えむえすぷらすさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

クルエラ(2021年製作の映画)

5.0

ランウェイが出てくるようなファッションデザイナー映画を見ているとより楽しめる傑作。語り口を主人公の成長と共に変化させたりする演出が良いし、主人公を演じたエマ・ストーンの演技が冴え渡る。

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

5.0

 メタ構造と抽象化で90分に収めた作品。台詞の前後ちょっとした部分をカットして長さを合わせたと寛徳が語られている話も見かけた。

 劇中映画「Meister」、その映画を作ったジーンとポンポさん達、そ
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KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

5.0

明智光秀と信長、ヤクザの若頭と親分の関係が殺意へ変わる時、朴大統領暗殺事件もそんな要素があったようでその事を俳優の演技力で見せつけていく。実際に起きた事件であり最後の実際に犯行に及んだ方の言葉が重い。

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

5.0

「破」と「Q」の間に起きたエピソードの触れ方はあまり上手くない感じはしたけどそれでもあらゆる事象を飲み込みそして別れていくグランドフィナーレは流石。

「破」最後にあった予告編は語られなかった「Q」ま
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ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画(2019年製作の映画)

3.8

インドの火星探査機開発と打ち上げ、火星到達までを描いた作品。日本はのぞみを送り込もうとして失敗、火星周回軌道に入れずそのまま通過した。
インドは劇中にあるようにアジアでは最初の試みで軌道投入に成功した
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ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

3.9

個々のシーンはいいのだけど、世界のあり方をハックできる魔法のアイテムで濫用防止対策があってもというアイデア一発展開なところで起きるダイアナの選択はそれしかないにしても辛い。そしてそういうアイデアはいい>>続きを読む

のぼる小寺さん(2020年製作の映画)

5.0

名古屋で数日間だけ「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」と本作を同日内に見て回れるというレアな機会がありたまたま気付いて最終上映で見てきた。

京アニ演出はともかく時間を圧縮してハイテンポを維持し
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スパイの妻(2020年製作の映画)

5.0

黒沢清監督らしい変化球。あの時代のエスピオナージュだとソ連のスパイだったゾルゲの話に及ぶわけですが本作はそういう国家間の対立ではない別の形に持ち込んでの展開にしていてそこで唸らされた。俳優三人の演技で>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

5.0

脳内シャッフルしてウォッシングされた気分。全容把握出来てないです。また観たい。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -(2019年製作の映画)

5.0

テレビ版で描かれてきたヴァイオレットの物語。少佐のいない世界における事実上のフィナーレを飾った作品といえる。前半でヴァイオレットの鉄壁な仕事ぶりが描かれ、後半少し歳月を経て電話やエレベーターなど電気機>>続きを読む

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

5.0

ヴァイオレットのために作られたエピローグ。ヴァイオレットの代筆が何かを解決するという本シリーズとは異なる彼女が行動できない時にどうするのか問うというテレビ版本編や外伝とは趣の違う作品になっていた。>>続きを読む

ブラック アンド ブルー(2019年製作の映画)

5.0

BLACK LIVES MATTERが主題と言っても良い作品。
BLMの訳は特権みたいな主張だという否定のための主張なんかもありますが、意味として考えるなら「黒人が生きていく事は困難な問題に直面し続け
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千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

4.0

ナウシカやもののけ姫のような神話形式と異なる何故そこに存在するのか説明がつかないファンタジー的世界を通しての道徳を寓話的に描いた物語。
最後の問答、出題者が基本勝てるつもりでの小細工がある訳ですが、出
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ランボー 最後の戦場(2008年製作の映画)

-

何故こうなったのかなあ。先行作の研究が足りてないと思う。

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

5.0

設定を触らなかったのが少々不思議(地方大会かと思ったら甲子園の1回戦だった)なんですが、気付いて仕舞えばそんなに気になる話でもなかった。

登場人物は何かしらの屈折を抱えている。それは演劇部の全国大会
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海辺の映画館―キネマの玉手箱(2019年製作の映画)

4.5

白虎隊など会津の戦いに近代戦の引き起こす悲劇の原型を見出している所が大林宣彦監督が本作で提示した発見だった。
さくら隊エピソードは何故あの時期になくなっていたはずの「大日本国防婦人会」のタスキが出てく
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ステップ(2020年製作の映画)

