試合のシーンが本当に格好良い!音楽とカメラワークに、「グッドフェローズ」の片鱗が溢れる。そしてオリジナルの「ハスラー」を未見でも大丈夫な親切設計。
ポール・ニューマンとトム・クルーズのあっさりした関係>>続きを読む
なんでこんなにカッコ良い画尽くしなの?ってくらいの素敵なシーンだらけ。花嫁たちと岩たちの「おびただしさ」だけでアートだし笑えるのだが、そこから逃げるキートンの超人的パフォーマンス、圧巻。
当時のアール>>続きを読む
設定のインパクトの強さは凄いけど、そこに引きずられて映画内リアリティの構成がちょっと弱い気がする…でもスコ流のサクサクした展開や演出のおかげで、飽きずにあっという間の2時間半。
ジョン・テニエルによる挿絵版画と同様、確かな説得力を持った美しさと、そこに潜む絶妙な気持ち悪さが、黒魔術のように脳内に刷り込まれる。そしてストップモーションのカクカク感で、さらにもう一歩気持ち悪い。こ>>続きを読む
造形と色彩へのこだわりが異常過ぎる(褒め言葉)ので、物語の分かり易さがこのくらいでちょうど良いバランス。SF的要素が入るにあたり、理論は詰めすぎない方がクレバーなのが、改めてよく分かる。
しかし、ジ>>続きを読む
展開早い、時間軸バンバン変わる、登場人物多し…この「難易度:高」を、ちゃんと分かるように撮り切れるってだけでも、映画人としてのデ・ニーロの底力を思い知る。
そして、そんな忙しい構成にも関わらず、秘密の>>続きを読む
クリント・イーストウッドのブレないヒロイズムに、都会派アクションが花を添える。カメラワークとBGMもあいまって、完璧に統一された世界観が気持ちいい。時代に望まれた映画ってこういうことなんでしょうね…
禁酒法時代の街並みを、低彩度のロングショットで捉えたあの美しさ。クローズアップの武骨な迫り方や、これでもかってくらい大胆な時間軸の切り替え方が、男の友情の大河ドラマをガッチリと支える。メイン二人の心情>>続きを読む
アニメのような背景とキャラクターで、冒頭から最後までものすごい吸引力!おどろおどろしくも切なく、しかもエロティックで笑える。「ポーの一族」(も名作ですが!)のような悲壮なイメージのみを抱くと、完全に肩>>続きを読む
愛する者のために戦い、多くを失い、それでも荒野の中に生き、日曜の朝には皆手を取り合って踊る…情感溢れる優しい西部劇。
「我が谷は緑なりき」でも思ったけど、画面に差し込んでくる光が本当に美しい。
ヘン>>続きを読む
狂気と笑いの絶妙なバランス、マクロにもミクロにもばっちり当たったテーマフォーカス、まさに神技映画!
描き割りや等身大パネルとの対話に、"you talkin' to me?"より更に根源的な闇を見る>>続きを読む
簡素な画が助長する閉塞感の中、ヒューマニズムを手塚治虫のように実直に投げかけてくる。「いかにもSF」な派手さやロジック展開を敢えて切り捨て、始めの世界設定だけでしんみりとドラマを描き切る、潔さと懐かし>>続きを読む
周辺の極端な描き方や、前半で丁寧に語ってきたものをサクッと変形させてしまうあの感じも、「ミリオンダラー・ベイビー」を思い出せば納得。それより、馬に乗ろうがシャトルに乗ろうが変わらない、男たちの格好良さ>>続きを読む
流れていく道路は、ただそれだけでカッコいい。自分の居るべき場所で感じる無い物ねだりも、自堕落な関係へのうんざり感と憧憬も、リアルな感情として入ってくる。
一方で、語り手サル自身の変化とか、ディーンの>>続きを読む
「祖国」へ捧げた惜別の歌。
しかし、半世紀を恐るべきハイテンションで駆け抜けるその熱量により、むしろ歴史をナショナリズムから異化する、アナーキーさをまとう。想像もつかぬような痛みの記憶を、ギリギリのエ>>続きを読む
古い映画を観るとき、合成やモンタージュの「いびつさ」が妙に怖いことがあるけど、ここではそれが精神を蝕まれた男の心象表現に拍車を掛け、実際にグロいシーンなどは一切無いにも関わらず、こちらの神経に直接触れ>>続きを読む
単体ではエグいモノや行為を、決して飛び道具などではなく、心から必要とされた「語り部」として溶け込みきらせる、この秩序構成。そしてそれが与えてくれる、爽やかささえ覚えるスピリチュアルな映画体験!
