タコ社長さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

タコ社長

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帰れない二人(2018年製作の映画)

4.1

街の急激な変遷に否応なく突き動かされる人々。気が遠くなるほどこの土地は広大で、そこに様々な立場の人間たちが息づいている。

自分自身もきっとそうなのだろう。日々の細かい変化だけに追い回され、いつしかと
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アス(2019年製作の映画)

3.9

影はわたし。そのものである。
ですが、真反対にいる自分を認めたくないのも事実。
ラストがそこまで悲劇的な思いに駆られなかったのは何故だろう。十分悪夢すぎて底に眠る真実を手放したくなったのかもしれない。
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シミラー バット ディファレント(2013年製作の映画)

3.4

違いばかりが目立つふたりの男女。
でも、抱える孤独のカタチはなんとなく似かよっているような。
お互いに肩を寄せあえる、それだけでよいのだなぁと。

団地妻 昼下りの情事(1971年製作の映画)

3.5

息苦しさ。
女たちの不自由さだけではなく、男たちの逃げ場のない重圧感。社会に求められる役割。そこはかとなく哀しい。性への逃避。は本来至極全うなことなのだろうけど。運命の歯車が狂いすぎました…。で、とん
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.4

映画讃歌。そして、時代を支えた全ての俳優・スタントマンたちへの惜しみない尊敬。
待ってましたディカプリオ様!これぞ!という表情満載で、心の中で何度もブラボーしてました。どうにもならない己の現実を受容し
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ロケットマン(2019年製作の映画)

3.7

才能。カオス。どうしたって押し潰される。
バーニーは「歌詞」を通じて彼にずっと寄り添い続けたんですよね。厳しくも美しいメッセージ。よかった!ありがとう。いてくれて。と、純粋に思います。
様々な立場の彼
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

3.9

風景となる街やそこに暮らす(居合わせた)人たち、またそれらの匂いと混ざり合う瞬間がとても美しく温かかった。
兄はただただ弱く、それ故の?良心が結構救いになったりする。
妹にとっての「冒険」は所謂負の側
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優しいシャツ ~カナタソウタロウの旅~(2017年製作の映画)

3.4

男の子。から。ひとりの男へ。
みんながみんな、かわいい人たちでした。

よこがお(2019年製作の映画)

4.0

人と人とは合わせ鏡。常に相手は自分を照らしてくれる。寄り添うことが依存になるし信頼が大きな憎悪を生む。

市子さんと基子さんは深いところでシンクロし続けている。常に。今も。

そしておもしろいことに副
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天気の子(2019年製作の映画)

3.1

光の射す方へ。
雨と雲に覆われた世界。
晴れと引き換え。人柱。
この世界のルールなんて関係ない。今、救うべきもの。
200年前の東京は水に覆われていたらしい。その頃に戻っていくだけなのだと。

不自然
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凪待ち(2019年製作の映画)

3.5

亜弓さんがいてくれた6年間。彼に与えてくれたもの。残したもの。絆のような縁のような。歪だけど強いもの。

落ちていく。自己嫌悪に付随するのは自己憐憫。自傷行為が逃避になったりする。人間はとことん不完全
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ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)

3.8

ジョン・C・ライリーとホアキン・フェニックス、とても愚かで愛すべき兄弟をくんずほぐれつ見せていただきました。
親父のその憎むべき血はしっかり自分たちの中に流れているという抗えない事実。所々弱気な兄とヒ
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さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

3.6

【 楽しく】生きることしかできない人も確かにいる。
【楽】に生きることは確かに退屈だけど
穏やかな安らぎを手に入れることができるから。
タッカーとジョンの邂逅がとても素敵でした。タッカーへの憧れと執着
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トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

4.1

おもちゃとしての役割。
引き継がれてゆく愛着と記憶と。

やがて、子どもという存在から完全に切り離される時がくる。
解放ではない。新たな世界を切り開くお話。だと思った。
ボー・ピーという開拓者!!!
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.3

三者三様の空白。消失。
特にジムのそれは特に理解されづらく共感し得ないものだと思う。2ヶ月に1回、定期的に胸に沸き上がる《ビニールハウス》への放火欲。そして焼失されたものに対する関心は薄く誰もその消失
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シークレット・サンシャイン(2007年製作の映画)

4.5

イ・チャンドン特集。
DVDで観たことあれどすっかり忘れていた。
朝からすごい行列!!

