みちゃまるさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

みちゃまる

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Here(2023年製作の映画)

4.0

日常は奇跡の連続だ。この瞬間、この場所、この偶然がなければ成り立たないから。普段なら出会うはずのない、背景が全く異なる2人の、繊細で優しい物語。
緑の自然、木々から溢れる光、そして雨の音。視覚的にも聴
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.3

ナチスドイツを扱った作品は多いが、その中でも異彩を放つ作品。コミカルでポップな作風の中に、子供の目から見た戦争の残酷さはしっかり表現されている。ユダヤ人少女との関わりの中で生じてくるジョジョの心や信仰>>続きを読む

12日の殺人(2022年製作の映画)

3.7

フラットに物事を見るということはとても難しい。情報が入るとどうしても主観的な感情が入ってしまったり、色眼鏡で見てしまったりする。
冒頭で未解決事件であることは示されている。したがってこの作品では真実を
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

新たな秘密が明らかになり、ベネ・ゲゼリットやポールの母ジェシカの思惑なども入り混じって、権力の構図がより複雑になってきた。お腹の子も段々育って、次作では活躍するのでしょうかね。成長した妹ちゃんの夢もあ>>続きを読む

海の上のピアニスト(1998年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

夢を持ち、アメリカで新しい生活を求め船に乗る人々。その一時を共有する人々に向けて演奏することが彼の音楽にとって大切なことであり、決して大衆向けの音楽を作ることではない。
富や名声を得ることではなく、自
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ある男(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

変えられない出自や環境。どうしても人は自分のフィルターや既成概念で物事を見てしまう。
誰も知らない土地へ逃げたとしても解放されない呪縛。もし過去の自分を捨てて、新しい自分として生きていけたら、呪縛から
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すべて、至るところにある(2023年製作の映画)

3.8

かつてヨーロッパの火薬庫と言われるほど不安定だったバルカン半島。多種多様な民族や宗教が入り混じる世界。そして未だに争いは絶えない、まさに世界全体が火薬庫。
抽象的で無機質なスポメニック。平和の象徴であ
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ディス・マジック・モーメント(2023年製作の映画)

4.5

全国の個性的な映画館巡り、めちゃくちゃ良くて楽しかった。旅先でミニシアター巡ってみたくなった。そして監督がかわいい。
ミニシアターの運営はどこも厳しく、後継者問題やコロナなど様々な困難が降りかかる。そ
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ブルーバック あの海を見ていた(2022年製作の映画)

3.8

生命の源である海。美しい海も時には人間に牙を剥き、自身を守ってきたのだと思う。そんな海を利益のために簡単に壊すのも、守るのもまた人間なのだ。環境破壊・保全をテーマにしつつ母娘の絆が描かれており、どこま>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

様々な問題を交え、52ヘルツの声で叫び続ける人々。届かなかった声。だからこそ救いたかった。魂の片割れは男女に限ったことではないし、自分の存在意義は他人に決められるものではない。一方的に必要とされるもの>>続きを読む

天国にちがいない(2019年製作の映画)

3.8

日常生活の中にある、理不尽さや残酷さ。私達は無意識のうちに他者の居場所や自由を奪い、時には奪われている。そして海の向こうの戦争は実は身近に迫っている。
セリフは少ないけどユーモラスであり皮肉も込められ
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仄暗い水の底から(2001年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

離婚調停中の淑美は、娘をつれ中古の分譲マンションへ引っ越す。その住宅は湿気が酷く天井からの水漏れは日常茶飯事、水道水には人の髪の毛のようなものが混入していた。そのうち娘の様子がおかしくなり、淑美は同じ>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

些細なことで不安になるやすいボー。直前まで電話で話していた母親が突然亡くなったことを知る。実家へ向かうためアパートの外へ出ると不可解なことが次々と起こり、いつもの日常は失われていた。果たしてボーは無事>>続きを読む

アバウト・ライフ 幸せの選択肢(2023年製作の映画)

3.7

交際中のアレンと結婚を望むミシェルと、煮えきらないアレン。お互いの親を交えたディナーを企画した2人であったが、互いの両親は既に顔なじみのようであった。実はお互いの配偶者同士でW不倫の関係であり、慌てる>>続きを読む

僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

4.2

実話ベースの作品。
ベルリンの壁が建設される前は、映画にもある通り西ベルリンへの移動は出来たようだ。結局自由を求めて西ベルリンへ流出人達が絶えず、壁の建設に至ってしまった訳だが。東側からすると西側のニ
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ナワリヌイ(2022年製作の映画)

4.5

映画のような現実。映画よりも映画らしい、緊迫のドキュメンタリーだった。国家という強すぎる敵にも決して怯まず、家族もそんな彼を支える。妻も子どもたちも彼の想いをしっかり受け止めているし、覚悟が違う。自由>>続きを読む

燈火(ネオン)は消えず/消えゆく燈火(2022年製作の映画)

3.7

ネオン職人であった夫、ビルが亡くなった。夫の衣類を整理していた妻のメイヒョンは工房の鍵を見つける。10年前に廃業したはずの工房へ行ってみると、そこには見知らぬ青年がいた。ビルの弟子だという彼から、ビル>>続きを読む

熱のあとに(2023年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

ホストの隼人を刺し殺そうとした沙苗。事件から6年後、沙苗はお見合いで出会った健太と結婚する。元ペンションだった建物に引っ越し、穏やかな生活が始まるはずだった。しかしその矢先に謎の女性・足立が現れる。明>>続きを読む

