TMさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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四畳半襖の裏張り(1973年製作の映画)

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戦争に向かう大正期の世相をなぞりながらの、ワールド・オブ・ゲイシャ。襖越しに覗き見るようなショット、宮下と二谷の長い初夜にモンタージュされる訓練風景、文字が印象的。夜道の人力車チェイス。弾よけの陰毛。

共喰い(2013年製作の映画)

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とても知性的に撮られていて面白いんだが、話が暗すぎ。役者が皆上品なので、大分救われてる。結局、息子は何もしない・できないという。あと、セリフの音量が小さい。ついでに、光石研の摩羅がデカすぎ。

花とアリス(2004年製作の映画)

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少女の最も魅力的な瞬間をひと時も逃すまいとする岩井映画の粋。135分という長さは、ひとえにその情熱による。藤子、手塚など、漫画への目配せは正直恥ずかしくなるが、学祭シーンの巨大アトムは良い(一種の照れ>>続きを読む

バクマン。(2015年製作の映画)

2.0

もともと映画向きではない原作をCG活劇化した力技に多少の感興はあるものの、全体としては映画も漫画も信じられていない曖昧さが残る。例えばクライマックス、主人公たちが書き上げた原稿を自ら編集長に手渡すとこ>>続きを読む

GONIN(1995年製作の映画)

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Vシネ的な題材ではあるが、さすがに名作と言われるだけあり、隙がない。役者は皆良いが、中でも椎名桔平、竹中直人が白眉。女の髪と服を身につけ血みどろてヤクザの事務所に乗り込んでくるシーン、実家に帰ると家族>>続きを読む

Love Letter(1995年製作の映画)

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脚本や映像は当時としては先鋭的であったが、今見直すと、バブルの残り香というか、トレンディドラマっぽさといか、甘々スイーツ感が強く、結構つらい。豊川悦司を筆頭に芝居臭さも気になる。とはいえ、中山美穂の可>>続きを読む

彼は秘密の女ともだち(2014年製作の映画)

4.0

LGBT万歳!みたいな感じのアクロバティックなラブ・コメディ。前半は文句なくスリリング。後半は心理的な混乱をみせるが、まあフランス映画だし。唐突な事故シーンが凄かった。

アリスのままで(2014年製作の映画)

2.6

女優の映画。生きながら死を演じているかのようなジュリアン・ムーアの熱演が、直球のシナリオに程よく緩急を与えていて、見やすい。

サーチン・フォー・マイ・フューチャー(2016年製作の映画)

2.5

エンタメ系インディーズ映画の雄が自ら主演して贈る、擬似ドキュメンタリー・ドラマ。魅力ある登場人物、まっとうな脚本、テンポの良い見せ方など、低予算を感じさせない作り。器用貧乏な感じは否めないけど。

四月物語(1998年製作の映画)

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松たか子かわいい、と言わしめるための67分。物語と言う程のものはないが、画面の隅々まで行き届いた繊細さが饒舌に語りかける。生きていた信長、フライフィッシング部など不思議な細部。津田寛治、つぐみ等、曲者>>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993年製作の映画)

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やはり素晴らしい。少年的な妄想、美少女愛を凝縮した50分。プールと花火の使い方でこれ以上の映像ってあるだろうか。少年たちの演出も、当時のTVドラマとしては頭抜けていた。幸薄い美少女を描かせれば天下一品>>続きを読む

市川崑物語(2006年製作の映画)

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市川崑と岩井俊二の並列には確かになるほどと思わせるものがあり、これを企画した「犬神家の一族」(新)のスタッフは上手かったと思う。「犬神家」に肩入れし過ぎている気もするが、それは監督の世代というもので、>>続きを読む

DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?(2010年製作の映画)

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一応、岩井印ということで。AKB最初のドキュメンタリーで、小手調べという所か。少女達の真面目さは伝わってくるものの、相当演出が入ってますな。

スワロウテイル(1996年製作の映画)

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久方ぶりに再見。公開から20年、日本に不法移民のスラムがあるなど、当時はいかにもSF的であったが、今観ると割とリアルに感じられる部分もある。まあ、殺し屋とか、子供達の偽札作りなど、相当ファンタジックで>>続きを読む

フレンジー(1972年製作の映画)

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はっきりと映し出されるヌード(代役だが)、死顔の描写に時代を感じさせる。久々にイギリスに帰ったヒッチコックが伸び伸びと演出しているのが目に浮かぶよう。絞殺死体の舌出しはかなりショッキングで、スター・ウ>>続きを読む

キッチン・ストーリー(2003年製作の映画)

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北欧らしい小洒落た風景と事物が堪能できる。基本的に三人のおっさん達のドラマ(ゲイ風味)だが、老醜や家族や女性問題と無縁なのは深い雪のせいか。スウェーデンとノルウェーの微妙な関係性も興味深い。

裸の拍車(1953年製作の映画)

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とある賞金首とその女を搬送する保安官。予期せぬ2人の援助者が加わったことで、仲間れの危険を孕んでの道行きとなり、というサスペンス西部劇。頼りなく善人でもないJ・スチュワート、男を簡単に乗り換えるJ・リ>>続きを読む

父 パードレ・パドローネ(1977年製作の映画)

