Yuki10さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ビハインド・ザ・マスク(2006年製作の映画)

3.5

フレディ、ジェイソン、マイケルを越えようとする仮面殺人鬼レスリーに迫るメタ的モキュメンタリー。
スラッシャー作品の形式に則った綿密な殺人計画を取材する前半から巻き込まれるまで綺麗にまとめられて楽しめた
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ビッグハンマー・マサカー 血しぶきの狂宴(2010年製作の映画)

4.2

文字通り巨大なハンマーによる人体破壊が気持ちいい程最高だった。
ハンマーだけでなく『バーニング』のような巨大ハサミや鉈を使った殺害、有刺鉄線を巻きつけ男性器で口を縛る拷問等盛り沢山の見せ場が多く素晴ら
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ブラッドナイト(2009年製作の映画)

3.8

精神病院でレイプされ射殺されたメアリーの霊が惨殺事件を起こす話。
調子に乗った若者がふざけて霊を呼び殺されるありがちなプロットだが、捻った展開と思いの外ゴア描写に気合が入ってて面白い。
死体の写真を挿
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ビジターQ(2000年製作の映画)

4.5

以前から気になってた作品。
崩壊寸前の家族が紆余曲折しながら家族愛を取り戻していく姿に感動した。
母親を痛ぶる息子、援助交際する娘、薬物に溺れる妻の中で正気を保てない父親が特に良い。
怒りでも悲しみで
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死霊の罠(1988年製作の映画)

4.1

自分と瓜二つの女性が惨殺されるテープを追う女性とその仲間達が体験する恐怖を描いた和製スプラッター。
黒服の殺人鬼像や遊び心のある殺害描写からアルジェントへのリスペクトを感じる。
ジャッロ的な雰囲気で進
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DOOR デジタルリマスター版(1988年製作の映画)

3.7

平凡な主婦がストーカーに狙われる様子を描いた心理サスペンス。
顔が分からない状態で電話を使ったストーカー行為が陰湿で恐ろしい。
扉や電話は自他を隔てる領域なので、生活スペースに勝手に入られる恐怖も際立
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戦慄の絆(1988年製作の映画)

5.0

ひとりの女性をめぐって争う一卵性双生児兄弟を描いた作品。
全て共有し2人で1つのアイデンティティが奇妙な三角関係を軸に揺らいで崩れる様子が美しい。
完璧に保たれてた均衡が女性や睡眠薬依存によって乱れ、
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ビデオドローム 4K ディレクターズカット版(1982年製作の映画)

5.0

初見時から不思議な魅力に取り憑かれた大好きな作品。
現実と幻覚の境界が曖昧になる巧妙な展開や哲学的なテーマ含め全てが素晴らしい。
難解そうに思えて核は極めてシンプル。
刺激に溢れ刺激を求める人間の潜在
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スキャナーズ 最終章/スキャナーズ5 ザカリアス・リターンズ(1994年製作の映画)

3.4

スキャナー刑事と過去に因縁があるスキャナー殺人鬼の対決を描いた最終章。
3作目までの敵は大きな野望を抱いていたが、今作は個人的な私怨で主人公を追い詰め能力戦に比重が置かれていて新鮮。
スキャナーの概念
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スキャナーズ3(1991年製作の映画)

4.0

スキャナー用の新薬を使い暴走する姉との対決を描いたシリーズ3作目。
3作目になり質が落ちると思いきや娯楽性の高い見せ場が増えて面白い。
顔を振るだけで人が吹っ飛ぶ距離が前作より伸びギャグ要素も濃くなっ
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スキャナーズ2(1990年製作の映画)

3.6

ベイルとキムの息子が警部に狙われる2作目。
前作を思わせる冒頭から始まり気合いの入った特殊能力が魅力的で楽しめた。
人体破壊や人の吹っ飛び方に勢いがあって特に終盤の破裂シーンは笑える。
従うか抗うかを
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スキャナーズ(1981年製作の映画)

