幕のリアさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

3.2

前線で消費される戦力。
一方、血まみれ、肉片まみれの軍服や軍靴は頭陀袋に山と包まれ内地へ帰り、洗浄され、再び命を吹き返す。

この時代にリメイクされた意味は充分。
近代兵器が大量殺戮を可能にした第一次
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

2.8

時代設定は「悪魔のいけにえ」公開当時。
セピアがかった映像とキャラの立った登場人物達。
「フッテージ」でも見られたクールな映像が随所に。

誘拐犯登場から失速かと思いきや、"鳴らない電話"ならぬ"通じ
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アフリカン・カンフー・ナチス(2020年製作の映画)

2.2

スクリーンで観るつもりだったのが、ようやくアマプラに。
カンフー愛に溢れており好感が持てる。
ガーナやドイツでも、安く売られた香港や日本のアクションプログラムがかつて大量にテレビで垂れ流されてたんだろ
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Winny(2023年製作の映画)

3.9

予告編で妙に耳につく三浦貴大の関西弁イントネーション。
なんの映画かよく知らんまま、謎の予感を頼りに会社帰りにレイトショーへ。

愚直に目の前にある課題に打ち込む者を阻む外的圧。
VS国家権力という図
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.1

ミッドセンチュリー、アメリカが最も輝いていた時代。
その輝かしさの余り、所々指す影。

ポシとネガが像を結ぶ。
0と1の組み合わせがアルゴリズムを産む。

過ぎ去りし日々の美化でも回顧でもない少年の成
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日本統一50(2021年製作の映画)

3.0

7人会?
今までどこに居ってん。
渡辺裕之はともかく六平直政登場はちょっと嬉しい。
待てよ、渡辺裕之…

ラスト10分で日本の闇に迫る急展開。
日本統一を謳うだけの気概は感じさせる。

〜〜

今日の
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9.11-8.15 日本心中(2005年製作の映画)

1.6

あいちトリエンナーレ騒ぎにはあまり関心がなかったし、本作監督の作品群にも何も感じることはなかった。

ある日上司と飲んでいたら、ふとその話題になり、上には完全イエスマン業務方針不明確言語不明瞭な男のく
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.1

擬似も擬似とは言え、ひっさしぶりのライブ。
最高のトリオバンドのアンサンブル。
熱くなれた。

CGアニメパートはマジ勘弁。
省エネなんだろうが、あれなら動かない線画の方が余程良い。
CGのヌルヌルし
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ヒッチハイカーKAI:手斧のヒーロー、その光と影(2023年製作の映画)

3.1

とびきりキャラの立ったトリックスターと踊り煽りまくるマスゴミ。
    
猛スピードで消費され忘却の彼方に消えゆくトピックとその登場人物。

路傍に転がる種が成長促進剤を注射されたの如く急速に花を咲か
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屋根裏のアーネスト(2023年製作の映画)

2.5

オープニングからキャッチーな画作りはさすがクリストファー・ランドン。
幽霊屋敷に越してくる黒人一家の個性、隣人は日系とノッケから引きが強い。

と思いきや、いかにも80年代のティーンムービーな空気に。
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カラダ探し(2022年製作の映画)

1.6

バイツァ・ダストより弱いスタンド能力、てか無限コンティニューのクソゲー。
ハッピーデスデイに遥か及ばない適当な設計。

橋本環奈がフィストドロップ食らって口あんぐりのワンターン目までは良かったんだが、
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スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

3.7

初めてイギリスに行った時、スミスを聴きながらブラックキャブに乗ってたら、英国紳士然とした運転手に話しかけられ、なんだと聞いてみれば、「ここでダイアナが亡くなったんだよ」と。
そんな事を思い出しながら観
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.2

僅か73分の作品というのに、早起きだったとは言え、どれくらい失神してただろう。
森に囲まれた薄暗い画面を見ながら、山の麓で育った子供の時分を思い出しながら意識は遠のく‥

それでも、小さい女の子のお別
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.3

情報遮断して、てっきり聖職者の荘厳な話かと思って見てみれば、さに有らず。
流石ヴァーホーベン先生。
俗悪なる物に真摯に目を凝らし清々しいまでの露悪っぷりに終始ゾワゾワ感が止まらない。

狂信者など存在
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バビロン(2021年製作の映画)

2.7

3時間の超大作に、久しぶりの六本木でドルビーでTCXスクリーンと最高の条件にて臨戦態勢充分。

始まってから気付いたブラピにマーゴットロビーでハリウッド、と例のやつが思い出される嘘のような組み合わせ。
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オアシス:ネブワース1996(2021年製作の映画)

4.0

先に機内プログラムで見たA24作品がどうにもハマらず、2本目はニコケイの新作を予定していたものの、ストレス解消にこちらに変更し爆音鑑賞。

余計なドキュメンタリー映像は廃し、2日で25万人を動員したネ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

2.5

A24作品はめっきり苦手になったが、本作はエンタメに振り切った一本だけに気にはなっていた。
それがベトナムへのフライトで見れるとは有り難い。

結論から言うと、人生賛歌や家族愛がテーマであるなら、こん
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レベル5(1996年製作の映画)

