まことぴさんの映画レビュー・感想・評価

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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.0

第一次世界大戦下の戦場を舞台に、決死の伝令を命じられた兵士の行動をワンカット風に(ほぼ)リアルタイムで捉えた手法の新奇性が最大の見どころ。

次々と訪れる苦境を主人公と同じような視点で体感できると同時
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

5.0

オーソドックスな手法で幕開けしつつ、主人公の息子がやたらと口にする「象徴」というキーワードを伏線にしながら、社会派コメディ風味に笑わされているうちにいつのまにか象徴と寓意に満ちた展開へと移行している序>>続きを読む

プラウド・メアリー(2018年製作の映画)

3.0

既視感のある設定と雑なプロットを、ケレン味のあるガンアクションが救っている。

役に説得力を持たせるべく奮闘しているものの、どこか野暮ったさの残る主演のタラジ・P・ヘンソンのキャラクターによって(意図
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

4.0

宇宙探索がテーマのSF映画というよりは、宇宙探索に材をとった内省的な映画。

ミッションを帯びた主人公の目線でRPG的にストーリーの進行を楽しみながら、リアルで美しい映像を通じて宇宙開発の進んだ近未来
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

4.0

シチュエーションは緊急通報指令室のみ、かつドラマ進行は通報の音声だけという限定的な状況を逆手にとって、観客の想像に多くを委ねることで、ミスリードによるどんでん返しやサスペンスを盛り上げていく手法にぐい>>続きを読む

ジェミニマン(2019年製作の映画)

3.0

若いウィル・スミスを蘇らせたCGと派手なアクションシーンは見応えがあるけれど、なにかと情に流されがちでややもすると説教くさいストーリー展開に興醒め。

勧善懲悪がわかりやすい軽めの脚本と相まって、アン
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

5.0

3人の男を軸に、アメリカの近現代史を裏社会側から裏書きした叙事詩。

スコセッシ監督映画の常連であるロバート・デ・ニーロとジョー・ペシに同世代のアル・パチーノを加え、監督と役者それぞれにとっての総決算
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カツベン!(2019年製作の映画)

3.0

ドタバタナンセンスをやりたいのか、正統派コメディをやりたいのか判然とせず、要所要所で笑える場面はあるものの、それが映画全体の醍醐味として機能していない印象。

ドタバタについてはおそらく活動写真時代の
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

5.0

幼い息子を挟んでの夫婦の離婚劇を描く現代版『クレイマー、クレイマー』。

東海岸と西海岸の気風や法律の違いをうまく物語に取り入れながら、離婚を大ごとにはしないはずだった夫婦の当初の合意が崩れ、だんだん
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

4.0

これまで広げに広げてきた風呂敷を片っ端から畳みにいったような印象。

その段取りと過去作の焼き直しの多さが若干食傷気味で、クライマックスにまで一気に駆け上がっていくようなカタルシスにやや欠ける。

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6アンダーグラウンド(2019年製作の映画)

3.0

「マイケル・ベイに期待されていることを、マイケル・ベイが自覚的にやった映画」なんだろうけれど、結果的には「マイケル・ベイの上澄みだけを掬って作っかたのような、気の抜けた映画」。

とにかくお話としては
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ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

3.0

印象としては『ターミネーター2』の空疎な焼き直し。

2作目の「正統な続編」を謳いながら、実際には映画の冒頭でいきなりストーリー上のつながりが断ち切られ、あとは延々とセルフパロディを見せられているよう
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IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

4.0

前作の単なる後日譚というより、大人になった主人公たちが忘れかけていた子ども時代の記憶をつなぎ合わせ人生を再構築していくという、1作目全体を序章にした“解決篇"のような趣。

1作目にも色濃かった登場人
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ファウンド(2012年製作の映画)

2.0

全体のチープさを補うような技巧やストーリー上の魅力を、特に感じることができなかった。

ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲(2018年製作の映画)

3.0

歳を重ねても相変わらず通常運転のローワン・アトキンソン映画。

いつ見ても同じコントが行われている志村けんの「バカ殿」シリーズを彷彿とさせる安定感。

「何も残らない」というより「何も残さない」ことを
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インクレディブル・ファミリー(2018年製作の映画)

3.0

キャラクターたちの造形やアクションは、前作に負けず劣らず相変わらず可愛くて楽しい。

ただ、女性の社会進出や反性差別を強く意識したストーリーづくりが、個人的にはややまどろこしく感じてしまった。

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

4.0

アクションはより派手になり撮影も大掛かりになった反面、痺れるようなサスペンスの連続だった1作目と比べると、ずいぶん大味になってしまった印象。

リアルな描写が見所だった1作目とは切り離して、戯画的な暗
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怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)

3.0

学園ものにホラー、コメディ、スプラッターなどのB級要素をこれでもかというハイテンションでミックスしてマッシュアップしたかのような個性の強い映画。

あまり見たことのないタイプの映画という意味では面白か
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アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

5.0

過去10年分の伏線を(単なる使い捨てと思っていたような小さなキャラの扱いまで含めて)これでもかという勢いで回収しながら、かつ最終話にふさわしい物量とストーリーを備えた圧巻としか言いようのない一大娯楽ア>>続きを読む