5.0

人の心を読み自在に操ることのできる超能力者スキャナー達の争いを描いた傑作SFバイオレンス。
特殊能力で世界征服を目論むレボックの魅力的な悪役像や要所要所の人体破壊シーンが素晴らしい。
強烈なインパクト
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デビッド・クローネンバーグのシーバース(1975年製作の映画)

4.7

性行為で寄生虫が感染し高級マンションが地獄と化すデビュー作。
アングラ感あるざらついたグロ描写が最高で逃げ場の無い広大なマンションの閉塞感も良い。
理性があり人間だがロメロ影響のゾンビ映画をクローネン
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ザ・ブルード/怒りのメタファー(1979年製作の映画)

5.0

クローネンバーグ版『クレイマー、クレイマー』。
無意識のトラウマを可視化し、怒りを実体化する治療法が悲劇を生んで何一つ良い事が起きず最高。
治療中の妻と別れて娘と暮らしたいフランクの苦悩が巧みに描かれ
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クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立(1970年製作の映画)

4.0

近未来に女性の化粧品が原因で蔓延る「ルージュ病」の秘密を探る作品。
薄ら寒く淡々とした雰囲気が続き単調ではあるが、後の作品に通じるテーマが内包されていて楽しめた。
全体的に病んだ世界観が超好き。
ルー
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ステレオ/均衡の遺失(1969年製作の映画)

3.8

性愛研究所でのテレパシー実験を描いた作品。
意思疎通過程において言葉を介さないテレパシーが人間にどのように作用するのか興味深かったが難解。
整合性があるように思えてバランスが乱れる不安定さが良い。
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From the Drain(原題)(1967年製作の映画)

3.6

バスタブで2人組の会話劇を描いた短編。
奇妙でシュールな雰囲気と物悲しげな音楽が良い。
随所に病的な潔癖感があって冒頭から引き込まれる。
明らかに違和感がある状況でも不自然さを感じさせない設定や終盤に
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Transfer(原題)(1966年製作の映画)

3.5

雪山で医師と患者の会話劇を描いた短編。
医師に執着する様子と登場人物の少なさから異様さが際立ち、短時間でのインパクトが大きい。
対話を通して人間の本質に迫る哲学的な内容だったが難解に感じる。
初期から
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裸のランチ 4Kレストア版(1991年製作の映画)

4.5

バロウズの『裸のランチ』を基にクローネンバーグが独自の感性で映像化した作品。
薬物や幻覚剤の摂取が作家に与える影響と文学への姿勢が面白い。
ハイ状態のままタイプライターで文章を打ち恍惚の表情を浮かべる
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ザ・フライ2/二世誕生(1988年製作の映画)

4.3

蝿男の息子に焦点を当てた『ザ・フライ』の続編。
蝿男の肉体変容が前作を超え気合いの入ったモンスターパニック作品に方向転換し楽しめた。
蝿要素が消え振り切っていて面白い。
クリーチャーの造形や外連味重視
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ザ・フライ(1986年製作の映画)

5.0

『蝿男の恐怖』のリメイク作品。
1人で研究に没頭し蝿男になるオリジナルより恋人と体験を共にしながら変容を描くドラマ性が素晴らしい。
ドロドロした蝿男の見応えも最高でボディホラーとしての完成度が高く、切
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蝿男の呪い(1965年製作の映画)

3.3

蝿男が登場しないシリーズ3作目にして完結編。
人体実験で奇形を生み出すマッドサイエンティストの狂気が突き抜けていたが、締め括りとしては物足りなかった。
物質転送機で瞬時に空間移動できる利便性より人体へ
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蝿男の逆襲(1959年製作の映画)

4.3

『蝿男の恐怖』の続編。
男女の悲哀を描いた前作に対しサスペンス性が増して面白い。
転送機を用いた殺人の隠蔽や裏切りなどノワール的な渋さが漂い、復讐譚として綺麗にまとめられて最高。
導入からテンポ良く無
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ハエ男の恐怖/蝿男の恐怖(1958年製作の映画)

