マダムさんの映画レビュー・感想・評価

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ナポレオン(2023年製作の映画)

2.0

劇中のナポレオンは史実である将軍と皇帝を別にすると、戦士でも天才でも反逆者でも悪魔でも英雄でも暴君でもなかった。全体的に肩透かしを食らった感じである。うーん、ナポレオンを題材にしてこれは一体どういうこ>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

5.0

今作品は敷島の苦悩と再生を丁寧に描いている。登場したときから引鉄を引くことが出来ず、復員して隣のおばさんの八つ当たりを甘んじて受け止め、典子を愛しても決して結婚しようとしない。敷島は重度の心的外傷後ス>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.0

進化したバービーは様々な肩書を持った。議員、パイロット、看護師、医者、学者、ジャーナリスト。肩書だけは立派な頭でっかちバービーが増殖し続け、とうとうバービー自身が自己融解を起こした。

バービーはもう
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妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク(2022年製作の映画)

2.0

全体的な印象を述べる。丁寧だな、と思った。あまりにも丁寧過ぎて「こんな作品を丁寧に作りやがって」と訝しむほどの丁寧さである。丁寧を感じる筆頭はプロットをしっかりと作りこんでいることだ。村人同士の因果関>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

5.0

プラーナとかナントカ計画とか、そんな情報過多な内容なんて、ライダーキックで一掃だ!とにかくライダーがカッコ良い!
なんということだ。仮面ライダーとは、こんなにもカッコ良いものだったのか!

「シン・ゴ
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.0

バーホーベンは、ある意味「究極の選択」というか、好き嫌いが分かれる監督である。そして「好き」「嫌い」の理由は一致する。野性味である。洗練された都会的な野性味ではなく、生臭い匂いに満ちたダーティな野性味>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

5.0

今作品は36年前に大成功を収めたトップガンの続編である。トップガンの続編の制作になぜこんなに時間がかかったのか?通常こういった作品はすぐに続編が作られ、多くは失速し墜落していく。それを避けたいと考えた>>続きを読む

真夜中の弥次さん喜多さん(2005年製作の映画)

5.0

傑作だ、と思った。哲学的だ、とも思った。非常にしりあがり的だと。 本作品には原作がある。それがしりあがり寿の「真夜中の弥次さん喜多さん」である。
しりあがりの作品には哲学を感じさせる作品がある。それが
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彼は秘密の女ともだち(2014年製作の映画)

5.0

最高に良い映画だった。これほどにクオリティが高いフランス映画を、久々に見た気がする。内容はLGBTを意識したものではあるが、さほどシリアスでもなく重くもなく、適度な軽さを維持しながらも地に足が着いてい>>続きを読む

オール・チアリーダーズ・ダイ(2013年製作の映画)

1.0

つまらない映画は、必ずプロットが拙い。もちろん「オール・チアリーダーズ・ダイ」も例に漏れない。アイディアは秀逸なのに、それらが上手くジョイント出来ていない。なんてゆーか「行き当たりばったり」ってな感じ>>続きを読む

ホラー・シネマ・パラダイス(2010年製作の映画)

5.0

私は不健全なものが好きだが、不健全を楽しむためには、健全な精神が必要であると思っている。
「ホラー・シネマ・パラダイス」は、そこのところを巧く代弁した稀有な映画である。

双子姉妹が野次馬どもの前で、
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赤い暴行(1980年製作の映画)

2.0

デビル解散後、不二人さんが細々続けてたデビルスの追っかけやってたんで観た。

ロマンポルノなのでセックスシーンが無駄に長い。おっぱいは見えるけど下半身は規制があって見えない。といっても別にこれは不平不
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戦国自衛隊(1979年製作の映画)

2.0

「戦国」に「自衛隊」、この字面を見ただけでワクワクした。おまけに主役はサニー千葉(千葉真一)なのである。どれほど硬派で漢(おとこ)な映画なんだろう!と思わずにはいられない。期待に胸を膨らませて見た。>>続きを読む

白昼の襲撃(1970年製作の映画)

2.0

白昼の襲撃は確かに男臭いハードボイルドであったが、頭の弱さが随所にダダ漏れしている軟弱な作品でもあった。
頭の弱さの本質、それは「社会が悪い」思想である。

自分はこの「社会が悪い」思想が大っ嫌いだ。
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大巨獣ガッパ(1967年製作の映画)

1.0

生欠伸を噛み殺しながら我慢して最後まで見た。まさかここまで退屈だとは思わなかった。なぜだ?
我々はなぜ怪獣映画を見るのか?怪獣のどこにシンパシーを感じているのか?
怪獣を畏れながらも、それでも愛してい
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Endless Waltz エンドレス・ワルツ(1995年製作の映画)

2.0

70年代、彗星のごとく現れたフリー・ジャズのサックス奏者がいた。阿部薫という。天才と謳われていたが、睡眠薬の多量摂取でこの世を去る。29歳だった。もとポルノ女優で作家の鈴木いづみとの間に、一女をもうけ>>続きを読む

モンスター・トーナメント 世界最強怪物決定戦(2011年製作の映画)

3.0

世の中にはくだらないものが3つある。まずプロレスである。
「この世には2種類の人間しかいない。プロレス好きと、それ以外だ」とまで言われているが(誰が言ってんだ)、プロレス好き以外の人間にとっては、プロ
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アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

5.0

この猥雑でエネルギッシュな一大叙事詩は、170分という長尺を全く感じさせない。無駄な科白も尺も一切なし、まったく驚くべき映画であった。奇跡の映画と呼ばれるに相応しい。素晴らしい。

