かわはらいさんの映画レビュー・感想・評価

かわはらい

かわはらい

  • 74Marks
  • 111Clips
  • 0Fans
  • 0Followers
  • 0Followings
  • List view
  • Grid view

関心領域(2023年製作の映画)

3.0

アウシュビッツ収容所の隣に住む一家の生活を遠くから観させられ続ける映画。
大人は隣に何があるのか知りながら、
高い塀を建て、植物を絡ませ、なるべく視界に入らないようにする。そのため映画では、収容所の中
>>続きを読む

パリでかくれんぼ(1995年製作の映画)

3.3

ジャック・リヴェット特集、作品変えて再びの開催嬉しい……!
ミュージカル、というには歌の割合は少ないけども軽やかな登場人物たちは観ていて気持ちよさがある。
ただ今回は長かったと強く感じてしまった。

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター(1993年製作の映画)

4.0

カンピオン作品は、パワー〜ですごい人だな!と思った後にイン・ザ〜を観たら思ったよりハマらず……というところでピアノ・レッスンを鑑賞。

抑圧される女性とその解放を、
婚約者と仕事仲間とで揺り動かされな
>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

2.2

全然楽しめなかった。

薬を飲んでいるからその副作用と強迫症とが
あわさって現実と幻想との境目が曖昧になるのは分かる。
が、母に会いに行くというだけでこんなにかったるくやる必要があったのかなと思う。
>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

24年前、小学生時代の初恋同士。
だけどノラ一家は渡英が決まり離れ離れに。
そこから12年後、SNSをきっかけに電話するような仲に。
お互いうっすら好意があったが、どちらが口に出すことなく疎遠に。
>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

ランティモスで一番好きかも。
テーマが捉えやすかったからというのと、
へんてこ美術がすごかった。

博士の家から出て、
愛を囁く男から逃げて、
かつての夫から逃げて、
地頭の良さがあるところを見ると
>>続きを読む

熱のあとに(2023年製作の映画)

3.6

試写にて。
ホストを殺そうとした女、ホストを殺そうとした女と結婚した男、殺されかけたホスト、殺されかけたホストと結婚した女
が各々の愛について問答を経て落ち着くところに落ち着く話。
タイトルの熱=愛だ
>>続きを読む

浮き雲(1996年製作の映画)

3.4

それぞれ職を失った夫婦が、
再就職先を探したり、
ギャンブルに行ってみたりするものの
ほぼほぼ上手くいかず
でも最後の最後で光が見えて本当に安心した。
貧しさってもう他人事じゃないからな……

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.5

監督作、一つも観てないのに評判が良かったので行ってみた次第。
あえてなんだろうけど声に感情があまりのらず、だからかよくある恋愛もののように演出面ではドラマチックさが削ぎ落とされ、より現実味のあるドラマ
>>続きを読む

アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

設定は良かった。
脳裏で、いなくなれ、群青。と似たようなパターンだなとは思ったものの、
ひび割れた向こう側の風景に現実が見えるという演出は好きだった。

ただ、いつみから正宗の矢印は恋愛感情じゃなきゃ
>>続きを読む

アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.5

今泉監督は漫画のコマ割りっぽい画作りをするなという印象があったので
今回のマンガ原作との相性はすごく良かったように思う。キャラがみんないい。
ただ画作りが丁寧すぎて、今回メチャクチャに長い作品となって
>>続きを読む

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

4.3

エドワード・ヤンの作品は恐怖分子、クーリンチェと観て今回で3作目。
それまで観ていたものが事件が起きるものだったので、スラップスティックも描けるんだという驚き。
特に大きな出来事が起きるわけでもないけ
>>続きを読む

オオカミの家(2018年製作の映画)

3.9

前置きでまずゲラゲラ笑いそうになってしまった。ブラックジョークが過ぎる。

話としては入れ子というか、コロニーの映像作品で良さを伝えるね!として出てくるのが本編。
オオカミから逃れた家で暮らし始めたマ
>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

正直に、キツかった。

端的に言ってしまえば、
別れと誕生を受け入れること、
それが厳しいものであったとしても世界を憎まないでいること
が軸かなと個人的には思ったのだけれども

女性(というか母への)
>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.2

「ドロステのはてで僕ら」のヨーロッパ企画の次作となれば、気負わないけど面白いSFに決まってる。

今回は原因が分かりやすすぎたことはおいておいて、2分間のループ崩さずにキャラクターを展開させるという手
>>続きを読む

マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

3.5

マルセルは、2.5センチという小さな体で人間の家に暮らす。
のでいかに生活に工夫を凝らすかがいちいちかわいかった。
おばあちゃんも良い貝で……。
物語としての起伏は全然ないんだけどそれでいい。

ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

-

しばらくギャスパーノエ観てないからどうだろうなと思ったけど、フラッシュの演出がダメな私にとってはやっぱりダメな監督だった。
シャルロットが木の下で〜って言ってたのアンチクライストか?

