まっちさんの映画レビュー・感想・評価

まっち

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ロックよ、静かに流れよ(1988年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

SONGSで心を動かされて、別にファンでもなかったのに、「男闘呼組」としての解散に向けたライブツアーが長崎に来るのを看過できず観に行って尋常ではない盛り上がりを目の当たりにした余韻冷めやらぬまま、つい>>続きを読む

東京2020オリンピック SIDE:B(2022年製作の映画)

3.6

東京2020オリンピック公式記録映画の後編。主に運営側・主催者側の視点を中心に、前編には収めきれなかったアスリートの視点も若干添えられている。時系列を半ば無視、舞台から消えていく人・降りていく人・降り>>続きを読む

東京2020オリンピック SIDE:A(2022年製作の映画)

3.6

あの、異例ずくめの大会を、あの河瀬直美が記録した、ということで、まずそもそも、テレビのライブ中継で観るオリンピックとは全く別のテイストになるということは、前提として頭に入れておいた上で、覚悟を持って映>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.7

約3時間、スクリーンを凝視し続けた。
深遠なる物語に圧倒された。
言葉も国境も、我々の想像さえもあっさりとはるかに超えてゆく、最高傑作。
あらゆる出自を持つ者たちが集ったのは、広島。
ともに作り上げた
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燃えよ剣(2021年製作の映画)

3.9

「ばらがき」魂を死ぬまで燃やし続けた伝説のサムライ・土方歳三の闘いの日々を、原田眞人監督ならではのハイテンポに乗って、岡田准一が全身全霊で演じ切る。幕末や土方歳三に関する基礎知識のない人や、原田眞人テ>>続きを読む

るろうに剣心 最終章 The Beginning(2021年製作の映画)

4.1

『龍馬伝』からはや11年。
『るろうに剣心』実写版第1作公開から9年近く。
大友啓史監督のもと、伝説の人斬りとして駆け抜けてきた佐藤健のライフワークがついに完結。

新たな夜明けを迎えるまでの深い闇に
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るろうに剣心 最終章 The Final(2021年製作の映画)

4.5

久しぶりに、公開日にどうしても観たいと思った作品。
観るだけで、強くなれた気がする感覚。
重厚なストーリーと息をつかせぬアクションの連続。
大友啓史ワールドの集大成。
6週間後に公開される『The B
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.0

騙されにきた観客も、共犯者ということで。
松岡茉優の存在感が、この世界観には不可欠。
ゲスト出演している人に注意。
権威ある立場の人も、それを覆そうとする人も、騙さなければ生きてゆけない。じゃあ、誰に
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.5

世界は基本的に厳しいが、時にすばらしい。
西川美和監督は、今作でも観る者の期待を超えてきた。
役所広司が「三上さん」そのものであることは、もはや当然すぎるほど当然。
劇中で三上さんを支え、まさに脇役と
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.5

一言で言えば、「血」をめぐる物語。
つながっているか否かにかかわらず。
20年にわたる物語が、観る者を圧倒する。
綾野剛が「山本賢治」そのものなのはもはや当然と言えば当然だが、舘ひろし・尾野真千子・北
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天外者(2020年製作の映画)

4.1

ディーン・フジオカが『あさが来た』で演じて大反響を得て以来、幕末・明治の知られざるヒーローとして新たに発掘され、一気に全国区の知名度を得た五代友厚が、ついに主人公として長編映画でその半生を描かれること>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

4.1

黒沢清監督が世界に問う、極限状態に試される愛と正義。ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞作は、戦後75年を記念するに最も相応しい日本映画と言えるかもしれない。観る者をどこまでも不安定な状況に誘なう黒沢清>>続きを読む

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

4.1

再び、韓国から、国境を超えた普遍的な問題意識が、世界へ向けて発信された。
この物語は、韓国の働く女性たちを中心に据えつつ、この世界に根強く横たわる「無理解」「抑圧」「因習」などを赤裸々に描くとともに、
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ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-(2020年製作の映画)

3.9

良くも悪くも、制作陣に名を連ねた日本テレビ放送網でかつて放送されていたハードボイルドタッチの刑事ドラマや2時間もののヒューマン・サスペンスを思わせるテイストや展開が随所に。『MIU404』より撮了は早>>続きを読む

罪の声(2020年製作の映画)

4.3

あの頃物心ついていた日本人ならば、誰もが思い出すはずの、戦後最大の未解決事件をモチーフに、想像を遥かに超える重厚かつ骨太な人間ドラマが、静かに激しく展開されてゆく。
野木亜紀子の天才的なシナリオライテ
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望み(2020年製作の映画)

4.0

不安と絶望に支配されて、極限まで追い詰められてしまったとしても、大切な人を、本当に最後まで、信じ続けることができるだろうか?
堤真一・石田ゆり子は言わずもがな、実年齢より5歳くらい下という微妙な役柄を
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時をかける少女(1983年製作の映画)

4.5

大林宣彦監督を偲んで、数年ぶりに鑑賞。複数回鑑賞しても、観るたびに新しい発見がある。その点において、これは不朽の名作としか言いようがない。映画の冒頭にスクリーンに浮かび上がる問い掛け、改めて見返すと深>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.8

次々とハイテンポかつ超高速で俺の想像力を軽々と飛び越えていく。鑑賞前には想像だにしなかった超絶エンターテイメントがノンストップで暴走する様を、凝視し続けるほかはない。ポン・ジュノ監督は、舞台を韓国に置>>続きを読む

影裏(2020年製作の映画)

