甲冑さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

甲冑

甲冑

映画(914)
ドラマ(2)
アニメ(0)

海辺の彼女たち(2020年製作の映画)

3.5

『狼をさがして』を観た後もあり、我々が何気なく手にしている商品・サービスも外国人の方の過重労働、低賃金、劣悪環境のもとに成り立っているものも多かろうなと思った。日本にはとても出来ない移民受入を帝国主義>>続きを読む

狼をさがして(2020年製作の映画)

3.5

自分が生まれた頃この「狼」等の東アジア反日武装戦線がバリバリやっていた訳だが(全国指名手配犯ビラの一人長髪メガネ笑顔の悪人らしからぬ「さそり」の桐島聡が印象的で今でも覚えている)ステートメントを聞くの>>続きを読む

わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

4.0

優等生的な出来というか安心して観られる。観客にさえ全ては教えてもらう事ができない過去を共有する叔父さん。仕事に恋愛におっさんの付き添いにとマルチタスクになったらまぁ叔父さん選ぶかな…。しょうもないフラ>>続きを読む

シェヘラザードの日記(2013年製作の映画)

3.5

イランの『少女は夜明けに夢をみる』(2020年わたしのベスト)と比べても女性囚の方々は大変パワフル・奔放かつ身体付きも貫禄あり。施設もそんなにタバコ吸えるんかいという感じであったし18宗派を擁するレバ>>続きを読む

長い旅(2004年製作の映画)

4.0

メッカ巡礼のロードムービーという時点であがる。特にイスタンブールを抜けてトルコ入りした辺りからワクワク。でも基本的には撮っちゃダメみたいで記録用みたいな名目で許可が出たらしくカーバ神殿の映画映像は今作>>続きを読む

痕跡 NSUナチ・アンダーグラウンドの犠牲者(2019年製作の映画)

3.5

(メモ)
ドイツ国内では、旧東ドイツと旧西ドイツで、難民に対する考えが大きく違っています。旧西ドイツの場合、ヒトラーやナチス・ドイツを生んだ歴史的な責任を、戦後、徹底的に追及しました。もう二度とナチス
>>続きを読む

ミナは歩いてゆく(2015年製作の映画)

5.0

アフガニスタン撮影ゆえゲリラ的に撮らざるを得ない場面があったり現地素人を即席起用するなどもあり虚実の間を行くヒリついた臨場感が漂う。ハンディのラフさに依る所も大きくブレやパンがしんどい系かと思いきや惹>>続きを読む

汝は二十歳で死ぬ(2019年製作の映画)

3.5

(メモ)
イスラーム世界は大征服時代を経て富裕になるにつけ、現世的傾向が強まった。そうした動向への反省・反発から「禁欲主義」や、自己の利害(審判への恐れや天国への望み)を超越した「神への愛」が強調され
>>続きを読む

ザ・タワー(2018年製作の映画)

4.0

「ショア」という大厄災を経たはずのユダヤ人が「ナクバ」という大厄災をもたらすとは因果な話。オスロ合意も虚しくパレスチナ難民は4世代を経てもなおキャンプ内にしか居住権がなく建物は上に積み上げるしかない。>>続きを読む

マリアの息子(1998年製作の映画)

4.0

イランのイスラム・シーア派家庭の母親を知らない子供がカトリック教会でマリア様の絵を見て「おかあちゃん…」と想いを馳せて神父の爺とも仲良くなる。宗教や民族の違い=対立とする大人や環境がなければ子供は境界>>続きを読む

結婚式、10日前(2018年製作の映画)

3.5

イエメン映画なんて初めてだけどこちらは純粋な国内制作として初らしく、かつては英国植民地であった南イエメンのアデンの方言で話す作品としても初らしい(関西弁みたいなもんらしく確かにそういう感じがした)。無>>続きを読む

走り来る男(1989年製作の映画)

4.5

のっけから恐ろしい。フランス片田舎ものはよくあるが農村真っ正面で新鮮。リヴェットが感銘を受け特にラストのシーンが秀逸であると二回見している。「お前と娘も一緒に住もか…」と叶わない事が分かっていながらも>>続きを読む

プライベート・パーツ(1972年製作の映画)

4.0

ダッチワイフ血液注入は代用SEXか成り得ないものへの同化願望か。歪められた性の話だけでもよさそうであるが魂の解放を望むババアの要素も入ってややこしい。肉体は容れ物みたいな考え方のくせに息子になれと性に>>続きを読む

アスペン(1991年製作の映画)

5.0

19世紀末には銀鉱の町であったアスペンもスキーリゾート地として賑い、この1990年には金持ち達がガッツリ別荘建てて住みついている。美容整形講座などの新興ビジネス会議や教会行事に結婚式、エステやボディビ>>続きを読む

8月の終わり、9月の初め(1998年製作の映画)

4.5

『冷たい水』では好きな曲もようかかるし悪くはないけど若干初期コスタっぽいシネフィル気負いを感じんでもなかったが、こちらは文句なく良くできている。好物のピアラの撮影にも迫る(何ならもうちょい器用)ドニ・>>続きを読む