miporingoさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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ハリエット(2019年製作の映画)

3.8

何気なく観始めたのだけれど、ハリエット・タブマンは実在の人物で奴隷として産まれたけど逃亡して、その後いわゆる地下鉄道で何百人もの黒人奴隷の逃亡を手助けした人だった。アメリカで20ドル札に印刷もされた人>>続きを読む

しあわせな人生の選択(2015年製作の映画)

4.0

観終わったあとに、いつまでもグズグスと泣いていたくなる映画だった。思い出すとどの場面も泣きたくなってしまう。お部屋も街もお店の雰囲気も良い。いつか犬を飼うことがあれば、わたしもトルーマンと名付けたいっ>>続きを読む

凍える牙(2012年製作の映画)

3.3

ずっと前に乃南アサさんの原作を読んでいたけど、内容はすっかり忘れてた。日本映画かと思って観始めたら韓国映画なんですね。本筋は面白かったけど、ミソジニーに関してはまったくスッキリしなかった。男女差別はそ>>続きを読む

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ゲイカップルが子どもを引き取って暮らすお話し、という予備知識しかなく鑑賞。そのタイトルからもほのぼの系かと思いきや、こんなに悲しいお話だとは。70年代のカリフォルニアが舞台なので、今よりもずっとLGB>>続きを読む

ロスト・ボディ(2012年製作の映画)

3.0

観終わったあと、「こわー」ってなったけど、よく考えると「あれとかこれとか、こんなに上手く事が運ぶはずない」って、思い直す。誰にも共感できないけど、携帯を壊したあとに見せる涙は、もしかしたら愛の証なのか>>続きを読む

希望のかなた(2017年製作の映画)

3.9

内戦が激化するシリアのアレッポから難民として北欧フィンランドに逃れてきた青年の話。特にいい人というわけではないふつうの人たちが、ふつうに親切なのが、とても身に染みる。淡々と、でもちょっとユーモラスに、>>続きを読む

MOST BEAUTIFUL ISLAND モースト・ビューティフル・アイランド(2017年製作の映画)

3.0

お金も暇ももてあますほど持っている人々が見ているものと、その日暮らしの貧困層が見ているものの違いに戦慄してしまう。ルシアナの一筋の涙の意味は、恐怖なのか哀しさなのか安堵なのか。たぶん、それらぜんぶ。彼>>続きを読む

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

-

わたしにとってはなんとも評価しづらい映画。なぜかというと、わたし自身も若いころにファッション業界に身をおいており、しかもその会社のナンバー2が「女帝」として君臨していたという経験があるから。とても冷静>>続きを読む

シビルの部屋~ヤング・エマニエル~(1976年製作の映画)

3.0

猫がいちばん見応えがあった。すごい演技力w スイスの景色もきれい。エマニュエルシリーズの原作者の自伝が元になっているとのこと、実話だったらすごい。「本を開くようにわたしを開いて」というセリフが深いと思>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

「階段」が韓国の格差社会を見事に象徴していると感じた。とくに土砂降りの中、高台の瀟洒な邸宅から半地下の自分達の家に逃げ帰る場面。やっと辿り着いた我が家は浸水、肩の高さまで水が上がりトイレは逆流し、避難>>続きを読む

ピュア 純潔(2010年製作の映画)

-

なにが最低って、「その手でわたしを汚して」という邦画バージョンのコピー。本作の中では、むしろアダムによって今までの自分を浄化したいという願望をカタリナは持ったのではないかと思うのですけど。モーツァルト>>続きを読む

悪人(2010年製作の映画)

3.0

妻夫木くんとふかっちゃんといえば、わたしには『マジック・アワー』なんだけど、こちらは深刻。根っからの生まれつきの悪人なんていなくて、ただ「奪われてもいい命はない」ということに尽きると思う。誰の命もかけ>>続きを読む

記憶にございません!(2019年製作の映画)

3.6

ピリッと風刺が効いていて面白かった。映画では官房長官一人が真っ黒だったけど、現実は転移し拡がりかなり蔓延しているからなーとか思いながら、三谷幸喜さんの政治的視点がなんとなく理解できて途中まではかなり好>>続きを読む

きみに読む物語(2004年製作の映画)

3.9

ライアン・ゴズリングってわりと好きな顔をしているのでちょっと気になったのですが、年を取ってからの彼、若いころと顔が違いすぎません?ってか、ほんとにこれはノアなのかな、もしかしたらロンなのかもしれない。>>続きを読む

女神の見えざる手(2016年製作の映画)

3.7

難しくてよくわからなかったのにめちゃ面白かった。ロビイストという職業のことが少しわかった。フランスも製作に参加してると知って、なるほどね、という感じ。銃規制法を扱っているだけにハリウッドで製作するには>>続きを読む

パパが遺した物語(2015年製作の映画)

