masaccoさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

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サファリ(2016年製作の映画)

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“パラダイス”3部作のウルリヒ・ザイドル監督作。トロフィーハンティングの魅力とその正当性を饒舌に語る白人、剥製の前で無言でたたずむ黒人。そして衝撃的な解体シーン。手慣れた様子からそれが日常なのだとわか>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

5.0

「結婚だけが女の幸せなんて絶対に思わない。なのにたまらなく寂しい」と弱音を吐いたあと魂を込めた大作を書き上げ、愛だと言えるものを見つけ、賢明な交渉を成立させ、本ができる流れが最高。衣装も最高(特にジョ>>続きを読む

We Margiela マルジェラと私たち(2017年製作の映画)

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マルタン・マルジェラのドキュメンタリー。しかし、彼は登場しない。ビジネス担当のジェニーが去るまでの熱気を“私たち”が語る。タビブーツの反応はloveかhateで中間が無かったとか、白スティッチタグはジ>>続きを読む

未来のミライ(2018年製作の映画)

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4歳のくんちゃんは赤ちゃん→こどもへの過渡期だが、身近な他者である家族の(自分が知らない)過去に触れることで他者を思いやれるようになる。欲望むき出しのくんちゃんはキツかったが、ひいじぃじはかっこよかっ>>続きを読む

ボス・ベイビー(2017年製作の映画)

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#未来のミライ と同じ設定だけど、こちらはSFバディアクションコメディでエンタメ度高し。愛はシェアするものというメッセージもわかりやすい。空間移動できるおしゃぶりとかの小道具がいいし、エルビスツアーと>>続きを読む

新聞記者(2019年製作の映画)

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虚構の目眩しをぶち上げつつ、今なお真実が明らかにされていない現実の事件を扱っているのがスリリング。「このままでいいのか?」という問いを体現する主演2人の演技が繊細で強い。権力乱用や政治腐敗はリアルで進>>続きを読む

ロマンスドール(2019年製作の映画)

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秘密の告白はさほど重要ではなく、お互いの変化を受容し関係性を再構築する話だと思った。2人の出会いのシーンでの高橋一生ときたろうのわちゃわちゃが最高!白衣がレデイースってw。蒼井優の(ただ理想的では無い>>続きを読む

ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋(2019年製作の映画)

5.0

幼なじみの2人が再会し惹かれ合う。その過程のエピソードひとつひとつが濃くて強い!豪快な階段落ち、変な伝統衣装、ナチのタトゥー、ハイな状態での人質解放交渉、ハックされたあの動画..。笑えるけど風刺も込め>>続きを読む

雪の轍(2014年製作の映画)

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密室での濃い会話と美しい風景。「地獄への道は善意でできている」とか「良心とは臆病者が使う言葉」とか深すぎる台詞も沢山。善意が無意味だとしたら、自分を信じ誇り高く生きて行くしかない。若い娘と年配男性との>>続きを読む

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

5.0

フェアで優しくて刺激的で笑える!変な踊り、パンダ、人形アニメ、髪の毛覆面など笑えるし、水中シーンの美しさ、部屋のディテールも良い。親密な友人から独立し自分で決めることによって開かれる世界の大きさに憧れ>>続きを読む

EMMA エマ(2020年製作の映画)

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アニャ・テイラー=ジョイを始め、ハリエット、エルトン夫人など女性キャストの顔が強い。異世界的ですらある。ライラック?が咲き誇る樹の下での告白シーンは蜂の羽音と鼻血が印象的で、エマの生々しい感情の目覚め>>続きを読む

アド・アストラ(2019年製作の映画)

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偉大な父親(とその象徴である組織)の呪縛からの解放を描く。心理検査で「重要なことに集中し、その他は排除する」と述べるのだが、序盤と終盤で意味が違う。「生きて愛する」ことを選択した彼の表情に宿る希望。

悪童日記(2013年製作の映画)

