mmmさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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親密さ(2012年製作の映画)

3.9

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ドライブ・マイ・カーに至るまで、濱口の作風が構築されていく様が本作でも伺える。

前半の方が面白い。
複雑な人間模様と劇準備のなかで形成されていった劇だが、後半の本番ではそれまでの断片が結集されている
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エッシャー通りの赤いポスト(2020年製作の映画)

3.7

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園子温は、よっぽど商業系映画で嫌な思いしてきたんだな。。
過去作のオマージュっぽさもあるが、それよりフラストレーションの解放を血飛沫以外で描いた作品ともみえる。

ラストのゲリラ感が緊張感でててよかっ
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何食わぬ顔(2003年製作の映画)

3.8

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少しオラついた濱口監督も見もの!
それでも、言葉遣いがすでに上品である。

THE DEPTHS(2010年製作の映画)

3.8

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オーラなのか、なんなのか。取り立ててイケメンではないが、カメラマン同様に、妙に視線を奪られてしまった。

うたうひと(2013年製作の映画)

3.7

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民話は人のつながりを生み出すもの。
語りの真摯さと解釈の幅広さ、継承など、その面白さを伝える作品。

ドライブ・マイ・カーにまで通じる[語り]による表現の片鱗がみえてくる。

ラストに桃太郎が語られる
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なみのこえ 新地町(2013年製作の映画)

3.7

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親子の喧嘩と東京にいた友人の話がいい。

東京から見た故郷の津波は現場にいた友人ともまた違う恐れを与えていたことをみせる。津波の現場にいない日本中の人々の気持ちを一部代弁しているかのように、故郷への思
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なみのこえ 気仙沼(2013年製作の映画)

3.9

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何かを続けてきたものの震災で物理的に失ってしまった人たちが震災後もいかに継続させて行くのかをあつく語っていた。

大阪から移住してきた親子の話ではインタビュー中に地震があったり、偶然による演出も含まれ
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誰かの花(2021年製作の映画)

4.0

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高齢化、事故死の遺族(被害者と加害者の関係)の問題など大きな社会問題をテーマにしながら、サスペンスかのように、展開が読みにくくエンタメ性も備えている。

ラストについては、賛否ありそうだが、個人的には
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.2

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アル・パチーノとガガの変貌っぷりがお見事!

白やパステルカラーを着ていた平凡な家庭の彼女と、実家と訣別して結婚した男。
靴の職人から出発したグッチ家は有名ブランドとして成功し、巨万の富を得た。
しか
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なみのおと(2011年製作の映画)

3.7

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2回目

会話の間に流れる、言葉で表現されない感情が多種多様で、一辺倒に語れない津波が表現されている。

永遠に君を愛す(2009年製作の映画)

3.6

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偶然と想像の片鱗がみえる。濱口監督の人間をとらえる距離感がやっぱり心地いい。

CHAIN/チェイン(2020年製作の映画)

3.3

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冒頭から新旧融合した京都の風景のインパクトに惹きつけられる。

このあと、どのように風景が登場するのだろうか、ワクワクするのだが、
全体的にキャラクターが薄く感じられ、
風景主体の作品でもないため、途
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夢の涯てまでも ディレクターズカット 4K レストア版(1994年製作の映画)

3.8

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5時間弱の長い作品だが、前編と後編でテーマが変化する。

前編には、東京や笠智衆も登場する。
やはりヴェンダースは小津が好きだな。

黒澤明もだが、夢について描きたくなるのは、何かあるのだろうか。
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MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

3.5

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異空間に放たれた感覚を味わえる。

若者によるテロ組織をテーマにしてることは分かるが、それぞれのコードネームがファンタジーを醸し出す。

環境音のようなBGMがリズムとなり、観客の鼓動も高まらせる。
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水面のあかり(2017年製作の映画)

3.1

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主人公の女性らしさと水のダイナミックな描写を美しくカメラがおさえていた。

登場人物は過去と生きている京都を体現しているようだった。『嵐電』もだが、京都は過去にとらわれている都市のイメージが強いのだろ
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リスペクト(2021年製作の映画)

