mayaさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

maya

maya

映画(317)
ドラマ(5)
アニメ(0)

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

4.7

肺の中に冷たい水が流れ込んでくる。
プロットは西部劇だが、「映画でしか描けない詩的な表現」とはこのことか、という感じ。なによりも音響と映像が素晴らしく、技術の進歩があるからこそ撮れる映画があるな、とい
>>続きを読む

ワルキューレ(2008年製作の映画)

1.5

今みると、「ナチに屈しなかったドイツ人」をハリウッドのトムクルーズがやってるの、古いアメリカ映画だ!ってなってしまった。ほんの10年くらい前の作品なのに、時代の流れは早いなぁ。
もともとはトーマスクレ
>>続きを読む

ニューヨーク・ニューヨーク(1977年製作の映画)

4.2

ニューヨーク・ニューヨーク!!
表象としての「あの時代のニューヨークのキラキラ感」の原典。ビルの明かりも音楽も服もイエローキャブも、ニューヨークといえばこれ!感満載でお祭り気分でぶち上がれる。
撮り方
>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.2

トップガンとか愛と青春の旅立ちあたりのノリの映画、ちょっと懐かしい感じ。1960s産業界、元気で観ていてアガる。ビールやコークのカット、CMでしょ。
さすがローガンや3:10の監督、光の撮り方がめちゃ
>>続きを読む

T-34 レジェンド・オブ・ウォー 最強ディレクターズ・カット版(2018年製作の映画)

4.3

無印版はエンタメ寄りの印象だったけど、本作、割とちゃんと戦争映画だった。
キネ旬の小野寺系氏の本作への評にあったように「今、気持ちの良い戦争映画なんてありえない」は胸に刻んでおきたい。

拡大版はより
>>続きを読む

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

4.1

当時の映像のアツさはもちろん、解説する方々も名だたる哲学者で激アツ。
芥氏の去り際、三島の主張が、三島本人の絶望を滲ませるのが切ない。
宮崎駿はこの時代を経て「楽園は地上に無い」と結論づけたというが、
>>続きを読む

太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

4.6

なんだかよくわかんないけど病みつきになる。
ニーノロータのテーマを聞くだけで、夏のおわりの地中海の太陽のきらめきと、潮の香りが漂ってきて、淡いブルーで胸がいっぱいになる。こんなにも美しくて心地良いフィ
>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984年製作の映画)

4.0

マックス...マックスのことが何もわからない...わからないよ私...こんなに長いことあなたを見ていたのに...最後に全部分からなくなったよ...冗談抜きにマックスとヌードルスの愛の話でした。西部劇の>>続きを読む

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2015年製作の映画)

3.6

女性やクィアの描き方がちゃんと日本をリスペクトしてるだけあって超絶気持ち悪い。
という不快感で観てすぐは「二度と見るか」と思っていたが、後からじわじわ、「いや、永井豪リスペクトだからそりゃそうか!」と
>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.7

スコセッシが「沈黙」を撮ってくれて本当に良かった...
「宗教活動」というものをとても引いた目で、人間の活動として描いている。
日本人サイドの英語の使い方が階級によって全く違うのも良かった。確かにみん
>>続きを読む

天国と地獄(1963年製作の映画)

4.6

仲代達矢が良すぎる。正義側なんだけどどこか狂気じみてて、本当に「犬」という形容がぴったり。「有能で冷徹な刑事」のキャラクター、見た目も含めてひとつのアイコンが完成した感じ。
最後のシーンは本当に圧巻す
>>続きを読む

ニーナ ローマの夏休み(2012年製作の映画)

4.6

「未来に全てがあると思っていた」という心境、多面的な要素を持って自分を定義することを怖がる不安定さ、それ故の埋めがたい孤独。驚くほど共感することが多かった...。何となくだけど、生徒の女性との距離感が>>続きを読む

オールド・ガード(2020年製作の映画)

4.7

アンデッドサイドのキャラクター全員推せる。
シャーリーズセロンの正しすぎる配役、ナイルのアフガニスタンでのアイコンタクトのカッコよさ(初見で惚れる)。
ニッキーとジョー、ホモソと宗教間対立の同時にドデ
>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.4

この映画の特別なところは、第二次世界大戦の話のようで、実は「戦争のその後」そしてそこから続く「いま」を描いているところだと思う。
エンディングのデヴィッドボウイの「ヒーローズ」は、冷戦期に東西ドイツの
>>続きを読む

白鯨との闘い(2015年製作の映画)

2.2

マジで教えてほしいんだけど、なんでいま撮ったんだこれ、、?
「老人と海」から詩的なエッセンスを全部抜いて登場人物増やして語り口を「ライフオブパイ」にしました、で全部説明がついてしまう。
キャストがやた
>>続きを読む

パリの灯は遠く(1976年製作の映画)

4.1

これがなんの映画なのか、結末まで観ないとわからないのだけど、この映画の主題と同じ題材を取る作品は他にもたくさんあるが、むりやり鑑賞者を「当事者」に引き摺り込むのは本作だけ。他者として「かわいそうだ」と>>続きを読む

イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

4.7

ハンスランダが良すぎて五億回見れる。
最初のフランスの農村から、シュトルーデルのクレーム、地獄のイタリア語講座、地下の死ぬほど嫌〜な空気感、「ビンゴォ♪」、一つの作品でこんなに名シーンって生まれるもの
>>続きを読む

フリー・ファイヤー(2016年製作の映画)

