あおさんの映画レビュー・感想・評価

あお

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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

心底悪趣味な世界観でどんどん堕ちていく主人公が痛々しく報われないなと悲しくなった。数少ないファンだと思っていた人には裏切られ、調子に乗って痛めつけていた人物が自分のクローンだったというこれでもかという>>続きを読む

コードギアス 奪還のロゼ 第1幕(2024年製作の映画)

4.0

復活のルルーシュから繋がる続編の今作ではコードギアスらしい複雑な世界観と予想外の方向に進むストーリーがしっかりと描かれていたので今後の展開がより楽しみになる。反ルルのキャラクターも今後登場してきてどの>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

4.5

「1つの怒りで1つ老い、1つの笑顔で1つ若返る」この言葉がとても印象に残った。マドレーヌが歩んできた人生が予想以上に辛いものであったことも含めてこの言葉の重みが増してくる。最初は怒ったり無愛想なシャル>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.0

やりたいことが明確になったときのあの行動力と大胆さ、明るさが印象的で思っている以上に自分を抑制してきたのだと感じられた。自分の能力や才能を発揮したいと思えることがあればそれこそが自分のいるべき場所なん>>続きを読む

ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

4.2

挫折し夢を失いかけても地に足をつけ一歩ずつ歩むことで同じ道に戻れるかもしれないし違った道を見つけることができるかもしれない。時には流れに身を任せることもいいなと思える。様々な出会いが違う価値観を育む可>>続きを読む

カード・カウンター(2021年製作の映画)

3.8

抑制の効いた演技と演出で観る人を釘付けにするとても静かなで渋かっこいい作品。
しかし、ストーリーは予想に反して重く、思わぬ方向へと進んでいく。『魂のゆくえ』のような懺悔的な要素を感じ、仕方なかったにせ
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ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.7

怪獣愛に溢れた作品であり、怪獣のためならどれだけ街を破壊しようとも厭わない良い意味での潔い覚悟を感じた。期待通りに大乱闘する凄まじい迫力を味わうことができた。コロッセオに収まるゴジラがかわいすぎる。

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

4.2

何かが起こる予兆からじわじわと緊張感を上げていき、恐怖へ誘う演出がオーメンらしさを象徴していたように思う。レジェンドオブホラーと言われる『オーメン』の前日譚として完成度が高く、構図もしっかり決まってい>>続きを読む

死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

3.8

様々な偶然と思い込みや勘違いを重ね、どんどん嫌な方向に進んでいく不条理系クライムサスペンス。自分の知らないところで勝手に話が進んでいく恐怖感と自分だけが理解していない状況がなんとも滑稽に感じる。
マイ
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夢追いウサギ(2020年製作の映画)

4.0

自己開示、頼ることの大切さが詰まっていた。周りを見れば自分より大きなことを考えている人はいくらでもいるなかで自分の夢を語ることの恐怖に共感する。夢の大小に優劣なんてないとわかっているつもりでも自己開示>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.8

客観的に見ると一見気まずい三角関係のようだが全く嫌な感じのしないバランスと距離感を保ちながらそれぞれが抱えるものに胸が締め付けられた。もしも違った選択をしていたら今頃は…と考えれば考えるほど苦しくなる>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「大人をなめるな!」という岡田将生の叫びに対して「子供をなめるな!」とでも言われたようなカウンターを食らって呆然としてしまった。
完全犯罪を狙ったはずが、13歳の中学生という思いがけない目撃者によって
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.7

時間をかけて人の記憶と作品に入り込み、過去を呼び覚ますために映画の力を借りる。余白はありつつも映画と人の繋がりを信じたくなる気持ちはすごく共感できる。人生で様々な経験をしたあとにこの作品を見るとまた感>>続きを読む

スペル(2009年製作の映画)

3.7

悪趣味かつエンタメ性が強く、ある出来事が起こってからは終わりの見えない呪いに蝕まれ続けていく。
笑いを誘ってくるようなシーンも含め、ラストの切れ味も最高だった。

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.8

前半はエンタメ色が強く、次第にサスペンス色が濃くなっていく。声を上げる難しさと勇気、その末路を映し出し弱い立場の者が抱える辛さを感じた。今まで見えなかった状態から暗闇で見えるようになった瞬間に目撃した>>続きを読む

バーバリアン(2022年製作の映画)

3.9

何が起こるかわからない雰囲気の中、思いもよらない展開へ進んでいくストーリーに見入ってしまった。構成も大胆で面白い。新しいテイストへと昇華させていたように感じ、怖さの中にある切なさが何とも言えない気持ち>>続きを読む

エスター(2009年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

最初から最後まで不穏な空気が充満していて少しずつ露わになるエスターの狂気にゾクっとするような恐怖を感じて目を覆いたくなる。
疑心暗鬼がそれぞれの関係性を歪に捻じ曲げ、お互いの声に耳を傾けることができた
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

