Maikoさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ヴィヴィアン・マイヤーを探して(2013年製作の映画)

3.9

ぎゅっとへの字に結んだ口元、深い孤独と闇。他人とうまく接することのできない彼女が、唯一他人と共鳴し合えるのはファインダー越しの一瞬だけだったのかな。それほどまでに彼女の写真は魅力的で、ユーモアと悲哀、>>続きを読む

おいしいコーヒーの真実(2006年製作の映画)

4.0

援助より貿易による自立を
公平で公正な取引を、とWTOの現場で訴える途上国の代表たちの生きた表情と、自分たちだけの談合や密談で決まったことを淡々と報告する欧米諸国の代表たちの無表情の対比が心に残った。
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ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

3.7

うっとりするような美しい色彩のパリの風景から始まるオープニングから、魅力的な偉人たち(演者が皆楽しそうだ)や優しく手招きしてくれる過去の人達と、素直にファンタジーを楽しめばよいのに、じゃあ「皆殺しの天>>続きを読む

めぐり逢わせのお弁当(2013年製作の映画)

3.7

派手なマサラ味じゃない、ほんのり甘酸っぱくてほろ苦い大人の恋愛話。お弁当が美味しそうすぎてヨダレ。スパイスやチャパティ焼く香ばしい香りがしてきそう。もっとお料理のシーン見たかったな。
主人公の女性が美
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KAMIKAZE TAXI(1995年製作の映画)

4.4

ずっと観たくて探していたら、netflixに登録されていた。インターナショナル版を鑑賞。
Vシネ独特のチープ感とシュールな笑い、そして不思議な透明感。なんともいえない魅力的なバランスが光る傑作!
バイ
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FAKE(2016年製作の映画)

4.1

いろいろ揺すぶられる。どちらが嘘をついてるか、善悪を問う映画ではない。嘘をついてない=信じる=善、でもない。
普段テレビを観ないのだけど、画面の中だと余計に異常さが際立つね。作られていくイメージ、それ
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ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

3.8

前フリ長すぎるけど、よくできてるし退屈しなかった。芸達者たちの汚れ役は観てて楽しい!西部の正義、アメリカの闇。気持ちいいくらいハデなドンパチとグロ描写。

滝を見にいく(2014年製作の映画)

3.8

女同士てめんどくさいけどやっぱりいいよねぇと思う。
思いがけずぐっとくるシーンもあり、良かったです
じゅんちゃんのポテンシャルが高くてナイスだ。

シュガーマン 奇跡に愛された男(2012年製作の映画)

3.8

ロドリゲスという人の音楽性よりも、むしろ地に足のついた生活者でありながら、毎日のルーティンを楽しんで特別な行為に変えているところに心を動かされる。彼にとっては音楽もそのうちの一つなんだろうと思う。とは>>続きを読む

ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)

3.7

タランティーノが観たくて観るとちょっと地味に感じるけど、普通に面白いよ。でもデニーロにあの役やらせるってやっぱりふざけてるわー。70年代ディスコクラシックス定番たちの音楽がキメキメで素敵。本番に向かう>>続きを読む

TOKYO!(2008年製作の映画)

3.5

レオス・カラックスとドニ・ラヴァンはやはりセットなのね。怪人ぷりすごい。
ちょっと笑えて不穏なポン・ジュノの3作目が一番好きかな。
全部豪華キャストかつシュールな話で遊んでるんやけど、それならもうちょ
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恋人たち(2015年製作の映画)

4.3

自分のアイデンティティを中心に描くことから卒業し、普遍的な愛をテーマに選んだ前作からさらに(主人公の1人にゲイの弁護士がいるものの)新しい領域に行ってるな という気がする。この国のリアリティとひりひり>>続きを読む

私が、生きる肌(2011年製作の映画)

3.7

豪華なお屋敷のセット、アルモドバルのフェティッシュな映像美にうっとりできる。自分の仕掛けた罠にとらわれていってしまう哀れ。
ラストは違う方が良かった気がする、なんか小さくまとまっちゃったような。

まほろ駅前番外地(2013年製作の映画)

3.8

映画版よりこっちの方が面白いやん。一気に全話観てしまった。プロレスラーの話と、カラオケモデルの話が好き。大根仁監督やはりわかってますね。。

まほろ駅前多田便利軒(2011年製作の映画)

3.3

原作(けっこう好き)の雰囲気もよく出ているし、安定の松田龍平だし、でもそれ以上の何かがあまりないってかんじ。子役および脇役の一部が下手すぎて興醒め。

オクジャ okja(2017年製作の映画)

3.9

風刺劇なんだけど、食肉工場の描写など決して誇張とは思わない。
それでいてちゃんとエンターテイメントとしても仕上がっていて、ポンジュノさすがです。CGもよくできてる。
でも劇場公開はできないんやろなぁ、
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ゼロの未来(2013年製作の映画)

