甲冑さんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

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トルーマン・カポーティ 真実のテープ(2019年製作の映画)

3.5

いつか読むリストにある『冷血』の前に人物の背景が知れて良かった。殺人鬼もハイソサエティも深部に迫るほど代償は大きかった様子。ニューヨーク黄金時代の「黒と白の舞踏会」や社交界を干された後入り浸ったディス>>続きを読む

Nazar(原題)(1990年製作の映画)

4.5

インドの『やさしい女』。原作よりも明らかにブレッソン版がベースとしてあるのだけど、ミニマルながら艶かしいフレーミングの連なりや空気感が巧くてこれはこれで参った。

Serpentine Gallery Program(原題)(2006年製作の映画)

4.0

医者の息子で法学、歴史、教会音楽を学びアドルノに師事するなど結構なインテリであるけども(ファスビンダーがよく博士と冠してたの納得)映画助成法の整備や映画学校を作ったりこういうくだけたTV番組なんかもや>>続きを読む

Der Angriff der Gegenwart auf die übrige Zeit(原題)(1985年製作の映画)

3.5

「現在の時間はそれ以外の時間への攻撃である」の意であるが歴史を歪めるも未来を創造するもそれは現在をいかに認識するかに依拠するのかも。肥大する現代のイメージはそれ以外の時を食い潰す。コラージュされる天体>>続きを読む

愛国女性(1979年製作の映画)

3.5

1943年スターリングラード戦で戦死した兵士の膝が「書物だけが歴史ではない。潰えてきた屍体にもその資格がある」というような事を語る。これは歴史教師の脳内像かも知れんが征服者の歩みの集積のみを歴史とする>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

2.5

リメイク(と言ってるのかは知らんけど)としての形式は貫かれ新旧ファンご接待的な感じで終わらせた印象。もはや当時のような世情でもないし庵野も結婚して地位も得て余裕あるおじさんになったというのもあろう。し>>続きを読む

隠された記憶(2005年製作の映画)

5.0

罪悪感も深くなると事実だけでなく自らの行動もねじ曲げてしまう…これも防衛本能?話はポストコロニアルな問題までリンクして焦点をずらしたり隠したりのミステリ的な手法も入り込んでこちらのオツムをぐいぐい刺激>>続きを読む

愛情の系譜(1961年製作の映画)

3.0

英語で鷺園を案内する岡田ガイドに怪しいおっさんが接近するOPがいい。愛憎に塗れ殺しと自殺をキメようとした母の血に囚われる話。ガス心中を図るも自分だけ死んだら嫌と部屋を出た岡田。戻って死んだかと確認した>>続きを読む

東京画(1985年製作の映画)

4.0

『東京物語』の東京はない(あれもまぁ大分作られた世界という気もするけど)とボヤき映すは80年代の東京。しかしそれもまた映画監督によって作られた映像世界。ブレラン風味の雨濡れネオン街、パチンコ屋、打ちっ>>続きを読む

一体何故この連中の映画を作るのか?(1980年製作の映画)

3.5

「鋼鉄の東にブツ(パンク)を運んだ男、マーク・リーダーの回想録」というネット記事を読んだ事があるけどそういう密輸人とか闇市から入手したのか、確かにこの東ベルリンの不良少年たちはKISSやピンク・フロイ>>続きを読む