3.1

同時上映のほか2本の内、1時間半寝た後でメインディッシュに臨む。

96年の作品となっているが、撮り溜めた映像が完成に至るまでかなりの年月がかかったのか、ドキュメンタリー映像もコンピュータ表現もかなり
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

-

最近生活仕事環境的に通いやすい目黒シネマ。
ラインナップも良い感じにハマるし、なんと言っても昭和の佇まいが落ち着く。

今日はクリス・マルケル特集。
初見でワクワク。

なんだか見覚えあるような空港か
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バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー(2021年製作の映画)

3.0

キリ番2200本目はスクリーンで。
ただし最近はスクリーンで観たい作品がとんと少なくなったので名画座へ。
先に見たバットマンに続き今日はバッドマン。
次はパッドマンにしようか‥

昨今洋物コメディはと
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

2.4

ロバートパティンソン主演なら、サフディ兄弟に任せりゃよかったんだ。
NY撮らりゃピカイチだし。

ここまでの撮影クオリティでこの退屈はなんなんだ。
全ての作品にテーマ性が必要だとは思わないが、それが無
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.5

俺が何をしたっていうのか。
理解できない理由をきっかけに、友を失い、家族を失い、ナイスと思える感情や行動原理も失う。
そんな状況に陥れば、自分を見失わないために取った行動が間違いかどうか判別はつかない
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

5.0

公開当時はまだガキンチョにて、知識も追いつかず、"巨匠の作品だから良いに違いない"止まり。
後に満州の歴史に興味を持ち真冬に敢行した北京長春大連の旅で溥儀の足跡を辿った。
その後に見た本作には改めて心
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聖地X(2021年製作の映画)

3.2

岡田君「やっぱホラーには炭酸だよな」
さっき飲み干したウィルキンソンのペットボトルを机の上に発見。
数年ぶりに買ったというのに、たまたま劇中のような不思議が起きたのには笑えた。

入江監督ならではの画
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

2.5

序盤にタイムトラベル理論の話が語られる。
これは未来の話か。
選り抜きの優秀な種だけは出自に関係なく良い環境で育てられる。

劇中、デンマークとアイスランドのバスケの試合を観るシーンがあるが、民族分断
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WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

4.5

幻の名作、日本スクリーン初公開との事で仕事帰りに参戦。

バーバラローデン唯一の監督、脚本、主演作品とは思えぬ、切実なネガティブ表現の横溢に驚かされた。
流されるだけの人生に溺れ死にそうになりながら何
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日本統一49(2021年製作の映画)

2.5

川谷の権謀術数に目を奪われるのも束の間、しょうもなすぎる感動のフィナーレと共に心地よい睡魔が‥

そうそう当たり回は続かないのが統一。

〜〜

今日の一曲

デビット伊東呆気なく退場
元タレントでコ
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劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明(2020年製作の映画)

4.0

時代を象徴する呪いと絶望に祈りは届かない。
大人の言う祝福を、少年少女の冒険が勝ることをひたすら信じたい。

理解が追いつかないまま、次のテレビシリーズがたっぷり味わえることに感謝。

次回劇場公開時
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ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

3.5

ケイコ目を澄ませて、の後の新幹線移動で見終えたのが本作。
時にリンクする作品が続く不思議。

巨大スクリーンと素晴らしい音響設備。
映画館の魅力はこれに尽きるし、そこに素晴らしい映像とサウンドトラック
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

2.6

年明け一発目から世間とのズレを痛感する羽目に。

ボクシング映画の魔力はとても厄介。

〜〜

今日の一曲

Simon & Garfunkel - The Sound of Silenc

http
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The Workers Cup ーW杯の裏側ー(2017年製作の映画)

2.4

夏の高校野球とワールドカップは長らく社内有志でドラフト会議をして楽しんでいる。
全チーム漏れなく指名して得点を競うのだが、順位よりもほぼ全試合が誰かと誰かの対戦になることにより観戦に身が入り楽しめる。
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

5.0

公開当時以来。
すっかり記憶も断片しか残ってないから、タランティーノを知る人間がタイムリープして94年に新作を観る、というプレイを楽しんでみた。

パルプフィクション以前と以降で映画史を区切れるのは当
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白く濁る家(2019年製作の映画)

3.0

さがす!で佐藤二朗の嫁を演じてたおばさんが好演。

イニシエーション前をもっと怖く出来たとは思うが、不穏演出は絶妙。


〜〜

今日の一曲

存外愛に満ちた家だった

The House Of Lo
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マッドゴッド(2021年製作の映画)

4.4

想像を遥かに超える地獄絵図。
いや、案外神から見たこの世も、こんなことの繰り返しかもしれない。

CGにはほとほとウンザリだから、序盤こそ眼福だわ〜と見入ってるうちに、度を越した手作りの世界に遂には疲
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ブラック・イナフ?!?-アメリカ黒人映画史-(2022年製作の映画)

3.4

スパイクリー的な視点から離れて、黒人映画史とサントラファンクをクールにセクシーに辿るドキュメンタリー。

丹念に見るも良しBGVとして垂れ流すのも良し。
ボリューム満点ゆえ真剣に見すぎると胸焼けするか
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