まいたらしえくらんさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

まいたらしえくらん

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一人息子(1936年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

「人生の悲劇の第一幕は親子になったことにはじまってゐる」という芥川の言葉の、"なった"というところに重きをおく作家だとすればこそ小津を「国民作家」として語ることもはじめてできようもの(「家族は家族とし>>続きを読む

氷点(1966年製作の映画)

-

奥様のショパンなみにぎこちなくミスタッチを含んでてくれる映画ならもっと好きだったと思う。成田のミキティが二枚目路線だったってことしか驚きがなかった。

ひばりの子守唄(1951年製作の映画)

-

客をバカにしてんのかしらんけどいくらなんでも島耕二はしつこすぎる。志ん生の見せかたにしたってそうだよ。杉狂児を使わせてもダメってあたりがダメ監督の証だってことを気づかせてくれる島耕二だよ。

非常線の女(1933年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

田中絹代がモガを超えてフラッパーに見えてきた……!
ここにもほっといてくれない「家-族」がいるんだけど、その「家族」であるところのねえちゃんにズベ公とその情夫であるところのちょっとした顔役とが二人して
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昼下りの情事 古都曼陀羅(1973年製作の映画)

-

小沼勝の、そこそこうまくやれちゃうということの哀しさ。この人がロマンポルノファンのあいだでいえばふつーに一番人気だったんじゃないのと思うことも多い。

ピンポン(2002年製作の映画)

3.0

オープニングの飛びこみ、道場やぶり、投げつけられるラケット、すべては反復される。勝つことも負けることも。それどころかそもそも台の上の白い球自体が?(思えば"ピンポン"の語源自体がもう反復)
しかしそこ
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ひまわり(2000年製作の映画)

1.0

そのうち保坂でも映画化するがいいや。しかし麻生久美子は監督の力量によってイメージどころかその同一性すら一定しないという意味でこのころは本当に映画女優だったね。袴田はもっと評価されてもいいと思ったものだ>>続きを読む

美貌に罪あり(1959年製作の映画)

3.0

増村保造の品のよさ。下品やっても上品が出ちゃうような、上品やっても当然の顔して下品であるようなそういうたぐいの品のよさ。杉村春子がくどくなりきる寸前で止める踏ん切りのよさ目のよさ。

病院坂の首縊りの家(1979年製作の映画)

-

最近はこういうくさい演技してみせちゃう文化人が(立花隆をのぞけば)ほぼいなくなってよかった。桜田淳子はシネジェニックだよなあ。

非・バランス(2000年製作の映画)

1.0

もうちょっと小日向文世のうまいつかいかたってさすがにあったんじゃないかと思うけども。

ピストルオペラ(2001年製作の映画)

1.5

つい「まだ生きてたのか木村威夫(も)」と思っちゃったうれしさだけは覚えている。もちろん江角マキコの運動神経に賭けたんだろうけど、まあなんていうか、芝居しちゃう人だったもんなあ。

ひみつの花園(1997年製作の映画)

3.0

矢口うんぬんよかこれは西田尚美ありきの映画。利重剛もすばらしい。

鬼軍曹ザック(1950年製作の映画)

2.5

映画としてあっさりしてるというよりも、いわばディレクティングのアウトサイダーが低予算で撮ったきわめて平板でしか本来ありえないはずの映画にアイデアとセンスとメッセージがぎっちりというのがむしろ正しいか。>>続きを読む

コンドル(1939年製作の映画)

3.5

ホークスなのにコンドルとは。「映画はすべてかくあれかし」「ハッピーでなければ許さない」という気にいつもさせるのがホークス。ケーリー・グラントについてうちが好きでないところがよく出てるという意味でもさす>>続きを読む

花と怒涛(1964年製作の映画)

3.0

松原智恵子って日本髪ならすんごくいいのな!座敷の中庭ぐるりは……単なる日活の資金力としても飲み屋の階段もすごすぎだろ。と思ったら井戸のつるべがゴダールなみ。倉庫から雪なんて落ちてきてさあ……1対1のア>>続きを読む

白線秘密地帯(1958年製作の映画)

-

10分足りない気がするとか見終わった直後は思った気もするけど、結論として「そんなん関係なくこの映画はさすがにねえよ」と思い直した。

ハワイの夜(1953年製作の映画)

1.0

死ぬんかえ。むちゃくちゃすぎるやろ。しかもこれ歌うやつなんかよ。実際のところ誰と誰がハワイに行ったのかしらんけども古き良きハワイは貴重といえば貴重。

果しなき欲望(1958年製作の映画)

2.0

上と下と底辺と。井戸に加藤剛やら即みつかる西村晃やら若いだけの男にまじですがろうとする渡辺美佐子やら、脚本が甘すぎるけど今村昌平にしちゃいいほうじゃないかな。

パンダコパンダ 雨ふりサーカス(1973年製作の映画)

