おっぱい…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
「クリシェ」という外来語の纏う、耐えがたい愚鈍さを突きつけ、破り捨てる力強い身振り。その疾さに、観客は酔いしれる。
空間の捉え方が近かったので5分くらい気づかなかったが、これはジョン・カサヴェテス作品ではなく「ザン」・カサヴェテス作品であり、まさしくとるに足らないギャグ映画であることに注意しよう。
吸血のシーンでか>>続きを読む
極めて高度な知的操作と莫大な資金によって、社会派フェミニズムにもマーベルファンにも初見にもアクションファンにも絶対に、文句を言われないアベンジャーズ最終作を作ろうとした。そして、これ以上ない器用さによ>>続きを読む
傘を差して雨空から降り立つ女。実写『プー』に共通する「モノ」の不気味さが、あまりにも凡庸なストーリーのなかでどくどくと脈打つ。ディズニーは実写映画でこの路線を継続するらしく、わたしは今から『ダンボ』の>>続きを読む
批評を書くネタを掴むために、テクストをねっとり熟読してキーワードをメモに残して、それから埋まらない空想の星座の片々に悶々とする。そんな愚図な振る舞いを「飛躍」の一言と一秒あたりのコマ数の減少によって置>>続きを読む
太ってる人嫌いだったんだけど思い直した。肥満は世界をひきうけてきた証なのだ。
マコーレーカルキンの話ばっかりしたくなる自分のミーハー加減に飽き飽きする。ホテルマンの右頬に飛ぶ母親の謎のビンタ。
ジェラール・フィリップの笑顔はあくまでもさわやか。36歳で死んだ男。若さしか知らずに死んだ。
劇中のちぐはぐな夢想の連続は不安や疲労を煽らない。ファンファンってパンタみたいなあだ名でいいね。
一度見たものすべてを覚えられるスーパーエージェントを演じるチャールズ・ブロンソンの瞳やまぶたの皺にはあまりにも知性が感じられないので、ウォンテッドピープルの個人情報を集めた一冊のノートをブロンソンが暗>>続きを読む
はっとさせられるような切り返しもフレーミングもスペクタクルもユーモアもなにもない、その漠然としたそつない下手さは当然眠気を誘う。その眠気、まどろみを保たせたまま観客のまぶたを持ち上げる大きな音。
暗闇>>続きを読む
ロマン・ポランスキーは健康だ。聞き手を務めるロラン・プーズローはポランスキーがおかしたレイプ事件も元妻の死についてもめちゃめちゃカジュアルに問い詰めるのだが眼差しがあまりに朗らかでそれでいてやさしいの>>続きを読む
空気がおいしい映画。美的感覚だけに訴えかけようとしないロバート・アルトマンのやさしさが夜風に混じって、暗くて孤独で寂しいはずだった、かつての夜を心地よいものにしてくれる。
原作小説とおなじように憧れを>>続きを読む
泣きの映画だ。だが音楽が私たちをどうしても泣かせようとしない。
突然高らかに謳うホーンセクションが、恋人の死を想う男のセンチメンタルをかっとばす。まるで映画それ自体が「ただでは忘れ去られないぞ」と息巻>>続きを読む
あるひとりのグズを醜く映したり滑稽に転がすだけかと思いきや、ステレオタイプなキャラクターの行動パターンを全登場人物に拡張し、またそれらを滑稽なまで愚直にコロコロ転がせる。拡張されるたびに私の胸に押し寄>>続きを読む
タクシードライバーの男とエセ占い師の女、ふたりの命を左右する肝心な秘密がだらしなく露呈してからどうしようもなくまのびした時間を「ほおっておく」と、伸びきったそれはまるでメジャーのようにふとした瞬間勢い>>続きを読む
「妥協をしなかったら、人は私を必要とするようになる」
「はじめに服を思いつくのじゃなく、物語や人、物が頭に浮かぶ」
「今の時代ひとを驚かせるのは難しい、だから繊細な部分に気を使う」