みちさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

くれなずめ(2021年製作の映画)

4.0

説明のない映画だな、と思って、早く説明をして、と思って見ていて、いつの間にかそんなことはどうでも良くなった。

反復の使い方も、現実の飛び越え方も、演劇のそれ。全部の演出がすごくハマる、というわけでも
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.7

感情が大きすぎて処理しきれない。

(以下わかる人にはわかるかもしれないネタバレなので先入観なしで観たい方は開かずに。)








映画を観るときの感動って、足元から湧き上がってくる感じだ。感情
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

4.3

MJのクールさがいいよね、立場が変わっても。この子のおかげでデューンDUNEのこれからも楽しみなんよ。

テクノロジー使いまくりの幻覚が楽し過ぎる。目と耳支配されたら終わりだよな。観る側も何も信じられ
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ガメラ3 邪神<イリス>覚醒(1999年製作の映画)

4.3

──わたしは、ガメラを許さない。

何がかっこいいって、はじまり方だ。BGMも映像も。世界観も一気にグローバルになるし、背景にある情報もさらに深化する。重要なアイテムとしてゲームがあったり、日本の古い
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ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)

4.3

──きっとガメラは地球の守護者なのよ。

困ったことに、これが1よりも面白い。

怪獣ものって、怪獣の登場シーン(気配、や前兆、証拠、ではなくて実物の完全な登場)までで映画の興奮の半分くらいが終わって
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ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)

4.1

──ガメラは味方よ。

2022年映画館初めは平成ガメラ三部作(記憶の限り初見)。

BGM全開で始まるオープニングから、大げさな演出がかっこよく、特撮映画にハマった覚えもないのに(ウルトラマンくらい
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.6

豪華キャストでありきたりなストーリー。
ティモシー・シャラメの新しい使い方。ディカプリオはいつもこういう役柄なのね。

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

4.3

気づけば彼らと同じ応援側に回ってる、こういう子いるよね、の典型的なものをなぞってるだけだけど、演劇だからそのわかりやすさが許される、ちょうどいい、人物の設定がわかる頃には好きになっている、なんだか懐か>>続きを読む

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

4.1

祈本里香の声(特級過呪怨霊のほう)が良かった。

と、書くと、一体なにを見てきたんだ、と言われるかもしれないけど、この物語を引っ張ってるのはやっぱり彼女の狂おしいほどの思いであって、呪いを成り立たせる
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.3

ちょうどいい脚本、セリフうますぎる、心地いい鑑後感。

キャスティングの妙。

こういう演劇っぽい脚本は役者のセリフありきでそれをパーフェクトに成立させる主役二人。

清原果耶も成田凌も、いきなりテン
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釣りバカ日誌(1988年製作の映画)

4.0

ぼんやり見るのにちょうどいい。西田敏行の良さが満載、三國連太郎の愛らしさよ。ちょっとわからん演出はあるけど、それも古き良き時代の愛嬌か。昭和日本のローマの休日。人間同士の距離の近いふれあいの尊さがこの>>続きを読む

浅草キッド(2021年製作の映画)

4.2

──芸人だよバカヤロウ。

大泉洋の哀愁の映画。さらりと名前が出てきて嬉しくなったけど、渥美清もこういう世界にいたんだな。バカヤロウコノヤロウの繰り返しでどうしたって渥美さんの車寅次郎を連想してしまっ
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.1

これは出版業界の叫び。

いろんな遊びがあって面白い。最初から最後まで同じくらい面白いのはすごい。
一方で、順番に面白いことは起きていくけどそれが積み重なって爆発するような感じはなかったな。

松岡茉
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エターナルズ(2021年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

善人ばかりのギリシャ神話。神々が人を愛したら、愛し合ったら、心を病んで、過去を悔やんだら。

世界観が大きな物語って、ここはこれを選んだか、こっちの設定ね、ってどうしても考えてしまう。

メソポタミア
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劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

4.6

──君の大好きなものなら、

こんなににやにやが止まらなくなることある⁉︎ってくらい両頬が上がりっぱなしだった。

このカップルが観客にとってどうしようもなく愛おしい理由のひとつは、演技をしてるおじさ
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ひらいて(2021年製作の映画)

4.1

「彼女が好きなものは」を観て山田杏奈を知って、別の作品を観たくなった。「彼女が〜」でも表情の豊かさがよかったけど、今回はもっと陰のあるキャラクターの表情を作ってて、これもまたハマり役でした。

原作の
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彼女が好きなものは(2021年製作の映画)

