marikologyさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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街の灯(1931年製作の映画)

4.0

この後味、どんな説明も言葉足らずになってしまうような気がする。ボクシングで腹抱えて笑わせられたあと、あのラストシーン。彼の表情に、様々な感情が引っ張り出されたけど、確かなのは自分の頬の涙の跡だけ。これ>>続きを読む

ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

3.0

本人が生きてるし当然ではあるが、伝記映画において、都合の良い収束感を持たせないのって素敵。まさにライフ・ゴーズ・オン。またそういった描き方が、スコセッシ先生の音楽ドキュメンタリーのキャリアともリンクし>>続きを読む

日曜日が待ち遠しい!(1982年製作の映画)

3.5

ヒッチコック的、フィルム・ノワール的な画の数々の隙間から、滲み出るトリュフォー風味がたまらない。ファニー・アルダン演じるバルバラが魅力的過ぎる。知性派美人そのものの風貌で、恋と冒険に胸を踊らせ、時々か>>続きを読む

ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

5.0

キラキラした眼でスクリーンを追う少年の人生を、自分も映画館の中で、息を潜めて見守る。映画の数だけ物語が、人生があって、それを観に集う人々にもそれぞれ物語がある。これ以上のロマンがあるだろうか?
ラスト
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モダン・タイムス(1936年製作の映画)

4.5

有名な工場のシークエンスや、造船場で船が海面に滑り出して行く時の可笑しさ。一方、キャバレーで唄う「ティティナ」と、ラストで二人の未来を祈るかのように流れる「スマイル」。
サウンド版は映画史上の過渡期に
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罪と罰(1983年製作の映画)

4.0

主題が主題だし処女作なのもあってか、お得意のポップな色彩美は抑えられ、青みがかった空気の中で、静かに語られるヒューマニズム。小説のエッセンスを拾いつつ、大胆かつ骨太にまとめあげた、監督のセンスと生真面>>続きを読む

猿の惑星(1968年製作の映画)

3.5

仮にプロット自体を知った上でも、特撮に時代を感じても、絶対「最後まで見て良かった」と思える映画ですよ。


「当時の世界情勢への警鐘」という意図もあったにせよ、それだけを念頭に置くと距離ができてしまう
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スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年製作の映画)

3.0

自分の中でガンダムイズムだと思っていたものが、スターウォーズ発信だったことに勝手に衝撃を受ける。物心ついてからまだ見返していないという方は、リマスターで是非!
フォースとともに、明日からまた頑張ろう。

落下の王国(2006年製作の映画)

4.0

21世紀の人力主義映画。一切の妥協を感じさせないこのロマンティシズム、脱帽です。
納得いかない人も、重力に身を任せ、落ちてみれば良いと思うよ。
メイキングを見ると、更にカティンカちゃんが愛おしい。

鬼火(1963年製作の映画)

3.5

誰もが一度は経験したことのある「満たされない感」を、やり過ごせない人もいる。共感を強要せず、適度に距離を置いた描き方が、観る者をかえって歩み寄らせる。

ザジの走り回るパリと、ジャンヌ・モローが彷徨う
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はなればなれに(1964年製作の映画)

3.0

お茶目な演出のオンパレード。ゴダールはこんな軽やかな映画を撮る人だったのか…
目先のことだけ考えるのも、こんなに楽しそうなのなら悪くない。

シャッター アイランド(2009年製作の映画)

3.5

複雑な話もテンポよく、緊張感を保ちながら見せる。スコセッシ先生には、プロットに影響されない、「カッコ良い何か」が常にある。他人と共有することで、さらにエンターテイメント。

チャップリンの黄金狂時代(1925年製作の映画)

3.5

「放浪者」が歩いてるだけで、何かが起こるという期待感。そして予期された笑いだとしても、こんなにも楽しいのは何でなんでしょうね。あの靴のシーンはどうやって撮ったのかしら?マジパンで出来ていたのかな?

ライムライト(1952年製作の映画)

5.0

チャップリン自身を投影した道化師の、優しくお茶目な姿も、かつての名声の残像に苦しむ哀しさも、全てが人間という存在への限りない肯定に結晶する。
動きや表情、音楽、時に哲学的なセリフが、完全に調和している
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地下鉄のザジ(1960年製作の映画)

3.0

こういう画を撮ってみたかったんだよね!っていう感じがストレートに出ていて清々しい。体を張った60年代的な笑いが凝縮、お腹いっぱい。
ザジのすきっ歯がかわいいです。

バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

4.5

もうこれは、「カレー」とか「ハンバーグ」のレベルです。みんな大好きBTTF。
改めて、このスピード感と密度の黄金比に驚く。ハリウッド映画に求めるものが、全て詰まってる。最強!

