TMさんの映画レビュー・感想・評価

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殺られる(1959年製作の映画)

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所謂フレンチノワールの一品。真っ黒な夜の画面、ドラマの展開に沿って挿入されるジャズミュージックが独特な怪しさを生む。人身売買を描いているようだが、実際被害者がどんな目に遭っているかは描写されないのも当>>続きを読む

或る殺人(1959年製作の映画)

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デューク目当てに鑑賞。法廷物でありがちな、いわゆる社会的正義とは何かといった問題に直接還元されない物語。事件の真相よりも、ただ裁判で勝たせることが目的化しているリアリティ。加えて当時としては異常な長尺>>続きを読む

ドライヴ(2011年製作の映画)

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前半の寡黙なドライバーがそのテクニックだけで世の中と繋がっているような感覚は凄くいいんだけど、彼が銃をぶっ放してアウトローさが前に出てくる後半は何だかセコいヤクザ映画みたいな凡庸な話になって、勿体ない>>続きを読む

複製された男(2013年製作の映画)

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なるほど、面白い。六本木の蜘蛛のオブジェがママンという名前なのは読解のヒントになる。ドッペルゲンガーものという意味出るは映画的だけど、扱いが上手いかというとやや疑問符が。

きょうのできごと a day on the planet(2003年製作の映画)

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いわゆる日常系。いたって普通に見えて、その実、世の中の空気を繊細に掬い取るような同時代性が、この頃の行定にはあった。感性とテクニックの幸福な調和が、今見ても不思議な説得力を感じさせる。概ね大学映研でも>>続きを読む

怒り(2016年製作の映画)

1.0

沖縄のエピソードはいいと思います。海もきれいだったし、広瀬すずも頑張ってたし、そこだけでシンプルに2時間くらいの映画に出来れば良かったんじゃないかな。社会の理不尽さ、遣り場のない思いを描くのはいいけど>>続きを読む

家族はつらいよ(2016年製作の映画)

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「家族」は確かにつらい映画だが本作に比べれば遥かに耐えられる。やはり役者の違いか。中でも橋爪功、中嶋朋子、こぶ平、西村なんとか、など到底スクリーンに耐えない道化芝居が延々と続き、確かにこれはつらいよ、>>続きを読む

家族(1970年製作の映画)

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1970年の日本の記録としては、大阪万博とか、汚い街並みとか、見どころあるけど、物語が段取り過ぎる。赤子と爺さんが死ねば確かに大変だが、それで家族の感動話と言われてもね。オールロケ撮影とは言えガクガク>>続きを読む

パレード(2010年製作の映画)

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若者5人のシェアハウスを舞台に緩い人間関係の裏側に潜む闇を抉った群像劇らしいが、いろいろ作為的過ぎて、乗り切れない。最初の4人がどうやって一緒に暮らす事になったか、もう少し描かれないと、最後の崩壊劇が>>続きを読む

つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語(2012年製作の映画)

3.0

なかなかの怪作。小泉今日子と荻野目慶子の痛々しい痴話喧嘩から始まって、昼ドラも真っ青の目も当てられないようなシーンが連続し、なんだかなぁという感じだが、見ている内に吹っ切れてくるというか、この昼ドラ感>>続きを読む

真夜中の五分前(2014年製作の映画)

3.6

テンポがゆったり過ぎて眠くなる、話にリアリティがない(恋人さえ気づかない程酷似した双子などあるか!)、子どもの演出が覚束ないなど、気になる点はあるが、一種のファンタジー映画として見れば悪くない気も。一>>続きを読む

オールウェイズ(1989年製作の映画)

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山火事向けの航空消防団の話だけど、仕事中にふざけたりして、時代的なお気楽感が今観ると結構辛い。

ジプシーのとき(1989年製作の映画)

4.0

凄いバイタリティ。決定的なシーンの連なりの中に、物語はほとんど溶解してしまう。泥と驟雨と七面鳥。

ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

2.0

無秩序な暴力が描かれているようで、妙に理由付けしようとしているのが中途半端。しょっぱいカークラッシシーンが象徴するように、根本的な痛さが足りない。柳楽優弥はいい顔してたけど、もう一回りでかければ説得力>>続きを読む

10 クローバーフィールド・レーン(2016年製作の映画)

3.6

池袋シネマサンシャインにて。悪魔のいけにえ的なシチュエーションホラーで始まり、実は宇宙戦争始まってました、という合わせ技映画。世界が狂うとまともな人間と異常な人間の区別がつかなくなるという怖さ。主人公>>続きを読む

黒猫・白猫(1998年製作の映画)

5.0

新文芸座にて。川辺で暮らすジプシーたち、三世代にわたるドタバタ悲喜劇。じゃりん子チエみたいな。喧噪と魅力的な顔たち。向日葵畑での逢瀬。

牝猫たちの夜(1972年製作の映画)

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新宿を舞台にした、三人のトルコ嬢の日常を描いた群像ポルノ劇。映像センスは流石だが、女優さんがもうちょい美人だったらなと思ってしまった。

江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者(1976年製作の映画)

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宮下順子の鋭い視線と石橋蓮司の虚無的な視線が交錯するエロ川乱歩。台詞が少なく、静かな抒情がある。短い時間で女優を全員脱がす律儀さ。ピエロも謎の前衛芸術家も関東大震災も原作にはないが、そんなことどうだっ>>続きを読む

犬神家の一族(1976年製作の映画)

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陰影の濃い映像が何より印象的。三國連太郎の顔が象徴するように、キッチュで作り物めいた世界。

