miporingoさんの映画レビュー・感想・評価

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プリティ・ウーマン(1990年製作の映画)

3.2

どんどん洗練されていくヴィヴィアンが素敵だし元々性格が良くて感受性が強く頭もいいので周りが放っておけないキャラなのがわかるのも良い。エドワードが彼女のリアクションを気にしながらオペラ鑑賞していてその涙>>続きを読む

ザ・キング・オブ・ハバナ(2015年製作の映画)

3.2

愛だけでは人は生きていかれないという悲しい映画だった。キューバにおける90年代の貧困を背景に作られている。監督はカストロ政権に批判的だったという。台風が来て安普請のアパートが崩れてしまったり、墓を掘り>>続きを読む

魅せられて(1996年製作の映画)

3.3

19歳のアメリカ人女の子がひと夏イタリアのトスカーナ地方で自分探しをして過ごし恋人を得るという単純な話にも置き換えられるけれど一筋縄ではいかないけっこう言いたいことがたくさん詰まっている映画だと思った>>続きを読む

遥かなる山の呼び声(1980年製作の映画)

4.0

公開時に映画館で観て以来、たぶん4〜5回観てる。何回目でも泣いちゃう。黄色いハンカチの方を観ている人は、おお、これが繋がるのか…みたいな感動もあるでしょう。
北海道で女手一つで息子を育てながら牛飼いを
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シャイン(1996年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

実在のピアニストデヴィッド・ヘルフゴットの半生を描いた作品。愛と許しの映画です。昔一度観て、本も読んでCDも買ってしまったほどハマった映画がまた配信で観られて嬉しかった。子供の頃から父親に手ほどきを受>>続きを読む

隠し剣 鬼の爪(2004年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

実直で正義感の強い永瀬君もしっかり者で可愛い松たか子もとても良い。周りを固めるキャストも素晴らしく、ストーリーもほぼ全て言うことなし(ほなぜ「ほぼ」なのかは後述)。緒形拳の悪役っぷりも最高でした。
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雨に叫べば(2021年製作の映画)

3.3

わたしは楽しめた。エロはあるけどグロはないです。
『蒲田行進曲』の暴力的なところだけがいまひとつ好きではないので、そういう点で言えばこちらの方がいい。
映倫の根拠のない規制や業界における女性差別を描い
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永い言い訳(2016年製作の映画)

3.4

『すばらしき世界』を観たので、西川美和繋がりで観た。失って初めて大切さを知るというのは切ないけれど自分がその相手に対してどういう存在だったのかという、相手を知ると同時に自分自身を振り返る作業をも伴うの>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

評判に違わずとても良かった。一度レールから外れてしまった人には生きにくい世の中だけれど、本人が更生したいときには手を差し伸べられる仕組みが必要だとあらためて思う。大人になる機会を逃してしまった、半分ま>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.4

第二次世界大戦中のドイツを舞台にして、コメディタッチに人種的な偏見や愛について語る映画。10歳の少年ジョジョも可愛いが、密かに反ナチ運動家である愛情豊かな母親が良い。ヒトラーユーゲントに属し勇ましく戦>>続きを読む

シザーハンズ(1990年製作の映画)

2.9

『チャーリーとチョコレート工場』は大好きなんだけど、こちらは残念ながらあまり刺さらなかったな。たぶん、なぜエドワードの腕が鋏仕様で作られたのかという必然性が描かれていなかったからだと思う。
それと、ボ
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真実の行方(1996年製作の映画)

3.7

タイトルは知ってたけれど、内容はぜんぜん知らずに観た。ぜんぜん知らずにいてよかった。これ以上は何も語りますまい。

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.2

原作的にウェス・アンダーソンが自分の世界に引っ張り込めるかどうかで選んだ気がする。まるで紙芝居のようで楽しいが、楽しいだけではなく、ちゃんと教訓があるのが良い。40分間でどれだけ喋らせることが出来るか>>続きを読む

アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド(2021年製作の映画)

3.7

可愛いタイトルと可愛いポスターだけど、考えさせられる映画だった。ドイツ中の女性の好みをインプットされ、アルゴリズムを搭載され、どんどん自分好みになってゆくことをプログラミングされているA Iと一緒にい>>続きを読む

美女と野獣(2014年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

CGがトゥーマッチな嫌いはあったけど、深みのある色遣いやカメラワークが美しく、ディズニー版よりもヴィジュアル的にはかなり計算されているように思った。とくに深いブルーのドレスを着ている場面。ダンスも、ベ>>続きを読む

美女と野獣(1946年製作の映画)

3.3

何十年も昔に「え、コクトーの映画!」と思って観たのですが、コクトーだから前衛的で難解なのかと思いきや、わかりやすいファンタジー映画だったのでちょっと期待とは違っていました。でも、CGなしの1940年代>>続きを読む

美女と野獣(2017年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

アニメの方は未鑑賞ですけど、『美女と野獣』見比べしてます。とりあえずエマ・ワトソン版、ジャン・コクトー版、レア・セドゥ版を。この中ではこのエマ版のみ初見。家族はお父さんだけなんですね。他は家族の物語で>>続きを読む

最後の愛人(2007年製作の映画)

3.2

1830年代のフランスが舞台。前半は、これから貴婦人と結婚しようという美青年が、パリ社交界で醜聞であった愛人との10年にも及ぶ関係と別れる覚悟を新婦の祖母に語るという形で話が進む。結婚後は、その愛人と>>続きを読む