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

前後編なら言って欲しかったな!!
心構えが少し変わるので。

個人的に、
ヒーローだから善人であれっていうのはあまり好みじゃないのでマーベルはあまり追ってないのですが、
今作はスパイダーバースにおける
>>続きを読む

未来よ こんにちは(2016年製作の映画)

2.9

ミア・ハンセン=ラヴは今それでも私はいきていくがかかっている影響で、親の喪失が出てくるとそこがなにか彼女のキーワードなのかなと思いつつ。
夫と離婚し、母と死別し、
哀しみを感じる一方で緩やかに自由にな
>>続きを読む

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

3.6

幕引きがめちゃくちゃに辛い。

麻薬常習犯の母親に半ばネグレクト気味に育てられているマルコと、
マルコの母親が逮捕されたことによって彼の面倒を観る決意をしたルディとポール。

マルコの母親からマルコの
>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画の配役はすごく良くて、また俳優陣の演技もすごくよかった。
母親→先生→子供たちと視点が動くたびに、いちいちキャラの見方も変わって一方では理解できない怪物が、ただの人になったり。
怪物を怪物たら
>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.3

原作未読、ドラマは第一シーズンまで民ですが面白かった。
わりと蜘蛛がよく出てくるのでそこにはギャっとしたけど。

露伴先生の過去があることで、あ、この人もちゃんと人の子だったんだなと確認できました。

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

とある村では女性がいたずらをされていた痕跡だけが残り、それは霊かなにかの悪戯ではと思われていた。が、実際には村の男たちが睡眠剤を用い女性たちを襲っていたことが露見するところからストーリーが始まる。>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

2.0

女性指揮者にプレッシャーがのしかかり崩壊していく物語かと思いきや、
ある程度の地位を得てしまったがためにマッチョ化したターがおざなりにしたあれそれに苛まれる話だった。
身から出た錆に苦しめられるので同
>>続きを読む

カラビニエ(1963年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

ゴダール映画祭にて。
顔の見せない王様に召集されて、戦争に赴く兄弟。
富を、女性を手に入れたいがための兵役が、しかし持って帰ってきたのは絵葉書ばかり。
その後敗戦により起きた反乱によって兄弟は命を落と
>>続きを読む

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.9

アリ・アッバシからファンタジーを引いたらどうなっちゃうんだろうと思ったけど、監督、観客にとっての普通の感覚とは外れたキャラを描くのがべらぼうに上手いので安心した。
ボーダー、マザーはそれぞれ人とは異な
>>続きを読む

ヴィレッジ(2023年製作の映画)

2.9

新聞記者の劇場版以来に藤井監督の作品を。
人の善性も悪性も曝け出して観客に問いかけるラストは分かるが、エンドロール後のシーンは完全に蛇足な気がした。

これまでの爽やかイケメンからの脱却をはかっただろ
>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

-

作業のお供として流すには勿体ないなと思うくらいにはかっこいいパフォーマンスだった。

最高殊勲夫人(1959年製作の映画)

2.9

なんでか主要サービスで配信されていないのにGYAOでは扱ってる不思議。

今の時代に見ると、秘書が社長夫人になるとか、フリーだと分かるやいなや迫りまくるとか倫理〜〜!と思わなくもないが、それで生きてい
>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

試写にて鑑賞。
リメイク元は未鑑賞です。

末期癌の宣告を受けた主人公が、これまでの空虚な生き方を見つめ直す物語。
元に比べ40分ぐらい短いようだけど上手くまとまっていた。

邦画だったらあんなにあっ
>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.9

最高にぶっ飛んでて、映画がエンタメであることを思い出した。
エヴリンをはじめとするどのキャラも愛おしい!

バビロン(2021年製作の映画)

2.8

ララランドが合わず、セッションはまあまぁ好きなのですが、今回は恋愛という側面と憧れの仕事という側面があって。

ブラピ扮するジャック・コンラッドはめちゃくちゃ良かった。時代の流れになんとかしがみつこう
>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

4.0

ファム・ファタールであり、オム・ファタールでもある、不思議なラブサスペンスだった。

きっとお互いに一目惚れで、会うたびに惹かれていったのだけれども、2人を引き合わせた事件が崖からの転落だったように、
>>続きを読む

ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)

3.6

ベルイマンのカラーめちゃくちゃ良いじゃん!?
まだ仮面と、鏡の中にある如くしか観てない中でのこの作品はわりと衝撃だった。

クリスマスの、不思議と禍々しさの少ない赤、黒、夏の白を経て一度色を失った兄弟
>>続きを読む