天津甘栗さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

天津甘栗

天津甘栗

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ハリー・ポッターと賢者の石(2001年製作の映画)

3.8

人気シリーズ第1作目。キラキラとわくわくがふんだんに詰め込まれた作品。初回は公開当時に今はなき映画館で友人とみた。何度も観てるけどようやくレビュー。

映画自体のピークは中盤の9と3/4番線〜ホグワー
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あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)

3.0

インドの貧富格差、階級社会をヒシヒシと感じる作品。心と心が近付いていく様子を丁寧に描く。邦題正解の方。
御曹司とメイド、2人の心の重なりを決定付けたのはインドに流れる血。太鼓のビートは命の鼓動、なーっ
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バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

3.7

「この国はすっかりダメになってしまいました。そこで今日はみなさんに、ちょっと殺し合いをしてもらいます。」

何度目かの再見。東映の荒波と共にヴェルディのレクイエムで始まる戦慄のオープニングが超絶センセ
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ディープ・インパクト(1998年製作の映画)

4.0

世界の終わりのカウントダウン。あなたなら訪れる最期をどう過ごすか。

ノアの方舟への一般抽選乗船条件は、50歳以上は基本対象外であり、未成年が選ばれる場合においてのみ家族単位で選ばれるという合理的な規
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メランコリック(2018年製作の映画)

3.5

ゆるっと殺しのアルバイト。
近所の銭湯で殺人・遺体処理が行われているという、日常のすぐそばに転がっている残虐性が本作の最大のウリ。主役の鍋岡くんヒロイン副島さんら各演者が醸し出す、ぎこちないナチュラル
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ザ・ウェイバック(2020年製作の映画)

3.3

っぱバスケはいいすね。
弱小チームが勝てるようになる裏付けが弱めだけど、コーチカーターよりコーチベンアフの方が人柄的には好みで良かった。チームの向上とは対照的に、自身は苦しみから逃れられず堕ちていく、
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.3

サイボーグのアクション映画、エロティックサスペンス、ぶっ飛びSF、WW IIの女スパイ、そして今作は宗教物の伝記。ヴァンホーヴェン作品の際限のない振り幅には本当に驚かされる。
教会が福音をもたらす精神
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FUNAN フナン(2018年製作の映画)

2.9

クメールルージュの狂気。
ただ、狂いっぷりの表現がややマイルド。クメールルージュ時代を知るなら他の実写作品の方がいい。アニメならばより自由にシビアな表現ができるだろうに、シンプルストーリーすぎてだれち
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ユナイテッド93(2006年製作の映画)

3.1

ドキュメンタリータッチでカメラの揺れが激しい、911を描いた作品。
管制センター、管制塔での情報錯綜っぷり、混乱がよくわかる。ほぼ同時に4機もハイジャックされたらそりゃ混乱するわな…。
後半は反撃する
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

無骨で真っ当で、良くも悪くもザ邦画のこれぞ正統派ゴジラ。
その名の如く、鮮烈にゴジラのスタンダードを塗り替えた『シン・ゴジラ』のエヴァでポップな異質の味わいが一層際立つほど。
ゴジラの地鳴りのような足
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ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

3.0

庵野秀明の性癖を純度100%で表現した作品。
おっさんが女子高生の虚無感を語る時点でキモいのに(これは村上龍発信)、スカートの中が見えそうなカメラのローアングルが輪にかけてひじょーにキモい。シンウルト
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映画プリキュアオールスターズF(2023年製作の映画)

4.0

初のプリキュア映画館鑑賞with長女ちゃん。

いやはや良かった。女の子版ジャンプやわ。「友情・努力・勝利」ならぬ、「キラキラ・かわいいは・正義」だわ。
フリーザ様やカーズ、ラオウなど最強ボスと対峙し
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(2020年製作の映画)

2.9

菅田将暉✖︎小松菜奈の個性派夫婦(婚前)をメインキャストに据えた、個性のない王道シンプルストーリー。もうちょっと伏線はったどんでん返しや、ひりつく感じが欲しかった。
10年程に渡る男女のすれ違いと巡り
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ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

次々にモンスターたちが現れた、祭りだワッショイ的な前作から比べるとインパクトがかなり薄く、バトルシーンほぼ憶えてない。印象濃く残ったのはトランス小栗んのピスタチオ化。
コングはゴジラのライバル?だっけ
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オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)

3.1

不妊夫婦が擬人的に木の切り株を赤ん坊代わりに愛でるうちに、その切り株がむくむくと成長。やがて周囲の人々を食べまくるというイカれポンチな怪作。
欲の象徴なのか、口元のアップ多め。見境なく食べまくる切り株
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.0

男女同じトイレ、貧しい物乞いがいる、赤ちゃんを抱きながら仕事、暴力に訴える仕返しはダメ、当然ドレスコードフリー、多様性に寛容すぎるが故にモノを言い難い意識。
高度な福祉国家、環境保護や男女平等、多文化
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.4

目が真っ赤で肌が青く瞑想を愛する巨大な宇宙人、ドラーグ族。
そんなドラーグ族にダニやアリの如く虫ケラ同然に扱われ、飼育され観察され時には駆除される人間。
サルバドール・ダリ、あるいは進撃の巨人のような
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ファウスト(1994年製作の映画)

