みちさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

少年の君(2019年製作の映画)

4.4

役者への絶対的な信頼が見える演出と脚本。あの場面でセリフをなくしたのは勝負だよね。映画は役者の顔で作るもの、と突きつけられた感じ。

信頼といえば、後ろを振り向かなくても誰かが見守ってくれている、とい
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エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

3.7

後半こそテンポ良く面白くなったものの、それまでがもったいない。ギャグがハマらなかったのも残念。

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.2

──America would never elect somebody like David Duke.

消費されるエンターテインメントで終わらせる気はなかったんだな。

この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

4.8

──この世界に、居場所はそうそうのうなりゃせんよ。ね、すずさん。

──お前だけは、最後までこの世界で普通で、まともでおってくれ。


原作、映画、ときて、やっと。

一人ひとりの物語が、ちょっとした
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

4.1

無責任な声ばかりが飛び交う世の中で、本当に聞かせたい声はどこにあるんだろうね。

映像と音楽の素晴らしさに拍手をして、物語の感想はもう少し考えたい。

街の上で(2019年製作の映画)

4.3

映画みたいな演劇を観た。

恋愛模様よりもむしろ、恋愛遍歴を語る長回しの会話劇がよかったな。観てる人に自分の恋愛とそれを誰かに話していた時の感覚をダブルで思い起こさせる。

セブン(1995年製作の映画)

4.3

── I can’t wait for you to see. I really can’t.

没入。最後まで続くサスペンス。いい意味で嫌な音響満載。俳優陣の素晴らしさも手伝って、目が離せない。
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.6

──それよりも誰か一人、その映画を一番見てもらいたい誰かのために作ればいいんだ。そうしたらフォーカスが絞られて、作品の輪郭がぐっと立つ。

感情が一点、突き抜けてる。
ブレがなく、だから届く。

映画
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

4.2

──私は、諸君の熱情は信じます。

作品としては面白い。
討論としての価値は疑問。
語りのうまさ、ユーモアから三島由紀夫の魅力は伝わってくる。こんな人が大学の講堂で話してたら聴きに行きますよ。900番
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未来のミライ(2018年製作の映画)

3.4

──よしよし。

お母さんの声よかった。

うーん。
観る側としてどこでテンションを上げてどこで下げればいいのかわかりにくかった。
(東京駅はテンション上がったけど)
お父さん公園で赤ちゃん放置せんと
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

4.1

ドラッグとセックスとマネーの中毒性。完成度はすごいけど、ぜひにでも何度も見たい、という類の代物じゃない。セリフも映像も「F×××」ばっかり。

転んでもただでは起きない男の話。伏線とか展開の大仕掛けは
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

4.2

── Two little mice fell in a bucket of cream.

このときの無垢な少年っぽさのある20代後半のディカプリオと、10年くらい経って別の実話もので今度は証券詐欺
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2人のローマ教皇(2019年製作の映画)

4.5

── Where should we find Him if He’s always moving?
── On the journey?

──You know, the hardest thing
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ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

3.6

──You're in the real estate business.

創業史ってやはり面白くて、映画としては「ソーシャル・ネットワーク」に劣るけど、ストーリーとしては知ってよかった。マクドナル
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ジョー・ブラックをよろしく(1998年製作の映画)

4.1

──Well, that's life.

クリスマス・キャロルであり、死神の精度であり。長かったけどちゃんと詰まってたなあ。アンソニー・ホプキンスの説得力。ブラッド・ピットの「死神」らしさ。

彼の
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オーシャンズ11(2001年製作の映画)

3.6

パーフェクトじゃない泥棒チームのドタバタ感もウリなんだろうけど、いまいち盛り上がりに欠けた。計画実行に向かって失速するんじゃなくて加速していく演出が欲しかったな。

ケイシー・アフレックこんなところに
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朝が来る(2020年製作の映画)

4.5

つらい出来事ばかりの映画なんだけど、愛し愛されることの温かさがセリフや光をたっぷり使った演出から滲み出る。
ドキュメンタリーみたいにぼろぼろ泣かされてしまった。

永作博美、井浦新、この夫婦の配役が素
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キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)

4.4

──FIRE!

── I have ice in my glass. And I’ve lost her all over again.