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終戦間際の貧しい村で双子の少年が様々な"訓練"を通し大人になる。それらはけなげだが滑稽でもある。絶食中の、おばあちゃんのチキンの食べ方w。少年たちの綴る日記はおどろおどろしく美しい。"殺す練習"をした>>続きを読む

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(2013年製作の映画)

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アル中で無口で頑固な父をネブラスカまで連れて行く息子デイビッドがやさしい。一緒に酒を飲み生家を訪れ元カノと話してみたら父のことが理解でき、母をも見直し兄とも和解でき、彼自身も自信を取り戻すという、よい>>続きを読む

さよならくちびる(2019年製作の映画)

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3人の感情のむき出しな感じがなんだかこそばゆくなった。眩しくも、羨ましくもあり。主要キャストみんな良いけど特に小松菜奈→暴力的なまでの欲情と脆さ、儚げな声がいい。門脇麦はうちに秘めた情熱が漏れ出ちゃう>>続きを読む

恐竜が教えてくれたこと(2019年製作の映画)

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オランダの児童文学が原作。ひとりで過ごす訓練をするサムが、皆で過ごした思い出をたくさんつくることの大切さに気づく。邦題はアレだけど、良い話だった。テルスヘリング島でキベリング(鱈のフライ)食べたい!

初恋(2020年製作の映画)

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虐待や搾取や裏切りや暴力など"良くないこと"から生まれた"初恋"。その背後にはヤクザと中華マフィアの死屍累々。車はダイブしなかったけどベッキーのダイブは見事だったし、生首はリアルだったし、染谷将太はじ>>続きを読む

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(2016年製作の映画)

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ナチス第三の男ハイドリヒ暗殺と故郷奪還のためチェコに降り立ったパラシュート部隊7人が、ナチス親衛隊700人と戦う。壮絶な銃撃戦。序盤頼りなかったヤンの勇姿に震える。ヨゼフ役のキリアン・マーフィは苦悩と>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

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特別だと思っていた記憶は移植されたもので「あなたは特別だ」と言ってくれた女性はAR。希望を失ったKはラスト“奇跡”に加担し“人間らしく”なれたのだと思う。
アクションでは、廃墟のラスベガスでホログラム
>>続きを読む

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

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デッカードは躊躇なくレプリカントを殺す。女性を背後から撃つしほんとひどい。人間よりも人間らしいレプリカントに命を助けられ愛を教わり、自分もレプリカントなのかも?って思う話。今や過去となってしまった未来>>続きを読む

ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

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やや話を盛り気味の昔語りを聞いているような、思い出の夏休みっぽさがエモい。タイラー役のシャイア・ラブーフのゴシップを知っていると虚実皮膜の妙も味わい深いし、ザックとタイラーが交わす”特別な握手”がだん>>続きを読む

ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像(2018年製作の映画)

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作者不明の絵画のオークションを通して疎遠だった孫息子との距離を縮め、己の過ちを思い知らされ、最後に署名のない聖像画を手にしたことの意味を見出す。孫息子との交流は心和む。いつもは1つのブリオッシュを2つ>>続きを読む

無垢なる証人(2019年製作の映画)

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弁護士のスノが自閉症の少女ジウと関わることで、自分がどう生きたいか見つめ直す話。人間ドラマだと思って油断してたら、終盤サスペンス的な展開と伏線回収が見事でスリリングだった!ジウの「証人になりたい」とい>>続きを読む

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

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ジム・ジャームッシュ監督のゾンビ映画。一見なにこれ?(笑)だけど、実は物欲主義や個人主義や環境破壊や伏線回収至上主義など色々な問題を批判している。世の中、台本通りにはいかないし、奇想天外な出来事が起こ>>続きを読む

T-34 レジェンド・オブ・ウォー(2018年製作の映画)