4.4

映画のシーンで、僕が好きなものは、登場人物が自分のなかに封じ込めていた何か、押しとどめていた何かを、解放する瞬間で、それは必ずしも直接のセリフではなくて、男の脚から外れていく補助器具であったり、プリン>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.4

前半は面白かった。

絵はきれい、演出や音楽も見事、確かにね。
ただストーリーは「まあそうなるよね」のオンパレードでした。

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.4

映画って、緊張して弛緩してその繰り返しのなかにエピソードや感情が積み重ねられたり塗り重ねられたりしていくものだと思うんだけど、この映画は、

緊張につぐ緊張。

ハンス・ジマーの重厚な音楽のせいか。
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無法松の一生(1943年製作の映画)

4.5

自分好みの、あったかい人情もの。
言葉でなくて映像で見せるというのはこういうことよ、と。

シンプルな話なんだが目が離せないんだねこれが。

なくともわかるような無駄なシーンがない。次のシーンに映り込
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空白(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ここまでリアルにやらなくても…と思ってしまうようなところまで、やってしまうのがこの製作陣なんだろうが、今回も。

当分、車には乗れない。

全編に漂う不快なまでの「正しさ」の押しつけは、極端なほどで、
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インクレディブル・ハルク(2008年製作の映画)

3.7

ハルクってティム・ロス出てたのか。

感情を抑えるという技術を最後まで使ってほしいな、とか、ハルク同士だからこそ気づくこと、みたいな面白い繋がりがあってもいいな、とか、ハルクになっても恋人のことはわか
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.3

──彼女を怒らせるな。

どこへ転ぶかと思えば、こういうことか。謎解き部分は個人的にはあっさりしていて、むしろその後のじわじわくる恐怖感のほうがこの作品の肝なんだろう。

綺麗にまとまっているし緊迫感
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.2

見るべきはラストシーン、気持ちを入れ替えた歴史の授業と音楽の授業、レストランで語らう壮年の4人。

生徒は振り向かず、家族は話を聞かず、夫婦は冷めきって。どん底みたいに見えるけど、40になってもテーブ
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スパイの妻(2020年製作の映画)

4.0

──お見事。

騙し騙されのミステリというより、もっと真っ直ぐな純文学でした。

3者いずれもよかったけど、強く残る何かはなかった。

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

4.2

──残像現象に救われる根暗。

隣の客は音楽が鳴ると足が動き出して、小さく足元がコンコンコン、と鳴る。左前の男の人は笑い声が大きくて、ほかのお客さんも一緒に笑うシーンでは一番目立つ。みんなが笑うから、
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.4

逆光に始まる冒頭から引き込まれた。作中の物語のその先は、家福と音の物語のその先は、と、前のめりになり始めたあたりで、思い出したように差し込まれるクレジット、この瞬間に「この映画を好きになる」と思った。>>続きを読む

検察側の罪人(2018年製作の映画)

3.9

二宮和也と木村拓哉の映画。二人とも本当にいい演技をしてる。尋問するシーンは長尺で一見の価値あり。

松倉の「パッ」はアドリブなのかな、あの演出は良かったし、怪演のグレードがぐんぐん上がっていったあのシ
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ホビット 竜に奪われた王国(2013年製作の映画)

4.0

結局かっこいいのはエルフの弓の戦い方なんだよな。

闇の力との戦い、ハリー・ポッターの世界観とはどうしても描き分けられないものか。

今回はシャーロックの二人が見もの。

ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

4.4

── That is a pretty good story to tell.

こういうのが見たかったんよ。

ポスターにもなっているシーンの画、これがめちゃくちゃ良くて、誰かが自分を解放する瞬間の
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ホビット 思いがけない冒険(2012年製作の映画)

4.3

──一難去って……。

何年ぶりかにみた。
一瞬で飛び込んでいけるファンタジー世界の懐の広さ。

ゴラム(スメアゴル)、ロード・オブ・ザ・リング(吹替版)の声真似をしていたのが懐かしい。

お手本みた
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カツベン!(2019年製作の映画)

3.7

俳優陣凄かったのだけど(黒島結菜の存在感。子役は成長に期待。)、物語はあまりハマらなかった。

活劇のドタバタも音楽も合っていたんだけど何でだろう、物語のテンポの問題か、各章の尺の配分か、ギャグ一つ一
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.3

全編に漂う文化祭的懐かしさ。

未来の話は小道具に過ぎなくて、世界観の説明も小気味良いくらいの雑っぷりで、だけどすんなり入っていける納得感は、キャラクターの強さとテンポの良さが「この映画はこれでいいん
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