一番>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
あれだけアウトローな二人なので、そりゃそうだの結末。しかし、「未来の乗り物」で謳歌する幸せなひと時を捨て、過去の定石が通じない相手に追われ、凄腕ガンマンでも圧倒的物量に敗れ去るという過程は、気付いたら>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
小さな芸のほか何も持たない少女が、溢れる「情」だけを、空っぽになるまで与え続ける。
離れがたい場所から旅立つときの、ガタガタ揺れながら遠ざかる人々や、後ろ向きに伸びていく道。絶対に運命に逆らえない>>続きを読む
皿の上のチーズトーストに喜びつつ、隣の子供のご馳走を見て、小さな違和感を覚えるあの感じ。行き場のない怒りに、衝動とモラルが葛藤するあの感じ。誰もが経験しうると同時に、経験した者だけが分かる「生活」が、>>続きを読む
スリリングなシーンにおいてさえ、異常に落ち着き払った空気の漂う画作りが、漠然とした不安を終始掻き立てる。ゴーストライターにぴったり寄り添うカメラは、まるで死神の視線のよう。もっと言うと、前任者の亡霊の>>続きを読む
たとえ全身タイツを着せようとも滲み出る、映画界の重鎮への敬意。それに対し応える、まるで役柄そのもののように本気過ぎる二人。入場時の、エキストラの歓声は本物に違いないし、作り手の「映画愛」をここまで飲み>>続きを読む
マグナム・フォトの、世界の中心で捉えた決定的瞬間も、このケータイで捉えうる、ごく身近な瞬間も、何かとの「出会い」には変わりない。メッセージは、最終号の表紙にすべて集約されている。
スケボーに乗れるこ>>続きを読む
凄腕映画師たちに、ペテンにかけられる快楽。小難しい仕掛けは無しに、観る者の先入観を見透かした布石をじっくり打った上で、ロイヤルストレートフラッシュを鮮やかにキメる!しかも愛嬌があるので、憎たらしいとも>>続きを読む
深い悲しみの青が、慈愛の青に変わっていく過程。世界から物理的に「自由」な存在となったとしても、魂は傷あとに囚われ続ける。それを癒すものもまた、自ら生きた世界の中にしかあり得ないのだから…
ガラスのモ>>続きを読む
この爽快感のためにはどんな「あり得なさ」にもついて行きたくなるし、むしろそれが説得力になってしまう。西部劇との素晴らしき相性。強烈なキャラたちの中、ジェイミー・フォックスの虐げられたゆえの強さをたたえ>>続きを読む
リアリズムの果てに生まれる、メロドラマの完成形。そしてそれこそが反戦映画として最大級の効果を挙げている、という事実。
広大なひまわり畑の中の一輪にカメラが止まるように、二人の運命が、戦争による夥しい>>続きを読む
暴力との闘いの話だけど、ギャング自体の存在感より、波止場の無表情な男たちの方がよほど怖く思えて、「集団と個人」の問題が印象として浮き上がってくる。クールで奇抜な手法や、バーンスタインの音楽に所々やられ>>続きを読む
様々な立場の描写がバランス良く、重厚な人間ドラマを織り成している。作られたヒーローの虚像を暴く側を、ヒーロー然とした描き方にしなかった真摯さ。テレビが夢を担っていた時代そのものを懐かしむまなざしも、押>>続きを読む
大袈裟でなくじっくりと語られる、箱の中のシークエンスがとってもグルーヴィー。そして徐々にカメラが動きだし、ボルテージ最高潮でアパッチとの戦い。このダイナミズムの前には、子供のように興奮するしかない。>>続きを読む
機関銃のような「語り」は、無数の欲望が交錯する、ベガスという場にピッタリ。しかしその勢いの中、面倒なボスどもやスーパービッチ(シャロン・ストーン最高!)との絡みなど、様々な次元の社会性に悩まされる切な>>続きを読む
水仙の奥の木漏れ日、石畳と空と煙。パンフォーカスで切り取られる、風景としてのできごとが、炭鉱の生活を知らない我々にさえ、優しいノスタルジアを喚起する。
両親も素敵だけど、やはり主人公ヒューの、成長の>>続きを読む
巧みな演出と演技、静かに高まって行く緊張。気付いたら、刻々と変わる焦点を夢中で追わされている。
部屋のインテリアまでもが圧迫してくるこの構図の感じ、何故だろうと思っていたけど、なんと3D公開だったと>>続きを読む
本当に、彼の魅力は単純ではない。キャリアの根幹とも言える、身体性の普遍的な笑いは、独裁者にもゲットーの人々にも平等に訪れる。そして《今ここ》にある危機を最大限に訴えるためには、躊躇なくそれを捨て去る。>>続きを読む
デ・ニーロとジョー・ペシの超ワイズガイ具合がずっしりと重りになって、作品のスピードに、更に比類なき遠心力を与えている。
そしてストーンズ、マディ、クリーム、ドノヴァンが、画面に刺さってくるあの高揚感は>>続きを読む