本作公開の1998年はサッカーのW杯がフランスで開催された年。本作撮影時、ジャン=ピエール・リモザン監督の本国フランスではW杯の開催を控えて景気がよくてポジティブなムードだったと想像できる。
また前年>>続きを読む
「初代ウルトラマンをダイジェスト風に再現してみた」というYouTube動画風な作品だった。
次のようなYouTube動画的な演出・編集だったため、感情移入はしにくいものの情報だけがスルスルと入ってくる>>続きを読む
同じ言葉を使う者同士でも気持ちが通じ合う訳ではない。異なる目的で来日したアメリカ人の男女2人が淡々と東京での時間を過ごす内容で観終わった後は背景にあるコンセプトに気づかず淡白な印象だった。
タイトル>>続きを読む
本作製作年の1974年という時代を考えてみる。日本における女性はどうだったか?大学進学率が高くなく、就職するにしても事務職がほとんどで結婚したら寿退社。お見合い結婚が多い。
とにかく多くの女性は結婚と>>続きを読む
フランスの幻想怪奇映画が大好きなんだけど、この作品もそれだった。いつもの如くあらすじを読まずジャケ見で鑑賞を決めた本作は個人的に大当たりだった。
最初、登場人物の区別がつけられずにサスペンスが始まり>>続きを読む
あらすじを全く見ずに観たのだけど、たまたま自分の誕生日の鑑賞だった。
自身の年単位の定点観測をするなら、それは元旦であるとか、誕生日であるとか、クリスマス・イブの夜だとかが定点観測しやすいのだと思う>>続きを読む
よしもとばなな著『白河夜船』と似ている。現実社会に馴染めない、あるいはリアリティある生活に違和感を持っているがために眠りや夢の住人になろうとする主人公の女性。
寝覚めのタバコ、長い付き合いの彼氏との>>続きを読む
西洋美術的な構造の作品だった。AV出演者はセックスによる肉体からのフィードバックとそれを受けての精神状態を制御しながら作品を作り上げる仕事だと推察する。よって肉体感覚と精神制御への意識は人一倍高いはず>>続きを読む
失ってしまった自分らしさやアイデンティティを探し求める物語。忘れるという人間の機能、記憶、習慣、執着心にもフォーカスが当たっている。
自己回復プログラムのなかで中年男性が歳に似合わぬ子どもじみた指令>>続きを読む
S嬢とM男が女王様と奴隷客とという関係性をベースに各自自分探しをするというストーリー。
エロ方面からでのR18作品だからエロスなシーンがあった。そのセックスシーンがリアリティがありすぎて、かなりのエ>>続きを読む
園子温監督は後半に登場人物のキャラ・性格がガラッと変わる作品ばかり撮っているが、本作もご多分に洩れずである。
性格が変わった後のキャラを描くために長い長い前置きが描かれているような気さえする。
キャ>>続きを読む
『恋の罪』というタイトルながら「恋」という言葉から想起されるような恋愛模様は描かれていない。恋というより人格、貞操観念、自己肯定感、価値観がえぐり出されるようにして描かれている。なのに恋の罪とはいった>>続きを読む
『劇場版 呪術廻戦0』鑑賞直後に観た。1100年前から続く因縁や呪いなど共通点がいくつかあったこともあり、本作を狂人の話というより呪術師の話のように観てしまった。
原作は読んだことがなく、あらすじ>>続きを読む
家福悠介の目を通して妻・家福音の謎を解くという設定でありつつも、冒頭から家福悠介の謎を解くような演出になっている。
家福悠介は何を考え何を思っているのか、場面場面でそれを鑑賞者に想像するように仕向ける>>続きを読む
学生特有の友達や好きな人への執着心、そして選ばれた能力で世界を救おうとするセカイ系の青春模様が描かれていく。
やさぐれている麻希に対して歌で人生を勝負しようと提案する由希。同意した麻希は「売れたら世>>続きを読む
登場する人物達のさまざまな立場に自分を置き換えてみながら自分だったらどう振る舞うか考えながら観ると楽しめる。観ている観客が巻き込まれる系の作品。
被害者遺族が加害家族になってしまったかもしれないこと>>続きを読む
惜しむらくはもっと主人公三人には苦しみ抜いて魂のぶつかり合いを演じて欲しかったし、観客である自分も身悶えたかった。
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葉名監督の前作『愛うつつ』に続き、うまくいかない恋愛模様が描かれている。>>続きを読む
想像していたよりもストーリーがきちんとあってまともだった。多様かつ情報社会な時代を生きる我々には受け入れやすい内容だったと思う。
本作は反体制的なところに軸足を置いた作品だと思うが、西洋における世や>>続きを読む
