りりーさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

りりー

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おとなの事情(2016年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

よく出来た会話劇で面白かった。携帯の着信・メールによって七人の関係性にヒビをいれながら、思わぬ方向へ物語を運んでいく監督の手腕に惚れ惚れ。
一度秘密を知ってしまったら、もう知る前には戻れず、選べるのは
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未来よ こんにちは(2016年製作の映画)

4.3

監督がミア・ハンセン=ラブで、主演がイザベル・ユペール!わたしのための映画じゃないか。とっても良かった。

冒頭に提示される穏やかな墓地が象徴するように、死とは止まることだ。それを恐れるように、ナタリ
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ヨーヨー・マと旅するシルクロード(2015年製作の映画)

3.7

世界的なチェリスト、ヨーヨー・マが世界各国から召集した音楽家集団"シルクロード・アンサンブル"。さまざまなバックグラウンドを持ち、言葉すら満足に通じなくても、彼らは音楽を奏でることでわかり合える。音楽>>続きを読む

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

4.5

素晴らしかった。台詞の一つ一つ、ショットの一つ一つが詩的で美しい。ジャン=マルク・ヴァレは『ダラス・バイヤーズ・クラブ』以降の作品しか観ていないけれど、本作がいちばんすきだな。

デイヴィスはジュリア
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すべてが許される(2006年製作の映画)

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カイエ・デュ・シネマ週間にて。ずっと観たかった、ミア・ハンセン=ラブの長編デビュー作。英語字幕での鑑賞だったため、点数はなしで(会話があまりわからず…)。

ミアはこれを25歳で撮ったのか。彼女の映画
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7月14日の娘(2013年製作の映画)

4.5

カイエ・デュ・シネマ週間にて。とっても楽しいバカンス映画!
カラフルな画面に、ロマンスと経済危機とバカンスと不条理がせめぎ合う奇妙な、しかしキュートな一本。回想の再演や溢れんばかりのギャグなど、語り口
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ラビング 愛という名前のふたり(2016年製作の映画)

4.4

ああ~~~、素晴らしい。静かでささやかな、けれど世界を変えるほどに真摯だった、実在の夫婦の愛の物語。1950年代、アメリカのいくつかの州では異人種間の結婚は違法だった。日常を脅かされながらも二人は共に>>続きを読む

家族の肖像(1974年製作の映画)

3.8

さして面白味のない話(あくまで個人的には)にもかかわらず、まったく飽きずに二時間観ることができた。画面に映るあらゆるものにこだわりが感じられ、映像も絵画のよう。
主題が家族で、少ない登場人物による会話
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モアナと伝説の海(2016年製作の映画)

3.8

冒険譚がそもそもあまり好みではない、というのもあり、『ズートピア』ほどぐっとはこなかったものの、とっても良くできたアニメーションではあると思う。実写のような鮮烈な背景、マウイのタトゥーのアナログな愛ら>>続きを読む

スラッカー(1991年製作の映画)

3.9

リンクレイターの長編第二作。画面に次々と現れる人々が、思い思いに話しては去っていく。ただそれだけの映画がどうしてこんなに面白いのか。言葉で表すのは難しい。冒頭に登場するリンクレイター自身の台詞は、彼の>>続きを読む

ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)

4.3

東京アニメアワードフェスティバルにて鑑賞。今年のアカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされたストップモーションアニメーション。とっても良かった!

主人公・ズッキーニは、アルコール依存症の母親
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僕と世界の方程式(2014年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、この父親がいるならネイサンは大丈夫だなと思ったのも束の間、あっけなく退場してしまう。父親の喪失は、ネイサンはもちろんのこと、母親・ジュリーにも深い悲しみを残すこととなる。

数学の並外れた才能を
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海は燃えている イタリア最南端の小さな島(2016年製作の映画)

3.7

アフリカ大陸にもっとも近い、イタリア最南端の小さな島、ランペドゥーサ島。人口5000人程度のこの小さな島を目指して、なんと年間50000人を超える難民が海を渡るという。そんな説明が映画の冒頭で提示され>>続きを読む

サマーフィーリング(2016年製作の映画)

4.0

マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルにて。
恋人を亡くした男性・ロレンスと、その恋人の妹・ゾエが、それぞれに埋まらない喪失を抱えながら過ごす三度の夏を描く。突然の別れとなったベルリン、それから一年
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グリーンルーム(2015年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

アントン君目当てで鑑賞。凄惨な場面のすぐ隣で、間の抜けた会話を交わしているような不思議なユーモアのある作品。それはそれは凄惨なのに!
生きるか死ぬかの瀬戸際の、張り詰めた緊張が続くようで、拳銃を握りな
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

ん~~~これは。わたしはだめでした。
閉鎖空間、顔のアップに次ぐアップ、止まない口論。息苦しいのなんの。家族という呪縛を嫌になるほど感じた。勘弁してほしい。
たった数時間の話ゆえ、あの家族に起きた出来
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ショコラ 君がいて、僕がいる(2015年製作の映画)

3.7

20世紀初頭のパリ、白人と黒人による道化師コンビ「フティット&ショコラ」が人気を博した。”黒人である”というだけで恐れられ、笑われた時代に、そのコンビの存在は革命だった。本作は、フティット&ショコラの>>続きを読む

マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ(2015年製作の映画)

3.8

『フランシス・ハ』のフランシスに地続きな愛すべき不器用女子、マギーを演じるグレタ・ガーウィグのキュートなこと!たったの数分でマギーの人となりを伝える冒頭が秀逸。不倫からの略奪愛からのさらなる略奪愛と、>>続きを読む