-

圧倒的な世界観とスケールで描かれる争いの渦中に浮かび上がる血筋の呪いや権力の奪い合い、信仰など現代にも通ずる要素が散りばめられていた。少しずつ、でも確かに近づく戦争への足音を聞きながら平和と楽園へ導こ>>続きを読む

パリピ孔明 Road to Summer Sonia(2024年製作の映画)

4.5

ストーリーを損なわないように丁寧に作り上げられ、新規カットも組み込まれたことにより総集編としてとても楽しめた。三国志と現代の音楽という一見アンバランスな組み合わせでも笑いあり涙ありで感情が揺さぶられる>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.7

家族やアイデンティティなどの固定化された縛りが時には呪いとなる様がとても苦しかった。声をあげたくてもあげられない、誰も聞いてくれない、届かない、聞こえないという巨大な辛さがその人を蝕むことのやるせなさ>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

3.8

生の儚さを感じ、人生があっという間に終わってしまう恐怖を可視化していた。成長の中で思い出や感情がどれだけ重要か歳をとるごとに身に沁みてきそうだと思った。感情に身を任せた行動をすることで最悪の結果に繋が>>続きを読む

一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)

3.9

喪失感と罪悪感に苛まれる人々の生きる力強さと苦しみを捉え、声を届ける物語。被害者はもちろん、その家族も含め過去の出来事に囚われ続け苦しんでいる描写や抱え込み続けてきたものが溢れ出す瞬間に触れ、言葉にで>>続きを読む

夢二 4Kデジタル完全修復版(1991年製作の映画)

3.7

現実なのか夢なのか、幻想的でカラフルな画作りがなんとも刺激的。美に対する執着心めいたものが夢二とリンクして芸術に対する圧倒的な熱量があった。要所で挟まれる得体の知れない違和感と男女の複雑な関係性が難解>>続きを読む

劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

4.1

相手へのリスペクトとお互いが認め合いながらより高みを目指して切磋琢磨した結果たどり着いたゴミ捨て場の決戦。バレーが好きだからこそここまで貪欲に打ち込める純粋なスポーツマンたちの1つの集大成。1人の観客>>続きを読む

ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

4.0

タイカ・ワイティティはネガティブな出来事を笑い飛ばしながらそこに寄り添う心温まる作品を作るのがすごく上手い。歴史に残る大敗を背負いながら世界が注目する舞台で戦う選手と、画面を通して一緒に一喜一憂する人>>続きを読む

ブラック・フォン(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

聞く耳を持たない大人、力を誇示する同級生、厳しく当たる親の存在から感情を押し殺す。行き場をなくした叫びは閉じ込められ誰にも届かなくなる。
1人、また1人と知人や友人が行方不明になるがその無念を受け継ぎ
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.9

ボーの主観で捉えられた不穏すぎる心理世界に迷い込み、出口が見えず何を信じればいいのかわからない不安がつきまとう。主観的に見ればボーに対して様々な理解できない状況が襲い掛かっているが、傍観者視点で見れば>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

フィルム感のあるザラついた画面の奥から滲み出る優しい光がなんとも心地良い。唐突に発症するケースもあることがより自分をコントロールできない辛さやもどかしさのようなものを大きくさせているのではと思い、必死>>続きを読む

恐竜・怪鳥の伝説(1977年製作の映画)

3.0

自然の脅威の前には恐竜だろうが怪鳥だろうが人間だろうが関係なく為す術がない。スピルバーグ的な要素を感じつつもビジュアル・音楽の中途半端な違和感が拭えない。役者の頑張りとゴア描写の攻めがこの作品を支えて>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

独特な世界観に散りばめられた様々な要素が織りなす無機質ながらもラストは心温まる作品。理不尽にもがきながらも不器用に生きていく2人の距離感が絶妙。配色のバランスが素晴らしく、どの場面を切り取っても写真と>>続きを読む

犬人間(2022年製作の映画)

3.3

冒頭から犬人間を登場させる潔さ。なぜ犬として過ごしているのかが不明なためなんとも言えない不穏な空気が流れている。違和感を感じたらその直感を大事にすることが大切だなと。アンバランスなお仕置きのシュールさ>>続きを読む

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

5.0

【オールタイムベスト】
お互いが優しさに満ちたまなざしで見つめる姿にうっとり。些細なしぐさや大切な瞬間を切り取り、しっかりと見せてくれる今作の魅力は計り知れない。
セリーヌの髪を触ろうとしたジェシーが
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機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

4.0

「必要だから愛するのではありません。愛しているから必要なのです。」この言葉に全てが詰まっていた。
ガンダムシリーズの中でも男女関係の複雑さが印象的なシリーズで今作もすれ違いの描写に歯痒さを感じた。しか
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.9

大画面に映る北海道の雄大さと迫力のある戦闘シーンを中心に見応えがある。サスペンス・コメディ要素などのバランスが良く、登場人物も多いがこれから面白いことになりそうだとワクワクさせられる。なんといっても作>>続きを読む

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