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ソ連とナチスドイツとの戦車バトルアクション。着弾炸裂の瞬間がスローモーションのVFXで描かれ、ベタだけどわかりやすいしかっこいい!イェーガー大佐のイヴシュキンへの愛にも似た執着、握手のくだりとか切なく>>続きを読む

スリー・ジャスティス 孤高のアウトロー/ビリー・ザ・キッド 孤高のアウトロー(2019年製作の映画)

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実在の人物ビリー・ザ・キッドとパット・ギャレットの何度目かの映画化。ビリーの対にリオという架空の少年を置き彼の視点で物語を描く。未来を恐れず希望が見えるまで前進するのみという力強いメッセージ。デイン・>>続きを読む

盗まれた欲情(1958年製作の映画)

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1958年今村昌平初監督作品。座長の長女で人妻の南田洋子に思いを寄せる、演出家の長門裕之の「切ないなぁ」というセリフがほんと切ない。脇役キャラも魅力的で特に芝居の興行で寿司などを売る婆さん達がよい。ハ>>続きを読む

タチャ イカサマ師(2006年製作の映画)

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賭場の札束が気になってしょうがなかった。1束100万ウォンっぽいから1996年当時で13万円くらいか。紙袋一つ5,000万ウォンで650万円。ラスト億単位だったし。花札辞めるために指を切るとかイカサマ>>続きを読む

ベン・イズ・バック(2018年製作の映画)

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前半はベンの過去に何があったのか?後半はベンはこの先どうなってしまうのか?緊張感が途切れないサスペンス演出がすごい。鎮痛剤がきっかけだったことが明かされた時のホリーの悪態が笑えた。ラストには希望が見え>>続きを読む

アヴリルと奇妙な世界(2015年製作の映画)

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フランスのアニメ。ツインのエッフェル塔から出発するロープウェイとかサイバーパンクな機械がかっこいい。キャラ造形も観客に媚びてないのがよい。特にネコの動きがよい!科学の有効利用とか独裁政治批判とか環境問>>続きを読む

ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

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“ポンヌフの恋人”のレオス・カラックス監督作品。彼の盟友ドニ・ラヴァンが「行為の美しさ」を体現する。花を食べまくっていた怪人は過去作“TOKYO!”のキャラ“メルド”だ。演じる身体の生気、狂気、妖しさ>>続きを読む

SHADOW/影武者(2018年製作の映画)

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チャン・イーモウ監督作品。都督と影武者が似てない..と思ってたら20kg減量しての1人二役だと知り、傘で勝てるの?と思ってたらすごい武器が出てきて驚愕。剛に対する柔の利点で勝負がつくのも見事。水墨画の>>続きを読む

風立ちぬ(2013年製作の映画)

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「風が立つ、生きようと試みなければならない。」初見ではピンと来なかったが、この風は轟々と吹く風だという解説を読み、腑に落ちた。抗えない時流や厳しい社会のことだ。不穏な風の中にいる。生きねば、なのだ。こ>>続きを読む

お嬢さん(2016年製作の映画)

5.0

パク・チャヌク監督作品ならではの過剰にデコラティブな世界観。原作サラ・ウォーターズ「荊の城」と同様3部構成の驚くべき展開。主演女優2人の美しさ、艶めかしさ、男に媚びない強さ!「私の人生を壊しにきた救世>>続きを読む

バイス(2018年製作の映画)

5.0

アダム・マッケイ監督のコメディ演出が楽しい。チェイニー副大統領の策謀が釣りになぞらえて語られる。イラク戦争の正当化とかそのどれもがひどい!けど笑える!謎の語り手に典型的な共和党支持者を投影しつつ、彼の>>続きを読む

his(2020年製作の映画)

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今泉力哉監督作品。世間は優しくない、とか、自分が一番弱い、とか決めつけないこと。周囲の人びとを信頼し、自分をさらけ出すことで希望が生まれる。「起きてる?パジャマ着ようか?」には笑えた。宮沢氷魚の白い肌>>続きを読む