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荒涼とした風景のなか、虐待親父に翻弄される家族がいたたまれない。乳にフンする山羊、それを契機に発情する人びと、いい加減さと猥雑さ。登場人物が全員馬鹿なのと、無闇にかぶさるモノローグにイライラする。

果てなき船路(1940年製作の映画)

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「怒りの葡萄」と同年に撮られた同時代劇。大戦前(ヨーロッパは戦中)の暗い様相を描きながら、終始アイルランド労働者たちのささくれた相貌に寄り添うフォードの筆致が優しい。物静かな好青年をぎこちなく演じるジ>>続きを読む

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

3.0

冷戦時代を背景に、アメリカにとって真の英雄とは何かを問う野心作。実話ベースだし、捕虜交換交渉が成功する事は最初から分かっているので、後は「なぜそんな奇跡が完遂されたか」が焦点になるが、結局のところドノ>>続きを読む

怒りの葡萄(1940年製作の映画)

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オクラホマ難民一家の受難劇。1940年当時の現代劇であること、アメリカにおける共産主義への期待が描かれていることに留意。不穏な衝動をつねにふりまき、やがて労働運動に立ち上がる青年を演じたヘンリー・フォ>>続きを読む

真昼の決闘(1952年製作の映画)

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街を救うために生贄にされてしまう英雄の悲劇。新妻の助けもあり、何とか4人の悪者を返り討ちに成功するも、街はもはや守るべき場所ではなくなってしまう。赤狩り時代を色濃く反映させた陰鬱なシナリオが秀逸。ただ>>続きを読む

赤ちゃん教育(1938年製作の映画)

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変人喜劇とはまさにこれという感じの狂騒ぶり。ドラマを駆動する主要人物に誰ひとりまともな人がいない。だが、露悪的なストーリーに付いていけなくても、豹と犬の見事な演技、グラントとヘップバーンのスラップステ>>続きを読む

暗黒街の弾痕(1937年製作の映画)

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監獄の檻、脱獄時の白い靄、打ちつける雨など、ラングらしい陰影に胸打たれながらも、救いのない物語にいささか滅入る。ヘンリー・フォンダの顔が暗いのが全ての元凶。逃避行の最中に赤子が産まれるが、一人で産むの>>続きを読む

リバティ・バランスを射った男(1962年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ジョン・ウェインの死から始まるのが象徴するように、英雄譚としての西部劇の終焉を強く感じさせる一本。リー・マーヴィンの快演が光るリバティ・バランスは強盗犯で確かに悪党なのだが、考え方はウェイン演じる元軍>>続きを読む

飾窓の女(1944年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

美女に誘われた大学助教授が、行きがかり上、彼女に言い寄っていた男を殺害、二人は共謀して死体を山に捨て、秘密を隠そうとするが、、、というサスペンス。教授は割とドジで手掛かり残しまくり、女も純で目撃者にゆ>>続きを読む

或る夜の出来事(1934年製作の映画)

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わがままな資産家令嬢と、その駆け落ちを手助けする新聞記者との恋模様を描く喜劇でありロードムービー。4週間という撮影期間の短さが産んだロケ主体の映像が瑞々しくしい。川面でのクラーク・ゲイブルの肩車。ヒッ>>続きを読む

ウィンチェスター銃'73(1950年製作の映画)

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西部劇のアイコンである銃に関する様々な挿話が散りばめられた、複層的な脚本が楽しい。銃が無いと頼りない感じになるJ・スチュワートが酒場で悪党の首をしめるシーンが凄い。次々と撃ち殺されるたび男を乗り換える>>続きを読む

捜索者(1956年製作の映画)

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テクニカラーの荒野が最高に美しい。その突き抜けた青空に対し、内容は復讐劇であり、かつ先住民への曖昧な立場も滲ませ、薄暗い。コマンチ族の無謀な突撃シーンは、どうかと思うが。

マン・ハント(1941年製作の映画)

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無意識のうちにヒトラー暗殺未遂した英国紳士が追われるサスペンス。ロンドンの雰囲気は暗いが、主人公はボンド並みのイケメン紳士で妙に明るい。ジョン・キャラダインの顔が相変わらず長い。

恐怖省(1944年製作の映画)

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序盤のデイビッド・リンチにも連なるような不穏さが凄い。降霊シーンとか最高。中盤以降は饒舌なミステリー展開でやや疲れる。精神病院から出てきた主人公が自分がまともだと一時も疑わないのが、物足りない気も。

死刑執行人もまた死す(1943年製作の映画)

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ナチスの恐怖支配をベースに、祖国の英雄である暗殺者を匿ったことから始まるサスペンス。ナチス将校が誇張演出でややギャグっぽい事もあり、集団で個人を犯人に仕立て上げる地下組織の方がむしろ恐ろしく感じられる>>続きを読む

荒野の決闘(1946年製作の映画)

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ポーチの柱で遊ぶヘンリー・フォンダ。太々しい色男ドク・ホリデイ。そして愛しのクレメンタイン。

スミス都へ行く(1939年製作の映画)

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ジェームズ・スチュアートの細さ若さ熱さにうっとり。基本的に室内劇だが、マッタリする所は皆無。ディベートで大衆を動かす訳ではなく、一人の議員を会心させることに集約させる辺りが、リアルと言えばリアル。