ゲーム(1997年製作の映画)

3.2

よくできてるけど、悪趣味。悪趣味だけど、よくできている。わたしだったら「ありがとう」とはいえないな。たぶん泣いて怒ると思う。構造がディケンズの『クリスマス・キャロル』とレビューに書いている方がいて、な>>続きを読む

ディーバ(1981年製作の映画)

4.0

年齢がバレるけど、当時映画館に観にいった。好きすぎてレビューが書けないでいました。好きな作品ほど感想が書けないってことないですか? この映画はサスペンス要素とロマンス要素が、スタイリッシュな音楽と映像>>続きを読む

ブラッド・オレンジ(2021年製作の映画)

3.3

構成的にはオムニバス的に3つのストーリーが並行しており、その物語が終盤に交錯し因果応報的に回収されるというもの。背景になる社会問題が今日的で、現在も続くフランスのデモにも繋がっている年金、労働に関する>>続きを読む

アンネの日記(1959年製作の映画)

3.6

むかし、アンネくらいの齢のころ、原作も読んで、親と一緒に三越劇場にお芝居も見に行った。ユダヤ人というだけで迫害され憎まれる理由がわからなかったのけれど、いまも正直わからない。その人の変えられない属性を>>続きを読む

竜馬の妻とその夫と愛人(2002年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

えー、この映画、ぜんぜん笑えない。「貸りがある」どころか、決闘を申し込んでおいて痺れ薬を盛るとか、めっちゃ卑怯じゃ無いですか?どの口でおりょうさんに「待ってるから」とか言ってるの? そのこと一生おりょ>>続きを読む

善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

4.0

この映画がすごいのは、これだけ悪辣な国家体制であっても、良心や愛や芸術が、人を目覚めさせる力になるのだという、真っ直ぐなメッセージをわたしたちに突きつけてくるところにあるのではないかと思う。異常なほど>>続きを読む

未亡人、回る春(2020年製作の映画)

3.2

邦題がひどいシリーズのひとつ。
『欲望という名の電車』のヴィヴィアン・リーや、『スイミング・プール』のシャーロット・ランプリングみたいに、かつては美貌を誇った女優さんがリアルに老いと向かい合い、かつ女
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花芯(2016年製作の映画)

3.2

瀬戸内寂聴さん原作と観賞後に知り、ああやはりね、と思った。下品な官能映画にならず、ギリギリで文学的。女は性欲などなく清らかで男に尽くすもの、という日本の今も続く価値観に一石を投じる作品だと思う。園子が>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

レビューを書こうとするも言葉が見つからない…。リアルに感じつつも、まさか日本がこんなことにはならないだろうという楽観的な自分もいたりして。それが嫌悪感からくる思考停止なのかもしれないとも思うけど。途中>>続きを読む

たそがれ清兵衛(2002年製作の映画)

4.2

真田広之と田中泯の殺陣シーンが大きな見どころ。この作品は舞踏家の田中泯が俳優デビューした作品だそうで、真田の身のこなしはもちろん鍛え上げられたものであって素晴らしいのだけれど、田中泯のそれは、最後の息>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.0

あらすじはかなりの「⁈」だったけれど、かわいい羊たち、アイスランドの農場の風景、登場人物たちが着ているニット、慈愛あふれるノオミ・ラパスなど、ビジュアルはかなり好み。『ミレニアム』のあのリスベットとは>>続きを読む

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

3.5

みんないとおしかった。わたしを傷つけた男をとび蹴りしてくれる息子がわたしもほしい。
こうして市井の庶民たちは懸命に生きているのである。女は最後には身体を売ればいいとかいう輩がいるようですが、そんなこと
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バロン(1989年製作の映画)

3.6

奇想天外、絢爛豪華、ヘンテコでシュール。サリー役の女の子がサラ・ポーリーとは! 月の王がロビン・ウィリアムズなのも、気がつかなかった。まるで絵本を読んでいるようで次々と場面が変わっていく、楽しい映画で>>続きを読む

シャーロットのおくりもの(2006年製作の映画)

4.0

動物たちのCGがよくできてる! 原作はジョン・アーヴィングの『第四の手』の中で主人公が子どもに読んでやるっていう場面で出てきた児童文学書ということで知った。わたしは未読だけど、読んだ人曰くかなり原作に>>続きを読む

サラの鍵(2010年製作の映画)

4.5

この事件には名前があって、wikiにも載っていた。「ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件」。ヴェロドローム・ディヴェールというのは「冬季自転車競技場」という意味で、事件は略して「ヴェルディヴ事件」>>続きを読む

ブロンド(2022年製作の映画)

3.0

ちょうどジョン・アーヴィングの『オウエンのために祈りを』を再読している中に、こんな一文があった。レビューに代えて掲載。

以下、引用。

「マリリン・モンロー はいつも最良の男を探してた。たぶん、一番
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私の中のあなた(2009年製作の映画)

2.6

実話があって、それをもとに本が書かれ、その本を原作としてこの映画が作られたようですが、そのような予備知識は無しで観始めた。
アナが訴訟を起こしたということは彼女がまだ子どもだということでセンセーショナ
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アンナ・カレーニナ(2012年製作の映画)

3.4

原作は高校生の時に読んだきりで、内容はほとんど覚えていなかった。
映画では、ブロンスキーが美しいということ以外に特に魅力の無い男であることが、アンナがただ流されるだけの軽薄な女であることを裏付けている
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