mitzさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.0

大怪獣祭。前作「キングオブモンスターズ」からいよいよ今作は他団体との交流戦。プロレス史で例えるなら「武藤敬司 対 高田延彦(1995) 」です。
前半は相変わらずの薄っぺらいヒューマンドラマとフリとし
>>続きを読む

キャラクター(2021年製作の映画)

2.0

たまたま殺人現場に遭遇した売れない漫画家が、それを題材にしてしまったことから始まるぬるいサスペンスムービー。
この映画のために書き卸された完全オリジナル脚本。リアリティ(現実)がフィクション(漫画)を
>>続きを読む

ジェントルメン(2019年製作の映画)

4.0

ガイ・リッチー監督最新作。個人的に(レビューは書いていませんが)「snatch」がベストムービーに入るほど好きで、今作も負けじと中味の薄い英国気取りのオシャレクライムムービーです。
本筋は大麻ビジネス
>>続きを読む

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

2.0

ジム・ジャームッシュが狙って作ったB級ゾンビ映画です。オカルト路線を保ちながら、ビル・マーレイとアダム・ドライバーのゆるい掛け合いと映画オタク的なユーモアを交えた緊張感のない作品です。イギー・ポップや>>続きを読む

スキャンダル(2019年製作の映画)

3.5

2016年アメリカ最大のブロードキャスティングネットワークのひとつである「FOXニュース」内で発覚したセクハラ告発を題材にした物語。
女性社会を勝ち抜くため、知的で狡猾な女性キャスターたちの駆け引き。
>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

2008年のリーマンショック後、生活に追われ車中泊での生活を自ら選んだ高齢者たちの物語です。
独特な生活様式の中でアメリカ各地を転々とし、各地で仕事を見つけてはまた別の地へ移動する正に「遊牧民」のよう
>>続きを読む

ホムンクルス(2021年製作の映画)

3.0

山本英夫原作コミックの映像化。脳を覚醒させるために頭蓋骨に穴を開けるトレパネーション手術をし、他人の深層心理を可視化する特殊能力を手に入れた男の物語です。
非常に特殊で難解な内容のため、実写化は困難だ
>>続きを読む

劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班(2021年製作の映画)

1.0

(本題とは反れますが)「劇場版」とはテレビ放映が試食になり、ある程度の集客を前持って見込むことができます。また逆に映画を観るためにテレビドラマを試聴する新規顧客も一定数獲得できる、云わば勝ち戦コンテン>>続きを読む

ミナリ(2020年製作の映画)

3.0

アメリカでの成功を夢見る韓国系の移民家族の物語。【A24制作 x PLAN Bプロデュース】のクレジットだけで充分な鑑賞理由になります。
広大な大地で農業にチャレンジする父親と、その奔放な計画に振り回
>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.9

庵野秀明の落とし前。
前作「Q」直後のストーリー。これまでの混沌を浄化するような牧歌的な物語の始まり。心象風景のような世界観。14歳で止まってしまった彼らと大人になった同級生たちとの再会。乖離してしま
>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

西川美和監督の最新作。元殺人犯 三上 が服役を終え、他人との関わりを模索しながら社会復帰するまでの物語。
とにかく全編通じて「役所広司ショー」です。暴力的で気性が荒く、恣意的で独善的な三上という人物像
>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.5

A24が発掘した奇才アリ・アスター監督の長編デビュー作。悪魔王ペイモンを崇拝するカルト教団により家庭が崩壊していく極めて狂った物語です。
タイトル通り悪魔を「継承」するために亡くなった祖母リーのオカル
>>続きを読む

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

2.0

直木賞と本屋大賞を受賞した恩田陸原作、国際ピアノコンクールに挑む4人のピアニストの物語です。
ストーリーの軸は「努力と才能」の類いのスポ根モノです。ただし原作未読者は対象ではないのか、人物描写に説明不
>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

3.5

「新聞記者」で知名度を上げた藤井道人監督の最新作。タイトル通り極道とその家族の物語ですが、この場合の「家族」とは血縁関係を問わないところが重要となります。
物語は「1999」「2005」「2019」の
>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.5

仕事まで休みにしたのに「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」公開延期。腹癒せに片っ端からヱヴァンゲリヲン(及びエヴァンゲリオン)再鑑賞。
TV版から内容が改編され、完全な新シリーズとなる「破」。仮設5
>>続きを読む

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.5

高校時代に出会った青年たちが大人になり、破天荒で刹那的な同級生 佐々木との思い出を振り返る青春時代のあとがきのような物語です。
タイトルに「佐々木」を置きながら、その周辺の人物たちを描く「桐島」のよう
>>続きを読む

罪の声(2020年製作の映画)

2.5

1980年代の「グリコ森永事件」を題材に元新聞記者である著者塩田武士氏の解釈を基に書かれたフィクション作品です。脅迫電話に子供の声が使われていた事実から、著者と同世代であろうその子供の後の人生が主に描>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

3.0

説明不要の社会現象映画。
愛息の指導の下、アニメ版を予習した上で鑑賞しました。「無限列車編」ですが、列車が片付いた後のラスト30分にしっかり沸点が設定されています。アディダス鬼との壮絶な死闘を通じて[
>>続きを読む

望み(2020年製作の映画)

2.5

何を書いてもネタバレになる作品なので端的に。変化球を待っていたら、ど真ん中に直球三球投げ込まれるような作品です。
決してひねりがないことが悪いのではなく、脚本自体には重厚感があり2つの「望み」に揺れ動
>>続きを読む

