メルさんの映画レビュー・感想・評価

メル

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

面白かった!
夫の転落死は他殺か?自殺か?はたまた…。
少々退屈な話かと思って観ていたら、途中から出るわ出るわ…新事実。

「何かを判断するのに材料が足りない時は、一つの方に心を決めるしか無い」
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3つの鍵(2021年製作の映画)

3.8

ローマのアパートに暮らす3つの家族の3つの話。

1階の男…幼い娘が性的悪戯をされたと思い込み認知症の老人の首を絞める。
2階の女…夫の不在が長く1人で出産と育児をこなし精神不安に。
3階の息子…飲酒
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ルキノ・ヴィスコンティの世界(2008年製作の映画)

4.0

マーク数の少なさを見るに、ヴィスコンティ監督に興味のある人は極めて少数派なのが分かる。笑

「山猫」や「ルートヴィヒ」が大好きな私としては、監督の生きた時代と作品を通して当時のイタリア映画界の様子を色
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アイ・アム セリーヌ・ディオン ~病との戦いの中で~(2024年製作の映画)

4.0

歌姫と呼ばれる多くの人たちの中でセリーヌ・ディオンの声が好き。

2022年に難病の神経疾患に侵されていると発表し表舞台から遠ざかっていたのは知っていたが、これはその闘病記録とも言える。

実際にこの
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赤い手のグッピー(1944年製作の映画)

3.8

原作本は1937年の小説で、フランスのある田舎町の農民一族グッピー家のお話。

「現金に手を出すな」や「穴」が人気のジャック・ベッケル監督だけど、それらの作品とはひと味違って死体が出て来ても何処かユー
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はなればなれに(1964年製作の映画)

3.8

ゴダール作品はあまり観てないのだけど、気軽に悪に手を染める若者という意味では「勝手にしやがれ」に似た匂いがある。

しかし、こちらの方がずっと観やすく思えたのは、全体に漂うコメディテイストのせいかも知
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ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ(2023年製作の映画)

3.8

慌ただしかった夏も漸く終わり、1人で映画を観る時間が戻って来ました。
で、早速発見したのがこちら。
のんchan情報有難うございました。

恋愛物もBLも食傷気味なのだけど、アルモドバル監督の新作なら
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サマーウォーズ(2009年製作の映画)

3.7

夏休みでとても若いお客様が来たので、猛暑を避けて涼しい映画館に。

公開から15年目にして初鑑賞。

アバターを通して何でも出来るネット上で突然起きたAIテロと、現実世界のゴタゴタが同時進行して…な話
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マハーラージ(2024年製作の映画)

3.8

1862年、イギリス統治下にあったインドのボンベイ(今のムンバイ)最高裁判所で実際に行われたマハーラージ名誉毀損事件がテーマ。

作家のサラブ・シャーが2013年に書いた小説が原作。
因みにマハーラー
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.8

友人でもあった俳優フリオが映画の撮影中に失踪してから22年が過ぎて、彼を探し出す元監督ミゲルの話。

前半はミゲル自身の過去と記憶を辿り、かつての恋人、友人とあの頃を語り合い、今は亡き息子にも思いを馳
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ミュージックボックス(1989年製作の映画)

3.9

原題が何故" MUSIC BOX "なのかと思いながら観始めたのに、そんな事をすっかり忘れてしまう流れに…。
ラストに来て「おー!これがポイントだったのか!」となった。

ハンガリー移民の父親が40年
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フェラーリ(2023年製作の映画)

4.0

「赤い跳ね馬」の異名を持つイタリアの自動車メーカー「フェラーリ」の創業者エンツォ・フェラーリ。

難病を患った息子の死や妻との確執を抱え、倒産寸前の自社を立て直すためにはレースで優勝して知名度を上げる
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金の糸(2019年製作の映画)

3.5

舞台はジョージア🇬🇪(旧グルジア)の首都トビリシ。
ソ連崩壊と共にグルジアが独立してから30年後の作品。

年老いた作家エレネ、そこに娘の姑ミランダがアルツハイマー発症を理由に同居することになった。
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その男を逃すな(1951年製作の映画)

3.7

「狩人の夜」で呆気なくロバート・ミッチャムに消されてしまったシェリー・ウィンタースが、今回も悪い男に騙されて…な話。

殺人で逃げてる男とは知らず家に招き入れてしまい、男は居座り家族を脅迫し始める。
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COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

3.7

前作の「イーダ」がとても印象深かったポーランドの監督。

ポーランドはドイツの後にソ連にも侵攻されたことで戦争の被害者も多く、戦後も複雑な道を辿っている。

これはソ連の影響下でポーランドが共産主義政
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幽霊と未亡人(1947年製作の映画)

3.8

こんな幽霊なら時々出て来て欲しいと思う。🤭

時代は20世紀初頭。
若くして未亡人になった女性が幼い娘と共に海辺の家を借りる事になったが、そこには…という話。

この未亡人がなかなか勝ち気で、周囲に依
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ホームドラマ(1998年製作の映画)

3.6

父親が研究所から一匹の白いネズミを持ち帰ったその日から家族に次々と異変が…。

それぞれが心の中にひっそりと抱えていた欲求を満たし始めて、長男のゲイ告白、長女の自殺未遂をキッカケに少しずつズレていく家
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狩人の夜(1955年製作の映画)

3.8

チャールズ・ロートン唯一の監督作という所に着目して、改めて鑑賞。

銀行から盗んだ大金を幼い子ども達に託す父親も罪作りだし、そのお金目当てのニセ伝道師に呆気なく精神までコントロールされる母親、大事な時
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ULTRAMAN: RISING(2024年製作の映画)

