シネマQさんの映画レビュー・感想・評価

シネマQ

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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.5

斎藤潤の声変わりの瞬間を目撃してしまうドキュメント性が面白い。
スナックの異世界空間としての造形も良かった。
戻れない戻らないの主題説明のしすぎなんかは、やっぱり野木亜希子はテレビドラマの脚本家だなと
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ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

2.0

たしかに西野七瀬って口開けて寝てそうだなーとか失礼な事思いました。

ボトムス ~最底で最強?な私たち~(2023年製作の映画)

3.5

オタクの妄想そのものな後半に乗れるかどうか?
流されるままクラブ作っていく前半は楽しめた。
ルビー・クルーズが魅力的。

續・丹下左膳(1953年製作の映画)

5.0

オープニングクレジットからすでに大立ち回りで始まり、大河内傳次郎の狂いまで突っ走る。
ここもだけど、全編クレーンショットが決まりに決まっていて素晴らしい。
水戸光子もとにかく最高。銃を撃つ姿ももちろん
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黄線地帯(イエローライン)(1960年製作の映画)

4.0

湿っぽくなりそうなところを三原葉子が回避し続けててとても良い。天知茂の悲しい人生語りを鼻ほじりながら聞く素晴らしさ!
外国人が殺されるシーンで、下っ端が何も言わず聞かないのが怖い。暴力の構造が完成して
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貞子DX(2022年製作の映画)

3.0

ギャグに振り切るのは良いけど、ずっとスベってるのがしんどい。
カット数の多さは拡散の主題と一致していると思えなくもない。

リゾートバイト(2023年製作の映画)

4.0

きさらぎ駅の手持ちカメラが苦手だっただけに、しっかりカメラ置いてくれるだけでも嬉しい。しかもたまに良いショットを入れてくれる。一人になった伊原六花とか。
元ネタはほとんど知らないけど、中盤以降全然違う
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許された子どもたち(2019年製作の映画)

4.0

切り返しの力強さ。本当に向き合った者同士にのみ単独の切り返しが訪れる。
上村侑の視線を強引に奪う名倉雪乃!
長い部分もあるし、色々意図はあるんだろうけどあまりにもなネット描写や古さを感じる演出には少し
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毒娘(2024年製作の映画)

3.5

黄色、青、赤と色による闘争、針から刺すという行為の連鎖など徹底されてはいるものの、あまりに図式的過ぎるし、ちーちゃんの存在が母と娘の女性たちの解放にしか昇華しきれていないのが弱い。
ラスト、画面まで真
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ポー河の水車小屋(1949年製作の映画)

4.0

貧富の差とかストライキの労働者映画とロミジュリ展開。
畑に立ち塞がる農民と銃を構えた兵士たち、燃える水車小屋や落雷などネオレアリスモと言いつつもかなりスペクタクル。
冒頭の河辺移動ショットやラストの死
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マーサ、あるいはマーシー・メイ(2011年製作の映画)

4.0

現在と回想の境が曖昧になっていき、見ている側も惑わせていく。そこからのラスト。
エリザベス・オルセンとサラ・ポールセンの対話で度々階段が出てくるのが良い。短いながらクライマックスの切り返しが決まってい
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不都合な理想の夫婦(2020年製作の映画)

4.0

起床するキャリー・クーンにコーヒーを持ってくるジュード・ロウ。家族に与えてきた父親がガラガラと崩壊していき子供たちの作った朝食を情けなく食べるしかない。
時折挟むクローズアップや象徴性を持ったシーンな
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

2.0

時系列いじるのって、複雑な題材を解体して分かりやすく作劇するためだと普通は思うんだけど、それを全く逆に分かりにくくしてるのって何でなんだろう。不思議。単純に下手なだけか。
冒頭10分くらいでつまんなす
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.0

作家性というのもおこがましいヴォーンの他作品でも見た同じようなアクションシーンももはや無味無臭でつまらない。
これ見よがしにアクションの反復がされるけど、そういうのさりげなくやるからオシャレなんでは。
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ロードハウス/孤独の街(2024年製作の映画)

3.5

なんて事はないけど、コナー・マクレガーの俳優デビュー作として。ただの脳筋サイコなキャラはどうかと思う。

麻雀放浪記(1984年製作の映画)

4.5

真田広之と名古屋章が年齢当てるギャンブルを始めるオープニングから上手すぎる。流れるようにギャンブル狂いである事を示し、物語をスタートさせる。
ノワールのようで、青春映画でもあるようなジャンルを横断して
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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.5

函館だけにめちゃめちゃゴールデンカムイで笑った。
血痕や指紋、スタンプというイメージの連鎖が、宝物の正体とリンクしていたりミステリーも頑張ってたりはするものの、肝心のアクションがあんまり上手くなくて何
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武蔵野夫人(1951年製作の映画)

4.5

前半の言った言葉が次々に実現していくスピード感が速すぎる。死ぬ話したら次のシーンでは死んでいる。
田中絹代と片山明彦が宿で語るシーン、編集もキレてるし、長回しでも光の変化が絶妙で田中絹代に当たる照明の
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BORUTO NARUTO THE MOVIE(2015年製作の映画)

4.0

監督が山下宏幸なので演出はともかく作画がとにかくハイレベル。
入りのアクションから凄い。
原画陣の豪華さは近年の作画アニメでも屈指。中でも現在のアクション作画の流れを作ったと言っても過言ではないNAR
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

