mitzさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ジョーカー(2019年製作の映画)

5.0

DCコミック代表作「バットマン」に登場する悪役ジョーカーが誕生するまでの物語。
コメディアンを目指しながら母親と2人で貧しい生活を送るアーサー。母の教えを守り、不自然でも笑顔を絶やさず、「人生は悲劇」
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

4.0

16年前に知的生命体を探す宇宙探査に出たまま消息を絶った父クリフォード(トミー・リー・ジョーンズ)を追い、地球から遥か彼方離れた海王星を目指す息子ロイ(ブラッド・ピット)の物語。
本作の中心にあるのは
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チワワちゃん(2018年製作の映画)

3.5

バラバラ遺体となって発見された「チワワちゃん」と残された仲間たち。刹那的に日々を謳歌する若者たちの関係性の希薄さを描いたポップカルチャーな群像劇です。
出演者たちの会話に台詞っぽさがなくリアリティに満
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.5

1969年ハリウッドで起きた「シャロン・テート殺人事件」をベースとし、実在する人物や出来事と2人の架空の主人公によるミクスチャーフィクションです。
「金のかかったB級作品」としてタランティーノ作品は認
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パターソン(2016年製作の映画)

4.5

パターソンという名前の田舎町に住むバス運転手パターソン。彼とその妻と犬の平凡で質素な日常を切り取ったような物語です。
妻を起こさないようにゆっくりと目を覚まし、腕時計を身に付け、Stanleyのランチ
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孤狼の血(2018年製作の映画)

2.5

昭和が終わる夏の広島。対立する2つの暴力団とそれを取り締まる警察の物語。「暴力」「金」「キャバレー」と定番コンテンツを網羅した純正ヤクザ映画です。
地方警察に鎮座するズブズブ癒着系巡査部長・大上(役所
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よこがお(2019年製作の映画)

3.8

筒井真理子エンターテイメント。
不幸な偶然から社会的信頼を失い堕ちていくひとりの女性の物語です。訪問看護師として社会に尽くした主人公市子が、ある出来事から世の中に拒絶されるまでのスケール感にリアリティ
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.0

ヴィム・ヴェンダース監督の代表作。テキサス州にあるパリという町を目指す男のロードムービーです。
四年余り失踪していたトラヴィスが見つかり引き取る弟家族。そこで息子ハンターと再会し、少しずつ解氷するまで
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.0

函館郊外が舞台の「地方のイケてる人たち」の物語です。3人の登場人物たちの平凡な日常がただただ続くだけで、取り立てて大きな出来事もなく、鼎談からそれぞれの心情の変化を読み解く行間を嗜むような作品です。>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

2.5

新海誠監督のメジャー二作目となる作品。雨が降り続ける東京を舞台に、天気を変えられる少女と出会った少年の物語です。
特筆すべきは前作に増して絵が美しいこと。雨という無形で不規則なモノのシズル感。そして(
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ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)

4.1

1850年代ゴールドラッシュに湧くアメリカ。金の採掘で一攫千金を夢見る4人の男の物語です。
前半は主に解説編になり、主要4人の登場人物のキャラクターから相関性が描かれていますが、時代背景込みで複雑なこ
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ビジランテ(2017年製作の映画)

2.5

父親の虐待から離散した3人の兄弟が、町の権力者だった父親の死を切欠に土地の利権を巡って争う閉鎖的で鬱屈とした地方都市の物語です。
成人となりそれぞれの社会的立場が異なった3人が、表と裏の社会の歪みを行
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

3.0

前作ハリウッド版からのストーリーをしっかり踏襲し、特務機関モナーク内での思想の分裂から、原理主義者たちによる暴挙まで薄いヒューマンドラマを展開した後はラストまでバッキバキ大怪獣フェスティバルです。
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

4.0

変態ラース・フォン・トリアー監督の描くシリアルキラー作品です。強迫性障害と潔癖症を持つ殺人鬼ジャックをマット・ディロンが怪演しています。
5つのエピソードから構成される別々の殺人録。それらと併行して、
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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

3.0

平凡な毎日を送る4人の大学生が、一攫千金を狙い大学図書館に保管されている高額なビンテージ本である「アメリカの鳥類」の強盗を企てる実話を題材にした物語。
登場人物が模倣したように作風そのものが「レザボア
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ある少年の告白(2018年製作の映画)

3.0

同性愛に目覚めた青年とそれを受け入れない牧師の父。「本来の姿」を取り戻すために送り込まれた同性愛者矯正プログラムでの出来事を発端に始まる物事です。
青年が自分自身のことに気付き、それを両親に告白するま
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バイス(2018年製作の映画)

3.5

第46代副大統領ディック・チェイニーの物語。「9.11」からイラク戦争まで経緯の裏側を描いています。自分の都合で法を変え、影の大統領として政権を掌握した究極の「スネ夫ムービー」です。
物語冒頭に現れる
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羊の木(2018年製作の映画)

2.0

国家プロジェクトとして仮釈放された殺人の前科を持つ6人の男女を受け入れることになった田舎町での群像劇です。
何も知らない住民たちに異物が紛れ込み、徐々に日常が狂っていくというエッジの効いた発想ですが、
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運び屋(2018年製作の映画)