山椒大夫(1954年製作の映画)

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平安末期の時代劇であり、貴族の凋落と離散の悲劇、横暴な荘園領主に使役される虜囚物、そこからの逃走と権力への回帰と再びの流浪を描いた貴種流離譚、そして何より子供との再会を願う母物。様々な要素が詰まった、>>続きを読む

ヴァン・ゴッホ~最期の70日~(1991年製作の映画)

2.5

モテモテゴッホの最期。枯れた風景は彼の描く絵との対比なんだろうけど、映画のルックとしては結構辛く、フィルム状態のせいかもしれないが2回寝た。やたら踊ってばかりだった印象。女優さんの強度が足りない気も。

ソフィー・マルソーの刑事物語/ポリス(1985年製作の映画)

3.5

ドパルデューがハマり役としか言いようのない欲求不満ヤリチン刑事があたりかまわずわめき散らす傍迷惑ノワール。アラブ系麻薬密売組織の女を演じるソフィーマルソーのうら若きファムファタルぶりも見もの。

魂萌え!(2006年製作の映画)

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定年後、急死した夫他に実は愛人がいて、自分を見失った女性が、友人やカプセルホテルで出会った赤の他人達との触れ合いの中で立ち直る。女性映画に必要な繊細さはそれほどないが、風吹ジュンの可愛いらしさ、原作の>>続きを読む

安藤昇のわが逃亡とSEXの記録(1976年製作の映画)

5.0

言葉を失う程素晴らしい。タイトルまんまの実録物。結核のヤクザ達。石橋蓮司の白いスーツ。ブルースハープのブレスに合わせて揺れる乳。音楽は泉谷しげるだ。戦艦大和のプラモデル。ラスト、小松方正の新聞記者のボ>>続きを読む

好色家族 狐と狸(1972年製作の映画)

3.0

ドタバタコメディというならこれくらいやらなければ、という底知れぬ自信と自由に溢れた作品。余命3日と診断された母親の財産をめぐって争う娘とその連れ合い達の狂騒と艶笑劇。

ア・フュー・グッドメン(1992年製作の映画)

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法廷劇って面白く見せるのが難しいというか、何で映画にするかよく分からない所があるが、これは若さ溢れるトムクルーズと妙な迫力あるデミムーアが頑張っていて、そこを見てる分には楽しい。台詞の細部とか、言い回>>続きを読む

大いなる勇者(1972年製作の映画)

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108分なのに前奏と間奏が入る。伝承的なカントリーソングの挿入を含め、映像詩的な印象が残る。雪原、砂漠、林、荒野など目まぐるしい場面転換、ロッキー山脈の絶景が堪能できる冒険映画。

私をスキーに連れてって(1987年製作の映画)

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バブルの風俗映画、当時の雰囲気が出ていて秀逸。三上博史、原田知世、髪の多い竹中直人など、役者陣の見所多し。ゲレンデを滑走するクルマは悪くないが、ラストでスキー組に勝っちゃうのは、どうなんだろう。あくま>>続きを読む

赤線地帯(1956年製作の映画)

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吉原舞台の現代劇にも関わらず、いわゆる濡れ場シーンはいっさいないが、映画から湧き上がる色香に圧倒される。それぞれの女優の魅力。京マチ子の奔放さ、若尾文子の美しさ、何より三益愛子の切なさが強烈。

モテキ(2011年製作の映画)

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主人公に都合のいいラブコメと言う以上に何もない物語ではあるが、90年代サブカルの無邪気な引用とカラオケ演出などの力技で何となく見せきってしまう。森山未来の身のこなしは見てて飽きないし、長澤まさみ始め女>>続きを読む

悪人(2010年製作の映画)

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逃避行モノだが、犯人や殺された人の家族側にも焦点を当てるのが特徴。妻夫木聡の死んだ目、深津絵里の潤んだ目が忘れがたい。感情を押し殺す柄本明、樹木希林も良いが、見慣れている分、主演の二人を食い切れていな>>続きを読む

悪魔の手毬唄(1977年製作の映画)

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パッケージにもなってる酒樽の死体シーンが印象的。全体に見世物小屋感強し。

病院坂の首縊りの家(1979年製作の映画)

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市川金田一のひとまずの完結という事で、いろいろ詰め込んだ感がある。シリーズのパロディや、原作者夫妻の大胆起用など、ここまで振り切れると、流石に面白い。桜田淳子のアイドル女優としての輝きも忘れがたい。

ハルフウェイ(2008年製作の映画)

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地方高校生の後ろ向きな恋愛模様を岩井風手ぶれキャメラと自然主義的な芝居でオブラートに包んで描く。主演の娘を全面肯定しないと観ていられない。男子の視点からすると、女のワガママに人生振り回される厭な話だよ>>続きを読む

白鯨との闘い(2015年製作の映画)

2.0

悪魔と畏れられる巨大鯨に対し、正に悪魔の行為によって辛くも生き延びる男たちの物語。多分に宗教的な筋立てではあるが、それはあまり強調されず、ある意味ごく普通の人間ドラマになっている。手堅いと言えばそうな>>続きを読む

黒い十人の女(1961年製作の映画)

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陰影の濃いシャープな映像と淀みない台詞、ウェットな音楽が独特なムードを作り出している。キザな感じは否めないが、内容とマッチはしている。冒頭、宮城まり子の幽霊が物語のサスペンス性をいきなりぶち壊してしま>>続きを読む

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