放課後の女子中学生さんの映画レビュー・感想・評価 - 47ページ目

放課後の女子中学生

放課後の女子中学生

トップ・ハット(1935年製作の映画)

4.5

何と言っても舞台上でアステアが踊った「White Tie and Tails」。
この神業を見るために本作を観たようなものだが、RKO時代のアステアのダンスはどれも秀逸で見飽きない。

序盤の「No
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灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)

3.6

抵抗三部作の最後を飾る本作は、ドイツから解放されてから間もないポーランドが舞台となっている。
『世代』と『地下水道』ではナチの占領下で抵抗する一般市民たちに焦点を当てていたが、今作は解放後に祝杯をあげ
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地下水道(1956年製作の映画)

4.4

戦場から逃れ、地下水道という密室に閉じ込められた一個中隊(小隊)が無残に散っていく過程の描き方に圧巻の一言。
地下水道の中で繰り広げられる群像劇は、人々の心理状態が徐々に破綻していく様が悲惨で目を背け
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世代(1954年製作の映画)

2.9

反ナチのレジスタンスに加わり愛国心を掲げて運動に参加する青年たちを描いた戦争映画。
若者全員がレジスタンスに参加するというわけではなく、食い扶持を稼ぐため仕事に専念する若者もおり、当時の世相が細かく描
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.5

街灯の少ない暗闇に包まれた台湾の姿が4Kの鮮やかな画質で堪能できた。

不良少年たちの血なまぐさい抗争が多いが、小四の告白シーンはあまりに純粋無垢で見てるこっちが小っ恥ずかしくなった。その"純情"が次
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恐怖分子(1986年製作の映画)

4.0

主人公の1人である立中の感情の読めない表情が笑顔になる場面では思わず鳥肌が立つ。

”一本のいたずら電話”という無差別な悪意を描いたエドワードヤン入門編

日本南極探検(1912年製作の映画)

-

ペンギンを追いかけるシーンはコメディ映画さながらだった

忘れえぬ慕情(1956年製作の映画)

4.3

前半は奥ゆかしい日本人女性と大胆かつユーモアな元恋人のフランス人の間で揺れる男のラブロマンスが繰り広げられ、後半では台風に飛ばされる看板や瓦、津波に飲まれる長崎港、倒壊する日本家屋のセットなど大スペク>>続きを読む

グッド・バイ(1949年製作の映画)

3.0

主人公の多田の情けなさがコミカルに描かれていて何度も笑わせられた。

因果応報なオチではないが、大切な人が誰なのか気づくという点は清々しくてすきだ。

ロシュフォールの恋人たち(1966年製作の映画)

3.8

『ウエストサイド物語』のジョージ・チャキリスや『巴里のアメリカ人』のジーン・ケリーなど一度は見たことのあるミュージカル俳優を拝めることができる。

楽曲は粒ぞろいで、耳に心地よいメロディと歌詞が視聴意
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シャドー(1982年製作の映画)

4.5

再見。野外クレーン撮影(長回し)が意味不明すぎて爆笑してた直後に、上着を着てる最中の殺人シークエンスを見せつけられて久々に痺れた。やっぱ天才だわ

ラストの腕切断からの曲線を描きながら吹き出す血飛沫に
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美女と野獣(1991年製作の映画)

4.0

食器が歌って踊る「ひとりぼっちの晩餐会」の一部はあからさまにCGと判り残念に感じたが、ベルと野獣がシャンデリアの下で踊るシーンは手描きとCGがマッチしていて1番の見所

序盤の「朝の風景」の群衆なども
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監獄ロック(1957年製作の映画)

1.5

1番の見所は『Jailhouse Roc』が歌われるシーン。
囚人たちとファンキーに踊るエルヴィス・プレスリーもさることながら、曲の終盤でカメラワークが手前に引かれ、スタジオのセット内で撮影をしている
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暗黒の旅券(1959年製作の映画)

3.7

新婚カップルが東京駅を発つ直前に妻が失踪し、捜索していた夫が諦めて泥酔したまま家に帰ると、そこには妻の死体が置かれていた。妻の死に疑問と陰謀を感じた夫は泥酔していた中の微かな記憶を頼りに独自で捜査をす>>続きを読む

裸女と拳銃(1957年製作の映画)

3.2

裸で逃げる女が起こした事件に1人のカメラマンが巻き込まれ、裸の女の素性を調べるサスペンスもの。
白木マリが別人という程で一人二役を演じ分けをしているのだが、誰がどう見ても同一人物だとわかるのが面白い。
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木乃伊の恋(1970年製作の映画)

3.5

前半は入定してミイラ化した僧の「定助」、後半はその物語を記録している未亡人の雑誌編集者を主人公にした二部構成となっている。

”セックス”を果たせなかった執念の恐ろしさを描いており、前半がギャグ寄りだ
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らぶれたあ(1959年製作の映画)

3.0

療養のため長野に住む正男とラブレターでやり取りをしている東京の梢。しかし、年月が経つごとにラブレターの枚数は減っていき、不審に思った梢が長野へ訪れるが…。


石井喜一が脚色して、ミステリー仕立てなラ
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歓びの毒牙(きば)(1969年製作の映画)

4.0

イタリア旅行に来ていたアメリカ人のサム・ダルマスが、殺人未遂の現場を目撃したことにより事件に巻き込まれる探偵もの。

殺人犯が次々にブロンド女性を惨殺していくシーンはヒッチコックの影響をもろ受けている
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バンデットQ(1981年製作の映画)

