akubiさんの映画レビュー・感想・評価

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ワンダーウォール(1968年製作の映画)

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あーおかしかった。"覗く"のが専門のコリンズ教授がこんどは壁の向こうの美しいひとに夢中になっちゃった。徹底的にお隣の美少を研究しつづけるコリンズ教授。「Are you in the hole?」。怪盗>>続きを読む

リキッド・スカイ(1983年製作の映画)

4.5

はじめはへんてこな可笑しさにずっと笑っちゃっててごめんね。自由への渇望が熾っていて、それはあまりに悲しくさびしく燃える火だったから、おもわず涙がこぼれた。思いどおりにいかない人生。独りよがりなあいつら>>続きを読む

夏時間(2019年製作の映画)

5.0

なつかしくて、さびしくて、西日がやわらかくて、泣いてしまう。いつかのわたしのこころの深奥にふれてくるから。わたしたちはみな、安らぎの場所を求めてとぶ渡り鳥。それぞれに、まあるい卵みたいにまもられた記憶>>続きを読む

僕が跳びはねる理由(2020年製作の映画)

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ずっと目も胸も潤みながらみていた。彼らじしんや彼らの親たちの愛と困難を想い、そしてなにより彼らの世界があまりにも神々しく美しく、けれど葛藤や苦悩はやわたしたちとなにひとつ変わらないから。
知れば、わた
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

5.0

ちいちゃなママ。ふしぎなママ。綴りをおぼえられないママ。ホットチョコレイトパウダーは溶けるまえにたべちゃうのがすきなママ。birthday songは2回歌ってもらうママ。女優になるのがむかしからの夢>>続きを読む

奇跡の丘(1964年製作の映画)

4.0

不敵な笑みが漂うことにあんしんする。それはパゾリーニのきりとり方なのかわたしがひねくれているのかあるいはどちらともなのかはわからないけれど(「金持ちは天国へはいけないだろう」?)。残酷で滑稽な伝説(歴>>続きを読む

アポロンの地獄(1967年製作の映画)

4.0

オイディプスとともに、タイムスリップまでしてしまったような旅の果て。灼熱と予言に冒されて、それを畏れたものの叫びが可笑しくグロテスクに谺する。遥かむかしから、矛盾を孕んでいる愛がさびしい。それがわたし>>続きを読む

叫びとささやき(1972年製作の映画)

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白と紅の、まるで血と肉のような部屋のなかで朽ちてゆく躰。愛を喰うお屋敷。孤独と気まぐれを愛した母の娘たち。欲深く憐れな姉妹。欲しがる愛が宙ぶらりん。かなしくておかしい。叫びもささやきも、虚無のなかへと>>続きを読む

魔術師(1958年製作の映画)

4.0

賎しいものには唾を吐く。そんなにんげんの卑しさが幻想的な靄のなかへととけてゆく。
妄信することの恐怖と驚異と安寧、そして悦び。ワインは媚薬。お酒は自白剤。目と目を合わせれば、それだけで魔術発動じゃん。
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ショッカー(1989年製作の映画)

4.0

なんともロックなサイキックスリラーコメディ。哀しみと怒りと憎しみに満ちているこの世界を切裂く電撃が轟く。
「That's the way it is。」そんなクソッタレな世の中に立ち向かう魂の叫びがき
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ルチオ・フルチのザ・サイキック(1977年製作の映画)

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みせてくれた最期にむかって、彼女と疾走する。わかっちゃいるけどどきどきがとまらない。みんなちょっぴり間抜けなんだもの。その隙(間)がいとおしいのかも。女たちの詮索好きもほどほどにってとこだけど、最後に>>続きを読む

女の秘めごと(1969年製作の映画)

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目まぐるしく舞い踊る罪と罰。抜かりのない計画も、予測不能な愛の前ではなすすべもない。ピュアな涙が零れても、ラスト10秒まで目が離せない、ちょっぴり強引なカタルシス。潔白なひとは(この世界に)だれひとり>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

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テンポよくてたのしい。終盤の怒涛の伏線回収もきもちいいからちょっと、ほんとにトーマスの話次またしたらわたしもおこっちゃうわよ。いつだって Get the bullet。みんなの哀しみを背負っちゃってる>>続きを読む

逢びき(1945年製作の映画)

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夜の帳に映える蒸気機関車の白煙。カフェでのうるさいおしゃべり。わたしをみつめる彼の瞳。
恋に落ちてしまった瞬間を覚えている。そんなつもりじゃなかったのに。気がつくとまた次の約束をしてしまっている。罪悪
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ブライトスター いちばん美しい恋の詩(2009年製作の映画)

4.0

ファニーとジョンの愛惜と哀惜の残酷なきらめきとときめき。
ジェーンカンピオンの撮る手仕事にはいつだって惚れ惚れする。人生を重ねるように、紡ぐように、わたし をカタチ作るように縫いすすめるとくべつなドレ
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やさしい人(2013年製作の映画)

4.0

男をもてあそんじゃう女たちも、暴力的で強引な男たちも、みんなしょうもなくておかしいくらいに救いようもない。うまくいかないことばかりのこの世界だけれど、鬱々としているときにこそ哀しみにくれるだれかのそば>>続きを読む

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

5.0

最高すぎ、、!! 愛おしいダサ坊たちのヴァカンス。会話もユーモアもおかしくてたのしくて、冒頭の彼みたいにずっとにやにやしちゃってたしときどき声をあげてめちゃくちゃ笑っちゃう、とっても幸せな時間だった。>>続きを読む

欲望(1966年製作の映画)

4.0

彼のカメラのシャッターが、秘密の扉を開けてそのなかにずかずかと土足で踏み入る足音みたい。パープルな衝動。リーフグリーンな表象。ディープピンクな形而下。
嘘つきで横柄で寛容、差別主義的で強引で気まぐれな
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夏の嵐(1954年製作の映画)

