グッチーさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

グッチー

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ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

3.5

Netflix発で、アカデミー賞にもノミネートされている作品。

母親になれば自然と子供を愛するという常識に一石を投じるような作品で、育児ノイローゼとかの描写がリアルな感じで、なかなか面白かったと思い
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テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

4.5

神なき時代の神話というような感じで、突如現れた美貌の来訪者と性的関係を持つことで、次第に家族一人一人の意識や行動が変わっていくという内容の映画でした。

見た直後の感想としては、何だこれは!という戸惑
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地獄の逃避行(1973年製作の映画)

3.5

「天国の日々」で有名なテレンス·マリック監督の初期作品。

犯罪を重ねる男女のカップルを描いたバディムービーで、「俺たちに明日はない」とか「ナチュラルボーンキラーズ」とか、直接の影響を受けた「トゥルー
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MEMORIES(1995年製作の映画)

3.5

「AKIRA」の大友克洋が総監督を務めた3話形式のオムニバス作品。

1話目の「彼女の想いで」は、今敏が脚本ということもあり、きっちりとしたSF作品にまとまっていたと思います。
宇宙船に残ったオペラ歌
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半世界(2018年製作の映画)

3.0

Netflixにあったので、前からタイトルだけは知っていて気になっていたため鑑賞しました。

同じ田舎町で育った3人の幼馴染みの友情を描いた作品でした。

序盤から中盤の特に大きな事件があるわけでもな
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工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)

3.5

韓国に実在した北朝鮮スパイのお話。

主人公は実業家を装って北朝鮮に接近し、核施設の情報をキャッチするという目的を果たすために奔走しますが、次第に政治の話が入ってきて、大統領選挙の道具になっていく感じ
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選ばなかったみち(2020年製作の映画)

3.0

認知症となった父と、それを介護する娘が同じ1日を生きるなかで、お互いに違う時間を生きているという感じの構成の映画でした。

監督が自身の認知症の弟の介護体験から着想を得た映画ということでしたが、確かに
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望み(2020年製作の映画)

4.0

失踪した息子は殺人事件の加害者なのか、被害者なのかというある意味で待っている家族にとっての極限状況を描いた作品でした。

加害者であっても生きていることを望む母親と、世間体等を考えて被害者であることを
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ドリームプラン(2021年製作の映画)

4.5

2人の娘をテニスの世界チャンピオンに育てた型破りな父親の物語でした。

先日のスーパーボウルのハーフタイムショーで見せられた、コンプトンのヒップホップオールスターの衝撃からそれほど間をおかず、今回のコ
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鉄道員(ぽっぽや)(1999年製作の映画)

4.0

高倉健さんの遺作「あなたへ」をテレビで見て、ついこちらも合わせて久しぶりに見たくなりました。

全体的に青みがかった映像が、ノスタルジックな気分にさせてくれる作品で、駅の周辺の風景だけでも、雪国の厳し
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あなたへ(2012年製作の映画)

4.0

BSで放送していたので、たまたま鑑賞。

高倉健さんの遺作となった作品ということでしたが、普段通り寡黙でありつつも存在感のある演技をしている健さんの姿からは、まったくそういう病気みたいな部分を感じない
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日本統一49(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

前作に引き続き、八王子を舞台に関東進出を図る侠和会と地元の八誠会·丸神会、裏で暗躍する東友会という基本的な構図は変わらないものの、一応本作では侠和会の関東進出が達成されるところまでという感じでした。>>続きを読む

METライブビューイング2021-22 マシュー・オーコイン「エウリディーチェ」(2021年製作の映画)

3.0

2021シーズン3作目。
MET初演の現代オペラ作品でした。

これまで、いくつかのオペラ作品が作られているオルフェオの神話をテーマにしつつも、これまでと違って妻のエウリディーチェにスポットを当てたと
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ワインは期待と現実の味(2020年製作の映画)

4.0

Netflixオリジナル作品。

ワインのマスターソムリエを目指す主人公と、かつて店を継ぐために大学を諦めた父親との間の不和と和解とか、その辺りがメインかなぁと。
和解したあと、父と子が一緒にソムリエ
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滑走路(2020年製作の映画)

2.0

萩原慎一郎の歌集のイメージを映画化したような感じですが、歌集の内容はあまり関係がないのかなぁという印象でした。

3つの話が同時進行で進みながら、実は時間軸が違うだけで、登場人物は繋がっているという感
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愛すべき夫妻の秘密(2021年製作の映画)

3.5

「マリッジストーリー」みたいな感じで、家族でいることの難しさを描いたような作品かなぁと思ってみましたが、かつてのアメリカの人気番組「アイラブルーシー」のこととか、赤狩りのこととか、ちょっと前提知識が必>>続きを読む

空のハシゴ: ツァイ・グオチャンの夜空のアート(2016年製作の映画)

2.5

中国出身の世界的な現代アート作家である、蔡國強が空のハシゴプロジェクトを実現するまでのドキュメンタリーでした。

日本への留学以降、ミニマルアートの重要性に目覚めたという話は興味深かったですが、それ以
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消えた画 クメール・ルージュの真実(2013年製作の映画)

4.0

カンボジアのポル・ポト政権下の惨状に迫った新しいタイプのドキュメンタリーでした。

ポル・ポト政権のプロパガンダにより、残されなかった人々の映像を、土人形を使って甦らせるという手法が面白く、ホドロフス
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アルビノの木(2016年製作の映画)