ジュリーと恋と靴工場(2016年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

職なし、金なし、彼氏なしのジュリー。不景気で中々職は見つからなかったが、なんとか高級靴メーカーの工場の仕事にありつく。しかし工場も近代化の煽りを受け、閉鎖寸前に追い込まれていた。工場で働く靴職人の女性>>続きを読む

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

貧しくも夢見ることを忘れないバーナム。良家の令嬢・チャリティと結婚し娘も生まれたが、仕事は長続きせず暮らしは不安定だった。バーナムは世界中の奇妙な物を集めた博物館を開くが上手くいかない。そんな中、娘の>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.2

10190年、人類は地球外の惑星に移住し帝国を築いていた。レト・アトレイデス公爵は通称・デューンと呼ばれる砂漠の惑星アラキスを統治するよう皇帝に命じられ、妻と息子のポールを伴いデューンへ向かう。しかし>>続きを読む

ニューヨーク・オールド・アパートメント(2020年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

NYに暮らす、南米からの不法滞在移民である母子3人。母はウェイトレスとして働き、息子2人は語学学校に通いながら配達員をして家計を支えていた。ある日2人は学校でクロアチア人美女・クリスティンに出会い恋に>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.5

作家のエリーは凄腕エージェントのアーガイルが活躍するスパイ小説の最新作を執筆中であった。ある日列車で移動中、謎の男達に襲われてしまい、自称スパイのエイダンに助けられる。エリーは自身の小説が本物のスパイ>>続きを読む

わたしはダフネ(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

スーパーで働くダウン症のダフネは、父と母と共に暮らしていた。夏の終わり、家族で休暇を楽しんでいた最中に母が急死してしまう。気力を失ってしまった父をダフネは必死に支えようとするがうまく行かない。ダフネは>>続きを読む

アスファルト(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

車椅子生活となってしまったスタンコヴィッチと夜勤の看護師、団地に越してきた落ちぶれ女優のジャンヌと10代の少年シャルリ、アメリカ人宇宙飛行士のジョンとアルジェリア系移民のハミダ。郊外の老朽化した団地に>>続きを読む

シークレット・サマー 忘れられない夏(2016年製作の映画)

3.3

不動産鑑定士として働くレイチェルは、とある図書館の鑑定依頼を受け現地へ向かうが、図書館の売却を危惧した人々から嫌われてしまう。一方図書館で取材を続ける作家のジェイクは、司書のアーチャーから図書館の重要>>続きを読む

ペルリンプスと秘密の森(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

テクノロジーに長けた太陽の王国のクラエと、精神的な繋がりを大切にする月の王国のブルーオは、秘密エージェントとして巨人によって存在を脅かされている森に派遣されていた。2人の共通目的は森を救うという“ペル>>続きを読む

ムーラン・ルージュ(2001年製作の映画)

4.2

1899年。売れない作家のクリスティンは偶然が重なり、パリのキャバレー・ムーランルージュの舞台作家となる。そこで出会った高級娼婦のサティーンと恋に落ちるが、サティーンにはパトロンの公爵がいた。公爵の目>>続きを読む

ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

上海で暮らす李安生の元に映画会社から連絡が入る。大人気となっているネット小説『七月と安生』の映画化のため、作者と連絡が取れないかという依頼であった。安生は知らないふりをしたが、気になった彼女はネット小>>続きを読む

風よ あらしよ 劇場版(2023年製作の映画)

4.0

男尊女卑の風潮が強い大正時代。福岡の田舎で育った伊藤野枝は、親が決めた結婚を拒み上京。平塚らいてうの言葉に感銘を受けた野枝は青鞜社に入社。結婚制度や男女格差などに異を唱え続け、女性解放運動へと発展して>>続きを読む

栗の森のものがたり(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ユーゴスラビアとイタリア国境にある栗の森に囲まれた小さな村。大戦終結後、政情不安は残り多くの人々は村を離れていったが、老大工のマリオは家を出たままの一人息子を、また栗売りのマルタは戦争から戻らない夫を>>続きを読む

テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ウェイトレスとして働くルイーズと専業主婦のテルマ。休暇を楽しむためドライブ旅行に出発した2人だったが、途中立ち寄ったバーで泥酔したテルマが男性客に襲われそうになり、ルイーズは護身用の銃で男性を殺害して>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

雪山の山荘で、1人の男性が転落死した。発見したのは視覚障害を持つ息子。自宅にいたのはベストセラー作家である妻。夫が遺したUSBや息子の証言から、次第に明るみになっていく夫婦関係や妻の知られざる姿。これ>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

朝鮮王朝時代。盲目の鍼医・ギョンスは病を抱える弟を養うため、宮廷で働いていた。その有能さから王子に気に入られていたギョンスであったが、ある夜王子が毒殺され、ギョンスはその現場に立ち会ってしまい、宮廷の>>続きを読む

同感〜時が交差する初恋〜(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

1999年、皆既月食の夜。機械工学科の大学生・ヨンは無線機を通して出会った同じ大学の女子学生・ムニと偶然交信する。会う約束をしたものの、会うことが出来ないばかりか話も噛み合わず、お互い不思議な感覚に陥>>続きを読む

家族にサルーテ!イスキア島は大騒動(2018年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

イタリアのイスキア島で隠居生活を送るピエトロとアルバの金婚式を祝うため、親戚一同が島へやってくる。金婚式は無事に終わったが、悪天候でフェリーが欠航となり島に足止めされてしまう。各々の家族が抱える問題、>>続きを読む