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寡黙な平山にかわり、生活の中で聞こえてくる音がよく届く。
朝庭を掃く音、布団を畳む音、階段を降りる音、蛇口から水の流れる音、霧吹きの水しぶき。ドアを閉める音、自販機から落ちる音‥男の日々の所作は正確で>>続きを読む
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ブラッドリー・クーパー監督作品。
クラッシックにとどまらない幅広い音楽活動、世界中の若い才能の指導に力を注いだ巨匠バーンスタイン。
エネルギー溢れる青年期から大物の余裕漂う壮年期、老醜のみえる晩年まで>>続きを読む
マイルがたまった。ポップコーンを久し振りに食べてみよう!食べながら楽しい映画といえば煌めくティモシーの「Wonka」かな?交換チケットからポップコーンを受け取り嬉々として座席についた‥ところがあっと思>>続きを読む
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草花に囲まれたベランダでワインを傾ける二人。静かに寄り添う姿が微笑ましい‥それからどれほどの時間が流れたのか、同じアパートメントは全く違う景色になっていた。
分割されたニ画面はただひたすら二人の姿を追>>続きを読む
ナポレオンとは‥もやもやする。その生涯をまとめるには2時間超でも足りないようだ。映画を見た後もう少し知りたくなる。
ジョセフィーヌと出会わなかったら‥互いに相手を覗き込むように見つめ合う二人。優しさ>>続きを読む
美しさに惹かれ異国の小さな集落に都会から移住してきた夫婦。緊迫した展開に引きずり込まれる。
そしてその後、続く物語の底力に唸った。
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戦争が終わった町の夜。
安らかに眠ることのできない夜。まとわりつく重苦しさ、消えてしまった人たちの姿が浮かんで漂うような暗闇の中で少年の瞳だけが光る。
小さなシャツを縫い上げた女も片手で魚を掬い上げた>>続きを読む
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血で血を洗う戦国時代。
どの人物も想像以上に癖あるキャラクターで登場する。
とりわけ冷酷な君主、尾張弁の信長。その狂気に翻弄される家臣たち。男同士のそれは命をかけた主従の証、究極の絆としてあったようだ>>続きを読む
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1942年1月20日、ベルリン郊外の別荘に集められたのは、親衛隊、ナチ党、各省庁の幹部たち。昼食会をかねた会議の様子を淡々と描いていく。議題は「ユダヤ人問題の最終解決」当時まだ下級官のアイヒマンと秘書>>続きを読む
ジョー役ケンズブールに圧倒される。アンチクライストで母性と魔性を内包する女性性を壮絶に演じた彼女ならではの役どころ。監督との信頼関係が感じられた。宗教や倫理を問わないところで振り切れている。自らを依存>>続きを読む
舞台は1970年代の海辺の小さな町、そこで暮らす人たちの閉塞感が画面の色遣いで伝わってくる。章毎の音楽で緊迫した物語からふと我に返り、次の章へと誘われる。
ベスを演じたエミリー・ワトソン。この作品のた>>続きを読む
テロその後、文章をSNSに投稿し一躍時の人となった夫。残された幼い我が子との二人の日々。
世界中から届く賛同の声も、周囲の思いやりも、身内の厳しい助言も、喪失を刻み付けるものであったようだ。自らのメッ>>続きを読む
キューバ、フロリダの海峡横断したダイアナ・ナイアドをアネット・ベニング。コーチ役でもある友人をジョディ・フォスター。突き抜けたバディ感が半端ない。
若かりし頃記録を持つナイアドは60代を迎えてもう一度>>続きを読む
綺麗事はいえない世界。
防波堤で花を手向ける男。そこへもう一人。息がとまるような美しい場面だった。
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面白かった!
