Yuki10さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.7

霊の憑依をパーティードラッグ感覚で楽しむ若者達の引き返せなくなる展開が最高だった。
興味本位で快楽を求めた結果トラウマが蘇る様子は一種のバッドトリップを思わせる。
90秒のルールを破り周囲に異変が起こ
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イノセンツ(2021年製作の映画)

3.4

超能力に目覚めた子供たちの人間関係の変化や不穏な映像美は良かったが、全体的に平坦で盛り上がりに欠け物足りない。
遊んでる時の些細な冗談で仲違いする幼少期特有の空気感が生々しい。
自閉症の姉を通して親と
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

4.5

心臓病を患う夫と認知症の妻を通じ誰しもが避けては通れない老いや死について改めて考えさせられた。
どんなに満たされていようが結局最後に待つのは死という無常感。
人生とは忘れ去られてしまうまでの短いパーテ
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ムカデ人間2(2011年製作の映画)

4.0

カラー版にて中学以来の再見。
『ムカデ人間』に熱中する男が自身の欲望の為にムカデ人間を作ろうとするメタ的な発想と物語性を徹底的に排した作りが良い。
モノクロでは分かりにくかった血や排泄物がはっきりと観
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マーダー・セット・ピーセス ディレクターズ・カット版(2004年製作の映画)

4.5

女性を嬲り殺しては写真に収める写真家を描いた作品。
以前から楽しみにしていた分若干物足りなかったが、男の異様な性癖やリアリティのある殺害描写が常軌を逸していて素晴らしい。
切断した生首で自慰行為をし投
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ディック・ダイナマイト ナチ皆殺し血風録(2023年製作の映画)

4.3

アメリカを爆撃しようと目論むナチス打倒の為にディック率いる曲者集団が反撃する話。
終始下品なギャグとキレのあるグロさが最高。
パンチで首が吹き飛ぶ豪快さも良い。
ディックのキャラクター像がシュワルツェ
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ヘル・レイザー 4Kデジタルリマスター版(1987年製作の映画)

5.0

何度も観ている大好きな作品。
究極の苦痛が究極の快楽に通じるSM美学でエロスとタナトスを描き素晴らしい。
魔界の呪縛に囚われたフランクの為に殺人を重ねるジュリアや不気味な家など至って伝統的なゴシックホ
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ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)

4.2

僅かな偶然が運命を狂わせる不条理さが改めて恐ろしい。
見ず知らずの他人に少しでも気を許すとどうなるのかを教えてくれる。
妻が車に乗り込む直前に家族の写真を見て安堵するカットが残酷で救えたかもしれない事
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ストライク・バック(2007年製作の映画)

4.0

ボート旅行中に遭難した夫婦が狂人一家に襲われる話。
『悪魔のいけにえ』的な理不尽さの中、生きる為に立ち向かう妻がかっこいい。
こちら側の常識が一切通じない相手を前に役に立たない夫と対照的。
エンジンが
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ビー・デビル(2010年製作の映画)

4.6

人として生きる尊厳を奪われ続けた女性が復讐鬼と化す話。
何気ない日常風景の中に異様な島の実態を違和感なく溶け込ませる演出が巧みでボクナムにとっては生き地獄。
島の存続に固執する住人と夫からの肉体的精神
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エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

3.5

不穏な悪魔のサブリミナルを始め1作目へのリスペクトが多かったが、行方不明になった2人の捜索パートが冗長で全体的に物足りない。
キャラクターの個性を最大限に引き出しつつ怖さを描くのは難しい気がする。
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.8

『犬神家の一族』や『八つ墓村』を思わせる雰囲気に人間の醜悪さがふんだんに詰め込められていて素晴らしい。
期待以上の面白さでこれでもかと地獄を見せつけられた。
『ベルセルク』的な引きずる重さが良い。
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オペラ座 血の喝采(1988年製作の映画)