── because tomorrow, the sun
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なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

4.3

対話を積み重ねていくような構成が良かった。伝えたいことが直球で、手の込んだ編集とかがないところもいい。

ここ数年の日本政治の振り返りでもあったけど、改めて、激動の時代だったんだな。

本人の熱意や苦
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ターミナル(2004年製作の映画)

4.4

──You say you are waiting for something. And I say to you, “Yes, yes. We all wait.”

幸せな気持ちになる映画。
国を
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.4

名作。

悲劇や絶望を乗り越える、とか、きっかけにして生まれ変わる、とか、そんな大袈裟なことは何一つなく。静かな海辺の日常。

それにしても罰せられないって残酷だな。

小さな動きまでどれもしっくりく
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ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

3.8

美しいくらいのキアヌの殺し、殺し、殺し、を見たくて見たから満足。とはいえ、1,2と連続して見てしまうと新しさはあまりなく、同じ世界に戻ってきた感じが強い。それはそれで需要はあるわけだけど。

装備が揃
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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

4.1

復讐ものはこれがいい。
応援したくなるくらいの「愛と喪失」から始まって、嫌いになれるくらいの悪役の非道さ、美しいくらいのアクション、マフィアもビビる伝説、秘密を残した過去、冗長なセリフもない、潔い復讐
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僕が跳びはねる理由(2020年製作の映画)

4.3

試写にて。
原作未読。

あぁ自分は今まで、この人たちのことをまるで「見て」いなかったし、この人たちの声をほとんど「聴いて」こなかったんだ、と思った。

学校で、街中で、みんなと違うふるまいをする人々
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愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

-

悼む、ということ。

喪ったひとを悼む、というのは、離れて悲しくて涙を流す、ことで終わりではなく。その人がいない、その人抜きの関係性の中に自分の居場所を見つけ直して、その状態でもう一度、かつてあったそ
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浅田家!(2020年製作の映画)

4.4

なんだろうこのコメディは、と思いながら見ていた前半、目が離せなくなる後半。

虹、桜の写真が良かったな。

二宮和也、七変化。
お父さんがかわいい。ほんといいキャラしてるのよ。
母も若奈も強し。

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メン・イン・ブラック:インターナショナル(2019年製作の映画)

3.3

びっくり。
応援できるキャラも強くてかっこいいキャラもいない。ギャグ?も笑えない。
ストーリーも途中で飽きた。というか「この調子で進まないでくれ、どこかで方向転換してくれ」と思い続けて終わった。
すご
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

序盤のわからなさ、わかってきてからの展開の「急」さはある意味予想通りなんだけど、シンジの変化のなさが引っかかる。こんなに成長しない主人公っていうのも珍しいんじゃないかな。

神々しいシーンとか、胸が熱
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

違うけど、同じ。

同じ東京にいても、みんな生まれた場所に縛られてる。だから生きていく場所も違う。同じ東京で、出会うことなんてない、違う世界の人たち。

だから背を向けるんじゃなくて、生きてる場所ごと
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

──さようなら、すべてのエヴァンゲリオン。

シンジのセリフは、原作、アニメ、映画と繋がってきた「すべてのエヴァンゲリオン」を通じて物語を追いかけてきた、総監督からスタッフまで含むすべての作り手たち、
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.4

鮮烈。

映像の美しさと衝撃と音楽の切なさの組み合わせ、もう発明だよねこれは。いろんな感情が刺激されてわけわからんけど気持ちはこれ以上なく高揚していく。

そしてそれを超えてくるエンディング。

これ
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男はつらいよ 寅次郎紅の花(1995年製作の映画)

4.6

──それがカッコイイと思ってんだろう?あんたは。だけどね、女から見りゃ滑稽なだけなんだよ。

──カッコなんて悪くたっていいから、男の気持ちをちゃんと伝えてほしいんだよ、女は。

──だいたい男と女の
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.5

こんなに丁寧に丁寧に、
恋愛を殺さないで。

同じ「好き」で出会った二人が、二人でい続けることの本当を描く、正しい意味での恋愛入門みたいな映画だった。こういうの観てしまうと数多ある恋愛映画が偽物くさく
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.5

言葉がない。

不寛容とは、とか、優しさとは、とか、生きづらい世の中とか、罪悪感とか、耳を塞ぐことや目を瞑ることに慣れきってなんの感情も湧かなくなっている現代人とか、偉そうに第三者ぶって考えを巡らせな
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