュールの本作>>続きを読む
タイトルにピッと引っかかりました。
かつてのフィルムカメラ愛好者、ひいてはアナログを愛する人々の心を鷲掴みにする郷愁、その着眼点が素晴らしいと思う。
本作は、コダック社が2010年にコダクローム(ポ>>続きを読む
水が満ちる、しあわせが満ち溢れる。碧い水、群青いろの水、そのグラデーション。つめたい水、あたたかい水、生命のはじまりである水。薄明かりの色に混濁した水、気泡がいくつも湧き上がる水、水水水。こんなにも水>>続きを読む
相手と完全に同化したいほど好きで好きでたまらない、そんな気持ちを人生で一度でも持てたら素敵なことだ。そんな経験をしたことがある、或いはそんな恋をしたいと思う人ならきっとこの作品が好きになる。
キャス>>続きを読む
戦争が人々の心にもたらしたものは何か。
終戦・釈放の開放感、ドイツに対する勝利の優越感となお続く憎しみ、空虚感、ユダヤ人がポーランド人に持つ屈折した感情など様々な国民感情が、強く絡みあうのではなく肩を>>続きを読む
ワイダ監督お気に入りの俳優、ツィブルスキが39歳の若さで事故死してその失意の中から生まれた作品。作品全体が大きな悲しみのカプセルに包まれているような感じがした。
映画撮影初日に主演俳優が現れない。ス>>続きを読む
ワイダがこんな軽やかな可愛らしい映画を撮っていたなんて。いわゆる雪解けの頃の1960年ワルシャワが舞台。社会への反発も強い野心もない、当時の“今どきの”若者たちの世相が描かれているが、ヌーヴェルヴァー>>続きを読む
『シルバー・グローブ』で洗礼を受けたにも拘らず、あれはSFだったしエキセントリックな演出もたまたまだったんじゃないかな今回は現代ものだし〜と気楽に観てしまったのが甘かった。またしてもポカーンΣ(゚д゚>>続きを読む
所有物が増えるたび鍵が増える
結婚、車、別荘、愛人、
もしも鍵をぜんぶ無くしたら
捨て犬のように惨めになるかそれとも
自由の歓喜が訪れるだろうか
君を君の車の名前で呼ぶことにしよう
体を石膏で塗り固>>続きを読む
あっという間の140分。視覚も頭も休んでいられない。以下良かったポイントをまとめてみました
①畳みかけるような会話・ナレーション。歯切れのよい英語のスピード感が耳に心地よく、ハイテンポな展開と一体化>>続きを読む
いきなり怪奇な魔術の洗礼でも受けた感じ。狂ってる。まさかこのテンションの高さと騒々しさが160分続くわけじゃないよねと思ったらそのまさかだった。
俳優さんたちも大変。カメラを覗き込んで叫ぶ、踊り狂う。>>続きを読む
何事もなく終わろうとしている夏。でも最後に何か起こるかも…ほんのり期待を胸にスリープオーバー=お泊まり会へと出かける少女たち。
デトロイト郊外の町。新学期に高校生になる中学生・高校生・大学生たちの群>>続きを読む
変化球でストライク。まさかこんなに泣かされるとは。なんだなんだこの満島ひかりの突き抜けた強さと可愛さは。私が男なら絶対惚れちゃう。あまり映画を観て泣く方ではないんだけど要所要所で不意に心を掴まれ涙しち>>続きを読む
あぁ愛すべきゴダール!いかれててチープ。ちょっとSFに見える。アンナ・カリーナ可愛い。ハイ、終わり。笑 そんな作品。
ゴダールはすごく久しぶりにみた。彼が縦横無尽にアイデアを巡らせて楽しんで作った感>>続きを読む