4.5

不幸を招くオペラ「マクベス」の主役に抜擢された新人女優の周囲で起こる謎の殺人事件を描いた作品。
アルジェントの歪んだサディズム全開で最高だった。
犯人や犯行動機より奇抜な殺害描写に重きが置かれ、主人公
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マイマザーズアイズ(2023年製作の映画)

4.5

交通事故で視力を失った母と半身不随の娘の愛憎劇として面白い。
『世にも奇妙な物語』的な不気味さをチェロの音色が引き立て、絶望的な状況を乗り越えようと縋った先で親娘の溝が深まる展開も良い。
冒頭から事故
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震える家族(2022年製作の映画)

3.7

不慮の事故で息子を亡くし養子を迎え入れた家族が怪異に見舞われる話。
次第に明かされる真相が恐ろしく歪んだ家族関係と夫婦喧嘩の厭さが良い。
敬虔な牧師の夫が神の力で解決しようとしても事態は悪くなり、後味
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スキンフォード:処刑宣告(2022年製作の映画)

3.8

不死身の女性が人身売買組織に復讐する凌辱監禁系の話と思いきや斜め上を行く展開や様々な要素が多く楽しめた。
物悲しげな歌と共に人体が爆発するシーンが美しい。
過去を交えて殺されるはずだった男に話がフォー
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ミニオンズ(2015年製作の映画)

3.5

家族向けな心温まる内容で楽しめた。
最も強い存在に仕える設定やミニオンのボスが手を焼く様子も良い。
丁度いい満足感は得られるがミニオンのキャラにはあまりハマれず。
自分には人が死ぬどす黒い作品の方が性
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理想郷(2022年製作の映画)

4.8

理想のスローライフを夢見てスペインの田舎へ移住したフランス人夫婦に訪れる地獄。
憧れの田舎暮らしへの夢を完膚なきまでに打ち砕き重過ぎる余韻が残る。
胸糞悪さでも群を抜いていて心に纏わりついて離れない。
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トンソン荘事件の記録(2020年製作の映画)

3.5

トンソン荘の殺人事件に隠された真相を追うフェイク・ドキュメンタリー。
取材班が事件を紐解く内に巻き込まれる業の深さや幽霊の禍々しさは良かったが、トンソン荘より廃屋が主軸で過去の出来事との絡ませ方が微妙
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

4.8

35年間監禁されて育ったバビーが初めて外の世界に触れ成長する様子が素晴らしい。
『カスパー・ハウザーの謎』に似たような境遇でも誰も面倒を見ない状況から傷つき身をもって社会経験する点が異なり、人間の露悪
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フレッシュ(2022年製作の映画)

3.5

生々しい食人描写はないが、テンポ良くスタイリッシュで面白い。
恋人に恵まれず家族と疎遠とはいえ全く知らない男性に気を許すのは危険。
独特な映像の切り替えやタイトルの入れ方が癖になる。
従順な自分を演じ
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キャビン・フィーバー ペイシェント・ゼロ(2013年製作の映画)

3.8

『キャビン・フィーバー』の前日譚。
1作目と直接的な繋がりは無く感染源の謎は残るが、皮膚が剥がれ血みどろになるグロさやゲロを強調した不快な汚さがあって最高。
特に感染者の爛れた背中は中々の気持ち悪さで
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ゼダー/死霊の復活祭(1982年製作の映画)

4.5

中古タイプライターのインクリボンに残された文字の謎を追う怪異譚。
『ペット・セメタリー』的な死者の蘇る土地を題材に終始禍々しい雰囲気と不条理さが素晴らしい。
死んだ人間が復活する際に情緒的な演出はなく
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シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

4.0

承認欲求の拗らせ方が常軌を逸し取り返しのつかない状況へ陥るまで妄想と狂気を含んだ映像表現が最高だったが、ボディホラー的演出の生理的嫌悪感が物足りなかった。
自分より仕事優先な彼氏から承認されたい気持ち
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ツールボックス・マーダー(2003年製作の映画)