3.9

やっぱりブリーラーソンは最高だな!!!
全員生き意地が汚くて最高でした。
地味にアミハマのノールックショットがガチガチのプロ感あって良かったです。
たしかにスコセッシの日常会話って感じだ。

レッド・ライト(2012年製作の映画)

3.8

デニーロはやっぱり声がいいのと、あの笑顔がめちゃくちゃ胡散臭くて怖いんだよな
雰囲気的にはなんとなくモブサイコを思い出してしまった。あとグラサンとかシルバーのあの感じとか、佐村河内氏そっくりすぎたので
>>続きを読む

T-34 レジェンド・オブ・ウォー(2018年製作の映画)

3.9

ロシア映画がこんなに日本で話題になることなんて今までなかったのでは...
初めての純正ロシア映画だったので、リズム感や価値観に「ほほーん!」という感じでした。CGはバーフバリの技術チームと聞いて、いい
>>続きを読む

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(2016年製作の映画)

3.0

邦題考えろよ、と思うのは、本作の主題が「暗殺」ではなく、「暗殺後」だから。
「世界悪・ナチの野獣ハイドリヒ」を殺すまではアメコミヒーローものと同じだが、本作があくまでノンフィクションなのは、その後の顛
>>続きを読む

TIME/タイム(2011年製作の映画)

1.0

ブルーカラーが寝ぼけて見たアホで都合がいい夢って感じの内容。キリアンが死ぬシーンで「は?舐めてんのか?」てなったけど、この感じ覚えてるな、、、よく考えたら大昔に見て全く同じとこで全く同じこと思ったな?>>続きを読む

ANNA/アナ(2019年製作の映画)

4.6

久々に「うわぁ景気がいいねえ!!!」という感じ、一方で損なわれないストーリー性で観ていて気持ちがいい映画でした。
全員画がめちゃくちゃいいし、アクションは長回しで全然ダレないし、結末もすばらしい。撮り
>>続きを読む

ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

3.9

ターミネーターシリーズを、現代の価値観にアップデートする、意味のある作品だと思います。「誰かの母」ではなく、その人自身が「運命を変えるヒーロー」、大変胸アツ。ニューフェイトというに相応しく、運命の女ふ>>続きを読む

セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年製作の映画)

4.0

一切過去の悲しみの説明がない状態で、パチーノの目の演技だけで、観客が彼の悲しみや時の流れに共感できてしまうの、すごすぎる。
正直、脚本監督は結構時代錯誤で不快なことも多めだと思います。ドナのシーンも、
>>続きを読む

サバハ(2019年製作の映画)

4.4

グアダニーノ版サスペリアと同じテーマを感じた。
悪鬼が天の使いへと身代わりするのは、実はキリスト教を世界に広めることに寄与した元迫害者の「パウロ」と同じ構図。
キリストは馬小屋で生まれるので、まさに「
>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.2

西部劇のテイストのようでいて、西部劇の選択をしない人達。決闘は起こらないし悪者は懲らしめられず、華々しく散ることもない。
悲しみと不条理の連続の中で、誰かを罰しても何の意味もないと知る苦しみを、全員が
>>続きを読む

カジノ(1995年製作の映画)

4.5

ウルフオブウォールストリート、グッドフェローズ系のスコセッシ節!大好き!!
デニーロのファッションコーデがとにかくかっこいい。まず冒頭炎の中を雑コラみたいなデニーロがぶっ飛ぶ映像だけで舐めてて笑う。何
>>続きを読む

アラビアのロレンス(1962年製作の映画)

4.8

音楽、映像、物語、何もかもが素晴らしい、「これが映画だ!」という本物の大スペクタクル映画。スピルバーグやスコセッシがどハマりしたらしいが、この映画に憧れる監督の作品は、テーマや手法が全く違えど観る側が>>続きを読む

地獄の黙示録(1979年製作の映画)

4.5

これは...なんの映画になるんだろう...
映画でしかできない表現をできている映画ほど、「主題」は文章化できなくなると思うのだが、本作はまさにそれ。
途中までは戦争モノだと思ってたけど、カンボジアにつ
>>続きを読む

スカーフェイス(1983年製作の映画)

3.9

滅びの美学なんか糞食らえ、最期は汚くみっともなくとびきり虚しく無意味です。
本作、本物の暴力団関係者にもファンが多いと聞いてずっと気になっていた。思っていたよりも、最初から最後まで虚しさと寂しさが絶え
>>続きを読む

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.0

「話すこと」で、それぞれが自分の心と身体をなんとか形作ろうとする過程が丁寧に描かれている映画だと感じました。
「君が病気になって、事故に遭って、死ねばいいのに」と、憎しみをあえて具体的に言葉に出して相
>>続きを読む

ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)

5.0

こんなに愛に溢れて、こんなに哀しみに満ちて、切なく、暖かいダンスシーンがあるだろうか。資本主義と暴力と権力闘争を描いたこの作品は、家族のダンスにはじまり、家族のダンスに幕引きする。
もう三部作通して生
>>続きを読む

ヒート(1995年製作の映画)

4.6

デニパチがめちゃくちゃかっこいい。トムヒがこの映画大好きでセリフ全部覚えてたり、木村拓哉がベストムービーにあげてたりしたので、「そんなにいいの?」と思って見てたけど、デニパチファンは泣きながら推すでし>>続きを読む

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

3.6

タクシードライバーに続いて共感性羞恥デニーロ。
デニーロの見た目って死ぬほどかっこいいのに、本作やタクドラではまじで360度どこからみても文句なしに生理的に無理なレベルのキモさなんだけど、一体何がおこ
>>続きを読む