みきてーさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

みきてー

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ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

3.4

数秒でバキバキに切り替わる洒脱なカットの数々に圧倒された。なにのエンドロールは手前に歩いてくるだけのワンカットで痺れちゃう。作家性でぶん殴られる。この人の作品に「アニメーションならではの表現」とか無い>>続きを読む

プレジデント(2021年製作の映画)

4.6

傑作ドキュメンタリー。

ジンバブエ大統領選の話って聞くと正直全く惹きがない。だけどそんじょそこらのエンタメ映画で太刀打ちできないくらいドラマティックなので、気負わずに見てほしい。導入の解説がめちゃく
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オオカミの家(2018年製作の映画)

3.9

「アート系」を超えて、マジモンのインスタレーションアートだった。1秒後のカットが全く想像できないスリリングさ。天地や平面/立体の概念すらどんどんゆがんでいくような、手法の斬新さと豊富さに舌を巻いた。ど>>続きを読む

(2021年製作の映画)

3.6

『オオカミの家』同時上映にて。
白黒なのに「わぁ、ここは絶対に真っ赤な背景だな」と感じる瞬間があり、イマジネーションの仕向け方が上手い作品だなと思った。後日発掘された体のフェイク仕立てな所も含め。

戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

3.4

水戸水道局が映るとやっぱいい景観だなぁと思う。

シリーズを通して指摘されてきた、工藤Dの有害性に対するアテンションが序盤から矢継ぎ早に挿入される。「俺の中にパラレル工藤はいるのかもしれないけどよ、何
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熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

3.7

パナヒ監督自らが辺境の村に滞在して映画撮影し、映画の構造解体を試みる。どうしたってキアロスタミの『そして人生はつづく』を想起せずにはいられない。

「熊は張子、俺たちを怖がらせる作り話で、権力の誇示な
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キリング・オブ・ケネス・チェンバレン(2020年製作の映画)

3.6

同僚警官の中にも黒人は居て、Nワードでケネスが罵られた時に、彼がハッとした表情をするのが印象的だった。公権力たる警官から、個人に立ち返る瞬間。全ての警官にそんな気付きがあれば…

はたして強大な力の前
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キラーコンドーム ディレクターズカット完全版(2023年製作の映画)

3.7

初見。スクリーンで見られて良かった〜おもくそドイツ語喋ってるけど、独映画じゃなくてN.Yが舞台。一体どういう背景なの。

主人公の刑事はイタリア移民のゲイで、狂信者が教義を曲解してセックスワーカー・同
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カランコエの花(2016年製作の映画)

2.5

個人的には花言葉をわざわざ明言する映画は興ざめするので苦手。

映像はとてもきれいで、俳優陣もみずみずしく、いい。

問題提起だけに終始して、答えが全く用意されていない印象を受けた。作り手の考える答え
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.5

大好きな『バッド・サンタ』と似た味わい。劇場で見たかった、嗚呼12月に劇場で見たかった。

サンタクロースに対する信仰と無垢は、「わるいこ」たちへの暴力として出力される。そのアンバランスさがコミカルで
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名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

3.6

ホラーなポアロ、ええやないの。

上下や手前奥を強調したエキセントリックなショットの数々は、実相寺昭雄的と言ってもいいほど。とてつもない不穏さ。ジャンプスケアも多用しまくる。前2作と語り口の差に驚きつ
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.4

車もGTも全く興味ないものの、何かが高速で動くさまはいやおうなしにノセられる。

テンポがとてもいい。飽きる暇なく話がサクサク進んでいくから軽快ではある。のだが、そのせいで主人公が大して苦労せず上り詰
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.8

死んだ母親を埋めて生き返らせようとする話、本月2本目!!!(禁じられた遊び)

前作『フレンチ・ディスパッチ』は完全な散文で、その構造自体が雑誌を体現したという面白さはあったものの、なにしろ分かりにく
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

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全員マシンガンのごとくおしゃべりで貞操観念がイカれてるのでついていけなかった…ロメールがやると洒脱なんだけど、そうみえないのは潜在意識下のアジアンコンプレックスなんだろうか。

クーリンチェの時と同じ
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MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

3.5

サメ映画に見せかけた、ステイサム映画に見せかけた、巨タコ映画なんだなぁ。

・原作あるんかい!?
・見た者全員がツッコまずにはいられない、副鼻腔空気抜きシーン
・深海は極寒だろと思って調べたら、どんな
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ミンナのウタ(2023年製作の映画)

3.5

平成2年がもう30年前なのが一番怖い。

アイドルが本人役のままでホラーに出演するひな型は『シロメ』っぽくていい。その目くばせなのか早見あかりさんが出てきて、Jホラーファンとしてはにんまりせずにいられ
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もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)

3.7

元からチャーリー・カウフマンの映画(つまり形而上学的なもの)苦手に決まっているのだけど、Netflix辞める前にどうしても独占配信物は押さえておきたくて。

序盤、実家に着くまでのテンポが合わなすぎて
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サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)

3.0

長崎verのスタンド・バイ・ミーをやりたかったのね、しか感想が残らない。主人公が小説を執筆しながら、少年の日を回想する大枠がまんま過ぎて…わざわざ指摘するのも野暮なくらい。

出てくる子供(幼児除く)
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

4.0

またミシェル・フランコ…!お前の仕業かー!!!毎回こちらの期待の3倍増しで胸糞映画を提供してくれるが、撮ってて嫌にならないのか。見返したくない話だけど、今作も時世をスリラーに取り込んだ傑作。現実はもっ>>続きを読む

マンディ 地獄のロード・ウォリアー(2018年製作の映画)

2.5

ストーリーの概要は好みなはずなんだけど、かなり画面が暗く配信で見ると何が起こってるのか全く視認できず…緩慢なテンポと相まって途中からどうでもよくなっちゃった。どちらも意図的な演出だろうから、劇場で見た>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.4

ジェニー派のラジカル寄りフェミニストの感想。

お互いの立場の辛さに寄り添い合う作品というよりも、差別の再生産に繋がるクサし描写が目に付いて、期待していただけに乗れず。クサしまくるコメディは大好きだけ
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スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

3.6

白黒映画かと思うほど彩度を抑えた色調の中に、ところどころ不穏な赤が効いたオープニングがいい。斎藤工の映画愛を感じるファーストショットだった。

さて、主人公の苗字が「清沢」というあたり思いっきり無邪気
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The Son/息子(2022年製作の映画)

4.1

同時期公開同テーマの『aftersun/アフターサン』(しかもタイトルも同音節含まれてるし)に耳目が集まっていたが、私はこっちが断然好き。実際息子がいるし。そしてハンス・ジマー仕事が見事。

余談だけ
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禁じられた遊び(2023年製作の映画)

3.3

ツッコミどころは枚挙に暇がないのだが、クサしながらも「まったくこの子は聞き分けがないねぇ…しっかり見ててあげないと…」と初孫を見るような目で破顔一笑してしまうのはなぜだろう。

以下、箇条書きにて。
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