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壁に映る月あかりと陽光のゆらめきが儚く美しい。それはわたしたちのこころを写す光と影のゆらぎ。
戦争が彼を狂わせたけれど、お金でからっぽは埋められない。理想に殉じた可哀想な男のものがたりは、戦禍のうちに
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八月の鯨(1987年製作の映画)

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なぜ、鯨に魅せられるかしっている?? この星のいとなみは、鯨のうたとダンスの波紋と残響だから。情熱と真理を窓辺に飾って、世界の理をしっている鯨たちがあらわれるのをまっている。

思い出に浸ることが、た
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夏をゆく人々(2014年製作の映画)

4.0

ひとびとのかわりゆく生活。失われゆく文化。いくつもの言葉にならない想いがゆらめきながら、蜂のはばたきのおこす風のように囁かに密やかに、わたしたちのこころの泉に波紋を描く。
働き蜂のようにはわたしたちは
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夏物語(1996年製作の映画)

4.0

人生初のモテ期をむかえたガスパールくんの、ダサくて愛おしい優柔不断なひと夏の物語。真夏の陽射しのようにじりじりとじれったいっ。
すきなひとがそのひとでなくちゃいけない理由をさがしはじめてしまったらきっ
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愛なのに(2021年製作の映画)

4.0

セックス("うまい"とか"へた"だとか)をとおして描かれるひとの独りよがりさ。なんて。こちらも最高にコメディ。
あの叫びは社会への雄叫び。読み終わらない「長いお別れ」。
「結婚てなんなんだろうね」ふと
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猫は逃げた(2021年製作の映画)

4.0

にんげんはかってでとんまでめんどうでふしぎないきものだなあ。みんなじぶんをしらずにきずついている。かわいくてかわいそう。だからぼくをすこしのあいだだいていていいよ。ときどきかおをうずめることもゆるして>>続きを読む

ブルーベルベット(1986年製作の映画)

4.0

夜道できゅうにchicken walk なるものをされたらすぐさま恋に落ちちゃう。
「僕らは不可解な謎の真っ只中にいるんだ」
カイルマクラクランの可愛らしさと繊細さと変態性のないまぜになった雰囲気には
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the Future ザ・フューチャー(2011年製作の映画)

5.0

いつのまにかふたりの年齢をとっくに通り越してしまったけれど、きょうもやっぱりパウパウのごろごろで泣いてしまう。あの頃5年後はいろんなことがもうすこしマシになっているとおもっていたし、もっと賢くなってい>>続きを読む

北の橋(1981年製作の映画)

4.5

ユニークな女の子たちが出会った奇妙な4日間。人生ゲームのなかに囚われているみたいで息苦しいこの世界。じぶんなりの鎧兜とカラテでも身につけなきゃおちおちいきてもいられない!なんて、思い上がってこの謎に盈>>続きを読む

夜明けの夫婦(2021年製作の映画)

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ひととひととの圧倒的分かり合えなさは、ぼくらの空白の2年間でその隔たりをさらにおおきくしてしまった。夫婦でさえやぶることを憚られた0.01mmのかべ。そのことをきっと笑ってしまったらいいんだ(きょうみ>>続きを読む

グレイマン(2022年製作の映画)

4.0

びっくりめちゃくちゃおもしろかった。ひさびさのクールゴズリングとヒステリックエヴァンス。舞い踊るカメラと笑っちゃうくらい(いやちょう笑っちゃった)ど派手な爆発と破壊。ウィンクなんてずるい(きゅん、)。>>続きを読む

マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)

4.0

マルケータの役者さんが可愛らしくて美しくてまるで彼女のために語ることにきめた物語みたい。
みえない"きまりごと"で支えられた張りぼてみたいなこの世界。蔑ろにされる愛。野生のにんげんの争いとひとの心情を
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.0

ふたつの傷ついたこころが哀しいシンフォニーを奏でる。かつてころしたはずのわたしが目覚めてしまうときは未だにあって、夢のなかでわたしを苦しめる。平気なふりをしたって、全然ほんとは大丈夫なんかじゃない。で>>続きを読む

ベティ・ブルー/インテグラル 完全版(1992年製作の映画)

4.5

"存在しないなにかを求める、透明な感性をもつ奇妙な花。" きみには、この世界は残酷でせますぎるから。ぼくが自由にしてあげる。とこしえの旅にでておいで。
共依存のなれのはて。この星で、愛しすぎてしまった
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WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

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石炭と砂利の真っ黒な路に映える1点の純白のワンダ。あの刹那にわたしの意識はどこかへとんでいて、なにを考えていたのかも朧げで、きっと彼女もそんなふうに生きていたのかもしれない、なんておもった。あの放浪ま>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

5.0

なにひとつうまくゆかない衝動が滾って面映ゆい。いまだにyesやnoで答えられないこともたくさんあってyesやnoでしか取り繕うことのできないときもある。電波で繋がれなかったロマンチックをだきしめて、そ>>続きを読む

ホーキーのおくりもの(2002年製作の映画)

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家族の愛にはなにものも敵わないけれど人生には叶わないこともあるんだという慎ましさを囁かれ、トラックの荷台でつくったまにあわせのテントのなかでぼくたちはとても幸せだった。
あまいケーキがときどき欲しくな
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アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

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パワハラ、セクハラ、不貞のなかで零れる女たちの涙。欲に取り憑かれた男たちの暗躍。
木枯らしの吹きつける夜更けに公園のベンチで朝を待つバディ。笑っちゃうけれど、だきしめたい。ふかい哀しみを宿したひとの優
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