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

4.0

クエンティン・タランティーノ監督のデビュー作品。宝石店強盗のために集められたお互いの素性を知らない6人が、失敗を機に腹の探り合いを始める古典的な「呉越同舟」の物語です。
キャスティングは後の「タランテ
>>続きを読む

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

3.5

2019年、第三次世界大戦後の崩壊した新首都「ネオ東京」を舞台に、暴走族の若者2人(金田と鉄雄)を中心に繰り広げられる、後に「サイバーパンク」の定義となる作品。
30年前の作品であることが信じられない
>>続きを読む

地球が壊れる前に(2016年製作の映画)

3.0

レオナルド・ディカプリオ版の「不都合な真実」。
内容に大差はありませんが、「レヴェナント」の撮影現場を追ったことで地球温暖化の裏付けをするのは臨場感があり効果的です。また牛肉から鶏肉への食生活シフトな
>>続きを読む

アルマゲドン(1998年製作の映画)

3.5

地球に接近する小惑星を防ぐため、石油採掘のスペシャリストたちが宇宙へ向かい小惑星の破壊を試みる「人類滅亡系」の雛型となった名作。
マイケル・ベイ監督を始め、製作陣にはジェリー・ブラッカイマーやJ・J・
>>続きを読む

不都合な真実2:放置された地球(2017年製作の映画)

2.5

前作「不都合な真実」から10年、環境活動家へ完全変異したアル・ゴア元副大統領のドキュメンタリー作品です。
徹底的なデータ分析と品行方正なプレゼンテーションで現在の環境問題をわかりやすく提示し、観る側の
>>続きを読む

ミスミソウ(2017年製作の映画)

2.0

田舎の中学校でいじめられた末、親まで殺された主人公が復讐のため同級生を皆殺しにする話です。
学校内で起こる陰湿ないじめがリアルなのに対し、復讐の仕方がかなりアクロバティックで痛感です。また舞台となる雪
>>続きを読む

新聞記者(2019年製作の映画)

3.5

これはプロパガンダ映画ではありません。
新聞社に届いた匿名の秘密文書を調査する新聞記者と内閣情報調査室の官僚の物語。要するに「加計学園」や「元TBS記者レイプ疑惑」などタイムリーな時事問題を題材にした
>>続きを読む

宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.1

ドラマ「宮本から君へ」がサラリーマン編だったのに対して、こちらはただただ宮本浩(池松壮亮)と中野靖子(蒼井優)が結婚するまでの純愛物語。
とにかく背脂増し増しの特濃こってり系高カロリー作品です。喜怒哀
>>続きを読む

クライマーズ・ハイ(2008年製作の映画)

3.0

1985年の日航機墜落事故の際、新聞記者だった著者の実体験を基に描かれた骨太社会派作品です。
未曽有の大事故現場となった群馬県の地方紙「北関東新聞社」を舞台に、事故紙面の全権を託された主人公 悠木(堤
>>続きを読む

十二人の死にたい子どもたち(2019年製作の映画)

2.0

安楽死を求めてインターネットで知り合った12人の未成年たち。彼等が計画を遂行するために集まった廃病院で起こる様々な障害を乗り越えるため、ケンカしたり励まし合ったりする青臭い話です。
ひとりひとりキャラ
>>続きを読む

告白(2010年製作の映画)

4.8

娘を殺された中学校教師が加害者である生徒への復讐を軸に、登場人物ひとりひとりの「告白」により事件の真相に迫る物語です。
テーマは学級崩壊、家庭内の不和、いじめや暴力、そして少年犯罪(少年法)と多岐に渡
>>続きを読む

ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018年製作の映画)

3.0

2006年、ニューヨーク。29歳の若さでこの世を去った人気俳優のジョン・F・ドノヴァン。彼へ送った一通のファンレターから文通が始まった11才の少年ターナー。それから年月が経ち、同じく俳優となったターナ>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.8

アリ・アスター監督二作目となるA24配給・制作の長編作品です。スウェーデンの奥地で90年に一度開かれる夏至(ミッドサマー)の祝祭に訪れた5人の大学生たちの物語です。
カルトコミューンで遭遇する数々のぶ
>>続きを読む

影裏(2020年製作の映画)

2.5

岩手を舞台に2人の青年の日常を淡々と描く場面から物語は始まります。東日本大震災により、行方不明になった友人を追いかける中で見えてくるもうひとつの事実を元に、2人の関係性が顕在化する演出になっています。>>続きを読む

テッド・バンディ(2019年製作の映画)

4.5

70年代に実在した世界一有名な「シリアルキラー」テッド・バンディ。表向きは紳士的で明朗でありながら、極めて狡猾で矜持に満ちた振る舞いでメディアを操作し、一部の女性たちからカリスマ的な人気を誇り、二度の>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

失業中の貧しい4人家族が、偶然出会った富裕層一家に身元を偽り家庭教師・運転手から家政婦まで成り代わり、その名の通り「パラサイト(寄生)」する物語です。
脚本が起承転結でしっかり構成されていて、中盤まで
>>続きを読む

最初の晩餐(2019年製作の映画)

2.0

父親の通夜に振る舞われた手料理から、血のつながらない家族たちの歩みを振り返る作品です。
この手垢のつきまくった「家族とは何か?」というテーマを食生活から抽出する点では独自性があります。連れ子再婚をした
>>続きを読む