陰にさすうっすらとした陽の光を浴びて生きている。多分私たちの殆んどは皆そうやって生きているのかもしれない。
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トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)

4.1

劇場公開ぶりに再見しました。
アンディの想いが引き継がれる瞬間、なんて尊いんだろう!!
「不完全」は魅力である!
おもちゃの特性を最大限引き出した次々に繰り出されるアクションシーン。かわいい。楽しい。
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トイ・ストーリー2(1999年製作の映画)

3.9

おもちゃとしての使命を全うする覚悟。いつか飽きられるかもしれないと
心のどこかで感じていても。
博物館で注目を浴び続けられる人生もある。それでも今ここにある愛情。
コミカルアクション満載でどんどん好
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ハード・コア(2018年製作の映画)

3.7

あぶれ具合がとても漫画的で同時に痛切だった。
世の中を変えようとすることが最善唯一の方法だったが、半径5㎞の世界を丸ごととっ変えてみることだってできたわけだ。適応こそ幸福、ではないきっと。
で、ロボ夫
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トイ・ストーリー(1995年製作の映画)

3.8

来るべき4に向けておさらい復習。
3から10年?は経ってますものね。

おもちゃとしての自我。メイドインタイワン。ヒエラルキーを気にしつつ…どこにいたって運命共同体。そんな世界になればいいな。5分に1
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.7

これまでとてもフィクションであった政府の魂胆は、とても分かりやすい形で現実に露呈していて。この頃はなんだかせせこましくも感じたりするものだから。そんなんじゃねぇ…と思ったところで結局我々は手なずけられ>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.2

ようやく観れた!
映画館で観たかったなあ。

友情と忠誠心。あと性愛と優越感と。
お気に入りであることの代償。
3人の衝動と企みはとてもシンプルなんだけど。子宮の奥の奥で楽しんでいる気もしてくる。
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生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

3.9

世界との分断。その溝を一緒に埋めることが必要なのではない。共にその苦しさにまみれてほしい。そのベクトルに巻き込まれてほしい。
彼らの幸せとは解離がある。から不幸なのではなく、それらを認めた上でまだ生き
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

3.9

なんだかんだで16歳だから。
求めすぎよと思いつつしっかりせえや!と叱りたくもなる。
あんな無茶な大人たちに混じってよう頑張ったなーエンドゲーム。まだまだあいつら任せにしておきたいよな。
それでも修練
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僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)

3.8

こんな時に限ってイエス様ときたら。
祈り…祈る……どうにもならないし。どうにもできへん。祈りましょうとか言うなや。
手を合わせる。手を組む。神社でお願いごとする。何の違い?組む方がなんか必死な感じもす
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ウィーアーリトルゾンビーズ(2019年製作の映画)

4.2

観る前からとても疲弊していた。
今日は湿気がすごい。

リトルゾンビーズは何とかして生み出そうと苦心する前の発露とか形なき心の模様たちをとってもカラフルに見せてくれる。流行りのファッションみたいに。ず
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ヴェノム(2018年製作の映画)

3.7

寄生と共生。あんたがオレでオレがあんたで。持ちつ持たれつの関係性がすんごく面白かった。負け犬ヴェノム、一体どんな過去やのん?て想像するのも良いのです。ドライブかかるまでが歯がゆくもあって、それを受けて>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.0

彼らからすれば、徹底した「優性」維持又は向上、もしくは「劣性」回復の為の利用価値でしかない彼ら。
採取。採種。搾取。
凝固法。
それは人間の中に渦巻く潜在的な願望。なのかもしれない。
「時代は黒」
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今夜新宿で、彼女は、(2017年製作の映画)

3.3

若さという名の穢れと新宿の水はよく合うのです。と思うのです。渋谷じゃなくて新宿。淀むものたちを更に淀んだ笑顔で包み込む。見栄と弱さが交互に現れ、更に大きな見栄を生み出して。
それでも。
朝を迎えること
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魅力の人間(2012年製作の映画)

3.4

人間の魅力ならよく分かるけど。
魅力の人間となると。
全方位な魅力を持つ、つまり多面性で多重性。背景が読めないので尚更イラつくし知りたくなる。支配したくなる。
魅力の人間は他者を拒む。蔑む。変容を求め
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さよならくちびる(2019年製作の映画)

3.7

車窓は時には鬱陶しいけれど、その時々の情感に優しく寄り添ってくれることもある。疲れと寂しさ。永遠に続くような気もして。

若さ故のままならぬこととか。時が経ってもその傷は癒えぬままで 。それでも。ペン
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.9

角田光代さんの原作なんですねぇ。
読みたくなりました。

執着の正体。所々に落としどころがありそうで。捉えられそうで捉えきれない。
「寂しい」の現れかたも千差万別ですものね。愛とか恋とか。そんなんでは
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主戦場(2018年製作の映画)

4.0

思いつくままに。

人間が己に内包する「差別」と向き合うこと。
人間に備えられた?優位性の虚しさに向き合うこと。より自覚的に。

日本(人)は美しい。誇りたい。
ただ、他国が介在することでそれが助長さ
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町田くんの世界(2019年製作の映画)

3.9

我々の世界は節穴だらけ。
町田くんの世界こそあるべき世界。
無条件で他者を救う。癒す。与える。人間が理想とする世界。
でも、人間というものは想像以上に複雑でやっかいである。理想の物差しで図れるほど単純
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