典型的なイイ話でまとまってはいるんだけど、でもやっぱり、シンプルに良い映画だったなぁと思う。
融通の利かない超堅物であるオットー。でも、見過ごせないというその性格は、マリソルと同じくらいお節介で、優>>続きを読む
ろくにあらすじも知らないまま、偶々観たこの映画。フラッと気軽に観るようなものじゃなかったけれど、観逃さなくて良かった。
窓拭き清掃員として働きながら、4歳の息子マイケルをひとりで育てている33歳のジ>>続きを読む
パリのど真ん中に建設されたエッフェル塔。
着工前に再計算させたり予め模型を作ったり、誰ひとり怪我人は出さないと言い切ったエッフェルは、随分慎重に事を進めていて、設計だけでなく優秀なリーダーでもあったん>>続きを読む
これは多分予告を観たことはない気がするから、タイトルだけで観ることを決めたようなものだけれど、良かったなぁ。
小さな小さな古書店の店主リベロが、ゴミ箱から拾った本を売りに来るボジャンから得た誰かの日>>続きを読む
どうしても観たかった1本。ヒラリーが「あなたが選んで」とノーマンに頼んだ時、急激に胸に込み上げるものがあって、そこからはうるうるしながらヒラリーを観ていた気がする。
1981年、イギリスの海辺の町マ>>続きを読む
何とも芯を食ってて何とも皮肉たっぷりで、いやー面白かった!
インフルエンサーとして稼いでいるヤヤ以上の富裕層が沢山乗っている豪華客船。そのお客たちからの高額チップがお目当ての乗組員たち。そしてそんな>>続きを読む
何か凄いもの観たな~って思った映画だった。
狂騒、狂乱。とにかく狂ってる感満載のパーティーが、映画業界がいかに勢いに乗っているかを如実に物語っていて、何でもありのそのパワーは凄かった。ゾウ登場でギャ>>続きを読む
未曾有のテロ事件、その被害者への補償プログラムに携わったケネス・ファインバーグ弁護士の実話を基にしたこの映画。9.11をこの視点でみたことないなと思った内容だった。
これまでの経験による自信と使命感>>続きを読む
最初に観に行った時は満席で観られず、ならば!と予約して観に行った2回目。やっぱり満席だった。
ロシアは良い国だ、と酔っぱらいながら自慢するリョーハと同室になったラウラ。イリーナのテリトリーで居づらそ>>続きを読む
若い女性が山から転落し年老いた夫が残された、と話した時にはもう、惹かれていたのだろうと思う。少なくとも、妻に嘘を吐くぐらいの疚しさは、心の中に芽生えていたんじゃないかな。
滑落事故をきっかけに出会っ>>続きを読む
窓に貼られた綺麗なステンドグラスにさえ気を配る必要がある程の緊張感。ここで何が行われるのかは知っていても、着地点が何処なのかは誰にも分からない。「私は言うことが出来るだろうか」···不安と緊迫感の中対>>続きを読む
気合い入ってるな、というのがありありと伝わってきたエンドロールのあの長さ。本気の時代劇とはかくも素晴らしいもの、というのを堪能出来た時間だった。
人を救う鍼医者としての顔と人を殺める仕掛人としての顔>>続きを読む
大うつけと言われた織田信長とマムシの娘である濃姫。政略結婚で出会ったふたりの相性の悪さがコミカルに描かれていた初夜からして、濃姫がとても魅力的な人物だったなと思った。
武芸に長け、野心があり、強気一>>続きを読む
公開前からロングラン確定だろうと思っていたので、落ち着いた頃を見計らって観に行こうと決めていた。でも、落ち着くのはまだまだ先だったみたいだ。
多くの人の心に何かしらのキズを残した東日本大震災。鈴芽も>>続きを読む
めちゃくちゃ夢のあるこの話が、実話に基づいているというんだから、競走馬を育てよう!と思い立ち行動したジャンには圧倒された。ドッグレースに鳩レース、恐らくその素地がジャンにあったとはいえ、無計画の無鉄砲>>続きを読む
パン・ナリン監督の自伝的映画。
原題は『Last Film Show』フィルムが必要無くなり、別物に生まれ変わった時、映画の美しさが別の形で現れたように思った。
まだフィルムだった頃、映写技師が活躍>>続きを読む
会議前の根回しに、意見のぶつかり合い。一見どこにでもありそうな会議で話し合われていたのは、効率良くユダヤ人を殺害するにはどうしたらいいか、混血もユダヤ人として殺害対象か、ユダヤ人の財産はどうするか、と>>続きを読む
完全自主制作スタイルの本作が話題を呼んでいる、と何かで知って観てみた。成人雑誌制作の裏側なんて初めて観たから、新鮮で面白かったなぁ。
オシャレなサブカル誌に携わりたくて入った出版社で、男性向け成人誌>>続きを読む
