メッチさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

メッチ

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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.3

悲しい最年長シリアルキラーの誕生劇。それは、親からの抑圧と裏切られる現実によって狂気に陥るしかなかった。

前作「X-エックス」のシリアルキラーのおばあちゃんは、若い頃に狂気じみた環境下で生きていたこ
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.0

製作手法のためか?実際にYouTube動画から映画デビューしたためか?作品の世界から現実の世界を巻きこむ物語。

CGに頼らずに製作にかけた期間7年。ストップモーションと実写を合わせて製作したとなれば
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.9

駿監督純度100%映画。駿監督の自分語りであり、混沌とした自身の中の闘いの物語。

監督はいつも「今回で最後です」って言っておいて、次回作やっていているじゃないですか?という意見がありそうですね。でも
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遠いところ(2022年製作の映画)

3.1

未来へ残してはいけない「無責任」と沖縄県が抱える貧困問題。その現状を細かく作られた作品であり、注意喚起をする作品。

この作品によって、沖縄県が全国の平均を上回るほど若年層の貧困率が高い現状だというこ
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.1

秘宝奪還屋の見事な終焉作。過去の英雄で時代に取り残された冒険家の居場所を見つける物語。

昔の栄光も何処へ?というぐらい老いを感じさせる姿になっていたインディー。そのうえ、舞台は昔の歴史を知る考古学よ
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プー あくまのくまさん(2023年製作の映画)

2.7

色んな意味でちょっと凄いものを見せられた気分。思ってたよりもスプラッターホラーをしていた悪魔のプーさん。

まず、この作品は人を選ぶ分類の映画であることは前提にあります。数年前に本作の画像を見かけた時
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タイラー・レイク 命の奪還2(2022年製作の映画)

2.8

開始25分経過してからのワンカット長回し風アクションは、続編の本作でも健在。これをやり抜くだけでも凄い。

本作は前作の続編だけあって、前作を観ていないとキャラクターたちの背景が見えてこない部分もある
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テノール! 人生はハーモニー(2022年製作の映画)

4.1

一言で言って多様性。ラッパーが富裕層を連想させるオペラをやってはいけないと誰が決めたのか?

ラッパーだからとか富裕層の生まれでは無いからとかって、そんな理由で才能がある人からチャンスを奪ってはいけな
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.3

過去のDC作品と向き合って、これから作られていくDC作品を見据えて、制作側の問題点を解消した作品。

フラッシュのドラマシリーズはほとんど観ていませんが、作中でフラッシュの誕生と葛藤と苦悩を1作でスピ
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.6

"運命"とは何か?スパイダーマンとしての"定"と親からの"柵"が交錯しているよう。もはや全てから抗っている。

本作は何というか、前作の「スパイダーマン:スパイダーバース」の"運命を受け入れろ"という
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.4

「こんなAI人形は嫌だ。」という問いにおとぼけな回答をしたかのような、ホラーでも少しコミカルなホラー映画。

「もう1つの現代版チャッキーと言った方がいい。」と、観る前に思っていましたが、やはり伊達に
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渇水(2023年製作の映画)

3.5

この渇ききった世界で、社会的に見て弱い立場の人に手は差し出しても、干渉し過ぎてはいけない。

公共サービスを取り扱った作品だけあって、訴えているものがある社会派な作品だと思います。
原作は1990年代
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.7

心が荒んだ彼女たちは、倫理観はなくなり、衝動に駆られ、気持ちの悪い”怪物”となる。

人は不満が募れば募るほど、ここまで気持ちの悪い怪物になれるものかと思わされました。全編ワンカットということもあり、
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怪物(2023年製作の映画)

4.7

これは、怪物探しではない。誰もがその面を持っている。”怪物"ではない”人間”たちの魂の叫び。

この映画を観ていて、”怪物”とは何か?と問われているように感じました。それは、世間から見て”普通”から外
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雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

4.0

人生は、虐げられるもと自分で決めつけてはいけない。諦めずに挑戦することが大事だと。

色の鮮やかさや獅子舞の生きているような生命感のある動きなどのクオリティー、主人公の成長するお話、何も文句をつけられ
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アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

4.2

多数派が自然とやっていても、何かおかしいと思ったら行動に移すこと。結果が如何であれ、続けること。

レーガン政権になるアメリカを舞台に、連んでいた友達を貧富や人種の違いだけで切り裂かれる。アイルランド
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.0

いつの時代でも、掟に従っていては何も変えられない。謙虚でありつつ行動すれば、自ずと結果はついてくる。

マッド・デイモンとベン・アフレックのコンビがお送りする、お仕事のお作法映画とでもいうような作品で
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EO イーオー(2022年製作の映画)

3.0

動物と人間は、話し合うことはできない。でも、何を思っているか考えることが必要。

主人公はロバのEOのため、一切何を思っているか言語化はされておりません。しかし、EOが何を思っているかというのはなんと
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.2