2.9

姪が可愛いのはわかるけど、それなら陰で援助すればいいのに、叔母夫婦がなぜケイティを幼女にすることに固執したのか、その背景がよくわからずモヤモヤした。父親を亡くしてメンタルが壊れてしまうのを描くのに、行>>続きを読む

ゼロの焦点(1961年製作の映画)

3.8

広末涼子バージョンとの見比べをしたけど、こっちのほうがよかった。久我美子演じる禎子が感情を抑え、真実を知るために淡々と行動し考えるのもよかったし、モノクロームの画面と芥川也寸志の音楽と金沢の街並み。ち>>続きを読む

ゼロの焦点(2009年製作の映画)

3.3

松本清張作品って「犯人の事情」を描きつつ殺人肯定はせずという絶妙なところを描いていて、その「事情」がたいていとても重くて社会問題や時代背景を絡めているところが特徴で、そこがよい。で、この作品はお見合い>>続きを読む

魂萌え!(2006年製作の映画)

-

妻風吹ジュンは定年を迎えた夫寺尾聡とこれまで専業主婦として平凡に暮らしてきたけれど、そのあいだに無自覚に多くのものをしまいこんで抑えこんで、蓋をしてきてしまっていて、脳こうそくで急に夫が死んでしまって>>続きを読む

野火(2014年製作の映画)

3.7

第二次世界大戦中フィリピンのレイテ島での作者自身の体験をもとに書かれた大岡昇平原作の『野火』。市川崑監督から二度目の映画化。これは塚本晋也が監督、脚本、主演まで演じている。戦争がなければ普通の生活をし>>続きを読む

硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)

3.2

戦争中、敵に殺されたのではなく味方同士で殺し合ったり自決したりした日本人の愚かさよ。そしてそもそもなぜ、こんな不毛な土地をめぐって争わなければならなかったのか。殺されるくらいなら「どーぞ、どーぞ」でい>>続きを読む

愛しのアイリーン(2018年製作の映画)

2.4

息のつまるような地方の閉塞感とか嫁不足とかこういうことってありそうというリアリティがあって、途中まではよかったけど、事件が起こったあたりから後半は行き詰ってしまった感がある。これでもかと異常な暴力やセ>>続きを読む

ゴーギャン タヒチ、楽園への旅(2017年製作の映画)

3.0

ゴーギャンの二度のタヒチ生活の一度目。困窮を極めたパリでの生活からタヒチに渡り、国費で帰仏するまでの約二年間を描いている。彼はタヒチでテフラという名の現地妻を娶るんだけど、wikiで確認したら彼女は1>>続きを読む

スイミング・プール(2003年製作の映画)

3.5

最後が「???」になって、「やられた」って思った。サラはミステリーしか書けなくてそんな自分にイラついていてブレイクスルーしたかったから、自分への賛辞が素直に受け取れなかったんだろうと思う。伝統と格式の>>続きを読む

湿地(2006年製作の映画)

3.3

アイスランド映画。この映画から何かメッセージを汲みとるとすれば、最後「人は鎧を身につけて自分を守っているつもりでいるけど、汚れを嫌悪するうちに自分が脅かされていく」みたいなセリフが鍵なのかな。>>続きを読む

情痴 アヴァンチュール(2005年製作の映画)

2.8

邦題がひどい。彼女のことが放っておけなくて立ち入り過ぎてしまったのはアヴァンチュールとは言わないのでは。それともフランス語のAVENTUREはもっと多義的なのかな。最初のシーンで血だらけのベッドが出て>>続きを読む

ぐるりのこと。(2008年製作の映画)

4.0

梨木香歩さんの著書にも同タイトルのものがあって、それを検索するとこの映画が出てきていつもイラッとさせられてきたのでいい印象が超個人的に無かったのですけど、『恋人たち』が良かったので同監督さんのこちらも>>続きを読む

かごの中の瞳(2016年製作の映画)

3.2

失明して眼の見えない世界と、見えるようになってからの、ジーナの視覚の捉え方や見える光の表現がよく出来てると思った。もしもわたしだったらって考えると、子どもの時に失明して、大人になってから手術をして見え>>続きを読む

デザート・フラワー(2009年製作の映画)

4.0

ファッション・モデル、ワリス・ディリーの半生を描いた映画。3歳で(wikiによるとじっさいは5歳だったみたい)ソマリアの悪習、女子割礼(その後縫合され結婚したときに夫により初めてそれを解かれる)を(そ>>続きを読む

ボルベール <帰郷>(2006年製作の映画)

4.0

状況やストーリーはけっこうシリアスなのだが、ペネロペ・クルスの美しさとファッションや部屋とかお店の内装が可愛くておしゃれすぎるので、そちらに目が奪われてしまって、シリアスさが薄まっちゃってないか、これ>>続きを読む