キャッシュレスの時代になって本当によかった。紙幣みたいな、簡単に偽札が作れるものなんか使うから、この映画のような悲劇が生まれるのだ。
この映画で描かれる罪、神、法、暴力、愛、赦しのすべてを乗り越えるも>>続きを読む
70年代初頭のアメリカの新聞社の雰囲気がとてもよく出ている。日本で同じ時代を撮ろうとするとどうしてもハリボテっぽくなってしまうのは、予算のせいか時代考証の技術のせいか。
社会の公器としての役割が次第に>>続きを読む
「総集編」だということで評価を下げているレビューが多いが、総集編であることと映画単体の評価とは直接関係ないだろう。
社会的に厳しい環境に置かれ続けた氷河期世代の中年たちが登場人物、というのは、近年のア>>続きを読む
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映画の後半、「もう一問追加」として話が長引くことになったのは、映画全体のバランスとしてあまり良くなかったと思う。
お母さんはちょっとかわいそう。終盤(おそらくお母さんも記憶を失っている)、シロが手を取>>続きを読む
濱口監督の作品は、演じることによってその人を救う、人を癒やす、というものが多い。
本作もそういう作品である。家福もみさきも、演劇を通じて新たな一歩を踏み出した。
演劇が喪失からの再生に役立つことはわか>>続きを読む
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3話構成の短編集。1話目、2話目は今ひとつ。3話目の「もう一度」には心打たれた。
高校のクラスメートに再会できたと勘違いした女性二人は、お互いが失った大切な人を演じ合うことで、親友を超えた絆が生まれて>>続きを読む
逆襲のシャアの公開から30年以上が経った。シャアの反乱から12年後の世界らしいが、作品の中はともかく、この作品を観る人たちの住む社会、そしてそこで生きる女性のあり方は大きく変わった。
にもかかわらず、>>続きを読む
カラックスファン以外の人がこの映画を観たらどんな感想を持つだろうか。
スマホで手軽に「彼女」や「家族」がレンタルできる現在、この主人公が演じる人生に、重みや悲哀を感じることは難しいかもしれない。
男は好きなモノを突き詰め、極められる。それで歴史上多くの科学技術や芸術が実現してきた。
そういう男たちを支え、愛し、翻弄された多くの女たちがいる。
若い男の子たちはこの映画をどう観るか。二郎のようにな>>続きを読む
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システムクラッシャーは、それがシステムであるから破壊する。
どれだけ子どもを尊重し、安心できるシステムだとしても、それがシステムであるという理由で彼女はキレる。
彼女を救えるのはシステムではない何か。>>続きを読む
私たちはいつも何かを演じている。そして、何かを演じているような、素であるような微妙な時期こそが思春期であり、その中で私たちはアイデンティティを確立する。ドキュメンタリーのようなフィクションのような映画>>続きを読む
東洋差別の強い映画。イスタンブールの男性はみな嘘つきで、女性は小悪魔か無愛想か。それに翻弄されるインテリ主人公。トルコの人が観たらどう思うか。
演出や編集は当時は斬新だったのだろうが、男性女性の描き方>>続きを読む
舞台こそ旧ソ連だが、特に前半は、幸福や男女、美醜、老いそして愛、といった根本的なテーマについての人間ドラマになっている。主演女優の好演が光る。
当時どう受容されたかはわからないが、今の視点でみる限り、行動する女性を揶揄しているようにしか見えなかった。