3.9

良いものを観させていただきました。登場人物に共感できるところはほとんどなかったにもかかわらず、今までの日本映画にはなかった何かを感じることができました。まあ、でも、僕は、彼らのような人生を歩みたくはな>>続きを読む

マチネの終わりに(2019年製作の映画)

4.1

世界を翔ける恋。生と死、めぐり逢いとすれ違い。こんな恋をしてみたいとか、こんな苦しい想いはしたくないとか言う前に、まずこのシチュエーションに立つことが僕にはあり得ないのだが(^_^;)、余韻がしばらく>>続きを読む

新聞記者(2019年製作の映画)

4.0

見応え十分。
観た人同士でなら、責任をもって語り合えると思う。
一人の納税者・有権者・国民として、この映画がどう見えたかを考えることが、良いきっかけになるのではないだろうか。
あくまでもフィクションだ
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七つの会議(2018年製作の映画)

4.4

日曜劇場・池井戸潤シリーズオールスターが束になって描き出す、日本の企業社会の底知れぬ闇。これを吹き払うために必要な凄まじいエネルギーを吐き出せるのは、ゴジラのような安倍晴明、ただ一人しかいなかった!>>続きを読む

OUR SONG and all of you(1978年製作の映画)

4.5

40年ほど前の日本に、確かにあった熱い夏。一躍時代の寵児となった天才少年の素顔と、彼を取り巻くスタッフやファンとの交流。伝説の武道館ライブと、直前のつま恋合宿。時代の空気を硬派に切り取ったのは、「キャ>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.7

知っているようで知らなかった、彼と彼等の偉大さが、圧倒的なスケールで描かれる。
どんな言葉で讃辞を贈っても足りないくらいだ。
観てもらえばわかるはず。

日日是好日(2018年製作の映画)

4.0

味わい深い。
樹木希林、茶道の大先生にしか見えない。何という女優魂Σ(゜Д゜;;)!!!
『億男』『散り椿』に続き、3作続けてスクリーンで観た黒木華、もはや日本を代表する映画女優としか言いようがない。
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散り椿(2018年製作の映画)

4.3

『蜩ノ記』に続く、岡田准一×葉室麟。監督・撮影・木村大作。脚本・小泉堯史。音楽・加古隆。有無を言わさぬ本格的時代劇。岡田准一、まさに剣豪。黒木華が安定の健気さ。エンドロールにも驚いてほしい。見応え充分>>続きを読む

億男(2018年製作の映画)

4.0

『君の名は。』を始めとする数々のメガヒット映画をプロデュースしてきた川村元気が執筆しベストセラーとなった原作を、『ハゲタカ』『るろうに剣心』の大友啓史監督が映画化。高橋一生の佇まいが、この世界観を創り>>続きを読む

空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)

3.9

池井戸潤ワールドの真骨頂。絶望の淵から大逆転を目指して闘い続ける男たちの世界。ただ、『陸王』や『下町ロケット』のようなカタルシスが生まれないのは、キーマン3人が共闘するわけではないことと、失われた命が>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

4.5

是枝ワールドの集大成。是枝裕和監督こそ、日本映画界の至宝であり、世界に誇る日本を代表する映画監督というべきだろう。樹木希林、安藤サクラ、松岡茉優、リリーフランキー。2018年を記憶する一作。

検察側の罪人(2018年製作の映画)

4.0

もう、何を信じて良いものか。
原田眞人監督、やはりテンポが抜群に良い。木村拓哉も二宮和也も吉高由里子も、原田眞人ワールドの住人として十二分に機能。隠されていた英題を直訳すれば、わかってしまうこともいろ
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.5

見終わった後の幸福感。
日本映画史の1ページを飾る伝説的作品。
この作品に関わった人々が、これからどのようにメジャーシーンに飛び出していくのか、それによってこの作品の、伝説としての価値が更に高まってゆ
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3月のライオン 後編(2017年製作の映画)

4.5

前後編合わせて5時間近く、まったく緊張感が途切れることはなかった。静謐の中に、刀で火花を散らすかのような魂と魂のぶつかり合い。この世界観は、まさに大友啓史の真骨頂。一人でも多くの、真剣に今を生きる人に>>続きを読む

3月のライオン 前編(2017年製作の映画)

4.5

独りになることを恐れない強さを求めつつ、それでも一人では生きていけない現実。孤独な魂たちが、時に反発し、時に共鳴する。羽海野チカさんのほのぼのとした画風から先入観を持ってしまった人も、それを捨ててぜひ>>続きを読む

海賊とよばれた男(2016年製作の映画)

3.8

胸熱でした。『永遠の0』よりも僕はこちらの方が気に入りました。ただ、男たちの世界を強調しすぎた結果、彼らを支える女性たちを描ききれていないのがやや残念。とくに綾瀬はるかさんのキャスティング、別に彼女で>>続きを読む

聖の青春(2016年製作の映画)

3.9

幼少期から難病を抱え、寿命が短いものと知りつつ将棋一筋に全身全霊を注いだ青春、なんてかっこいい話ではない。将棋は天才だけど、共感をとことん排除するキャラクター。あらゆるエピソード、全て引っくるめて、ま>>続きを読む

PK(2014年製作の映画)

4.5

『きっと、うまくいく』よりもさらに進化したインド映画の新たなる地平、見届けました。痛快SF社会派ロマンティックラブコメディ、と言うだけでは足りないか。古今東西のあらゆる映画のエッセンスをたくさん詰め込>>続きを読む

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