未来を花束にして(2015年製作の映画)

4.1

この映画を観て、”未来を花束にして”という文章を思い付くのはわかる。劇中の花(束)は印象に残る。デモへ向かうとき、刑務所から釈放されたとき、女たちは花を贈り合う。立ち上がった者、堪え忍んだ者、闘った者>>続きを読む

転校生(2015年製作の映画)

4.2

マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルにて。これは良い子供映画!
学校に馴染めないことが子供にとってどれだけ切実な問題かを、瑞々しく柔らかなタッチで淡々と描いていく。とっくに通り過ぎた出来事だという
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恋人たちの失われた革命(2005年製作の映画)

3.6

つまんね~~~~~と思いつつ一時間ほど観、リリーの登場する中盤あたりからは面白く観た。ガレルの映画、これで四本目だけれど毎回寝てしまうので、合わないのかもしれない。本題に入るまでが遅いと思ってしまう、>>続きを読む

キス・ミー!(2013年製作の映画)

4.2

トーキョーノーザンライツフィルムフェルティバルにて。もろもろ引っ掛かりつつも、圧倒的なキュートさに降参。よかったです。
演劇部でバンドも組んでいる文化系女子・タラのキュートさよ!対して、彼女が恋に落ち
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ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(2015年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

それなりに面白かった。キュートで悪趣味な箱庭世界。終盤の子供たちVSホローが熱くて良かった。ホロコーストが話の下敷きなのかな?

最後、そっちに行っちゃうの?!ともやもやしたのだけれど(ここが本作をそ
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ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

4.0

怪作、珍作という前評判を聞きつつ、ベン・アフレックがすきなので鑑賞。面白かったよ?!
前述のような感想が出るのは、まあ終盤の展開に依るものかなあと思うのだけれど(たしかにずっこけた)、ああいう話があっ
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感傷的な運命(2000年製作の映画)

3.9

アサイヤス流の豪華絢爛な大河ドラマ。三時間という長尺でたっぷりと登場人物を描き、そうかと思えばあっさりと何年も経過させ、男性も女性も年老いていく。妻と別れようと、新たな恋に落ちようと、病に倒れようと、>>続きを読む

TOMORROW パーマネントライフを探して(2015年製作の映画)

4.5

素晴らしかった!”現在のライフスタイルを続けると、近い将来人類は滅亡する”。そんなショッキングな記事を目にしたメラニー・ロランとシリル・ディオンは、映画製作の仲間たちと”世界を変える方法”を探す旅に出>>続きを読む

秘密の子供(1979年製作の映画)

3.5

現実味のないふわふわとした映像や、長いワンカットが多く、話の内容が掴めないほどうとうとしてしまったようで。断片的にしか思い出せない、起きていたはずなのだけれど…。
後半のままならなさが切なくてすきだっ
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パリ、恋人たちの影(2015年製作の映画)

3.4

くたばれクソ男!と思って観てしまったので、まあ全体としてそんなにすきではないのだけれど、生活力ゼロのピエールが味気ないご飯を泣きながら食べているシーンになんだか胸がぎゅっとなり、これが彼がモテる理由か>>続きを読む

SPY/スパイ(2015年製作の映画)

4.6

わーん、最高すぎる!なぜ劇場公開してくれないの!だいすき!

エージェントは女性、サポートするのも女性、ボスも女性、ヴィランも女性。素晴らしい。かといって男性は不要!というわけでもなく、要所要所で助け
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泥の鳥(2002年製作の映画)

3.5

イスラーム映画祭2にて。
先日のレバノンに続き、バングラデシュ映画を観るのも初めてのような。イスラーム映画祭、良い映画祭です。ぜひ続けてほしい。

とても静かな映画だった。犠牲になるのはいつも子供なの
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私たちはどこに行くの?(2011年製作の映画)

3.7

イスラーム映画祭2にて。
レバノンの映画って初めて観たような!ムスリムとクリスチャンが共存する村を舞台に、ことあるごとに衝突する男性たちと、争いを避けたい女性たちを巡る話。
男性たちは荒っぽく、セクシ
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

本作は希望についての物語だけれど、わたしは良心についての映画でもあると思っていて、そこにめちゃくちゃ心を打たれてしまい。三回観ちゃったよ。

劇中で、登場人物たちは良心によって決断をし、立ち上がる。そ
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ニーゼと光のアトリエ(2015年製作の映画)

3.8

冒頭の”1944年”というテロップはとくに気に留めなかったのだけれど、劇中でニーゼがユングと文通するシーンに愕然とした。ユングが生きている!もちろん当然のことではあるけれど。「ユングも女性差別者なのね>>続きを読む

こころに剣士を(2015年製作の映画)

4.2

”勇気の先に未来がある”、陳腐かもしれないけれど、映画に合ったとても素敵なコピー。守らなくては、逃げなくてはいけないときもある。それでも、勇気をもって1歩2歩3歩と前に進んだときにだけ、未来は拓けるの>>続きを読む

聖杯たちの騎士(2015年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ケイト様への忠誠心で鑑賞。初テレンス・マリック!
ストーリーはあってないようなものというか、いくらでも解釈のしようがあるもので、散文的に流れていく映像を眺めるしか楽しみようがなかったのだけれど、不思議
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おいしい生活(2000年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

話が意外な方向へ転がって面白かったものの、後半はげんなり。インテリを馬鹿にしているというより、女性を馬鹿にしているのでは。ウディ・アレンはいつもそうか…。しかし、軽薄なヒュー様は素敵だった。