肩を抱く行為が反復されていく終盤。それが家族の証であるように。そこには決して入れないホルト・マッキャラニー。
直接的な描写はプロレスシーンがほとんどで、五男の死を同じ喪服は着れないと母親が動揺するシー
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THE LAST -NARUTO THE MOVIE-(2014年製作の映画)

3.0

恋愛が絡むからかウジウジしていて盛り上がらない。
「結婚すっか」で終わらせるドラゴンボールは偉大である。あっちもアニオリで新婚旅行代わりに山の火消すとか何とかやってた気がするけど。
アクションもいつも
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恋恋風塵(れんれんふうじん)(1987年製作の映画)

4.5

トンネルを通過する電車。広がる風景、車内の二人。もう完璧なので何も言う事はない。ただただ痺れる。「映画だ」ってなんだその始まり!
静かで残酷な青春の物語も、フィックスでじっくり捉えたショットももちろん
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アンデス、ふたりぼっち(2017年製作の映画)

3.5

フィックスを基調にじっくり老夫婦の日常を描いていて、日常生活や労働シーンは魅力的。
羊の毛から糸を紡ぎ、毛糸の玉をキャッチボールのように受け渡ししていく。
後半の悲劇パート、作為が見えすぎてあんまりハ
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裸足の伯爵夫人(1954年製作の映画)

4.0

エヴァ・ガードナーを巡る周囲の男たちの回想。
ジャック・カーディフの撮影が見事すぎる。葬式の黒い傘と佇むボギーのかっこよさったら。
ガードナーとの出会いのクラブシーンから、別れの城までもうとにかく撮影
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ママボーイ(2022年製作の映画)

3.5

ヒロインのララ役めっちゃ見覚えあるなあと思ってたらビビアン・スーでビックリした。
ちょっと気恥ずかしくなるくらいのド直球ロマンスコメディ。衒いもなくダンスシーンで照明変えるのとか好感。
初めてビビアン
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Helpless(1996年製作の映画)

4.5

父殺しを封じられた行き場のない暴力が画面から迸ってて最高。揺れるカーテンや草木、ざわめきが止まらない。
組長=昭和天皇の扱い方の文学的なものが、晩年の青山真治を少し予告してるような気もする。
世紀末の
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サムシング・イン・ザ・ダート(2022年製作の映画)

3.0

熱心な読者でもないから適当だけど、現代アメリカの一定の文化圏でピンチョンの影響力凄いんだなあと思える。
アーロン・ムーアヘッドがどんどんヤバいやつになってくコメディな感じが面白い。

ストロンボリ/神の土地(1949年製作の映画)

4.0

バーグマンの熱演ぶりが痛々しいものの、島内の描写やマグロ漁船の力強さと見応えある。
収容所から逃れるために、結婚するも結局大して変わらない過酷さ。火山の噴火をスペクタクルにはしないロッセリーニ。

マッチ売りの少女(1928年製作の映画)

4.0

マッチの火花が線香花火のようで美しい。
幻想世界の無邪気な楽しさと現実の過酷さのミスマッチさが悲しい。
雪、火花、花びらと来て最後にまた雪に戻るイメージの連鎖に泣ける。

U-NEXT版、画質は綺麗だ
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噂の女(1954年製作の映画)

5.0

御茶屋の奥行きを使い、人々が動き回るのを見てるだけでもうっとりする。
狂言での田中絹代が盗み聞きするのを、ラストでは久我美子と立ち位置が反転する。そのまま刃傷沙汰になりかけるクライマックスへ突入する流
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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

3.0

幽霊がハチャメチャにするコミカルさが魅力なのに、中々騒ぎを起こさないんだから厳しい戦い。
マッケンナ・グレイスとエミリー・アリン・リンドの友情は新鮮で楽しいけど、クライマックスもそこに合わせるならもう
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FLY!/フライ!(2023年製作の映画)

4.5

見せ場を繋いでいき、止まることなく展開していく作劇の上手さ。これでもかとマクガフィンが連鎖していく気持ちよさ。早ければ良いとも最近はそこまで思わないけど、しっかり飛行の気持ちよさや落下のダイナミズムも>>続きを読む

あらくれ(1957年製作の映画)

4.0

タイトル通りのあらくれぶりを見せる高峰秀子が素晴らしく楽しい。
階段から落ち、障子を破壊し、水をぶちまけ、部屋をほうきで破壊する!
何かしらの転機に常に暴力が付き纏っている。
ラストの着物の裾をぐいっ
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季節のはざまで デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

5.0

夢のようにシームレスに現在と過去が混ざり合う。
具象的な映画の感想で抽象的な事はあんまり言いたくないけど、もう魔法のようとしか言えない時空間の混在ぶりにもうただただ浸る。
イングリット・カーフェンの歌
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デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版(1987年製作の映画)

5.0

時空を超えた視線劇にただただ痺れる。
テープレコーダーを再生してしまった瞬間の、どうしようもなさみたいなのが凄い。
主人公に歴史を超えていく一切の理由がなく、説明もなく過去に巻き込まれていくのも素晴ら
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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

4.5

ファーストカットから堂に入っていて、処女作なんて信じられない。
画面の奥にフッとゾンビのおっさんが紛れ込んでくるショット!
限られた空間、人数で演出によって見せていくロメロの力は凄い。
娘が母親殺すシ
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