4.0

そりゃ当時ヒットしねえわ、子供ですらここまでアナーキーじゃねえもん。前作のアナーキーさまで後追いで増してきたような(前作公開から3か月で仕上げてきたことは驚きをはるかにこえて気違いじみてる)。

雨ふ
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パンダコパンダ(1972年製作の映画)

5.0

けちのつけようなし、傑作。トトロとおんなしというのはそれにしても短絡的すぎる。だってあっちは恋だし。「なんやしらん『バケツでごはん』がめちゃくそパクってきやがってさあ玖保キリコまじ終わってんな」と怒る>>続きを読む

白痴(1951年製作の映画)

-

北海道のしかも有島邸で撮ったってこと以外わたしにとっては何の意味もない映画。

パプリカ(2006年製作の映画)

2.0

七五調好きって世代なのかね?終わりまではほんとぞくぞくしたんだけどな……今敏は"すべてすなわち夢"という形で夢の周淵からずっとやってきた監督だと思ってたのに"夢そのものずばり"を扱ったらこうなっちゃっ>>続きを読む

肌色の月(1957年製作の映画)

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ほんとのほんとにくそ映画だけど乙羽信子の(演劇少女な芸達者感ではなく)例のぬぼっとした雰囲気にはまだ有用性を感じはするな。

晴れ、ときどき殺人(1984年製作の映画)

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見たか、これがサンデーズのアクションじゃあ。しかし角川映画とのつながりはわかるけどなぜ松任谷正隆は出ると言ったのだろう。

晩春(1949年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

日本映画のなかで一、二をあらそうまともさの大学教授の描写をまさか小津安二郎で見るとは(対抗:『良いおっぱい悪いおっぱい』)。

「後妻をもらうなんて不潔だ」と若干のくどさをおしてでもくりかえす以上、"
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廃市(1984年製作の映画)

-

主役がアレなうえに作曲は大林??疲れるよなあ80年代って。

晩菊(1954年製作の映画)

3.0

筋が希薄でも、いやもしかしたら希薄であればあるほど成瀬ってクるのかもねえというやつ。「これだけ役者が集まればそりゃある程度見れる」なんていうのは本当らしい嘘で「これだけ役者を集まったからこそ大変」を感>>続きを読む

春の目ざめ(1947年製作の映画)

1.0

生活をきわどさとしてしか言語化できない母親に杉村春子の人のいい愚鈍さがぴったり。しかし言いたいことを言わせるのは(もちろん)飯田蝶子。
「いけないっていったって好きなものはしかたない」というのはまさに
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母は死なず(1942年製作の映画)

3.0

亡霊が支配する映画としてライティングが神。なんなら翼賛ドキュメント部分も成瀬にやらせりゃよかった。しかし菅井一郎がここまでいい俳優とは。

八月の濡れた砂(1971年製作の映画)

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構図が『アデュー・フィリピーヌ』してる……?しかし、ほんっとに俳優にかなしいくらいめぐまれない人よな……

裸の十九才(1970年製作の映画)

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何発弾あんだっつうの。怒って大声出しながら死ぬばばあっていうのはクリシェかギャグかそれとも大まじめなのか。フェリーニならそんなこと自体気にならなかったのだから細部と全体の出来はそういうとこにまで響いて>>続きを読む

パッチギ!(2004年製作の映画)

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井筒の映画見て「やっぱあいつとあいつは腑抜けだった」と思わないといけないような"業界"ってどうかしてるよだいぶ。京都タワーをあれだけばーんと出すところに「撮影所の再興自体考えられない/考える必要もおそ>>続きを読む

ばかのハコ船(2002年製作の映画)

1.0

90年代に感じるシンパシー自体にどうもシンパサイズされない。墓場でライターがどうやってもつかないってシーンは嫌いじゃないし、まあ他人のプロダクションで撮るよりはまだいいようにできてはいるんだけどさ……>>続きを読む

ハッシュ!(2001年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

映えない地域コンビニことパコムがうつりこんでるからかなんぼこれまでと同じ「三人映画」であってもやっぱこれはだいぶ違う仕上がり。ただ精神科なんやらが個人と個人、家と家のつきあいの日本的違いという意味もあ>>続きを読む

箱の中の女2(1988年製作の映画)

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ロマンポルノも80年代になると安易にモザイク使っちゃうの?1よりもテーゼとしてつまんない、つまり小沼勝らしい。中田秀夫にある小沼勝の影響はわかる映画。

八月の狂詩曲(ラプソディー)(1991年製作の映画)

1.0

ハリウッドじゃどまんなかではなかった気もするとはいえリチャード・ギアはさすがに伊達ではなく、日本の役者の貧相な顔や身体が余計に寒々しい。女を描けない作家ももちろんひどいのだけど、子供を描けない作家はも>>続きを読む