mnbさんの映画レビュー・感想・評価

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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

【極めて現代寄りのお伽話】
荘厳で静謐な大地の風景を、俯瞰の印象を強く残す独特な引きのカメラワークで綴ってゆく。
シナリオは田舎への歩み寄りなどといったバイアスの枠からは大きくはみ出し、終始しかめっ面
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キラー・ナマケモノ(2023年製作の映画)

2.0

【B級大騒ぎコメディ】
ティーンガールズの承認欲求レースに警鐘と皮肉を込めたように見せかけて悪ノリと思いつきで爆走するザ・そのまんまムーヴィ。
やりすぎ一歩手前まで踏み込んでナマケモノをいじりまくるス
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マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

3.5

【ズレ感がハマる怪作】
偏愛との向き合い方を超イビツに描き倒し、人間関係の「気持ち悪さ」を丁寧にハメこんだ作品。

1カット1カットが長めに撮られており、物静かに会話劇が進む中、根底に流れ続ける不穏さ
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ザ・タワー(2022年製作の映画)

3.0

【小粒だが骨の太い限界ディストピア】
閉鎖されしマンションで繰り広げられる自治と対立からの崩壊。
テーマは小説「ハイ・ライズ」や近作の映画「コンクリート・ユートピア」などに近しいクローズドサークルもの
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No.10(2021年製作の映画)

3.0

【摩訶不思議】
群像心理劇がそこに着地しちゃうのか〜となる、ミニシアター系映画の醍醐味のごとき展開が待ち構える怪作。
この作品を選んで劇場まで行くような人はもうこのくらいの演出で驚きはしないかもですが
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氷室蓮司(2024年製作の映画)

2.0

【古きよき海外ロケのありかた】
日本統一のIPを看板に台湾で撮影されしVシネ長編。

シリーズお得意の大雑把な展開はそのまま、会話の8割がバイリンガルキャストによるツアーガイドさながらのカタコト日本語
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.0

【ミアゴスお嬢様のクレイジー大暴れ劇場】
とにかくいじめっ子ミアゴスの存在感で3杯めしを食うような内容の作品。キャラクターの勃ち方が異常。

本作そのものは倫理観ギリな投げかけを行うも、ラッシュでドラ
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

【あまりに哀しく救われない超ビタースウィートなラブストーリー】
いやすげ〜わかるんだけど直視するにキツすぎる本作の骨子は「ロマンティックとの訣別」。

オトナになること、選択した結果に責任を持つこと、
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

【おれの家のはなし】
マッチョイズムを押し出したスポ根人情噺かと思いきやそんなわけがなく、途中からやっぱりA24らしさフルスロットルとなる奇作。

劇場の大画面で観るプロレスシーンが最高にカッコイイな
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

【ノーランによる長大な伝記大河】
-35mmフィルム版で鑑賞-
一人の科学者の人生をアメリカ批判も交えてややヒロイックに綴る文学作品。
ハイライトされる原爆テストの圧倒的な緊張感は近年の映画作品でも類
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

2.0

【KODAK16mmの画ぢから】
これぞフィルムな質感に加え、ヘアメイク衣装小物もズバッと時代に符号しているので往年のリバイバル上映かと見紛う現代作品。シガニーが画面にハマりすぎてて凄い。

画と選曲
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ビニールハウス(2022年製作の映画)

2.0

【それぞれの限界へ】
社会問題にズバッと切り込む現代ドラマ。
主題は人それぞれ抱える「認知の歪み」と見た。
些細なきっかけで全てが瓦解してゆく表現はそら恐ろしく、ラストに迎える壮絶な空虚感もお見事。
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

-

【キレキレの人狼神プレイログ的傑作】
とにかくディベートの構成が緻密かつダイナミックで展開に目が離せない。登場人物の思惑が揺れに揺れ、気づけば客席も大いに翻弄している。
これぞ匠の映画技、喝采!

12日の殺人(2022年製作の映画)

3.0

【リテラチャーな群像ドラマ】
フランスの地方都市、自然味溢れる舞台で人間同士の思惑が交錯しまくる作品。

ポリコレや哲学的な犯罪観、人の業などを取り入れ重厚なテーマによりて文学的なものを観賞したという
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

【スクリーンプレイの醍醐味溢れるSF大作】
でかい画面とでかい音、特大スケールの舞台美術にド派手な演出とどこを切り取ってもしっかり映画体験に引きこませる娯楽大作。
絶妙にケレン味溢れる大胆な色使いも印
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青春の反抗(2023年製作の映画)

3.0

【体制よりのブルーピリオド】
モラトリアム炸裂せしテーマを下敷きに、岩井俊二フレーヴァをビシビシ感じさせるイナための演出をブッコミまくった好きな人にはささる一本。

4:3画面&ポケベルをはじめとする
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

2.0

【犬犬犬の犬祭り】
ホアキンジョーカーのテイストに101匹わんちゃんをコッテリ絡めた怪作。
ホームアローンを想起させながら、犬々がその辺のクリーチャーよりも高い殺傷力で対象を撃墜してゆくのが恐ろしい。
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ラ★バンバ(1987年製作の映画)