2.7

ストップモーション粘土のメフィストフェレスはミギーそのもの。寄生獣は着想得たのかな。と思ったらこちらのファウストの方が新しい。ヤン・シュヴァンクマイエルがミギーから着想?まさかね。
ゲーテの原作と比較
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チィファの手紙(2018年製作の映画)

3.1

岩井俊二作品は独特のクサさがあって、時折りそれが不自然、あざといように感じ苦手に思うことがあります。
ですが本作は物語の舞台が中国且つスタッフも中国の方である影響か、岩井節が中和され、かと言って失われ
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ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

うわぁだめだだめだ。空港のシーンは。あんなん泣く。子供を抱き締めた柔らかく愛おしい感触が残る。会いたくなる。
監督脚本兼主演のジャスティンチョンさんの佇まいや表情が良いなぁ、移民・養子縁組問題は業が深
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

2.9

終始わめき散らかしてるピッペン似の鬼嫁ブレンダがとにかく強烈。キレッキレで動きがもはやコメディ。
ただそれ以上のものは感じ取れなかった。世相を示唆する背景を知り、優しい世界にうっとり浸るのが正解なのだ
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

その刹那、本能的にピアノと運命を共に海底へ沈むべく縄に足をかけたのは私。
その刹那、海中をもがき縄を解き必死で生きる選択をしたのも私。

エイダの一途な意志も印象的ですが、ハーヴェイカイテルとサムニー
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his(2020年製作の映画)

3.1

酷い事をしてるのは分かってるんだけどどうしようもねぇんだよぉおお。ってのは藤原季節だから許されるやつ。藤原季節目線に寄り過ぎていて母親の描き方がどうも不憫でした。子供が大正義すぎるけど実際はもっとやや>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.6

グランツーリスモより、リッジレーサー派でした(R4)。

サブテーマとして前時代的な男臭い意地の張り合いがあった『フォードvsフェラーリ』。本作は現代っ子ゲーマーの成長譚。

画的にワクワクする映像が
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NINE(2009年製作の映画)

2.7

ハリウッド美女たちオールスター共演。中でもランジェリーペネロペの溢れる肉感がセックスシンボルとして完勝。

フェディリコ・フェリーニの『8 1/2』リメイク作。
原作でセンセーショナルと評され、後世の
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シリアにて(2017年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

早朝のアザーンと共に老人はタバコを燻らす。虚な視線の先にある窓の向こうには荒廃し瓦礫だらけの景色が広がる。大破した車の傍でまた1人銃殺されたようだ。
今日もまた地獄の一日が始まる。 

夫救出時、スナ
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モア・ザン・ア・ゲーム(2008年製作の映画)

2.9

高校生時代のキング・レブロンを描いた伝記…というより、田舎の無名高校がレブロンと共に全米No.1へと至る軌跡を描く作品。

本作とにかく字幕が酷い。訳した人物はバスケ、いやスポーツはおろかアメリカの文
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SHADOW/影武者(2018年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

全編通して色調をほぼほぼ白と黒で統一。白黒の濃淡のみで全描写を表現した、ただのモノクロとも一味違う面白い試み。だがしかし、やっぱり眠いチャンイーモウ。前半1時間は弦のビャヤヤ〜ンンンと野太い笛の音で催>>続きを読む

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

3.2

モノクロ静止画像の繋ぎ合わせとナレーションのみで構成された異色作。話の筋や登場人物がまんま『12モンキーズ』だったのでびっくりしました。
悲壮感や虚無感、世紀末感、未来人の理不尽感は『ターミネーター』
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.5

久しぶりに男前瑛太をみました。最近『友罪』や『怪物』で精神的にナヨいサイコパス瑛太を見ていたから芯の通った男!ってかんじの大将瑛太がかなり新鮮。っぱ疑う余地なく男前やな。

ムラ社会、偏見、抑圧、劣等
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8 1/2(1963年製作の映画)

1.9

名作と名高いこじらせ系アート作品。
わっかんね…なかなかの苦行でした。よくわからんとかじゃなくて、てんでわからん。お手上げ。
唯一読み解けたのはグイド、いやフェデリコフェリーニの女性観もフォルダ保存派
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裏アカ(2020年製作の映画)

2.1

このレビューはネタバレを含みます

薄い。SNSで知り合った若いイケメンに沼る自暴自棄っぷりに必然性や説得力がなさすぎて瀧内さんのキレイな肢体を拝むのみの作品。
どれだけおかしなってても、公衆の面前でそうです私なんですー!なんて変なおじ
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

エンタメに振り切り倒してるので観賞中は長尺にかかわらず飽きがこないんだけど…うーん。
個人的な格付けとしてはジョンウー作品についで下から2番目です。

まずいつもに増して説明演出が多かった。スカイダイ
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HOKUSAI(2020年製作の映画)

2.7

葛飾北斎、喜多川歌麿、東洲斎写楽、柳亭種彦、そして蔦屋重三郎。江戸文学オールスター的作品。

史実に反した誤解を生む描写が多いよう。関係性や時間軸等デフォルメしているのだが、肝心の物語にカタルシスが感
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.3

霊能力を持つイギリスの田舎娘エリーちゃん。お人形さんみたいにキュートな彼女の魅力と、ソーホーの煌びやか且つ陰鬱な世界観を楽しみつつもサスペンス劇は至極単純。エリーちゃんはその能力を特段活かすわけでもな>>続きを読む