えむえすぷらすさんの映画レビュー・感想・評価

えむえすぷらす

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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

5.0

児童画ベースで立体感重視のキャラデザに着物など容赦なく柄物を描く手間暇かけた作画、当時の街並みの再現(考証で死ぬ)、多く登場するモブキャラデザイン(考証で死ぬ)、加えて特殊作画パートを別ユニットで作り>>続きを読む

青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「呪い」の一種をリセットするクエストが推進力のシリーズ。本作はシリーズ内でも一番ホラー要素が濃く感じるのは家族がテーマのためか。そんなクエストが意外にハードルが低く感じるには主人公の「経験値」の高さ故>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

5.0

なんとも言い難い作品なんですが、原作読むのが一番な気がします。アメリカの自治と法制度のあり方などあった上でダメ男の視点で全体像あ描かれる。ディカプリオが演じたダメ男アーネストの声、台詞のいい回し方が見>>続きを読む

アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

5.0

閉塞された地方都市。他からの影響を受けないので状態固定化したまま長い冬が続く中で登場人物たちはそれでも変過しておりそれ故に夢を抱き、そして絶望する中で「異物」の存在が明らかになりそこから世界の秘密に触>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

5.0

現実社会(男性優位)とバービーたちの楽園(バービー達がケン達より優位)が鏡合わせで配置されていてそこを行き来する形で物語が進むにも関わらずそれを覆す社会変革を訴えている訳ではない。女性が平等を勝ち取る>>続きを読む

特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト(2023年製作の映画)

5.0

朝一番観てきました。
楽器作画とかどうなる?という心配は冒頭1分程度で「帰ってきたな」という確信に変わった。音は鳴り響き楽器とシンクロして描かれる。そして部長となった久美子の最初の仕事が始まるのです。
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

宮崎駿監督による宮崎駿監督作品に影響を受けた2010年台以後に大ヒットしているアニメーション映画を引用し返してみせる事で最前線にいることを示そうとした作品。必ずしもうまく行ってはいないが大失敗でもなく>>続きを読む

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

4.9

1942年(S17年)1月、ベルリン・ヴァン湖(ヴァンゼー)で開催されたホロコースト推進方針の策定と主導権を誰が握るのか定まった次官級会議の1日を再現。音楽なし。環境音と会話、表情だけで進む。

19
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.9

テーマ的には『君の名は。』にあったような災害で喪失した人の受容を描いている。というか受容という部分がもっと比重を増したというべきか。
冒頭部は唐突。登場人物が限られているにもかかわらずいきなりの展開。
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劇場版ツルネ ―はじまりの一射―(2022年製作の映画)

5.0

テレビシリーズ第一期を元に音響と音楽を新規に作り直し音楽作曲家も変更。環境音を鳴らす比重を高め、その分音楽の比率を抑えた。テレビ版を改めて見直すとまるで印象が違う。7.1ch上映館が多いですがATMO>>続きを読む

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

5.0

愛とは愛すること、愛されることであり常に双方向のものだということを歌い続けていた。

オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体-(2021年製作の映画)

4.0

シチリア上陸作戦で独軍の抵抗を最小限にするための情報をナチスドイツに信じさせるというオペレーションミンスミートを描いた作品。実際に行われた情報工作だそうでキワモノめいたその全貌はオペレーションエンスポ>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

5.0

濱口監督作品は『寝ても覚めても』以来の2本目。本作はファーストランでは観に行きやすい所で上映がなく今回のアカデミー賞ノミネートの復活上映でようやく観られた。

生々しいアバンタイトルでの脚本家の妻との
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.0

ウェス・アンダーソン監督作品は基本、幹となる物語があってそこにエピソードが散りばめられる形式が多い気がしますが本作の場合は雑誌と記事という形式でそれを担わせていて物語性が希薄でオムニバス短編連作集の趣>>続きを読む

ユンヒへ(2019年製作の映画)

4.8

日本(小樽)をメインに日本と韓国の二人の女性の関わりの謎を描く。

冬の小樽が主な舞台になっていて二人の女性とそのうち一人の子供である韓国の高校生の娘の視点を介して少しずつ彼女らの関係性が明かされてい
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ダウントン・アビー(2019年製作の映画)

5.0

実質テレビS7。バクスターさんの活躍が少なかったのが残念。後からテレビ版を見て再度見直すとやはり見え方が変わった。単体でもいけるけどテレビシリーズの後だとキャラクターの理解、深さが変わる。

子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

5.0

沖田監督の変化球は高校青春もの。主人公と同級生の演技を上手く引き出されていて演出の妙が冴え渡った作品。

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

-

女性搾取、男性から見た女性への欲望からくる恐怖など生々しく描いたところが強烈で嫌な感情を、ホラーというより嫌さを強く突いている。現実によくあった/未だにある事を直視した良さではあるが見る人が耐えられる>>続きを読む

フラ・フラダンス(2021年製作の映画)

5.0

職業教育校青春群像劇の四季を巡る1年間。伏せられたカードがあるけど全ては明かされない。この秘密は身内の人達だけが知っていればいい事で、観客には説明されないが、それこそが本作のテーマの相応しい描写方法だ>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

4.5

神話の人たちが実は実在でその彼らが創作して広めていたのが神話だったけど実はみんなまだまだ元気で神殺し的な事とかやっちゃうんだから映画。神話形式に見せかけて劇中世界でのリアルを通じて家族や巨神兵的な神に>>続きを読む

アイの歌声を聴かせて(2021年製作の映画)

5.0

思わぬ導入部、いきなり始まるミュージカルコメディにしてある謎が思わぬ展開へと転がっていく。意外性の塊で面白いのですよ!

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

5.0

独自の物語世界に入り込ませるためにあっさりと一つを捨て去る荒技から入るとか流石のガン監督。そしてハーレクインが全てを持って行った。彼女の描き方、シリーズの中でもサイコーだったんじゃないでしょうか。>>続きを読む

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

5.0

今年は映画制作テーマ映画の当たり年。アニメーション作品ながら劇中映画は実写設定の「映画大好きポンポさん」、そして高校生たちの映画撮影の本作が来た。

この作品、時代劇大好き主人公が仲間と資金を集め映画
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

-

母親のエピソード、ある種の交換法則で犠牲とその結果として得られたものがあるのに出てきた悪意の酷さは相変わらずの細田節だった。ここでああいう悪意に晒したいのなら単純に失敗して2人ともという描き方をすれば>>続きを読む

冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた Fine(フィーネ)(2019年製作の映画)

5.0

演出家加藤恵の誕生としても面白い。そしてこの二人の物語は映画の新たなスタート地点の先の方がもっと面白いんじゃないかとは思っている。

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