3.5

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黒人の権利の映画と見せかけて、女性の権利の映画である。

幼い頃のレイプ
父親からの支配
夫からの暴力と束縛
アルコール依存症

最初のレコード会社との契約は、アレサ本人を差し置いて、先に握手する。
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

3.9

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ドキュメンタリーとフィクションの両方を大事に扱ってきたという春本監督。

本作では、主人公のゆうこが時々発する台詞が監督の声が隠れてるように感じられる。

天秤のタイトルにあるように、中立的な立場から
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しとやかな獣(1962年製作の映画)

4.0

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団地で展開される、金銭を軸とした男女の縺れや家族模様。

ほぼ団地の一室のみを使い、様々なフレームを用いて人間を追い込みながら、人々を覗きみるカメラは妙に色っぽい。

団地の階段を演出上、死刑台に昇る
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どこまでもいこう(1999年製作の映画)

3.9

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きっかけはクラス替えだった。

ずっと仲良しの友人とクラス替えでわかれてしまったアキラ。

今まで通りいたずらをする団地での生活が続くと思いきや、新たな人間関係をそれぞれ築いていくうちに、価値観の違い
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草の響き(2021年製作の映画)

3.7

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狂わないために走るんだよ。

ブラックな職場で自律神経失調症になった主人公。
泣きながら本音をさらけ出せたのは、親友の研二の前だった。怖くて仕方ない病院に付き添ってもらい、朝起きて走ることで回復できる
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色情旅行 香港慕情(1973年製作の映画)

2.9

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ただ海外ロケしたいだけのロマンポルノかと思いきや、男性的なアクションエロ映画だった。

妻が香港へ駆け落ちし、そのあとを追った主人公。
妻を探すうちに、妻そっくりの売春婦をみつけ、ドラッグとともに性欲
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かぞくへ(2016年製作の映画)

4.0

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雑多なめも

まじめだが不器用なそれぞれの愛情表現は、コミュニケーション不足により、関係を崩壊に導いていく。

家族を知らない男。
家族問題を抱える女。
家族を守りたい男。

親友に紹介した業者が詐欺
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団地妻 昼下りの情事(1971年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

エロサスペンス映画。
女体の絡みと色使いの美しさがみていてあきない。
尺もちょうどよい。

ラストは愛の逃避行となり、車中でイチャイチャしてるうちに崖に落ちてしまい、火で燃え盛る車。比喩的に、燃え尽き
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ナイルの娘(1987年製作の映画)

3.6

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漫画の主人公のように、自分だけ違う世界生きているような孤独な感覚を淡々と描いていく。

周りの人びとに災難がふりかかるなか、主人公は学校とアルバイト、たまに友人と遊びにいくだけ。

家の中も狭く、ほぼ
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うみべの女の子(2021年製作の映画)

3.3

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石川瑠華目的で観賞。
二十歳前後の役者がみな中学生役もこなせるのはお見事!

原作を読んでないが、浅野いにおの世界観はよく出ているように思った。

猿楽町~での石川瑠華にはまったので、本作はまあまあと
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HHH:侯孝賢 デジタルリマスター版(1997年製作の映画)

3.7

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台湾が抑圧してきた思いを映画に込めてきたとあつく語るホウシャオシェン。
彼は台湾ニューシネマを牽引した人物のひとりである。

個人的思い以上に、ホウは客観的な視点でみせることを重視していると話す。
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川の底からこんにちは(2009年製作の映画)

3.5

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石井裕也は、この作品でも怒っている。

しかしその怒りはダメなままの現状を受け入れるための前向きなもの。

現代社会をただ批判して終わるのでもなく、それを受け入れるために、怒っている。

ダメな子持ち
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

エンタメ要素もありつつ、サスペンス・ラブストーリー映画といったところだろうか。

キャリー・マリガンの心が荒んだ感じの演技が見事!

親友のため、人生をなげうって、男に復讐するキャシー。
過去に執着し
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キネマの神様(2021年製作の映画)

3.3

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山田洋次なりの大船撮影所への愛を描いた作品である。

清水宏、小津安二郎、原節子。

娯楽映画だが、出演予定だった志村けんへの想いも含まれている。
本作の看板娘は佐田啓二が結婚した、撮影所近くの食堂の
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