甲冑さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

甲冑

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ファーティマの詩(2015年製作の映画)

3.5

アルジェリアからフランスに移住したリヨン郊外の団地住まいの40代女性と二人の娘の話。アラビア語を第一言語としているので仏語が流暢でない母と仏語で答える娘たちの会話は常にぎくしゃく。就ける仕事が限られる>>続きを読む

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

4.0

20世紀をまたぐカリフォルニア州の石油採掘ブームに生きた男たちの話。資本主義の怪物的な勢いとその先の破綻を体現しているようなおっさんとその波に飲まれそうな(殺されたが)福音派という時代を映している感じ>>続きを読む

デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム(2022年製作の映画)

3.5

エフェクト効かせすぎでは…と思ったけどここまで突き抜けてたらそれはそれで清々しい。IMAXで全身で浴びるのが正しい。ブートの汚い音でしか聴けなかったジギー・ラストのジェフ・ベック共演(ジェフも死んだか>>続きを読む

故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)

4.0

70年代のNYの雰囲気が実際にそうなのか、欧州人・ユダヤ系の出自としての、或いは当時知識人としての批評性が反映されたものなのか、その辺りは見る者に委ねられている。母の手紙という言葉の層とひたすら事物を>>続きを読む

東から(1993年製作の映画)

4.5

ドキュメンタリーと言えど誰かしらの物語であり何かしらの主張を残す事が多いと思うが、そういったものに依拠しない。またどの国・街なのかすら明確でなく(言葉が聞き取れたら違うのかな)旧共産圏を総体として感じ>>続きを読む

山椒大夫(1954年製作の映画)

4.0

元々の説話だか古浄瑠璃の「さんせう太夫」も森鷗外も触れておりませんが、こういう神仏信仰・因果応報的な感じは昔から日本人の気質にあるのだろうと思った。あと奴隷管理と見せしめ(焼きゴテ、足を切る、等)は各>>続きを読む

ある画家の数奇な運命(2018年製作の映画)

3.0

かなりデリケートな部分である事は間違いないのである程度は承認の上事実に基づいているんだろうなとは思いつつ実際どうなのかと訝しげに鑑賞。内容は映画的というか順当な作りで悪くはないが…といった感じ。本人は>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.5

20数年前、エイリアンとブレランという決定的な2本でリドスコ監督を崇める事になったのと同様、ロボコップとスターシップ〜の2本も決定的だった。今の自分の感覚では正直あまり乗り切れんかったが独特の癖のある>>続きを読む

新生ロシア1991(2015年製作の映画)

4.5

『ランズベルギス』のリトアニアとリンクする1991年8月ソ連クーデターの話。レニングラードだから?か主張とかロックにかなり西側っぽさを感じた。にしてもロズニツァが使うアーカイブにはいつも思うが皆さん街>>続きを読む

ミスター・ランズベルギス(2021年製作の映画)

4.0

長尺苦手だし長々としたフッテージものもしんどいなと置いていたけどリトアニアの状況など普段知る機会もないので。近代史とか(独ソ不可侵条約ってそんな無茶苦茶な秘密議定書があったのね)若い頃に見てたニュース>>続きを読む

モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

3.0

感動作ではあるがどうしてもこういうのはアゲアゲになってしまいがち…という訳でその辺だけしんどかった。『ソドムの市』とか『地獄の貴婦人』とかの気持ち悪いやつも触れてほしかったり。色々紹介された作品は時間>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.5

音がある世界/ない世界への想像、街や事物と無秩序な感情の対比、行為行動のドライな切り取り、何かをFIX、OFFする事で豊かになる感情表現。OZU伝来のテクを感じつつも嫌味もなくシンプルで力強い。今の日>>続きを読む

家にはいたけれど(2019年製作の映画)

4.5

テーマは小津っぽくも超ブレッソン。しかもあまたのフォロワーの中でも割とコアな部分を突いている。個人的にはハネケの『71フラグメンツ』とか『コード・アンノウン』とかが接近したかなと思っているけどああいう>>続きを読む

パトニー・スウォープ(1969年製作の映画)

4.0

微妙に笑えない、時にスベってるのではくらいの笑いが怒涛に押し寄せ勢いに負けてしまう。反差別というよりは価値が反転してるようなアート作品に見えた。ブラックだけで結束してもアラブ(ラッパーみたいで良かった>>続きを読む

マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)

3.5

隣の肥満型シネフィルのイビキ、起きたかと思ったらデフォで鼻息がデカいという悪環境で、60年代でこの映像はすごいなと思いつつも何度も現実に引き戻されたので金を返してほしい。自分の健忘症の問題だがまたTC>>続きを読む

私のはなし 部落のはなし(2022年製作の映画)

4.0

明治にまで遡り同和というものが融和運動と水平社が合流したものであるなど勉強になった。出身的に自分にもアクチュアルな話であったが部落出身の大物政治家のお膝元という土地と過度の部落解放、同和利権が横行しま>>続きを読む