3.5

家族から見放され、晩年にして人生を見失った90歳の老人がコカインの運び屋として成り上がる物語です。
長年における家族との確執、徐々に築かれる麻薬カルテルとの信頼関係、そしてその組織内の内紛と情報量が多
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.0

古典的な人種問題を取り扱った作品。無骨で粗暴な白人(トニー)と教養があり繊細な黒人ピアニスト(ドクター・シャーリー)のロードムービーです。
白人たちから迫害を受けて尚、黒人からも後ろ指を指される「品行
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ファースト・マン(2018年製作の映画)

3.0

1969年、人類史上初めて月面を歩くことに成功したニール・アームストロング氏の伝記作品。
ファンタジーに偏重せず、彼の人間性に軸足を置いたヒューマンドラマです。娘を亡くした喪失感から始まる苦悩とは裏腹
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空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)

1.5

トレーラーのタイヤ脱輪事故を発端に、大手自動車メーカーのリコール隠しとそれを暴くために奔走する中小企業との戦いを描いた池井戸潤原作のいわゆる企業エンターテイメント作品です。
「反撃開始!」というキャッ
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サイドウェイ(2004年製作の映画)

3.8

別れた妻への想いを引きずる英語教師マイルスと結婚式を一週間後に控えた売れない俳優ジャック。2人の男が青春を謳歌するため西海岸のワイナリーを巡る旅に出るロードムービーです。
愛するワインを楽しみながらゴ
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MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)

1.5

典型的な鮫ムービーです。
粗めのCGと結果的に同じストーリーをループするだけの構成。スタッフロールに散見する中華系の名前が裏付けるほど低品質な作品です。
気になることを列挙すればキリがありませんが、ひ
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サスペリア(2018年製作の映画)

3.0

ルカ・グァダニーノ監督による、1977年にイタリアで制作されたホラー映画のリメイク。ベルリンに拠点を構える世界的な舞踊団へ入団する夢を果たしたアメリカ人少女の物語です。

「音楽監修:トム・ヨーク」
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蜘蛛の巣を払う女(2018年製作の映画)

2.0

天才ハッカーのリスベットが犯罪組織と対峙する「ドラゴンタトゥーの女」の続編作品。
一言で表現すればハリウッド版の火サスです。「生き別れた姉妹」「秘密を握った少年」「崖での最終決戦」など(本国では斬新な
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来る(2018年製作の映画)

4.0

中島哲也監督による、悪霊に憑かれた家族と霊媒師による悪魔祓いを起点としながらも、巧妙な演出で「人間の業」を描いた作品。主となるモノは「ぼぎわん(原題)」ではなく、実は人間たちの群像劇です。
キャスティ
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

5.0

今をときめくA24制作・配給作品。愛する妻を残しこの世を去った男が幽霊となり、自分のいなくなった世界を見つめているだけの物語です。
一貫して「1を見せて100を知る」ようなワンシーン毎に美しい行間に溢
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(2018年製作の映画)

2.0

ある日河原で拳銃を拾った青年。「俺はいつでも人が殺せる」という優越感に高揚し、拳銃という名のタナトス(死神)に取り憑かれていく物語です。芥川賞受賞の中村文則原作だけあって、ストーリーは非常に痛快です。>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.5

ロックバンド"QUEEN"のフロントマン、フレディー・マーキュリーの生涯を描いた作品。
バンド結成からレコード会社との対立、そして商業的戦略から彼自身の性的嗜好の変化までしっかり描かれています。登場人
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まともな男(2015年製作の映画)

3.5

上司の娘を連れて家族とスキー旅行。会話のない妻と思春期ど真ん中の娘、そして気を遣う上司の娘。いろいろ板挟みになった「まともな男」がついた些細な嘘から始まる群像劇です。
意志決定が苦手で、その場しのぎの
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イコライザー(2014年製作の映画)

2.5

本職を引退し静かに暮らす元CIAエージェントの男が、強制労働を強いられる娼婦を救うために立ち上がるハリウッド版必殺仕事人です。
「イコライザー」とは「平準化」「平衡化」の意味であり、主人公演じるデンゼ
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サニー/32(2018年製作の映画)

1.0

小学生による同級生殺害事件。加害者である女児は「サニー」と呼ばれ、一部でカルト的な人気により神格化されます。その事件から14年後、「サニー」を巡って起きた拉致事件から・・・よくわからない展開になる作品>>続きを読む

華氏 119(2018年製作の映画)

3.0

2016年11月9日、共和党から第45代アメリカ合衆国大統領となったドナルド・トランプ。キャッチコピーにもある「トランプ王国は必ず崩壊する」とあるように、マイケル・ムーア監督作品らしい徹底したリサーチ>>続きを読む

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

2.5

地球に侵略した視覚能力を持たない聴覚の発達したクリーチャーと5人の家族の物語です。
「物音を立ててはいけない」縛りのストーリー展開は登場人物と一緒に映画館で息を呑む疑似体験が出来る意味でのアトラクショ
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若い女(2017年製作の映画)

3.0

31歳の主人公ポーラが失恋から人生をリカバリーするまでの物語です。ポーラの特に美しくも醜くもない容姿と情緒不安定で満たされない帰属欲に抗う、俗に言う「めんどくさい女」というキャラクターを存分に堪能でき>>続きを読む