マローボーン家の掟(2017年製作の映画)

4.0

叙情溢れる撮影と、雰囲気のある出演者たちの佇まいがいい。

謎が少しずつ解き明かされ、徐々に不気味さが増していく描写も巧みだけど、残念なのは最終的にそこまで怖くないことと、事件の真相が過去の作品にもよ
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X-MEN:ダーク・フェニックス(2019年製作の映画)

3.0

『X-MEN』の前日譚としては前々作の『フューチャー&パスト』あたりで一応語り尽くされており、今作は一度畳んだ風呂敷からおまけの物語を無理やり引っ張り出してきたかのような印象。

一貫して「人間」対「
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.0

クエンティン・タランティーノ監督による、壮大な“けたぐり"映画。

バディムービーとしての骨格に、濃密な映像と独特の間(ま)で丁寧に肉づけをしていたと思ったら、唐突にギアを上げて容赦ない暴力表現をぶち
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

ホアキン・フェニックスの演技は鬼気迫るものがあるし、トッド・フィリップス監督による優れた色彩感覚や空間把握能力も秀逸。

ただ、ホアキン版ジョーカーは殺人を行うに至る「道理」が一応は通っているうえに精
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.0

実話としての面白さと、スパイク・リー監督の小気味良い演出がうまく噛み合っている。

トランプ政権誕生への危機感から生まれた作品であることは間違いないだろうけど、そうした政治色は適度に抑制され、娯楽作品
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.0

クラシカルな雰囲気を漂わせる異文化衝突コメディ。

「差別描写が甘い」「史実と違う」等の批判もあるようだけど、主役2人の熱演も含めペーソスの利いたバディムービーとして完成度が高い。

シャザム!(2019年製作の映画)

3.0

「中身は子供のままのスーパーヒーロー」という設定や、スーパーヒーローの典型を茶化したメタ的なユーモアは楽しいけれど、なにかと家族愛に収斂させようとする脚本が少しまどろっこしい。

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

4.0

舞台設定が現在から約20前であるため、(CGで若返ったサミュエル・L・ジャクソンやクラーク・グレッグらの風態も含めて)風俗史的なユーモアが加わっているのがこれまでのマーベルシリーズと違って新鮮。

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悪女/AKUJO(2017年製作の映画)

3.0

冒頭およびラスト近くのPOV(主観映像)を多用した長大なアクションシーンや、中盤の激しいバイクチェイスの戯画的な演出は面白かったけれど、技巧に走りすぎてどこか安っぽく、単純に見づらい。

それらの間を
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アシュラ(2016年製作の映画)

5.0

まさに「コリアン・ノワール」とでも呼ぶべき怪作。

悪徳市長と横暴な検察の板挟みに陥った汚職刑事が必死にもがき、苦しみ、ブチギレ、爆発するまでの過程が、陰翳の豊かな映像美と容赦ないバイオレンス描写を織
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セブン・シスターズ(2017年製作の映画)

4.0

恐らくは限られた制作費の中でも安っぽさを極力感じさせない映像のコントロールと、手抜かりのない激しいアクション演出の数々もさることながら、7役を演じ分けるノオミ・ラパスがとにかく素晴らしい。

物語は突
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アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

5.0

3DCG技術を駆使した贅沢なアクションと主人公の情動がうまく噛み合っていて、とにかく観ていて飽きない。

人間型サイボーグの肌の質感や表情のリアリティをとことん追求する一方で、あえて眼を大きくして顔を
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ヴィヴィアン・マイヤーを探して(2013年製作の映画)

5.0

名も無き貧しい乳母として一生を終えた謎の女性が遺した膨大な撮影済みネガをひょんなことから見つけて大きな反響を呼んだ発見者が、生前の彼女を知る人達へのインタビューなどを通してその正体を突き止めようとする>>続きを読む

GANTZ:O(2016年製作の映画)

4.0

実に惜しい、という感想。

3DCGの技術はかなりの高クオリティで、数々の派手なアクション演出も、現実の渋谷や大阪を模した風景の細密さも、異形たちの個性的なキャラクター造形も、観ているだけですごく楽し
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ファースト・マン(2018年製作の映画)

5.0

誰もが知る歴史的事実ながら、船長のニール・アームストロング個人に徹底的にフォーカスを絞り込むことで、『アポロ13』を含む過去の宇宙探査ものにはない、ユニークなルックを与えているのがまず目を引く。(カメ>>続きを読む

デッドマン・ダウン(2013年製作の映画)

4.0

主人公のコリン・ファレルとノミオ・ラパスの佇まいが良く、2人がぎこちなく距離を詰めていくあたりの描写も巧いので、つい引き込まれて観てしまう。

肝心の復讐劇自体はモタモタしてなかなか先に進まないけれど
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パトリオット・デイ(2016年製作の映画)

4.0

ボストン・マラソンでの爆弾テロについてはもちろん知っていたけれど、その後の犯人逮捕に至るまでにここまで激しい出来事があったことを初めて知って驚いた。(どの程度映画的に脚色されているのか、気になるところ>>続きを読む

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