5.0

カレンダーなど見せる演出とモノローグ処理する線引き、バランス感覚の良さが光る。なんでも説明セリフでやったりしないんですよね。そうやって時系列を指し示しつつ娘役3人で1年後、5年後、9〜10年後の小学校>>続きを読む

グレイハウンド(2020年製作の映画)

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原作はナポレオン戦争期の海軍を描いたホーンブロワーシリーズを書いたことで知られるセシル・スコット・フォレスターの「駆逐艦キーリング」。
邦訳は以前からされており今回の映画配信開始を意識して新訳版まで投
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もののけ姫(1997年製作の映画)

5.0

神話として2人の主人公を語る物語。たたら場の女性の強さ、そしてたたら場を作り売られそうな女性を保護して働く場を提供するエボシなど魅力的な登場人物がいた上で侍やエボシに技術など提供した影の存在、森の奥の>>続きを読む

ランボー ラスト・ブラッド(2019年製作の映画)

3.0

Sicarioシリーズのようなメキシコとの麻薬マフィアとの抗争を描いた先行作があるせいか人身売買・売春を牛耳るマフィアに話を持っていってますが、策もなく突っ込む主人公、情報を集めて急襲し罠を作りこんで>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

5.0

読者とそれに寄り添う出版社の願望はハッピーエンドな結婚かバッドエンドなヒロインの死。それに対して自立を望むジョーは何を選ぶのかという対立してしまう問題に監督は鮮やかなエピローグを紡ぎ出す。

四姉妹と
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タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

5.0

アクションシーンでのPOVのようでいてそうではない視点は激しい移動を伴いながら全体像を見せつつ迫力あるアクションシーンを成り立たせていて巧み。主人公が感じる使命感。

その使命へ協力する彼の仲間たちは
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2人のローマ教皇(2019年製作の映画)

5.0

退位を望んだ教皇、そしてその後継者となる司教との対話劇。

背景には映画「スポットライト」で描かれたカトリック教会聖職者による児童性虐待問題が10年以上経ても燻っていた事がある。ドイツ出身の教皇はこの
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囚われた国家(2019年製作の映画)

4.0

映画館がほぼ休館状態になる直前に見ました。まさかこの映画が最後になるとはいやはや。

異星人に侵略され降伏した人類という設定からテロ正当化が語られる。米国映画では珍しい作品。

異星人要素は希薄。これ
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ミッドサマー ディレクターズカット版(2019年製作の映画)

4.9

主人公のエゴ、恋人を都合よく扱い要らなくなれば裏切りを理由にアレするとか通常版を観た後だとより理解が深まる。
余所者の死には全員に原因となる罪がある。外部に送り出されるリクルーターにはそういう罪を犯す
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.0

あのコミューンがどうやって生まれたのかそこが知りたかった。大学院生要素があるので憶測ぐらいさせて欲しかった。それがトゲになったのが残念。

T-34 レジェンド・オブ・ウォー ダイナミック完全版(2018年製作の映画)

4.0

西欧的な価値観で構築されていて大祖国戦争も遠くになりにけり。
政治委員は全く出てこない。スターリン要素はミニマム。ナチスの非道は描くも敵役の大佐は騎士道精神があるし、それは主人公のソ連軍少尉も同様。
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

5.0

本格推理ものと言われてますが始まりがそうだとしても途中コメディなど入りつつ最後は「ゴーン・ガール」的な駆け引きも出てきたりと盛りだくさんでとても面白い作品です。

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.1

アトランタ五輪であった爆弾テロ事件で被害を最小限に食い止めた警備員。英雄になった彼をFBIが犯人じゃないかと言う前提の捜査を始め、それを嗅ぎつけた女性記者がスクープ。メディアスクラムと違法捜査すれすれ>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

5.0

ドイツ版「このせか」。強いて言えば晴美の兄で少国民だった久夫くんから見た戦争の銃後社会での戦争の終わりまでのサヴァイブを子どもの視点、想像力を通して描いた作品。

「マリッジストーリー」で妻役を演じた
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

5.0

カイロ・レンの傑作が増えた(違う)。
ローラ・ダーンはスターウォーズでカイロと敵対していたのでそのお返しとばかりに大活躍の元妻側弁護士として暴れまわっていた。

演出アプローチ、リズと青い鳥の大好きハ
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<片隅>たちと生きる 監督・片渕須直の仕事(2019年製作の映画)

5.0

リンさん、テルちゃんの収録シーン、音響監督でもある片渕監督のディレクション、そしてそれを受けた俳優たちの演技の変化は見ものでした。