私利私欲優先で純粋に良い作品を作ろうと考えている人物に一人もフォーカスが当たらない映画製作物語。
劇中の小林監督は元カノへの私情、助監督のジョーは小林監督への心酔のため、映画プロデューサー、エグゼク>>続きを読む
「太陽家具のビル」が人間という器であり、「カントク(男)」が理性・外面・肉体・客観の役、「彼女」が感情・内面・魂・主観の役と見立てると見えて来るものがある。
新世紀エヴァンゲリオンで、エヴァ初号機と>>続きを読む
失踪の謎解きをしながら母子再会を果たすロードムービー。
子を捨てた父は、再会しても子への愛情が希薄であることはその通り。
妻との確執から言葉を捨てた男(父)が、目の前の元妻に自らを俯瞰しながら過去>>続きを読む
アダムとエヴァの失楽園でもわかるとおり、ユダヤ教やキリスト教など一神教の宗教観では神は絶対的存在で悩みなどは存在せず、一方、人間は生まれながらに罪を負っていて罰として悩みや恥ずかしさなどが備わっている>>続きを読む
普段どれくらい本心を相手に伝えているだろうか。できるだけ本音は言わずに当たり障りなく摩擦が起きないように過ごしていないだろうか。
特に偶然の出来事に直面したとき本心をさらけ出す余裕などなくやり過ごして>>続きを読む
近年観た新作映画のなかでNo.1。自分の中でそれまでのベスト映画『岬の兄妹』を上書き更新した。観たかったものが観れたことに、感動というより感激して涙が出てしまった。すごく良かった。
年に数回能楽公演>>続きを読む
先月、K'sシネマの奇想天外映画祭でハリー・クメール監督のベルギー映画『赤い唇』という女性吸血鬼が主人公でコテコテのMale Gaze(男性のまなざし)なエロティシズム作品を観たばかりなので、『Cos>>続きを読む
幻想怪奇映画はかくあるべきという耽美な作品。
女性吸血鬼が、男性に対してエロティシズムな快楽を提供する代わりに男性の生き血をいただくという様式であり、女性吸血鬼の衣服の下に謎が隠されているかのような>>続きを読む
援交に対して女子高生への警鐘を意図した教育的指導作品。女子高生鑑賞者を想定すると、女子高生の日常生活描写で共感を与えつつ、大人男性の得体の知れなさの危うさを訴えかけつつ、コミカル路線で安心し切ったとこ>>続きを読む
セカイ系アニメ作品は良い意味でも悪い意味でも、作品に都合よく世界の人々や世界が進行することがひとつの特徴である。
そしてもうひとつ、大人が支配している世界を子どもや青年の主人公がぶち壊すという特徴も>>続きを読む
初日舞台挨拶付き上映を鑑賞。
佐藤伸治さん在命当時のフィッシュマンズの出来事を時系列にインタビュー形式で追うドキュメンタリー作品。
現在、海外でフィッシュマンズの音楽が発見されて改めて評価されている>>続きを読む
一見すると、爽やかなひと夏の恋物語のようだが、終盤でそれらは男のエゴと偏見と女性への見下しを描き出すための設定や演出であることがわかる。巧みな描写と演出が素晴らしい作品。
主人公の男性がナレーション>>続きを読む
2000年公開なのでフィルム映画だろう。モノクロ映像と囁き声の感度を上げた音声の組み合わせが美しくて心地よかった。
恋愛慣れしてない恋人たちの恋愛を見守るという作品だった。カップルで観て感想を言い合>>続きを読む
同級生ではなく部活の顧問だけど、ネタにして慕われてた先生がいた。あだ名で呼ばれて、卒業した後も仲間内で「あいつ本当ダメ人間だったよな」と常に話題に上るような名物先生。
この映画を観た日の翌日に部活仲>>続きを読む
主演のnagohoさん、葉名恒星監督、ゲストでモデルのベイン理紗さんのトークイベント付き上映を鑑賞。
恋人(夫婦でも同様だろうが)の関係性において、生じている二人だけの問題について、いかに自分事とし>>続きを読む
尾野真千子さんと石井裕也監督のトークイベント付き上映を鑑賞。
尾野真千子さん的には撮影装置を付けて目立つカッコ悪い自転車に乗って人通りの多い渋谷の街を一人走ったことが撮影の記憶に残ってるとのこと。>>続きを読む
竹中直人さん(ゾッキ監督)、大橋裕之さん(原作漫画作者)、篠原利恵さん(裏ゾッキ監督)、牧有太さん(ゾッキ プロデューサー)のトークイベント付き上映を鑑賞。
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ゾッキという映画のメイキングが>>続きを読む
竹中直人監督、渡辺佑太朗さん、輝有子さんのトークイベント付き上映を鑑賞。
ゾッキという漫画が原作であることと監督が現役俳優陣だということ以外は予備知識なく観た。始めは穏やかな謎解き自分探しムービーか>>続きを読む