私たちはなぜ、裏切
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江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間(1969年製作の映画)

5.0

舞踏家、土方巽出演作品。動いている土方を観られるだけでも儲けもんである。
土方の存在感が、予定調和に安心していた観客を狂気の渦に引きずり込む。
襤褸のような着物をまとい、裸足で波打ち際を走る土方。白目
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禁断の惑星(1956年製作の映画)

5.0

B級映画を見ていたはずなのに、終わってみたら哲学的SFだったという珍しい一本。哲学的SFは多いが、ここまでエンターテインメントに徹した哲学SFは、他に知らない。

「イドの怪物」以外は、愛嬌のあるロビ
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

4.0

歴史上の人物たちと絡ませるマッシュアップ方式で物語は進む。これがまた破天荒なのだが、よくもまあこんだけ歴史上の人物を登場させて破綻しないな、と感心する出来であった。
劇中のラスプーチンは最大公約数的ラ
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マンイーター(2007年製作の映画)

1.0

期待に胸を膨らませて鑑賞。今作品は巨大ワニ映画だというのに非常にシリアスでプロットに破綻がない。王道で正統のパニック映画であった。じゃあいいじゃん、良かったじゃん、というとそうでもない。
なぜなら自分
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夏の嵐(1954年製作の映画)

2.0

いまいち。とはいえ舞台となる貴族の館やドレスなどにヴィスコンティの美学が光る。
いまいちの理由は伯爵夫人である。オツムが弱いのだ。オツムの弱い女が男に騙されても「仕方ねえだろ、だってお前オツム弱いじゃ
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リーサル・ソルジャーズ(2018年製作の映画)

1.0

核とかロシアとか元特殊部隊とかアフガンとかタリバンとかCIAとかそれっぽい組織団体の名を次々に繰り出してくるが全部身内で殺った殺られたの繰り返しで一般人に実害なし。延々と地味。

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(2012年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

絶望と凶暴な生存本能、人間の尊厳と弱さ、悔恨、再生、畏怖すべき自然、その中で生かされている自分。
何故パイは生き残ったのか?トラと一緒に漂流しながら、どうやって?
その答えは、日本人保険調査員に語った
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山猫(1963年製作の映画)

5.0

小説「山猫」を執筆したのはイタリア貴族の末裔、シチリア州パルマの公爵ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサである。
「山猫」のサリーナ公は、ランペドゥーサ公爵の曾祖父がモデルだという。ランペドゥー
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

スゲー作品だった。観終わった後は「映画を観た!!」という満足感があった。文句なしで素晴らしかった。役所広司が前作で殺されたのでどーなることやらという心配が若干あったものの、そんなものは杞憂であった。東>>続きを読む

パニック・マーケット3D(2012年製作の映画)

3.0

どーせつまんねえB級だろうと思って鑑賞したら、思いの外面白かった!これはサメと一緒に閉じ込められた空間が一種の密室サスペンスになり得たからであろう。スーパーマーケットというシチュエーションも良かった。>>続きを読む

ホワイトシャーク(2018年製作の映画)

1.0

バカ丸出しの自称インフルエンサーどもが禁止区域に不法侵入してサメに襲われる話。
というと一見サメ映画のようだが、冒険者気取りのチョロいインフルエンサーだけあってサメに襲われながらも前面に押し出す仲間意
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

5.0

乞食らしき小さな女の子がすずが落とした小さなおにぎりを拾って食べ、すずに身体を預けて眠ってしまう。すずは女の子の細い肩を撫でながらつぶやく。

「よう広島で生きとってくれんさったね」

標準語に訳すと
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ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

2.0

せっかくハリウッドで力を得たゴジラがチャンピオンまつり化している。まあ、それも東宝の正当な嫡子と言えば言えるが・・・

今作のチャンピオンまつり臭はゴジラを単なる「巨大生物」としてしか描かなかったから
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武闘拳 猛虎激殺!(1976年製作の映画)

2.0

武道アクションが百花繚乱玉石混交した時代の一本。玉石混交の作品が百花繚乱する中、主演の倉田はもちろん「玉」である。しかし悲しいかな、出来上がった作品は「石」なのであった。

https://amebl
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少林寺拳法(1975年製作の映画)

4.0

日本における少林寺拳法創始者、宗道臣(そうどうしん)の半生を描いた作品。娯楽作品用に脚色はあるそうだがヤクザとの抗争以外はほぼ事実に沿っていると思われる。

いきなり爆発で始まったので「?」と思ったら
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トリスタンとイゾルデ(2006年製作の映画)

2.0

アーサー王伝説にも組み込まれた中世に流行った悲劇を映画化した作品。悲劇の原因は「愛してはいけないひとを愛してしまったため」である。愛しあってはいけないふたりが恋に落ち、更に不倫(裏切り)という形になる>>続きを読む

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

1.0

鳥の鳴き声、風で揺れる木々のざわめき、流れる川の音がオッケーで、どーして足音や声がダメなのか分からない。こんな時期に妊娠する意味が分からない。裸足のくせに階段の釘を誰も修理しねーし娘は勝手に出歩くし親>>続きを読む

アクトレス 女たちの舞台(2014年製作の映画)

1.0

会話劇。えれーしゃべるなあと思っていたら、まさかの解答までセリフでそのまま出してきやがった。もう全部監督の言い訳。というか、観客に作品を見るときの心得みたいなものをぎゃあぎゃあ諭してて、まるでべからず>>続きを読む

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