habakariさんの映画レビュー・感想・評価

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アンブレイカブル(2000年製作の映画)

4.0

あまりにも沈鬱なメタ・ヒーロー映画。ブルース・ウィリスの「活躍」における、リアリスティックな手触り(それ故のアクションとしての鈍さ)が良い。180°反転、俯瞰、反射ショット、ズーム・イン/アウト、トラ>>続きを読む

ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

3.5

馬鹿みたいな夢物語だが、見せ物的なビジュアル表現といかにも犯罪映画らしい洗練された殺しのアクションが良い。『スキャナーズ』にしろ『ヒストリー・オブ・バイオレンス』にしろ、クローネンバーグは序盤で不快感>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

だいぶ前に観た。三宅の映画を咀嚼するのが苦手だ。
菓子の差し入れや見舞いの品の往還、自転車の緩やかな旋回、天体の自転・公転。雨中に娘を迎えにいく母→狐雨の下母を見送る娘の変奏。円環のモチーフと、確実に
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エンド・オブ・ホワイトハウス(2013年製作の映画)

3.5

まず冒頭の背景説明が見事。テレビを消すという動作、生返事、イヤリング/ネックレス/アイスクリームの”which one”で時間と場所をスムーズに繋ぐ。『プライベート・ライアン』あるいは絶好調時のトニー>>続きを読む

拾った女(1953年製作の映画)

3.5

序盤の視線劇からして最高。小型エレベーターでのサスペンスやリチャード・ウィドマークの隠れ家の変わった構造を活かしたアクションなど美点を挙げればキリがないが、ホテルでの殺人未遂とラストの肉弾戦における暴>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

2.0

退屈さを論っても仕方ないが、画面の艶のなさはどうなのだろう。黒褐色の液体と砂虫のテクスチャーくらいしか見どころがない。

ファイナル・プラン(2020年製作の映画)

3.5

由緒正しきご都合主義活劇だった。終始困り顔のジェフリー・ドノヴァンの無能ぶりが良い。

1941(1979年製作の映画)

4.5

ジルバ・コンテストあたりから爆上がり。純粋な破壊のピタゴラスイッチ

リプレイスメント・キラー(1998年製作の映画)

3.0

なにもかもが90年代。チョウ・ユンファが劇ピンにしか見えん。
冒頭からフルスロットルの銃撃戦を見せてくれるので満足。背景をセリフで雑に処理するのが清々しい。ミラ・ソルヴィノがユンファに同情的になる動機
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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.0

まぎれもない”体験”。はじめてIMAXの価値がわかった。
デイヴィッド・バーンの被写体としての強さを、ステージが立ち上がりホールの熱狂が高まる過程を、ジョナサン・デミは曲芸的な編集と撮影をもって増幅さ
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人情紙風船(1937年製作の映画)

4.5

どこか呑気な長屋話が突然の雨で様相を変える。足元に落ちた簪と手切れ金。片方の男はそれを踏み壊し、もう片方は目もくれない。やくざ者の悪戯心と浪人の絶望が悲劇の引き金を引く。中村鶴蔵の雨傘の白い円と雨に濡>>続きを読む

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

3.5

なんかヒッチコックの本歌取りみたいだったな。「間違えられた男」テーマ、男女の逃避行、男にとって都合のよいブロンド美女、トラックアップの多用(ヒッチほど技巧的ではないが)。舞台は英国だし。
ただ演出面で
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.5

『マッチ工場の少女』ほどではないがブレッソン味、そして小津味が強い。あと少しアメリカン・ニューシネマ。青い車を捉えた移動撮影とかは、その後のカウリスマキ作を踏まえると少し違和感がある。まだ独自のスタイ>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.5

期待値びったり。古典的なすれ違いラブストーリーであるが、簡潔かつ強固なショットで90分弱に収めれば十分面白くなる。男と女に(筋運び上必要のない)犬を加えて画面に豊穣さを付与する手さばきもさすが。
過去
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サイレンシング(2020年製作の映画)

3.5

あの暗さで活劇を撮れることが何よりも素晴らしい。ゴミみたいなツイストと早急すぎるストーリー進行を貶すより、90分台に収めた力技を推したい。こういうのでいいんだよ。

エクソシスト3(1990年製作の映画)