2.0

アマプラの100円コーナーにあったので、たまたま鑑賞。

全体的に劣化版「もののけ姫」みたいな雰囲気が気になる感じで、起こることが全て不自然なところがかえって悪目立ちしているような印象です。

最初の
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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.5

アカデミー賞を受賞し、A24レベルの高さを改めてしらしめたような作品という印象でした。

いじめや同性愛、ネグレクトの問題を、成長していく主人公の3つの時代を切り取りながら見事に描き出していく感じが、
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.0

シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をベースに、アメリカの人種問題等を盛り込んだミュージカルの名作の映画リメイク。

さすがにスピルバーグ監督だけあって、全体の完成度はいう迄もなく、冒頭のジェッツ
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国境の夜想曲(2020年製作の映画)

3.5

イラク周辺の国境沿いに暮らす人々を追ったドキュメンタリー映画。

特に解説もなく、ただ淡々と写される中東の映像が、逆にこれはこういうことなのかなぁとか色々と考えさせらるような感じだったなぁと思います。
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ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ(2019年製作の映画)

4.0

A24とプランBの安定のコラボ作品。

スパイク·リーを思い出すような語りによる始まりから、中盤以降の劇中劇に至るまで、初長編とは思えぬ完成度だったと思います。

ストーリー的には、個人的には「ブレー
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マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)(2017年製作の映画)

4.0

「イカとクジラ」の続編のような感じで、売れない作家という現実に目をつぶり、権威主義的に振る舞う父親と、それに振り回される家族の話でした。

「イカとクジラ」以上にブラックコメディ感満載の内容で、展覧会
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イカとクジラ(2005年製作の映画)

4.0

以前見た「マリッジストーリー」が面白かったので、同じ監督のこちらも鑑賞してみました。

何でも一流と二流に切り分ける権威主義的な売れない作家の父親と、たまたま書いた作品が売れ始めた妻と、父に従う兄と、
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グーニーズ(1985年製作の映画)

5.0

平日の昼間にたまたまBSやっていたので、懐かしくなりちょっと見るつもりが最後まで見てしまいました笑

小中学生の頃に何故か何回も見ていた思い出が甦ってきた感じで、チャンクの腹躍りとか本当にどうでもよい
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ファミリー・ネスト(1977年製作の映画)

4.0

タル·ベーラ伝説前夜で鑑賞しました。

今回上映されている3作の中でも一番古い作品ですが、個人的にはこれが一番面白かったと思いました。

作風的には、当時の住宅問題を扱った感じで、一見するとドキュメン
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ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

3.5

タル·ベーラ伝説前夜のイベント上映で鑑賞しました。

同時に上映されていた「ファミリーネスト」や「アウトサイダー」よりは、よりその後の「サタンタンゴ」や「ニーチェの馬」に近い作風だったと思います。
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アウトサイダー(1981年製作の映画)

3.5

シアターイメージフォーラムのタル·ベーラ伝説前夜の特集上映で鑑賞しました。

社会不適合の芸術家という紹介文から、勝手に山本周五郎の『虚空遍歴』とか、そっち系の芸術に熱狂しすぎて狂ってしまった話かなぁ
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ひとつの太陽(2019年製作の映画)

4.0

「瀑布」が面白かったので、同じ監督のこちらも併せて鑑賞しました。

悪友の影響などにより、少年院に入った弟と、できの良い兄だけを息子と認める父親の家族の話でした。

2作連続で見て、この監督は家族関係
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瀑布(2021年製作の映画)

4.0

精神を病んだ母親と、それを支える娘のお話という感じでした。

紹介文にはコロナがとか書いてありますが、あんまり本筋とは関係無い気が笑
どちらかというと、ヤングケアラーとかそっちが中心のテーマかなぁと。
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ホーム・チーム(2022年製作の映画)

1.5

実話をベースにしたアメフトの監督の話ということで、ちょっと楽しみでしたけど、ラストの辺りの展開がまったく意味不明でした。
実話ベースで最後にネタ路線に走るというまったく意味が分からない展開がなぜ出てき
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GO(2001年製作の映画)

4.5

在日朝鮮人の問題というちょっと重めなテーマながら、作品がスタイリッシュな感じの仕上がりになっているため、そこまで陰鬱な感じはなく、まったく古さを感じさせない新しい作品だなぁという印象でした。

在日の
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.0

遠藤周作の小説をスコセッシ監督が映画化した作品。

江戸時代の厳しい禁教政策の中、迫害されつつも祈りを続ける長崎の隠れキリシタンたちと、それを見て神の沈黙に煩悶する外国人宣教師の話。

個人的には、キ
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最後の誘惑(1988年製作の映画)

4.0

スコセッシ監督が描く、人間としての等身大のキリストを扱った作品でした。

超人的な逸話で飾られたキリストの伝説を一度すべて剥ぎ取り、怯えたり、恐怖したりする人間としてのキリストを描いたという部分が、賛
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最愛の子(2014年製作の映画)

3.5

中国で今も起きている児童誘拐の問題に迫った作品でした。

単純な映画なら、子供が戻ってめでたしで終わりますが、本作は子供を取り戻した側と取り戻された側のその後まで描いているところがこれまでにないところ
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