3.4

アメリカ版のウルトラマン: ライジング。

舞台は日本。
アメリカ育ちのメジャーリーガー、サトウ・ケンが巨人軍と契約して来日した。
彼には父の後を継いでウルトラマンとして日本を救うためにやって来た…と
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誘導尋問(1995年製作の映画)

4.0

1984年からカリフォルニア州で行われた「マクマーティン保育園裁判」の映像化。

「これは実話であり、当時の法廷の証言や映像が使われている」とテロップが出る。

一件の児童虐待の通報を発端に、過剰反応
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ロスバンド(2018年製作の映画)

3.8

アマチュアバンドの大会に出るためにノルウェーの南の街から北極圏の北の果てまで🚗で子ども達(?)が旅する話。

色々と想像の範囲内の事が起こって、それなりに解決して…となっていくのですが、チェロの9歳の
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ラ・スクムーン(1972年製作の映画)

3.4

暗黒街で育った2人の男。
組織の罠にはめられて20年の刑で投獄されてしまった相棒を助け出したいラ・スクムーン(死神)と異名をとる男の話。

この原作者であり脚本、監督のジョゼ・ジョバンニが獄中で知り合
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切腹(1962年製作の映画)

4.0

美しい日本映画を観た。

白黒作品ならではの重厚さ、武家屋敷の見事な襖絵も色が伝わってくる様な迫力で、どの画面の中にも全く無駄がない。

時は江戸、大阪夏の陣以降大きな戦さも無く天下泰平となり、武士達
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パリの灯は遠く(1976年製作の映画)

3.9

ナチスドイツ占領下のパリにて。

身体検査の名の下に裸にされて何から何まで調べられる女(代金まで払わされて)。
ユダヤ人狩りが本格的になっていることを知らせるオープニングから、もう陰鬱な雰囲気が流れる
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セーヌ川の水面の下に(2024年製作の映画)

3.7

ホラーとかパニックものは余り観ないのだけど、ベレニス・ベジョが主役なので。笑

数日後にトライアスロン大会が行われるセーヌ川の下に、突然変異で淡水適応したサメ🦈達が…という話。

いやいや、それにして
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トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代(2024年製作の映画)

3.9

加藤和彦 ( トノバンと言われるのはミュージシャンのドノヴァン・フィリップス・レイッチに声と歌い方が似ていたから) の

① 自宅録音で「帰って来たヨッパライ」を大ヒットさせたフォーク・クルセダーズ
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現金に手を出すな(1954年製作の映画)

4.1

ギャング映画は苦手だけど、これは渋い!

静かに静かに話は進み中盤に来て、そうゆう事かぁ…と分かった時の快感!笑

ギャングの大物ジャン・ギャバンは自分が見込んだ者の面倒はとことんみる。例えその相手が
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肉体の冠(1951年製作の映画)

3.8

娼婦マリーをめぐる男達の愛と仁義(友情)の話。

勝ち気なマリーは今の男に嫌気がさしていて、大工のマンダに一目惚れする。
そんなマリーを手に入れるために決闘したり、相手を陥れたり…。

登場する男達が
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グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状(2014年製作の映画)

3.3

ウィーン美術史美術館の改装工事をきっかけに、館長はじめ様々なスタッフの仕事ぶりと美術館の裏側を見せるドキュメンタリー。

「我々はハプスブルク家の美術品を守るだけの忠実な下僕で良いのか?それとも現代的
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音響ハウス Melody-Go-Round(2019年製作の映画)

3.6

最近日本のCity-Popが再注目されているらしい。

1970年代後半から80年代に多くのCity-Popのヒット曲を生み出してきた老舗のレコーディングスタジオ「音響ハウス」についてのドキュメンタリ
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エドワールとキャロリーヌ(1951年製作の映画)

3.8

無名ピアニストと上流階級出身の妻のある一日。

質素なアパートで暮らす2人は妻の叔父が開く社交界のパーティーでピアノを披露するために準備中。

夫は一張羅のタキシードのベストが無い!と言うが、妻は自分
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風とライオン(1975年製作の映画)

3.6

20世紀初頭のモロッコで実際にあったペルディカリス事件をアレンジした話。

米、仏、独、英の列強がモロッコへ介入することに怒った部族の首長ライズリ(ショーン・コネリー)は、アメリカ人の婦人(キャンディ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.7

海外版も日本版もゴジラをそんなに観てはいないんだけど、やっぱりビジュアルは日本版の方が好きだなぁと毎回思う。笑
今回も形の良いゴジラだった。

人間が太刀打ちできない大きな災害の具象化としてのゴジラ。
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キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱(2019年製作の映画)

3.9

言わずと知れた2度のノーベル賞を受賞したキュリー夫人の半生。

女性の社会的地位が低かった19世紀のフランスで、ポーランド移民でもあった彼女は差別と闘いながら道を開いて行く。

男性ばかりの大学組織、
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バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

4.2

いかえもんさんが勧めてくれたインド映画が、ラッキーなことにごく近場の映画館に来ていたので早速観てきました。

インドとパキスタンはイギリスから独立した後に何度か紛争を繰り返していて、今でも国民の間には
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隣の女(1981年製作の映画)

3.7

一緒にいるとお互いの個性が強過ぎて苦しくなるのに、どうしても離れることができない男女の話。

昔の恋人同士がそれぞれ家庭を持ち偶然隣人として再会。

身も心もここまでのめり込んだら、そりゃあそうなるよ
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