3.0

うーん…精神病棟の冷え切った描写とか天井を這う老婆とかは面白かった。ゴア表現に頼らない姿勢も潔いし、そこまで溜めていた不穏さをクライマックスで馬鹿みたいに爆発させるのも良い。看護師を剪定鋏で掻っ切る一>>続きを読む

ミュンヘン(2005年製作の映画)

4.5

妻子のもとに戻るまでの2時間ちょっとは非の打ちどころがない。鮮やかなカメラムーヴ、フェティッシュなズーム・反射への固執、即物的な破壊描写、スパイ映画ならではのツーリズム趣味。ロケーション・演出・撮影の>>続きを読む

アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.5

禁欲的な演出と艷やかなショットにやられた。
親子の断絶、反射物やドアへのこだわり、ヒロイズムを排した破滅・虚無への突入、すべてがグレイ・シグネチャー。トミー・リー・ジョーンズに宇宙服を着せるくだり、ブ
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ヨーヨー(1965年製作の映画)

3.5

画面の統制とアイディアの面ではジャック・タチ作のほうが一枚上手か。牽引車とトレーラー間でのタバコのやり取りやアクロバティックな接吻はキートン風味で楽しかったけれど。
無数の反復(ヨーヨーが年月を経て屋
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風と女と旅鴉(1958年製作の映画)

4.0

流石に60年代の加藤作と比べると完成度は劣るが、ローショットや長回し、極端なクローズアップ、力強いモブシーンといった様式美は確立されつつある。中村錦之助を看病する三國連太郎を中心にして襖の横に長谷川裕>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

4.0

首というより手と液体と呪いの映画だった。あと色彩設計が鬼。
可逆性への偏執。(一つを除いて)必ず手元にかえる遺失物。巻き戻る時間。落下する首とそれを拾い上げる手。逆さまの自画像。カメラのA軸/B軸/C
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.0

劇的なるものに背を向け、生活に根付いたアクションを切り出し、静かに不穏な雰囲気を醸していく。サスペンスになりそうでなりきらない、絶妙な座り心地の悪さも独特。例えばオリオン・リーがボートで逃走する件、リ>>続きを読む

ジュラシック・パーク III(2001年製作の映画)

3.5

逃走、逃走、恐ろしいほど短い愁嘆場、そして逃走。斬新さには欠けるがむちゃくちゃストイックな活劇。突然の軍隊大集結には流石に笑った。あの取ってつけたような幕引きは何なんだろう。

X エックス(2022年製作の映画)

3.5

70s-80sマナーに則ったファニーな一作。フーパー風のイントロとジャーロの過剰さ。スプリット・スクリーンやズーム・アップに滲むフェティッシュとロングショットの無機質さは食い合わせが悪い感があるし、や>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

4.5

弩級の傑作。非直線的な語り口は全く好みではないが、圧倒的な光と影の暴力の前ではひれ伏すほかない。盲人たちのパーティ→酒場でのダンス→集団でのめった刺し→体制崩壊を祝う群衆の行進の数珠つなぎなんて(そし>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.0

高速草履飛ばしが頂点。
新旧北野映画オールスター集結といった趣で愉快なのだが、柳憂怜はどこにいたのよ

ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)

3.0

怪獣映画の良し悪しはさっぱり分からんのだが、情報処理の簡潔さは好ましい。小型レギオンの描写はまんま『鳥』で『遊星からの物体X』だったりする。水野美紀のスカートの丈は何なんだろう。到底北海道の冬とは思え>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.5

初代ゴジラの逆輸入的再解釈。あるいは衒いなきスピルバーグの模倣。
ゴジラのオリジンについての言及はなく、ほとんど天変地異のようなものである。背景の無いゴジラに(時代背景や実在の人物への言及、第二次世界
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ビヨンド・ザ・ロウ(2017年製作の映画)

3.5

S・クレイグ・ザラー風味の『ヒート』。説明を極力省き突発的な暴力で押し切るイントロがアツい。宵の街を舐める空撮までの前半部分(まじで艶のないマイケル・マン)は素晴らしいか、無駄なツイストを挟んできたと>>続きを読む

フロム・ダスク・ティル・ドーン(1996年製作の映画)

2.5

私には無関係な映画だった。タランティーノの脚フェチが満たされていそうでなにより

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