3.8

格安アパートに引っ越した夫婦が謎の殺人鬼に襲われる話。
ありきたりなスプラッターではなく、アパートに纏わる謎解きやオカルト要素を含んだ新鮮さが良かった。
ハリウッドに夢を見る人へのメッセージも印象的。
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スペースインベーダー(1986年製作の映画)

4.5

突如として現れた火星人から地球を守ろうとする少年を描いた作品。
いつの間にか火星人に乗っ取られて身近な人が別人になる様子は『ボディスナッチャー』的不気味さがあり、娯楽性の高い見せ場が多く楽しめた。
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カスパー・ハウザーの謎(1974年製作の映画)

4.3

19世紀ドイツに実在した未だに謎多きカスパー・ハウザーを描いた作品。
長く地下牢に幽閉され世間と断絶した環境で育ったカスパーが言語や社会性を身に付ける過程が面白い。
純粋無垢な彼が人間の虚栄心を浮き彫
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アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)

4.8

アマゾンの奥地にある黄金郷を目指す探検隊が地獄に突き進んでいく傑作。
文明人が非文明圏を征服し、どれだけ発達していようと未開の地では無力で破滅するしかない皮肉の効いた展開が素晴らしい。
美しいはずの自
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オクス駅お化け(2022年製作の映画)

3.3

オクス駅で起こった奇妙な人身事故の真相を追う新人記者の恐怖を描いた作品。
手堅い展開や怪異に纏わる陰惨な事件の厭さは良かったが、ジャンプスケア頼りの演出が目立ち怖さに欠ける。
肝心な幽霊より他人の不幸
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

4.8

フランスの英雄ジャンヌ・ダルクが火刑に処されるまでを描いたサイレント映画。
ジャンヌを悪魔の手先だと決めつける異端審問官の表情から悪さが滲み出ており、最後まで神を信じるジャンヌの信仰心に圧倒される。
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PIGGY ピギー(2022年製作の映画)

3.3

自分を虐める同級生達の拉致を目撃したサラの話。
あまり期待していなかった分そこそこ楽しめたが、全体的に物足りない。
不器用で間違った行動を取る事に自覚のあるサラが時折り可愛いかった。
弟にポルノの履歴
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ショック・トリートメント(1981年製作の映画)

3.8

『ロッキー・ホラー・ショー』の続編。
続編でも話に繋がりはなく雰囲気が全然違うが、派手で意味不明な世界観は踏襲されていて楽しめた。
ミュージカルとストーリー展開のバランスが良く、テレビにコントロールさ
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ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

4.6

ミュージカル映画に触れた事が殆どなく若干苦手意識があったが、踊りと音楽の心地良さに魅了されて最高だった。
『SF怪奇映画二本立て』を歌う冒頭から古典作品に対する愛があり、オマージュを多分に含んだパフォ
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ドラキュラ/デメテル号最期の航海(2023年製作の映画)

4.2

ブラム・ストーカー原作小説「吸血鬼ドラキュラ」のエピソードを映画化した作品。
ゴシックホラー的イメージのドラキュラ像とは異なり、人間とかけ離れたモンスターとして描かれていて新鮮だった。
『吸血鬼ノスフ
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チャイルド・ゾンビ(1980年製作の映画)

4.5

原発事故により放射能を浴びた子供たちがゾンビ化し街を襲う話。
見た目はほぼ変わらず触れただけで焼き殺せる設定や撃たれても死なない特徴が斬新で不穏な雰囲気が超良い。
子供が脅威になるホラーは大人側の子供
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無邪気な悪魔におもちゃが8つ(1974年製作の映画)

3.7

少年院から護送中に逃げ出した5人の子供たちによる虐殺を描いた作品。
偶然幼い子供たちを助けただけで殺される不条理さが群を抜いていて面白い。
雪山のロッジという閉鎖的な環境で1人ずつ殺される見せ場の多さ
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