乱暴者を求む(1934年製作の映画)

2.5

短くて可愛い。瞬発力勝負のネタが、これでもかってくらいに散りばめられている。相棒グッジョブ。

パラード(1974年製作の映画)

3.5

サーカスのステージにはもちろん、舞台袖や客席にも、鮮やかな色彩と小さな不思議が溢れ返る。この多幸感、まさにパレード。

ジャック・タチのコメディアンとしての魅力も、優しい人となりも存分に伝わってくる。
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.0

初期作品だけど、もう既にまごうことなきアキでした。
淡々とした彼らと打ち解けられるか不安でも、最後には「幸せになって欲しい」と心から願ってしまう、メロドラマの極北。音楽も最高。

スタメン俳優陣、本当
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死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

4.0

若さゆえの刹那も、オトナの綿密な計画も、等しくパリの冷たい灯に照らされてしまうのね…
マイルスの音を背に、彷徨い疲れ果てたジャンヌ・モローの美しさ。

カラマリ・ユニオン(1985年製作の映画)

3.5

ヘルシンキの街を闊歩するグラサン男たちがクール過ぎる。
それぞれの人生が、冗談のように突然転がったり終わったり、特に何もなかったり。慎ましくもやんちゃな語り口で、嫌味なく伝わってくる人類愛。
ホテル勤
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ビッグ(1988年製作の映画)

3.0

一見、ソーダのように爽やかな「THE家族向け映画」。一方で各人が密かに、自分だけの思い出と共に延々と反芻してしまう作品でもあるでしょう。良い映画。
トム・ハンクスはやはり若い頃から名優!

ラスベガスをぶっつぶせ(2008年製作の映画)

2.0

もう少しカウントについての解説的描写があると良かったが、まぁあったとしても全体的に雑な印象は拭えません。
しかし変数変換というものを知らなかったので、お陰様でひとつ利口になった。

キートンの大列車追跡/キートン将軍/キートンの大列車強盗(1926年製作の映画)

4.0

「ニヤリ」どころではなく、本気で腹をよじらせに来る。しかもキュート。サイレントに抱く想像をはるかに凌駕する、笑いと構成力に、そして身体能力に敬意を。

「無表情」というよりは「笑わない人」な気がする。

未知との遭遇(1977年製作の映画)

4.0

素朴な宇宙人像、控えめだがあたたかい触れ合い。…と同時に色々と怖い深読みもし甲斐がある。ちょうど良い爽やかな温度感のSF!
トリュフォー先生も味のある演技ですね。素敵。

ヒューゴの不思議な発明(2011年製作の映画)

4.0

100年以上も解けない映画の魔法が、スコセッシはもちろん、さらにその後の世代に至るまで幾多の人生を経て、我々に届く。号泣。

ダークナイト(2008年製作の映画)

2.5

IMAXの圧巻の映像美で、アメコミの雰囲気もしっかり残しつつグイグイ畳み掛ける、良き娯楽大作であるのはわかった。

プラスαは、ジョーカーの存在をどう取るか、の一点にのみかかっている。自分には、「悪の
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ハリーの災難(1955年製作の映画)

3.0

死体をめぐる群像劇。スタンドバイミーとは好対照。ヒッチコックに「癒される」なんて思いもしなかった!

映画的手法の妙は敢えて控えめに、上質な舞台を観る感覚。シャーリー・マクレーン可愛すぎ。

現金に体を張れ(1956年製作の映画)

4.5

チームの仕事には、こういうサクサク感が一番似合う。仮面でこそ引き立つあの緊張。時間軸やカメラワークにまつわる、今となっては「よくある手法」の原点が、圧倒的なカッコ良さを見せつけてくれる。

ゴッドファーザー&サン(2003年製作の映画)

3.0

チェス・レコードの輝かしい歴史と共に、繰り返しあらわれる「父と子」のモチーフ。マーシャル・チェスやエレクトリック・マッドの面々の、いつまでも当事者であろうとする姿勢がカッコ良過ぎる。
完成した音源が気
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ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

3.0

映画鑑賞後に残る感情が、どこから来るものなのか?という考察の機会を与えてくれる。重厚な体験であるのは間違いない。ただ、繊細な物語ゆえ相対的に、主要キャストの人物描写や世界設定に少し「足りない」感が。

サイコ(1960年製作の映画)

4.0

それ以前の作品のゴージャスな娯楽性は惜しげも無く切り捨てられ、純粋な「サスペンスそのもの」がエンターテイメントになった、決定的瞬間。

映画「ヒッチコック」で、サイコの初日、劇場に響く悲鳴に小躍りして
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

5.0

クラリスの凛とした聡明さと、レクターの超越性。それらが作品の空気を終始支配し、殺人現場にさえも、否定できない気品が漂う。

極上の2時間。

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

4.0

常にシュピルマンの側に寄り添い、扇情を排して見たことをただただ写しだすカメラ。
音楽も殆ど使われず、ピアノの音色だけ。エイドリアン・ブロディの控えめで虚ろな表情。伝記、歴史映画における一つの描き方の手
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インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(2013年製作の映画)

3.5

「うまく行かない人々」へ向ける、そこはかとなく一貫したコーエン兄弟の視線が好き。
一週間では自分は変わらなくても、周りが変わるかも知れないし、それに気付いていなかっただけかも知れない。オスカー・アイザ
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映画に愛をこめて アメリカの夜(1973年製作の映画)

4.0

映画を暖かく包むメビウスの輪。時にアイロニックな引用もありつつ、「それでも好きなの」という無償の愛で溢れている。映画館で観客みんな、遠慮なく笑ってた。終わらないで欲しい映画でした。

監督役の監督に釘
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