3.5

様々な時代を行き来して財宝を探す小人たちと主人公ケヴィンの旅を描いた冒険活劇

ナポレオンやロビン・フッドのような偉人、そして不思議な生物とのやり取りや、主人公が知恵を絞って障害を乗り越えていく展開は
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君も出世ができる(1964年製作の映画)

4.6

今作の見所の一つに、エキストラの豪華さが挙げられる。
社長を空港で送りだすシーンや、雪村いづみの歌う「アメリカでは」で社員一同が”アメリカ式”の経営方針に傾くところは、海外のミュージカル映画にも引けを
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

背景や細かい美術の数々が作品を彩っていた。あと、平和な広島市の江波から、空襲警報の多い呉に嫁いだすずが慣れない家事をこなしていき、呉の生活に順応していく姿に好感を抱いた。
すずと周作の微妙な距離感が徐
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ドラゴンボールZ 復活の「F」(2015年製作の映画)

2.8

鳥山明が脚本を担っていたこともあり、ギャグとシリアスの配分は絶妙だった。
前作の『神と神』の反省点を活かし、悟飯やピッコロだけでなく、クリリンや亀仙人にもスポットライトを浴びせており、ファンとしてとて
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ムーンライト(2016年製作の映画)

3.5

母親、麻薬、いじめ、初恋に苦悩するシャロンの幼少期から大人になるまでを描いた作品。
シャロンの揺れ動く恋心の描写はとても繊細で感傷的にさせられる。

月明かりの下、浜辺で接吻を交わす2人の空間はとても
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ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

3.5

体勢を整えることすら困難な無重力下に放り出された主人公が、知恵と勇気で地球へ戻ろうとする物語。

宇宙空間で数々のトラブルが主人公を襲うのだが、そのシーンの多くは長回しや主観ショットで撮られており、リ
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Tommy/トミー(1975年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ザ・フーのロック・オペラのアルバム曲を映像化した映画『トミー』は、初見だと休む暇なく襲い来る画面の暴力の数々に驚かされる。

とある事件をきっかけに視覚・聴覚・言語を失ったトミーを元に戻す為、インチキ
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カバーガール(1944年製作の映画)

4.4

冒頭の狭い舞台の上にズラりと並び、女性ダンサーたちが軽快なステップと歌を披露するシーン、この時点で4点を点けたくなる。
終盤では大舞台でのレビューもあるが、セットの豪華絢爛さにうっとり。

主人公ダニ
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キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

3.9

夕陽をバックにしてそびえ立つキングコングの姿は、あまりに雄々しく絶句してしまった。やはり主人公と怪獣が邂逅するカットは燃える。

キングコングの脅威から一時的に解放されても、息をつく暇はない。
迫りく
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ゴンドラ(1987年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

学校や家庭で孤独な日々を送る少女と、無味乾燥な雰囲気を漂わせる窓拭きの青年の数日間の非日常を描いた作品。

前半は実験的な構図や演出が凝らされており、様々なメタファーが盛り込まれていた。(ケチャップ→
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風の武士(1964年製作の映画)

4.0

奥から迫りカメラ手前へ倒れる刺客たち、大地を駆け回り舞う土、主人公・名張信蔵とちのが乗る小舟のカットなど、加藤泰特有のローアングル撮影が存分に活かされていて非常に満足。

色男の主人公・名張信蔵が出会
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曽根崎心中(1978年製作の映画)

4.0


原作『曽根崎心中』の大きな脚色は無いが、悪人への容赦なき鉄拳制裁と、油屋九平次の絶対悪的存在感は見ていて清々しい。

縁の下に隠れる徳兵衛がお初の脚を首に寄り添わせ、心中の意思を表すシーンには心揺さ
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大殺陣(1964年製作の映画)

2.5

同監督の前作『十三人の刺客』と設定や展開の類似点は多いが、終盤の殺陣は前作より尺が短く、水中戦や手持ち撮影が多様されていた。

しかし前作以上にドラマ性には欠けていて、刺客全員の身の上や生い立ちなどは
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みな殺しの霊歌(1968年製作の映画)

3.0

マダムたちに輪姦されたショックで自殺した少年の復讐を淡々と果たす川島(主人公)を追ったストーリー。

冒頭のマダム惨殺や、少年が輪姦される姿を復讐と共にフラッシュバックさせるシーンには思わず鳥肌が立っ
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レインマン(1988年製作の映画)

2.9

サヴァン症候群を取り扱った作品だが、医者や看護婦ですら症状に詳しくないといった描写があり、1988年当初のサヴァン症候群に対する知識が世間に広まっていないことに驚いた。
サヴァン症候群の兄であるレイモ
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ブロードウェイ・メロディー(1929年製作の映画)

2.2

MGMの元祖ミュージカル映画ということで視聴。
歌やダンスは、MGMミュージカルの黄金期と比べると稚拙ではあったが、マホーニー姉妹とエディが喧嘩する場面では、それぞれの演技がとても光っていた。

冒頭
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帝都物語(1988年製作の映画)

3.0

当時の銀座や浅草を再現した広大なセットやエキストラの衣装は趣向が凝らされている。登場する式神や鬼は少し陳腐に見えたが、腹中虫を口から吐き出すの気色悪さは見事。
二宮金次郎像越しに黒田茂丸と辰宮由佳理が
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