‥大戸島からはじまり、復興したばかりの銀座の街が破壊されて翻弄される物語は盛りだくさんの展開で追いつかないところもあったけれど。
…ふと子どもの頃の「東宝チャンピオンまつり」を思い出した>>続きを読む
91歳コロナ禍を経て本作発表したのは長年兄弟で監督していたパオロ・タヴィアーニ。ノーベル賞作家ルイジ・ピランデッロの遺言からその遺灰の行方を辿る物語は、不思議なおかしさがあちこちにあった。
最晩年小説>>続きを読む
所在なさげな小さな姿、その瞳に映るものは。。
ロバの瞳からみた人間の世界を描いているということだが、争いの中で行き場を失くした人の姿にも重なってしまった。
オペラ映画。
若き日のプラシド・ドミンゴ
の歌声で「ゴッドファーザーPart3」のクライマックスシーンでかかる曲が聴けた。
舞台の映像化と違い余韻が短い。
彼の作品で聴いたようなフレーズがBGMのように使われている。本人の作品だから文句をいう筋合いではないのだが。。
終わらないパーティー、裏方の苛酷な作業、役者の光と影。栄枯盛衰の渦に巻き込まれていく姿が>>続きを読む
そのあるあるを大笑いしてみていたテレビシリーズから早6年。
坂間家の面々はじめ変わらぬてんやわんやの騒動に笑い泣きしたけれど、頭の中で勝手に「るび」振ってる自分に驚いた。。随分チェックマークつけてるな>>続きを読む
辺見庸原作「月」未読。
施設の現状を可能な限りみて、見ていないものは描いていないとの監督談。
映画化の意義は感じるが、この事件を表現する演出の何かどこかにひっかかった。例えば過剰な暗闇など。
「幸せなひとりぼっち」のリメイク。
オットーが着ていたベストがなんとも暖かそうで、安心してみていられた。
事件から20年あまり。創ったものの責任か使うものの責任か。失わなくてすむ知的財産がどれほどあったのだろうと思わせる事件。
裏金作りの隠蔽事件と重ねて内向きな組織のあり方が問題を迷走させていく。
天才プ>>続きを読む
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原作既読。
人気と実力、モノづくりで生き抜くことの厳しさが伝わってきたが、主人公にはなかなか共感できない。
枯渇した身体が欲した風俗嬢ちふゆはまるで蜃気楼。とらえどころのなさに溺れていくが、それも束の>>続きを読む
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からゆきさんと呼ばれた女性の半生。
田中絹代。虫の這い出るあばら家で一人野良猫と暮らす小柄な老婆。彼女の矜持。毎朝丘の上から祈るのだ。苛酷な人生を経て、寒村の隅でひっそりと暮らす孤独と諦観。浅黒く日焼>>続きを読む
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1920年代オクラホマ州の先住民族オセージ族が暮らす土地から石油が噴き出す。国中で一番裕福な部族となった彼らの周りには、先住民への差別意識ある白人たちが欲望と野心を抱えて集ってきた。いち早くその暮らし>>続きを読む
映画館のスクリーンで観ることができてとてもよかった。
かなり辛い背景をもつ家族の物語。なのになぜか可笑しくやわらかく、痛みよりも温かいもので心が沁みる。
まだ若いジョニー・デップやディカプリオ。登場人>>続きを読む
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底流にあるものは…重たく感じるテーマに、映画が終わっても、もやもやを抱えてしまい、原作本を買って帰って読んでみたりした。
水の中浮かぶかなえの姿が印象的だ。深く沈めた記憶をもつ彼女の心の本当はわからな>>続きを読む
集団はあっけなく暴走した。
震災後の不安定な環境と心理状態にあるところへ不穏な噂の流布。それはたちまちまことしやかに受け入れられた。よそ者、弱い者への偏見と差別意識が正義を名乗る加虐行動に拍車をかける>>続きを読む
釜山の外れ小さな港町。僅かな利権と縄張り争いにしのぎを削るヤクザ者たち。魚の臭いか血の匂いか、淀んだ町の空気が根無し草の主人公の目の色に映っている。
ささやかな夢のため這い上がろうともがきながら、大切>>続きを読む
大阪ドヤ街を疾走する裏稼業の女ネリ。生き抜くための七変化。
狂った絆で結ばれた弟ジョーの愛のかたち、曼荼羅に浄化されるダーク・ファンタジー。
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原作未読。
…シンディ・ローパーを歌う二人の姿がとてもよかったが…。
建築家として類稀な才能がありながらも突然引退、育児に専念しながら主婦になってさらに人間嫌い引きこもり不眠症に悩まされている。こ>>続きを読む
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ありのまま。
ラッキー90歳、一人暮らしには独特なルーティンがある。
ある日ふと気を失い倒れたことで、自分にもやがて来るその時のことが気になりはじめる。いつものルーティンが少し変わる。
馴染のカフェや>>続きを読む
ダンサーたちの躍動が美しくて眩しい。特別な人たち。
「踊り出して!踊って私達を美しい世界へ導いて」
立ち上がろうとするエリーズたちに笑って泣いて拍手した。
「十二人の怒れる男」を下敷きにした舞台劇の映画化。
時代はバブルが終わる平成の始まり。懐かしいベテラン陣も含めて個性的な面々、みな若い!
架空の陪審員制度、審議のため年齢性別職業様々な人たちが一つの部>>続きを読む