記憶に新しい#MeToo運動。記事になっても誰も反応しないことの方が怖いと話したミーガンの不安に反し、大きなうねりを起こしたこの問題。ハーヴェイ・ワインスタインの罪に加え、加害者を擁護する法のシステム>>続きを読む
思っていた以上に重い内容で、受け止めきれなかった気がする···。紛争をくぐり抜けて英語を学び、次は日本語を楽しそうに口にしていたナディアの笑顔が守られなかったなんて、なんて無慈悲なんだろう。
陶器職>>続きを読む
走りながら後ろを振り向いた時の裕一の顔が、犯罪を犯して警察だかなんだかに追われてるぐらいの切迫感に溢れてて、最早ちょっと可笑しかった。きっかけは浮気を問い詰められたからじゃなかったっけ?と、自分の記憶>>続きを読む
恋愛塗れのどろどろとした映画かなと思っていたら、全然そんな映画じゃなかった。2転3転する展開と共に、同じ男を好きになった者同士の心の変遷も描かれていて、共感どころもあり、最後にはちょっとスカッとすらす>>続きを読む
あぁ、とっても良い映画だった。
好きな人に好きな人が出来たのならそれは喜ばしいこと、っていう佳純の言葉、響いたなぁ。恋愛感情を持たない佳純だからではなく、“別れ”に対する良い捉え方だなと思う。別れるこ>>続きを読む
競艇学校って、ああも簡単に入れてウロウロ出来るものなのかな。それとも常連のよしみで入れただけなのかな。とか、ちょこちょこ何のためのシーンなんだろうというのが見受けられたせいもあってか、結局この映画の芯>>続きを読む
か細い声で答える「はい」ぐらいしかケイコの声は聞こえてこなかったけれど、でもその表情でその手で文字で伝わってきたケイコの感情。良い映画を観たなと思える映画だった。
背が低くリーチが短い、加えてセコン>>続きを読む
夏目漱石の『吾輩は猫である』に登場する絵葉書の作者とも言われているという、ルイス・ウェイン。最後まで読みきれなかった小説とは違い、こちらは何とか最後まで鑑賞しきれた。
イギリスでは、猫はネズミを捕る>>続きを読む
パオロの元に駆け込むジェンマまでの一連がドラマティックだなぁ、なんて思いながら観ていたせいか、くっついたり別れたり、こんがらがっていく関係にちょっと疲れてしまった(笑)
16歳で母親を亡くし、無理矢>>続きを読む
予告からして、泣くことは分かっていた。でも、何の涙かまでは考えていなかったから、山本幡男さんがどんな生涯を辿ったのかはとても興味深く、そしてその人間性にとても驚かされた。
「これは戦後の混乱の最中で>>続きを読む
今を健やかに過ごすためにふたりが決めたことだから、きっとあれで良いんだと思う。歪でも普通じゃなくても、心に空いた空洞を埋めるには、互いが必要で。それは、小さな身体で精一杯のシグナルを送っていたアキラに>>続きを読む
流産か中絶か。カルテにどちらを書かれるかで未来が決まった、1960年代のフランス。でも“望まない妊娠”は、今もある。
アンヌが妊娠したのは夏。そして暮らすのは学生寮。隠しきれない体型の変化は冬場以上>>続きを読む
他人に成り代わることでしか生きていけない男の姿がそこにあって、あぁなんて容赦がないんだろうと思った。同じ血が流れていることにも、顔が似てきていることにも、過去が纏わりついてくることにも、その全てに苦し>>続きを読む
もしも職業に“母親”というのがあったとして、適性検査の結果、“母親”が向いてますよと薦められる女性は、一体どのくらいいるんだろうか、なんて考えてしまった。
母と意見が異なるようなことがあってはならな>>続きを読む
はぁー面白かった。エンディング曲の歌詞までがこの物語を語っていて、ゾクッときたラストの余韻を引き摺り続けながら観終えることが出来た。
町の人々から、“湿地の娘”と蔑まれながら生きてきたカイア。湿地帯>>続きを読む
元気になれそうな映画を観たいなと思ってこの映画を選択したから、まさか自分が泣くなんて思ってもみなかった(驚)
何が自分の琴線に触れたのか分からないまま流れる涙を止められなくて、慌ててハンカチを手にした>>続きを読む
作品を観てみたくて、観てみた。
斬られて、撃たれて、矢を放たれて。死んでは起き上がり、起き上がってはまた死ぬから、死ぬために起き上がってるんだと思った、役名なきエキストラ俳優の宮松。
仕事を終えて>>続きを読む
極限状態の中、偽の言語を創作し記憶する···命懸けのペルシャ語教室。混乱の時代だからこそ成立しただろう奇抜なこの話に、終始ヒヤヒヤとヒリヒリとさせられた。
書き留めておくことは出来ず、ただ暗記してい>>続きを読む