栄光から失墜していく怪人(モンスター)が奏でるカルテットは、不穏で不快。ストレスを疑似体験する。

個人的な捉え方でしたが、冒頭から民謡がバックで流れるなか、エンドクレジット並みのスタッフロールが流れ
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

3.0

最も暗いのは、日が昇る直前。不安が押し寄せる闇夜。その最中に、共に暮らしていた家族のお話。

全て新しくして歩み出そうとするフランス。旦那と離婚をしてこの先どうなっていくのか?しかし、家族に招いた家出
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.8

ガーディアンズの集大成作であり、"ありのままを受け入れ旅立つ"ガン監督の新たな門出作。

本作はアライグマのロケットの過去が明らかになるものの、その過去が悲しいかったこともあって、作品全体的に暗い印象
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.5

イルミネーションがイルミネーションの世界観で、任天堂のあの名作を徹底的に作り上げた!最高の"まんま"マリオ。

あのミニオンシリーズを生み出したイルミネーションと製作陣に任天堂の生みの親である宮本茂氏
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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

4.0

人が光を追うことは儚いのか?これが現実なのだから黙っているか。人生逆転劇のような呪縛を断つ物語。

良くも悪くも村のコミュニティを描いていましたね。それに主人公の父親が罪を犯して自ら命を絶ちましたが、
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ロストケア(2023年製作の映画)

3.5

「延命」による問題を提示しつつも、人は支え合いながら生きるものなのだと述べている作品。

今作も「PLAN75」や「すべてうまくいきますように」のように、歳をとり周りに迷惑をかけてまで寿命を延ばすこと
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マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

3.8

終始ニコラス・ケイジ愛に満ちていた。本作を一言で「NKU(ニコラス・ケイジ・ユニバース)」と言ってしまいたい。

ここ最近の作品だと真面目にスレたことをやっていた印象で、90年代のイケイケの頃の彼に戻
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.4

ブレンダン・フレイザーが映画出演から遠のいてしまった空白の時間を説明し、ファンへの謝罪の想いを表していた作品。

私の中では、ブレンダン・フレイザーといえば「ハムナプトラ」シリーズですね。小学生か中学
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.1

人は余命わずかの時に人生を振り返り行動を起こす。黒澤明監督の名作のリメイク。

本作のオリジナルの映画は、私が高校生の頃に観ていました。そのため、予告のブランコにのる主人公の姿を観ただけで心を奪われま
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シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)

2.4

DC映画界隈で混沌としている中、安定した2作目でもあり、今後のDC映画をどうしていくかが気になるような感じ。

お話も良かったですが、私個人としては、最近の雲行きの怪しいDC映画に光が差し込んできたよ
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オマージュ(2021年製作の映画)

4.1

音声が無くなってしまった既存の映画を復元させる。母親だからといって、夢は諦めずに敬意を払いつつ。

この映画を観て真っ先に何かの映画に似ているから観ていられると思ったのは、「永遠の0」と「ドライブ・マ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.9

本作は、監督自身が結婚式でライダーコスをするほど、仮面ライダー愛が濃厚。でも、ほぼ無知識でも観れる「シン作」。

本作は当然ですけど、かなり初代の仮面ライダーを意識して制作されていました。再現をすると
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Winny(2023年製作の映画)

4.0

「ルールに遵守」なのは、日本の良いところでもありますが、時と場合によっては柔軟に対処しなくてはならない。

この事件の時代背景としては、まだGAFAMが成り立つ前に日本のIT企業や技術者も成長時期。W
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.5

映画は、作り手によって見せるものを180度変えられる。暗い真実を明るい幻想にできる。

これは自伝でもありますが、個人的にはスピルバーグ監督ベストアルバムのような映画でしたね。映画撮影に目覚めたエピソ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.5

「水」は物を押し倒す濁流にもなれば、物を包み込める。マルチバースという濁流のようでも全て包み込む愛の映画。

新体験。その一言に尽きます。マルチバースを扱った映画は昨今まで多々あり、中でもMCUなんか
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エゴイスト(2023年製作の映画)

4.1

「本当に愛していたのかが分からない。」このセリフが、この作品の全てだと思います。

予告編を見ただけだと、ゲイカップルの話をそのままやるように見えたので、どう着地をするのか?と思っていました。
それに
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#マンホール(2023年製作の映画)

3.0

限られた空間で繰り広げる脱出劇。且つ、ネット社会の皮肉も効いていました。

個人的な意見ですが、観る前の予告編だけでは、作品の面白みが伝わりませんでした。でも、観てからだとあの予告編でないといけなかっ
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すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

4.2

「生きる」と「延命」は違う。寿命を引き伸ばしたうえで生きることは、本当に幸せなのだろうか?

脳卒中で倒れた父親が、病院のベッドで発してまった一言。そこから父と娘たちの奮闘劇が始まる。
前半の入院中の
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