4.0

科学技術の発展が悲劇をもたらす古典的SFホラー作品。
物質転送の実験に飼い猫を使ったり便利さを追求する夫が狂気的で進歩を危惧する妻との対比が印象深く、蝿の頭と手を持つ姿になり次第に意識が揺らぐ中最後ま
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クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)

3.6

妻に振り回される男の育児奮闘記。
夫への不満から急に子供を棄て親権を取り戻そうとする無茶振りには驚いた。
親戚や周囲に極力頼らず育児と仕事を両立するのは難しそう。
職場の人と寝て息子と遭遇する場面の無
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テリファー 終わらない惨劇(2022年製作の映画)

4.5

前作の残虐性を踏襲しつつコメディ路線に踏み込んだ意欲作で最高。
『エルム街の悪夢』を思わせる演出とアート・ザ・クラウンの不気味さが程良く合わさって主人公達を執拗に追い詰める展開も良い。
「全米が吐いた
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テリファー(2016年製作の映画)

4.0

新作に向けて久しぶりの再見。
ストーリー性は殆ど無くありがちなプロットだがアート・ザ・クラウンの存在が異彩を放ち楽しめた。
無口で何を考えているのか分からない立ち振る舞いが余計怖くて好き。
普段恐怖心
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All Hallows' Eve(2013年製作の映画)

3.7

ベビーシッターが見つけたVHSビデオから3つの惨劇を描いた『テリファー』の前日譚。
ハロウィンに子供と『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』を観る導入が『ハロウィン』的で意識してそう。
カルト集団や可
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ハウス・オブ・フィアー(2007年製作の映画)

3.0

絵に描いたようなB級ホラー要素を短時間に詰め込みそこそこ楽しめた。
廃墟でどうしても性行為したいカップルと取り憑かれた妹を主体に展開が綺麗。
違和感ある字幕や映像の荒っぽさが逆に良い。
追いかけっこ中
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隣の影(2017年製作の映画)

3.8

些細な隣人トラブルが大きくなる様子と夫婦の不協和が絶妙に重なって誰も幸せにならず最高だった。
明らかに浮気で自分に非があるのに絶対に認めない傲慢さや一向に反省しない言動から見放されても仕方ない。
外か
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

4.1

全編ワンショットで白人至上主義グループの一方的な蹂躙を描いた作品。
『スペイン一家監禁事件』や『ファニーゲーム』に匹敵する理不尽さで行き過ぎた差別が悲劇を生み遣る瀬無かった。
前半の話し合いの時点で分
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

4.3

イランの聖地マシュハドで起きた連続娼婦殺害事件を題材にした作品。
事件を追う女性ジャーナリストがイスラム社会の歪みを浮き彫りにし女性蔑視の息苦しさを感じる。
娼婦の殺害が民衆によって讃えられ宗教を盾に
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クジョー(1983年製作の映画)

4.3

狂犬病のクジョーを描いたアニマルパニック作品。
自動車に閉じ込められ外にはクジョーがいる状況設定が絶望感を高め、水も食料も助けも無い密室ホラーさながらの閉塞感が巧みで面白い。
『ジョーズ』の手法を犬に
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恐怖(1961年製作の映画)

4.5

疎遠な父の家に帰った娘が陰謀に巻き込まれる話。
ある程度予想したオチを上回る仕掛けや丁寧な伏線回収が秀逸で面白い。
『回転』や『恐怖の足跡』的な幽霊よりも底知れぬ人間の欲望の方が恐ろしいと改めて感じる
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ザ・ロード(2009年製作の映画)

4.0

文明崩壊後のアメリカで生き抜こうとする親子を描いた作品。
息子には善性を教えるが時に残酷さを見せる父の一面が秀逸で救いが無い。
『マッドマックス』を思わせる舞台設定と終始暗く淀んだ風景が絶望感をより高
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クロムスカル(2009年製作の映画)

4.5

ジェイソンやマイケルに引けを取らないキャラクター性と彼らを越えようとする意気込みを感じて最高だった。
殺人鬼ホラーと相性が良いギターサウンドも際立ち圧倒的な人体破壊が本当に素晴らしい。
丁寧にビデオで
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