-

【アメリカン・サクセスと青春の陰】
明るめのアウトローロカビリーでショウビズを軽やかに駆け抜け、他方兄弟の確執や時勢が孕むポリティカルな問題をシニカルにも描いて印象的なラストシーンへと向かう。

グッ
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.0

【ダイナミックに全方位因習ホラー】
ドキュメンタリータッチにPOVを差し込み、古今東西あらゆるホラー要素もブチ込んでなお冒頭からラストの瞬間までテンションをキープし続けし傑作!
ところどころ演出過多な
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水平線(2023年製作の映画)

2.0

【新たな目線で描かれし福島、ポスト3.11】
テーマの持ち様はとても興味深いものであった。
他方、微細にわたる演出やキャラ作りホンの軸に至るまで擁護の余地なきブレブレで話に入り込めず、かつなぜか全編に
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.0

【ザ・アクション・コメディ】
キングスマンの手法で観客を沸かせんとマアマアの悪ノリで制作されし一本。
全編通して細かいことはいいってバイブスで突き進む。
ジョンウィックなドンパチ好きならバッチリはまる
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.0

【コワザ光る人生讃歌】
直球で仕掛けてくる内容かと思いきや、しっかり捻って爽やかな余韻を深く残す快作。
ライフスタイルを凝縮しつつ明確なテーマをきちんと投げかけ回収する手腕がお見事!

悪魔がはらわたでいけにえで私(2023年製作の映画)

1.0

【タイトルでオチ】
ホラー愛はわかるがB級低予算だしシュールさとアジ的にこれでいいだろうというスタンスが透けて見える気がしてぜんぜんだめ。もう少し真面目に取り組んで…
制作スタッフか演者の知り合いなら
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

2.0

【アカデミックすぎる法廷シミュレーション】
大げさな脚色は殆どなく、裁判の掛け合いをフル尺かと思わせるほど徹底的に味気なく描いた妙作。

ほぼピアノ鳴るばかりの劇伴にフランス語中心の会話劇、複雑に入り
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テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

-

【おんなやじきた道中記】
キャラが永劫に愛されし傑作。

軽快さの中にも状況とうまく向き合えないもどかしさが不穏に絡み、ラストのカタルシスが鮮烈に残る。

箱入り娘さんだったテルマがトラブル経て次々と
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.0

【観客関与度ツヨメの個性派作品】
お得意の宗教観をベースに、社会問題現代病理に死生観と哲学にひっつきそうなテーマを全部盛り。
かつ私の作品にこういうの期待してるんでしょう?という演出はしっかり押さえて
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フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

3.0

【価値観、通念という名の毒】
パラダイムが音を立てて崩れてゆくそら恐ろしさ。
迫真の演技に超惹き込まれた。

Firebird ファイアバード(2021年製作の映画)

2.0

【ロシアン・オッサンズ・ラヴ】
戦時下に燃え上がる衆道を描く実話ベースの恋愛映画。

人目を憚らずチュッチュしてバッタリ目撃ピンチなど同性愛法律禁制の世とは思えぬ抜けっぷりが大いに微笑ましい。

同テ
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.0

【オールド・シネマ・パラダイス】
着座会話シーンがめちゃ多いロードムーヴィ。
アカデミックかつ文芸的内容で余白も多いが、ゆえの寂寥感が胸をうつ。
小説を読んだような感覚であった。

ポスタービジュアル
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黄龍の村(2021年製作の映画)

3.0

【個性際立つ村ホラー】
鑑賞者同士で話が盛り上がるのは間違いない笑

罪と悪(2024年製作の映画)

2.0

【北陸アウトロー】
福井の地で繰り広げられし舞台設定が一風変わったアウトロー任侠劇。
全体的に演出が超ウスメ、シナリオやキャラと演技に至るまでヨワヨワで残念。
ロードサイドな退廃感が醸せそうな片鱗を感
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唐獅子仮面/LION-GIRL(2022年製作の映画)

3.0

【B級でジャンク、味コイメ】
ものづくりへの工夫とエンタメカルチャーへの愛に溢れた情熱的奇作。
観る側もこの作品で楽しんでやろうという意気込みが必要。そういう意味で観客一体型映画である。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

【カルト映画】
カリガリ博士からのATGな雰囲気抜群の怪作。
生へのアティチュードを最大限に露悪的にメッセージングする手法がかなり潔い。
それでいてポリコレやらダイバーシティにレイシズムも全方位しっか
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ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ(2023年製作の映画)

2.0

【ファミリー向けファンタジック活劇】
暴力表現はとことん控えめ、ミーガンにも見られたクリーチャーの造作の魅力に徹底的にこだわった作品。
ホラーとしては特に見どころなく、家族でイベント的に楽しむシチュエ
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.0

【全年齢向け娯楽大作映画】
しっかりしたバジェットとスタッフによって製作されし大規模エンタメ作品。ファンタジー(D&D)として押さえておくマニアックな要素とトンマナを遵守しながらも、ファミリーの視聴に
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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

2.0

【ザ小規模な邦ホラー】 
こういう雰囲気のものをやってゆきたいと仕込んだネタの数々を、役者の怪演だけで全部説明せんと繋ぎ合わせをするので妙に舞台演劇的で距離感があり、結果テンポも悪い。圧倒的に演出不足
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