3.9

高校生のときブラジルでテリー・ギリアムにハマったわたしには好みの作品でした。人の後をついてくるやかましい電子広告、禁止事項だらけの公園、気の狂ったディストピア描写(ブラジルには届かなくても)ブラックで>>続きを読む

コングレス未来学会議(2013年製作の映画)

3.6

つかみはとても面白く、アニメに変わった瞬間もおおっとなったけど、絵のシュールさに対してお話がなんか弱い。実写に戻った時の作り物感もなんだか。もっとえげつないディストピアでもいいのになーと思った。音楽と>>続きを読む

灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.3

こんな衝撃のラストを他に知らない。小さな伏線も全て回収し終わった後の脱力感。ミステリーとしても超一流だと思うけど、それよりも。今も世界のあちこちでこんなことが起こっていると思うとやりきれない。一つずつ>>続きを読む

恋の渦(2013年製作の映画)

3.8

バカかウザいか最低な人達が中身のない会話をずーっとしてる。誰にも感情移入できない。でも面白い。予算ほぼゼロ、4日で撮影。山本政志プロデュースのシネマインパクト制作。超B級のフリしてなかなか。

ピンポン(2002年製作の映画)

3.9

ナイスコンビをまた観たくなって再見。結末を知ってても楽しい!
ストーリー、雰囲気共に原作にかなり忠実。(夏木マリ以外)キャスティングもバッチリ。
一緒に高みに行ける者同士だけのマジックタイムが本当に幸
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ジ、エクストリーム、スキヤキ(2013年製作の映画)

3.9

キャスティングの妙。ピンポンの後に観たかった。ゆるくてバカで心地よい会話。もうちょっと伏線を回収してほしいモヤモヤがあるけど、好き。

海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

3.8

誰かの過去になるのを引き受けるのが大人の男。
小さくまとまってはいるけど、ほろ苦い秀作だと思います
子役がバッチリはまってる是枝作品、今回も安定。リアルな生活感あふれる設定と、樹木希林と池松くんの存在
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ギター弾きの恋(1999年製作の映画)

3.8

これは好きな方のウディ・アレン、皮肉なおとぎ話。サマンサ・モートンがかわいすぎる!

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

3.9

素晴らしきご都合主義。男の浪漫と友情、使い古されたテーマのはずなのに目の奥がじわっと熱くなる。さらりとしたラストの余韻。

地獄でなぜ悪い(2013年製作の映画)

3.9

むちゃくちゃな設定!血とゲロと首飛びすぎ!星野源が本当にキモい!何もかも過剰でやりすぎ!最低にB級で最高です。

嘆きのピエタ(2012年製作の映画)

3.9

もっとぶっ飛んだ構成なのかと思ったら、ちゃんと起承転結のあるお話だった。
母親の情の濃さの凄み。そして変わりゆく都市の闇の部分。本当の加害者は誰なんだろうか。ラストカットからエンドロールへの美しい間。
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ニーナ・シモン 魂の歌(2015年製作の映画)

3.9

自由とは恐れのないこと

人種差別と闘った彼女が暴力の連鎖に加担してしまったことは皮肉で哀しい。恐れに立ち向かい続けた人生。
けれどその音楽の輝きは時代を越えて今も胸をうつ
公民権運動の先頭に立ち、怒
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.6

20年来の再会。 ザラザラの画質のレンタルVHSでも鳥肌立ちっぱなしで、以来この人の作品は全部スクリーンで観るのだと決めたのだった。
洗練を極めた静の緊張感と動の衝撃、ガラス越しの会話、唸るほどに見事
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お早よう(1959年製作の映画)

3.7

高度成長期前の昭和感にほっこりさせられつつ、気の強い奥さま方のセリフ(猛毒入り)にヒヤリ。ほっぺたプクプクの弟くんが可愛すぎる!なんでもない日常の中の笑いと大切なメッセージ。
小物の赤が印象的。アパー
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ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

4.1

@立誠シネマ
魂を売り渡した人間にしか出せない音がある
ほんまに駄目な人やったんやろなー。人として大切な何かと引き換えに選んだ音へのピュアネス。切ないです。
イーサン・ホークの歌声はめっちゃ素敵だった
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黒い十人の女(1961年製作の映画)

3.8

面白かった。オープニングのインパクト。山本富士子と岸恵子の丁々発止がかっこいい。屋上のシーンが好き。不穏なラストもいい。

ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)

3.9

前半は正直増長気味で時々うとうとしてしまったけど、後半になるにつれ緊張感が増していき、あとは5時間半あっというまだった。
映像美が素晴らしい。エクダール家の豪華なお屋敷も、人形使いの部屋も。現実から幻
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フーガ(1999年製作の映画)

4.1

タイトルバックから変化するオープニングがかっこいい。酔いそうになる。大好き。